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叱責
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医師を別室に通すと人払いをした。
「ご自分が何をしたか分かっていますか」
「……」
「令嬢が婚約者でも、処女では無かったとしても、嫌がる女性を犯すのは犯罪です」
「…はい」
「解さずに挿入すれば、たとえ前夜に性交渉をしていたとしても傷を負う場合もあります。
ただでさえ大抵の処女はものすごく痛いんですよ。それを解さないなんてあり得ません!」
「すみません」
「膣口の裂傷が二箇所、膣壁も少し傷ができています。塗り薬を塗りました。こちらを毎日塗ってください。
痛み止めと睡眠薬です。一週間分処方します。
私にできるのはここまでです。
心の傷までは私には手に負えません」
「感謝します」
医師を見送り部屋に戻った。
レアの側に行き寝顔を見つめた。
髪を撫で 頬を撫で 手を握った。
「レア…俺が悪かった。ごめんな」
二時間後、帰宅した父上と母上に全部説明をした。
「はぁ~っ」
「何でもっと早く相談しなかったの」
「何を言っても王命は変わりません。それに嫌われていましたから」
「そりゃ、あんなことを言ったら嫌われるだろう」
「え?」
「そうよ!こんな女の敵に育っちゃって!」
「あんなことってなんですか」
「初顔合わせの時にレア嬢に言っただろう。
“可愛くなんかない!”って」
「は?」
「嗜める私達を押しのけて、
“もっと違う髪の色が良かった”って酷いことを言ったのよ?」
「まさか」
「レア嬢は傷付いていたのよ。悲しそうな顔をしていたわ」
「私達は平謝りだったよ。
子供だからと許してもらえたんだ。
今回はどうなるか分からないな。
レア嬢が望めば王命は覆り、お前には処罰がくだされるかもしれない。
先ずは公爵家に連絡を入れないと」
「でも、念のためにレア嬢に聞いてからにしないと。
こんなこと、知られたくないと思うかもしれないわ」
「公爵家にはこちらに泊めると連絡を入れよう」
部屋に戻るとメイドが付き添っていた。
二人にして欲しいと言っても、“奥様のご命令です”とレアから目を離さない。
“可愛くなんかない!”
“もっと違う髪の色が良かった”
俺が言ったのか!?
全く覚えていない。
つまりレアは俺がそんなことを言ったから交流を持たずに距離を置いたということか。
だから殿下に絆された?
…いや、殿下の片思いの可能性も出てきた。
「俺は馬鹿だ…」
明け方になり、レアが目を覚ました。
「……」
「ここは侯爵邸だ。レア」
「……」
「湯浴みの用意をしてくれ。食事も」
「要りません。帰ります」
「薬を塗らなくてはいけないし、飲み薬もある。
患部を清潔にして、胃が荒れないように何か胃に入れないとならない。
それに母から話がある」
「……」
メイドが準備と母上を呼びに部屋から出ると、レアに平伏して謝った。
「俺が悪い!申し訳ない!」
「……」
「初対面のときに自分が言ったことの記憶が無い。
だからレアが交流を持たずに距離を取るのは、俺が嫌いで侯爵家では不満なのかと思っていた」
「……」
「それにずっとレアはヴィクトル王子殿下の恋人だと思っていた」
「……」
「昨日、城に泊まったという話を聞いて、殿下と寝てると思った。
俺の妻に手を出す殿下にも、王命とはいえ俺の妻になるのに殿下と交際して愛人になろうとしているレアにも腹が立って、」
「なにそれ」
「俺には贈ってくれないレアの刺繍したハンカチとか、レアの色の羽ペンとか、」
「なにそれ」
「学園でも一緒にいて、殿下の卒業パーティにも殿下の色のドレスを着て、昨日は殿下の瞳の色の宝石を贈られて、それはもう恋人だろう」
「……」
「レアは俺の妻だ」
「ご自分が何をしたか分かっていますか」
「……」
「令嬢が婚約者でも、処女では無かったとしても、嫌がる女性を犯すのは犯罪です」
「…はい」
「解さずに挿入すれば、たとえ前夜に性交渉をしていたとしても傷を負う場合もあります。
ただでさえ大抵の処女はものすごく痛いんですよ。それを解さないなんてあり得ません!」
「すみません」
「膣口の裂傷が二箇所、膣壁も少し傷ができています。塗り薬を塗りました。こちらを毎日塗ってください。
痛み止めと睡眠薬です。一週間分処方します。
私にできるのはここまでです。
心の傷までは私には手に負えません」
「感謝します」
医師を見送り部屋に戻った。
レアの側に行き寝顔を見つめた。
髪を撫で 頬を撫で 手を握った。
「レア…俺が悪かった。ごめんな」
二時間後、帰宅した父上と母上に全部説明をした。
「はぁ~っ」
「何でもっと早く相談しなかったの」
「何を言っても王命は変わりません。それに嫌われていましたから」
「そりゃ、あんなことを言ったら嫌われるだろう」
「え?」
「そうよ!こんな女の敵に育っちゃって!」
「あんなことってなんですか」
「初顔合わせの時にレア嬢に言っただろう。
“可愛くなんかない!”って」
「は?」
「嗜める私達を押しのけて、
“もっと違う髪の色が良かった”って酷いことを言ったのよ?」
「まさか」
「レア嬢は傷付いていたのよ。悲しそうな顔をしていたわ」
「私達は平謝りだったよ。
子供だからと許してもらえたんだ。
今回はどうなるか分からないな。
レア嬢が望めば王命は覆り、お前には処罰がくだされるかもしれない。
先ずは公爵家に連絡を入れないと」
「でも、念のためにレア嬢に聞いてからにしないと。
こんなこと、知られたくないと思うかもしれないわ」
「公爵家にはこちらに泊めると連絡を入れよう」
部屋に戻るとメイドが付き添っていた。
二人にして欲しいと言っても、“奥様のご命令です”とレアから目を離さない。
“可愛くなんかない!”
“もっと違う髪の色が良かった”
俺が言ったのか!?
全く覚えていない。
つまりレアは俺がそんなことを言ったから交流を持たずに距離を置いたということか。
だから殿下に絆された?
…いや、殿下の片思いの可能性も出てきた。
「俺は馬鹿だ…」
明け方になり、レアが目を覚ました。
「……」
「ここは侯爵邸だ。レア」
「……」
「湯浴みの用意をしてくれ。食事も」
「要りません。帰ります」
「薬を塗らなくてはいけないし、飲み薬もある。
患部を清潔にして、胃が荒れないように何か胃に入れないとならない。
それに母から話がある」
「……」
メイドが準備と母上を呼びに部屋から出ると、レアに平伏して謝った。
「俺が悪い!申し訳ない!」
「……」
「初対面のときに自分が言ったことの記憶が無い。
だからレアが交流を持たずに距離を取るのは、俺が嫌いで侯爵家では不満なのかと思っていた」
「……」
「それにずっとレアはヴィクトル王子殿下の恋人だと思っていた」
「……」
「昨日、城に泊まったという話を聞いて、殿下と寝てると思った。
俺の妻に手を出す殿下にも、王命とはいえ俺の妻になるのに殿下と交際して愛人になろうとしているレアにも腹が立って、」
「なにそれ」
「俺には贈ってくれないレアの刺繍したハンカチとか、レアの色の羽ペンとか、」
「なにそれ」
「学園でも一緒にいて、殿下の卒業パーティにも殿下の色のドレスを着て、昨日は殿下の瞳の色の宝石を贈られて、それはもう恋人だろう」
「……」
「レアは俺の妻だ」
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