それぞれの日記をつけ始めた少女たち

神流

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紅い彼女は趣味に走る 2

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「ねぇ見たっ?リリ先生の最新作」
「見た見たっ」

レレリュー国のとある町のとあるカフェ。
そこでは話に興じる市民であふれていた。
そこに座る二人の少女の話題はとある新作の小説であった。

「ほんっっっっとに最高―っ」
「あのじれったい距離感がまたたまらないんだよね」
「そうそう」

よくありがちな恋愛小説。

「でも、受け手であるザックのやきもちは可愛かった」
「攻め手のルソーの気が気じゃない様子は思わず天を仰いだよ」

恋愛小説()の話題で盛り上がる少女たちから少し離れた席に座る女性は、それを聞き流しながら新聞片手に紅茶を啜っていた。

「(あら、あそこの婚約うまくいかなかったのね)」

元自国の王太子とヒロインが破局、幼馴染と婚約という記事を読みながら思うのは、次回の小説の構想。

「…そうね。私の押しカプを書きましょう」

BLの。

 小説家小説家リリ・ブロークこと元伯爵令嬢ローズ・レスター。
そして転生前は元日本人の廃オタクにして壁サーの腐女子。
大好きなものは乙ゲーの男子で作るBLカプ。
はれて故郷から出たことにより書き溜めていたBL小説を世に出版することが出きた。
因みに色日記最推しのカプは第五作『藍色日記~ユニコーン商会編』に出てくる主人公のクラスメイトと主人公の幼馴染(両方ルートあり)のケンカップル。
それはこの隣の国でのこと。

「(本人たちがいるかわからないけどね、念のため名前は変えてあげてるけど)」

 因みにこのレレリュー国、すべてのシリーズに名前は出れど、どの作品の舞台(番外編で拠点としては出ている)にもなっていないのでローズは安心して彼らを題材に小説が書けるためだけに、逃亡先として決めていた。
こうして小説家として働くローズは趣味と実益を兼ね備えながら余生を過ごしていった。
途中、ネタ探しの旅行でうっかりドラコニア城に寄ったときにストーリー補正に巻き込まれかけたのはいい思い出であったりする。



そして自分のもとに集まった他主人公から、”ボス”呼ばわりされたのは遺憾の意である。
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