7 / 10
叱責
しおりを挟む
医師を別室に通すと人払いをした。
「ご自分が何をしたか分かっていますか」
「……」
「令嬢が婚約者でも、処女では無かったとしても、嫌がる女性を犯すのは犯罪です」
「…はい」
「解さずに挿入すれば、たとえ前夜に性交渉をしていたとしても傷を負う場合もあります。
ただでさえ大抵の処女はものすごく痛いんですよ。それを解さないなんてあり得ません!」
「すみません」
「膣口の裂傷が二箇所、膣壁も少し傷ができています。塗り薬を塗りました。こちらを毎日塗ってください。
痛み止めと睡眠薬です。一週間分処方します。
私にできるのはここまでです。
心の傷までは私には手に負えません」
「感謝します」
医師を見送り部屋に戻った。
レアの側に行き寝顔を見つめた。
髪を撫で 頬を撫で 手を握った。
「レア…俺が悪かった。ごめんな」
二時間後、帰宅した父上と母上に全部説明をした。
「はぁ~っ」
「何でもっと早く相談しなかったの」
「何を言っても王命は変わりません。それに嫌われていましたから」
「そりゃ、あんなことを言ったら嫌われるだろう」
「え?」
「そうよ!こんな女の敵に育っちゃって!」
「あんなことってなんですか」
「初顔合わせの時にレア嬢に言っただろう。
“可愛くなんかない!”って」
「は?」
「嗜める私達を押しのけて、
“もっと違う髪の色が良かった”って酷いことを言ったのよ?」
「まさか」
「レア嬢は傷付いていたのよ。悲しそうな顔をしていたわ」
「私達は平謝りだったよ。
子供だからと許してもらえたんだ。
今回はどうなるか分からないな。
レア嬢が望めば王命は覆り、お前には処罰がくだされるかもしれない。
先ずは公爵家に連絡を入れないと」
「でも、念のためにレア嬢に聞いてからにしないと。
こんなこと、知られたくないと思うかもしれないわ」
「公爵家にはこちらに泊めると連絡を入れよう」
部屋に戻るとメイドが付き添っていた。
二人にして欲しいと言っても、“奥様のご命令です”とレアから目を離さない。
“可愛くなんかない!”
“もっと違う髪の色が良かった”
俺が言ったのか!?
全く覚えていない。
つまりレアは俺がそんなことを言ったから交流を持たずに距離を置いたということか。
だから殿下に絆された?
…いや、殿下の片思いの可能性も出てきた。
「俺は馬鹿だ…」
明け方になり、レアが目を覚ました。
「……」
「ここは侯爵邸だ。レア」
「……」
「湯浴みの用意をしてくれ。食事も」
「要りません。帰ります」
「薬を塗らなくてはいけないし、飲み薬もある。
患部を清潔にして、胃が荒れないように何か胃に入れないとならない。
それに母から話がある」
「……」
メイドが準備と母上を呼びに部屋から出ると、レアに平伏して謝った。
「俺が悪い!申し訳ない!」
「……」
「初対面のときに自分が言ったことの記憶が無い。
だからレアが交流を持たずに距離を取るのは、俺が嫌いで侯爵家では不満なのかと思っていた」
「……」
「それにずっとレアはヴィクトル王子殿下の恋人だと思っていた」
「……」
「昨日、城に泊まったという話を聞いて、殿下と寝てると思った。
俺の妻に手を出す殿下にも、王命とはいえ俺の妻になるのに殿下と交際して愛人になろうとしているレアにも腹が立って、」
「なにそれ」
「俺には贈ってくれないレアの刺繍したハンカチとか、レアの色の羽ペンとか、」
「なにそれ」
「学園でも一緒にいて、殿下の卒業パーティにも殿下の色のドレスを着て、昨日は殿下の瞳の色の宝石を贈られて、それはもう恋人だろう」
「……」
「レアは俺の妻だ」
「ご自分が何をしたか分かっていますか」
「……」
「令嬢が婚約者でも、処女では無かったとしても、嫌がる女性を犯すのは犯罪です」
「…はい」
「解さずに挿入すれば、たとえ前夜に性交渉をしていたとしても傷を負う場合もあります。
ただでさえ大抵の処女はものすごく痛いんですよ。それを解さないなんてあり得ません!」
「すみません」
「膣口の裂傷が二箇所、膣壁も少し傷ができています。塗り薬を塗りました。こちらを毎日塗ってください。
痛み止めと睡眠薬です。一週間分処方します。
私にできるのはここまでです。
心の傷までは私には手に負えません」
「感謝します」
医師を見送り部屋に戻った。
レアの側に行き寝顔を見つめた。
髪を撫で 頬を撫で 手を握った。
「レア…俺が悪かった。ごめんな」
二時間後、帰宅した父上と母上に全部説明をした。
「はぁ~っ」
「何でもっと早く相談しなかったの」
「何を言っても王命は変わりません。それに嫌われていましたから」
「そりゃ、あんなことを言ったら嫌われるだろう」
「え?」
「そうよ!こんな女の敵に育っちゃって!」
「あんなことってなんですか」
「初顔合わせの時にレア嬢に言っただろう。
“可愛くなんかない!”って」
「は?」
「嗜める私達を押しのけて、
“もっと違う髪の色が良かった”って酷いことを言ったのよ?」
「まさか」
「レア嬢は傷付いていたのよ。悲しそうな顔をしていたわ」
「私達は平謝りだったよ。
子供だからと許してもらえたんだ。
今回はどうなるか分からないな。
レア嬢が望めば王命は覆り、お前には処罰がくだされるかもしれない。
先ずは公爵家に連絡を入れないと」
「でも、念のためにレア嬢に聞いてからにしないと。
こんなこと、知られたくないと思うかもしれないわ」
「公爵家にはこちらに泊めると連絡を入れよう」
部屋に戻るとメイドが付き添っていた。
二人にして欲しいと言っても、“奥様のご命令です”とレアから目を離さない。
“可愛くなんかない!”
“もっと違う髪の色が良かった”
俺が言ったのか!?
全く覚えていない。
つまりレアは俺がそんなことを言ったから交流を持たずに距離を置いたということか。
だから殿下に絆された?
…いや、殿下の片思いの可能性も出てきた。
「俺は馬鹿だ…」
明け方になり、レアが目を覚ました。
「……」
「ここは侯爵邸だ。レア」
「……」
「湯浴みの用意をしてくれ。食事も」
「要りません。帰ります」
「薬を塗らなくてはいけないし、飲み薬もある。
患部を清潔にして、胃が荒れないように何か胃に入れないとならない。
それに母から話がある」
「……」
メイドが準備と母上を呼びに部屋から出ると、レアに平伏して謝った。
「俺が悪い!申し訳ない!」
「……」
「初対面のときに自分が言ったことの記憶が無い。
だからレアが交流を持たずに距離を取るのは、俺が嫌いで侯爵家では不満なのかと思っていた」
「……」
「それにずっとレアはヴィクトル王子殿下の恋人だと思っていた」
「……」
「昨日、城に泊まったという話を聞いて、殿下と寝てると思った。
俺の妻に手を出す殿下にも、王命とはいえ俺の妻になるのに殿下と交際して愛人になろうとしているレアにも腹が立って、」
「なにそれ」
「俺には贈ってくれないレアの刺繍したハンカチとか、レアの色の羽ペンとか、」
「なにそれ」
「学園でも一緒にいて、殿下の卒業パーティにも殿下の色のドレスを着て、昨日は殿下の瞳の色の宝石を贈られて、それはもう恋人だろう」
「……」
「レアは俺の妻だ」
369
あなたにおすすめの小説
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
大好きなあなたが「嫌い」と言うから「私もです」と微笑みました。
桗梛葉 (たなは)
恋愛
私はずっと、貴方のことが好きなのです。
でも貴方は私を嫌っています。
だから、私は命を懸けて今日も嘘を吐くのです。
貴方が心置きなく私を嫌っていられるように。
貴方を「嫌い」なのだと告げるのです。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
余命わずかな私は、好きな人に愛を伝えて素っ気なくあしらわれる日々を楽しんでいる
ラム猫
恋愛
王城の図書室で働くルーナは、見た目には全く分からない特殊な病により、余命わずかであった。悲観はせず、彼女はかねてより憧れていた冷徹な第一騎士団長アシェンに毎日愛を告白し、彼の困惑した反応を見ることを最後の人生の楽しみとする。アシェンは一貫してそっけない態度を取り続けるが、ルーナのひたむきな告白は、彼の無関心だった心に少しずつ波紋を広げていった。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも同じ作品を投稿しています
※全十七話で完結の予定でしたが、勝手ながら二話ほど追加させていただきます。公開は同時に行うので、完結予定日は変わりません。本編は十五話まで、その後は番外編になります。
【完結】愛していないと王子が言った
miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。
「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」
ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。
※合わない場合はそっ閉じお願いします。
※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる