【完結】閨係の掟

ユユ

文字の大きさ
27 / 32

閨の時間

しおりを挟む
今、私は抵抗している。初めてのことだ。

「カイン様、まだ手が治っていないのですから」

「拳を使ったのは一発だけだから大丈夫。後は足で踏みつけたり蹴ったりしただけだよ」

「ですが、包帯を巻いているではありませんか」

「なら、アリサが手でしてくれないか」

「……はい」


仰向けに横たわったカイン様の寝巻きを脱がせて下半身を解放した。

手に潤滑油を付けて陰茎を握る。

形や血管を探るようになぞる。
カイン様はもどかしそうにしているが気にしない。

根本を掴みゆっくり搾りながら、先端から出た透明の粘液を使い親指の腹で円を描く。

手を離し、膝、内腿、脚の付け根や陰嚢も優しくマッサージした。

陰茎は助けでも呼ぶようにビクビクと宙を掻く。

「アリサ、出ちゃう」

「今は触っていませんよ」

「意地悪を言うようになったな」

「……助けてくださって有難うございました」

「アリサは巻き込まれたんだ。すまなかった」

「あ、元気が無くなりましたか?」

「気のせいだ」

少し力をなくしたかと思った陰茎はまた腹から浮いた。

「すごい筋肉ですね。宙に浮くなんて」

「観察の仕方に色気が無いな」

一度手を拭いて全裸になり、潤滑油を手に取るとたっぷりと秘部に付けた。
そして跨り、腰を前後に動かして秘部で陰茎をヌチュヌチュと刺激をした。

「割れ目から亀頭が出たり隠れたりするのが見えて、刺激的な光景だな……気持ちいい」

もっと動きを早めると、カイン様はシーツを掴んで腹筋に力を込めた。

「出るっ」

腰を少し浮かして前屈みになると、亀頭を膣口へ導き、そのまま腰を沈めた。

「うわっ くっ!」

膣内ナカでドクン ドクンと精液を押し出した。

その間、手を後ろにまわし、陰嚢を掴む。


吐精が終わるとカイン様は上半身を起こして、私の頬を両手で挟んだ。

「アリサ、解さずに挿れたら駄目だ。凄く気持ち良かったけど、傷ができてしまう」

「横になってください」

また仰向けにさせると挿入したまま反転した。
背を向けた騎乗位で抽送を始めた。

「アリサ…」

ナカを包むようにして腰を下ろし、掴むように腰を上げる。
時々角度を変えて反応を見た。

ギリギリまで抜いて外側のヒダでクチュクチュと亀頭だけを刺激した。

「アリ…サっ」

グチュ

「くっ!」

半分以上沈めると、そのままゆっくり奥まで挿入して腰を回した。

「アリサ!」

カインは起き上がり、私をベッドに投げるように引き倒すと、脚を開かせて最奥まで突き入れた。

押さえつけたまま乱暴に突き続けて吐精した。

息を整えたカインは、痛くなかったかと確認をする。

「大丈夫ですよ」



だけど心は大丈夫ではなかった。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

真面目な王子様と私の話

谷絵 ちぐり
恋愛
 婚約者として王子と顔合わせをした時に自分が小説の世界に転生したと気づいたエレーナ。  小説の中での自分の役どころは、婚約解消されてしまう台詞がたった一言の令嬢だった。  真面目で堅物と評される王子に小説通り婚約解消されることを信じて可もなく不可もなくな関係をエレーナは築こうとするが…。 ※Rシーンはあっさりです。 ※別サイトにも掲載しています。

私の意地悪な旦那様

柴咲もも
恋愛
わたくし、ヴィルジニア・ヴァレンティーノはこの冬結婚したばかり。旦那様はとても紳士で、初夜には優しく愛してくれました。けれど、プロポーズのときのあの言葉がどうにも気になって仕方がないのです。 ――《嗜虐趣味》って、なんですの? ※お嬢様な新妻が性的嗜好に問題ありのイケメン夫に新年早々色々されちゃうお話 ※ムーンライトノベルズからの転載です

【完結】愛する夫の務めとは

Ringo
恋愛
アンダーソン侯爵家のひとり娘レイチェルと結婚し婿入りした第二王子セドリック。 政略結婚ながら確かな愛情を育んだふたりは仲睦まじく過ごし、跡継ぎも生まれて順風満帆。 しかし突然王家から呼び出しを受けたセドリックは“伝統”の遂行を命じられ、断れば妻子の命はないと脅され受け入れることに。 その後…… 城に滞在するセドリックは妻ではない女性を何度も抱いて子種を注いでいた。 ※完結予約済み ※全6話+おまけ2話 ※ご都合主義の創作ファンタジー ※ヒーローがヒロイン以外と致す描写がございます ※ヒーローは変態です ※セカンドヒーロー、途中まで空気です

【完結】私は義兄に嫌われている

春野オカリナ
恋愛
 私が5才の時に彼はやって来た。  十歳の義兄、アーネストはクラウディア公爵家の跡継ぎになるべく引き取られた子供。  黒曜石の髪にルビーの瞳の強力な魔力持ちの麗しい男の子。  でも、両親の前では猫を被っていて私の事は「出来損ないの公爵令嬢」と馬鹿にする。  意地悪ばかりする義兄に私は嫌われている。

隣国に嫁いだちょいぽちゃ王女は帰りたい

恋愛
パンデルム帝国の皇帝の末娘のシンシアはユリカ王国の王太子に政略結婚で嫁ぐことになった。食べることが大好きなシンシアはちょいぽちゃ王女。 しかし王太子であるアルベートにはライラールという恋人がいた。 アルベートは彼女に夢中。 父である皇帝陛下には2年間で嫌になったら帰ってもいいと言われていたので、2年間耐えることにした。 内容はありがちで設定もゆるゆるです。 ラブラブは後半。 よく悪役として出てくる隣国の王女を主役にしてみました。

届かぬ温もり

HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった····· ◆◇◆◇◆◇◆ 読んでくださり感謝いたします。 すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。 ゆっくり更新していきます。 誤字脱字も見つけ次第直していきます。 よろしくお願いします。

処理中です...