『過ごした時間と、これから』(仮)

危機一発(^^)ゞ

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第7章 富士の裾野の年越し

『富士の裾野の年越し』

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やがて、この旅は、私たち家族だけのものではなくなった。

妹夫婦の家族、そして両親。
年末から年始にかけて、みんなでキャンプに行くようになった。

行き先は、富士の裾野 温泉のあるキャンプ場
富士の裾野での年末キャンプは、いつの間にか、家族の恒例行事になっていった。

誰から言い出すでもなく「今年も、あそこだな」と話がまとまる
トレーラーや車に荷物を積み、少し多めの食材を用意して、私たちはまた富士山の見える場所へ向かった。

キャンプ場に着くと、冷たい空気の中に、木の匂いと温泉の湯気が見える。
澄んだ冬空の下、雄大な富士山は、何も言わずにそこに立っていた。

妹夫婦の家族も、両親も、それぞれの車で集まってくる。
テントやトレーラーが並び、小さな村のようになる。
そこでは、誰の家でもなくみんなの場所ができていた。

餅つき大会の日は、子どもたちが一番早く起きた。
蒸しあがったもち米の匂いがする、まだ眠そうな顔のまま、臼のまわりに集まる。
子どもたちも、杵をもたせてもらって餅をつく、両親が嬉しそうに見守る。

元日の朝には、お年玉探しが始まる。
小さな袋を、テントの陰や、木の枝に隠す。
宝探しのように、雪混じりの地面を探る。
お年玉を探す体験は、今でも正月の話題に上がる

夜になると、温泉で冷えた体を温め、また焚き火のそばに戻る。
火の周りには、三世代の家族が集まり、とりとめのない話をする。
誰かが笑い、誰かが喋り、ゲームをしながら同じ火を見つめる。

何年も続いた、富士の裾野の年越し。
今では、もうあの形では集まれないけれど、あの場所に置いてきた時間は、今も心のどこかでしっかり残っている。
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