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【 カインの視点 】
俺は第ニ王子カイン。
第二妃の息子。
王女も三人嫁いで残り一人も嫁ぎ先が決まっている。
今の俺は学園二年生。
婚約者は侯爵家の長女ヴィオレット・ランフォール。第一王子ローランドの邪魔にならない家紋の令嬢が選ばれた。
17歳になったとき、閨係を選ぶことになった。慣例だからと従った。
そこで見つけたのは前世の義姉ありさの生まれ変わりだった。
裸になったアリサを護衛騎士に見られたくなくて、慌てて上着を羽織らせた。
何故かわかる。俺の愛したありさの生まれ変わりだということが。
見た目はもちろん違う。今の俺達は白人だ。
だけど、ちょっとした仕草が同じだし、声を聞いた瞬間、胸が締め付けられた。同じ声だったからだ。
俺より先に溺死したありさ。
光を失くしたありさを看取る地獄はもう見たくない。
異例ではあるが、貴賓室を充てがい、夜に生い立ちを聞いたが、話を濁しているふしがある。
翌朝、クロネック子爵家とアリサについて徹底的に調べるよう命じた。そして侍女長を呼び出した。
「エズリス侍女長。アリサを娶る。
俺の寵妃として扱うよう徹底させてくれ。
本人にはまだ伝えなくていい。
学園卒レベルの学力にはなるよう教師を付けて欲しい。無理はさせないでくれ。本も読みたいものを与えてやって欲しい。
それと夕食はどうなっているんだ」
「消化の良い食事を軽く食べさせております」
「何故しっかり食べさせない」
「……」
「かまわないから理由を教えてくれ」
「口淫の際の嘔吐対策です」
「……」
「歴代の王子殿下の中には、喉の奥までお使いになる方もおられましたし、口内へ吐精をなさるお方もおられました。尿を飲ませる方や、後ろを舐めさせる方もおられました。
嘔吐をして、興を削いだり、汚したり、窒息しない為です」
「嫌がることはしない」
「舐めたり、口に入れたりするだけで駄目な者もおります。
娼婦ならば練習させますが、王子殿下の閨係は全てが純潔でございます。実技練習もできません。全ては座学でございます。
つまり、やってみないと分からない状態です。
吐き戻して、吐瀉物を王子殿下に掛けて、その場で斬り殺された閨係もおります。
これは互いのためなのです」
「構わないから量を増やしてやって欲しい」
「かしこまりました」
「ドレスなども作ってやりたい。デザイナーを呼んでくれ」
「かしこまりました」
産まれてから17年。ずっと待ち続けていたアリサが手に入った。逆の身分差だったら手に入らなかった。口説くわけでもなく、俺のものになってくれて良かった。
だが、アリサを閨係になど差し出した元凶をそのままにしておくわけにはいかない。
俺は第ニ王子カイン。
第二妃の息子。
王女も三人嫁いで残り一人も嫁ぎ先が決まっている。
今の俺は学園二年生。
婚約者は侯爵家の長女ヴィオレット・ランフォール。第一王子ローランドの邪魔にならない家紋の令嬢が選ばれた。
17歳になったとき、閨係を選ぶことになった。慣例だからと従った。
そこで見つけたのは前世の義姉ありさの生まれ変わりだった。
裸になったアリサを護衛騎士に見られたくなくて、慌てて上着を羽織らせた。
何故かわかる。俺の愛したありさの生まれ変わりだということが。
見た目はもちろん違う。今の俺達は白人だ。
だけど、ちょっとした仕草が同じだし、声を聞いた瞬間、胸が締め付けられた。同じ声だったからだ。
俺より先に溺死したありさ。
光を失くしたありさを看取る地獄はもう見たくない。
異例ではあるが、貴賓室を充てがい、夜に生い立ちを聞いたが、話を濁しているふしがある。
翌朝、クロネック子爵家とアリサについて徹底的に調べるよう命じた。そして侍女長を呼び出した。
「エズリス侍女長。アリサを娶る。
俺の寵妃として扱うよう徹底させてくれ。
本人にはまだ伝えなくていい。
学園卒レベルの学力にはなるよう教師を付けて欲しい。無理はさせないでくれ。本も読みたいものを与えてやって欲しい。
それと夕食はどうなっているんだ」
「消化の良い食事を軽く食べさせております」
「何故しっかり食べさせない」
「……」
「かまわないから理由を教えてくれ」
「口淫の際の嘔吐対策です」
「……」
「歴代の王子殿下の中には、喉の奥までお使いになる方もおられましたし、口内へ吐精をなさるお方もおられました。尿を飲ませる方や、後ろを舐めさせる方もおられました。
嘔吐をして、興を削いだり、汚したり、窒息しない為です」
「嫌がることはしない」
「舐めたり、口に入れたりするだけで駄目な者もおります。
娼婦ならば練習させますが、王子殿下の閨係は全てが純潔でございます。実技練習もできません。全ては座学でございます。
つまり、やってみないと分からない状態です。
吐き戻して、吐瀉物を王子殿下に掛けて、その場で斬り殺された閨係もおります。
これは互いのためなのです」
「構わないから量を増やしてやって欲しい」
「かしこまりました」
「ドレスなども作ってやりたい。デザイナーを呼んでくれ」
「かしこまりました」
産まれてから17年。ずっと待ち続けていたアリサが手に入った。逆の身分差だったら手に入らなかった。口説くわけでもなく、俺のものになってくれて良かった。
だが、アリサを閨係になど差し出した元凶をそのままにしておくわけにはいかない。
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