【完結】目覚めたら、疎まれ第三夫人として初夜を拒否されていました

ユユ

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えっと…アバズレですか

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「おい」


「おい!!」

パチっ

目を開けると見慣れない天井が見えた。
身体を起こすと声の主がいた。

「お前のようなアバズレがシュヴァルに嫁げたことに感謝しろよ! カレン・ベネット!」

目の前の男に怒鳴られた。

男はシャツにズボン。茶色の髪にグレーの瞳の美男子だ。日本人ではない。年齢はいくつだろう。30歳辺りだろうか。見た目で白人の年齢は当てられない。
周りを見渡すが、まるで物語の貴族の部屋だ。
無駄に豪華で落ち着かない。というか趣味が合わない。

自分を見ると細身の色白。髪は青みのかかったプラチナ色で透けるエロ下着みたいなものを着ていた。

咄嗟に毛布で体を隠した。

「そんな貧相な身体など欲情しない!」

壁の鏡を見つけ、歩こうとするも力が入らず崩れ落ちた。

「チッ! 抱く気になんかなるか。
第三夫人にはしてやったが お前との閨は無しだ。
他人に使い込まれた穴など御免だからな」

「……」

「予算の範囲で好きなものを買って好きに過ごせ。
シュヴァルに不利益なことだけはするなよ」

バタン

男は部屋から出て行った。

「何なの あれ」


代わりにメイドが二人入ってきた。

「イアン様は手を付けなかったのね」

私を両側から支えてベッドに寝かせた。
夢かもと思って目を閉じた。

少しするとメイド達が話し始めた。
私が眠ったと思ったのだろう。

「確かに死んだように見えたのに」

「さっきは呼吸も心音も無かったわ」

「でも安心したわ。望まれぬ花嫁でも一応は王女だもの。薬の量を間違えて死んだなんてことになったら私達は死罪よ」

「あれだけ疎まれていれば王女が思い出しても追求されないわ」

「そもそも嫌がって暴れるからいけないのよ」

「この弛緩薬はよく効くのね」

バタン


纏めると、私はどこかの王女。
私もさっきの男も婚姻は嫌だった。
メイドは大人しく性交渉させるために体の自由を奪う薬を盛った。
だけど量を間違えて死んだか仮死状態になったこの身体に私の魂が移ったのね。

うん。 寝よう。




翌朝、メイド達が朝の支度を始めた。

寝たことにより、記憶の引き継ぎができた。
まるで転生とかなんとか小説の世界のことが起きているのだと分かった。

トイレに行くと紫のオシッコが出た。

「はあ!?」

「どうされましたか」

「オシッコが紫なの」

「そ、それは昨日の疲れに効く薬湯の色ですわ」

弛緩薬のことね。


鏡を見ると美少女が写っていた。瞳の色は髪の色と一緒だった。胸は小さい。

大人しくして支度を整えさせた。

「部屋食になさいますか」

「食堂に行くわ」

一階に降りて食堂に入ると昨夜の男と金髪美女が二人いた。

「……来ないかと思った……彼女の分も用意しろ」

「かしこまりました」

給仕が椅子を引いてくれた。

「ありがとう」

「い、いえ」

「……紹介しておこう。
第一夫人のソフィーヌだ。
ローズヒル王国の第五王女だ」

「よろしく カレン

「こちらこそよろしくお願いしますします。ソフィーヌ

燻んだ金髪の髪に紫の瞳で 豊満なお胸の持ち主の目は一瞬つり上がった。

「第二夫人のエリザベスだ。
国内ヴァジルのデュボワ伯爵家の長女だ」

「よろしくお願いいたします カレン様。
何かございましたらお声がけください」

「愛らしい方にご挨拶を。
ベネット王国の第四王女カレンと申します。
エリザベス様 よろしくお願いしますわ」

美しい金髪に青い瞳で またもや豊満なお胸の持ち主は笑顔だった。

この男はおっぱい星人なのね。
挟めるおっぱいの無い私は用無しね。
好都合だわ。


食事を始めたが、ほぼ冷めていてイマイチだ。

ソ「高級なお食事はお口に合わないかしら?」

第一夫人の嫌味に気付かず素直に答えた。

私「はい」

夫「何が気に入らない」

私「温度が無いなと」

夫「温度?」

私「気にしないで。公爵、ソフィーヌさん」

夫「口の利き方が悪い。敬語を使え。
それにご主人様と呼ぶんだ」

私「分かりました。ご主人様」

夫「……」

エ「カレン様は明日は何をして過ごされますか?」

私「部屋の改装をします」

夫「は?もっと金を掛けたいのか」

私「ある意味掛かります。与えられた予算を好きに使って好きに過ごしていいと仰いましたよね?

もしかして、あれってヴァジルかシュヴァル公爵家の隠語ですか?

まさか、第三夫人の予算って……申し訳ございません。慎ましく過ごします」

夫「シュヴァル公爵家は周辺諸国でも一番の富豪だ。第三夫人でも予算はどこの正妻より上だ。
好きにしろ」

私「感謝しますわ」 ニッコリ

エ「私もご一緒してもよろしいでしょうか」

私「エリザベス様?改装にご興味が?」

エ「はい」

私「楽しくなりそうです。是非見にいらしてください」

エ「はい。ありがとうございます」

私「それと、私付きのメイドを変えて欲しいのです」

夫「何故だ」

私「シュヴァル公爵家で嫁いで早々の第三夫人が死んでは醜聞になりますわ」

夫「どういう意味だ」

私「お食事中には申せません」

夫「いいから答えろ」

私「では。

今朝、私のオシッコは濃い紫でした。
昨夜何を飲まされたのか分かりませんが、体が動きませんでした。
いくら嫁ぎ先で疎まれていても王女がメイドが用意した何かの薬湯で体調を崩したと知れたらどうなるかしら。

失礼。どうなりますか?ご主人様」

夫「調査する」

私「構いませんがメイドというのは急を要します。
身の回りの世話をする仕事ですから。
もし誰かの専属でなければ私の専属にしてもよろしいかしら」

夫「いいだろう。同じ数だけ選べばいい」

私「ありがとうございます」

夫「……」

ソ「イアン様、今度のパーティは……」

なんか第一夫人がチラチラとマウントを取ろうとしているが、私には全く興味がない。
パーティ?ムリムリ。絶対行きたくない。

疎まれ第三夫人 万歳ね。
エッチもしなくて良くてお小遣いもくれるなんて。
愛想笑いでもしておこう。

ニッコリ。


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