9 / 26
妹みたいな友達との別れ
ソフィーヌさんの居ない屋敷でエリザベス様と楽しく暮らしていた。
ご主人様公爵は気になって仕方がないらしい。
それに異常に優しい。
謝罪も受けたがやり直すつもりはない。
時々夜に訪ねてきて、愛?を囁く。
部屋の中に入りたそうでも拒否している。
部屋の改装が終わり、某五つ星ホテルのような部屋に仕上がった。
“質素なはずなのに高級感があるわ”とエリザベスが気に入ってくれた。
ご主人様公はエリザベスの元へ通うが、兆しが無いと落ち込んでいた。
ソフィーヌも妊娠しなかったようで、祈りを捧げていたらしい。
避妊はしていないようだ。
二人も…だとしたらご主人様公爵の方に問題があるのだろう。
私の部屋にエリザベスをお泊まり会に招待して気落ちする彼女に話をした。
「不妊はね、女だけが悪いというのは間違いよ。
双方が繁殖能力を持っていなかったり、片方が持っていなかったり、持っていても弱くて実らなかったり、身体としては問題ないのに精神的なものが作用して実らなかったり、理由はいくつもあるし組み合わせもいくつもあるの。
妻が二人とも懐妊しなくて避妊もしていないなら夫側に問題がある可能性が高いわ。
だから気に病むことはないのよ。
もし、責められたら実験をしてみるといいわ。
一気に妾を3人迎えて出来るかどうか。
もし出来たら夫人に昇格させればいいし、出来なければ養子を検討するはずよ」
「カレン様は…遠くへ行ってしまわれるのですね」
「どうかな。行くところがないから。
お金もらって遊んでいられるココにいた方がいいと思うけど、政略結婚だから私に決定権は無いの」
「カレン様のいない生活なんて耐えられない」
「嬉しい…初めてのお友達ができたのね」
「お友達になってくださるのですか?」
「お泊まり会してるじゃない」
「嬉しい!」
ご主人様公爵は段々と元気が無くなってきた。
お兄様が帰国して2ヶ月が過ぎた頃にご主人様公爵が城に呼び出されて、戻ってきたときは蒼白だった。
あの時 同席した外交官もいた。
応接間に呼び出された私とエリザベスはご主人様公爵とは違うソファに座った。
「カレン王女殿下。ご報告を申し上げます。
拘束していたソフィーヌの刑が執行されました。
ベネット王国の第二王子 アーサー殿下率いるベネット軍は、ローズヒル王国を敗戦国に変えました。
アーサー殿下は酷くお怒りで、平民から王族まで見つけた者は例外なく処刑なさいました。
荒れ果てたローズヒルの地にソフィーヌひとりを荷物と共に置き去りにしました。
もうまともな食糧は残っておりませんし、井戸は死体を投げ込んでいます。
助けてくれる自国の兵士が現れるまで国境の町に隠れるはずですが、食糧と水を探しに行かねば死にます。
生き延びた民や兵士に見つかれば、無事ではいられません。
ソフィーヌが原因だと公表していますから。
ソフィーヌと気が付かなくてもまだ20代の女で見目はいいので男共が放っておかないでしょう。
もしくは食糧にされるかもしれません。
離縁後に刑は執行されたのでシュヴァル公爵第一夫人の座は空席です。
ですが、カレン王女殿下はベネット王国の希望により帰国となります。
本日付で離縁が成立いたしました。
よって、エリザベス様が唯一の妻となります。
カレン王女殿下、荷造りをお願いします。
アーサー殿下がお迎えにいらっしゃいます」
私の居場所なんか無いのに。お兄様ってば酷い。
「カレン様」
「エリザベス様」
エリザベス様は涙を浮かべて私にしがみついた。
「私は何でもいいのです。第二でも第一でも構いません!カレン様と離れたくありません!」
「夫人。国同士の話し合いで決まったことです。
私にも貴女にもカレン王女殿下にも どうすることもできません」
「ううっ…」
「ありがとう、エリザベス。
少しでも一緒にいたいから手伝って」
「ううっ…」
泣きながら私の腕に絡みつきついて来た。
彼女の方が歳上なのに、すごく可愛い。
私も離れたくないな。
でもお金持ちの公爵夫人は悪くないと思う。
それに彼女の実家はヴァジルにあるし。
大したものはあまりないから、鞄二つで後は処分を頼んだ。
「エリザベス様。このお部屋、好きに使ってね」
「っぐ…っぐ……」
泣き過ぎて話ができる状態じゃなかった。
そんなエリザベスを抱きしめながらお兄様の到着を待った。
そして到着したお兄様はコアラのように私にしがみ付いて離れないエリザベスを見ていた。
私「初めてのお友達なんです」
エ「っぐ…っぐ…」
私「第二夫人のエリザベス様です。元々ヴァジルの貴族です」
エ「っぐ…っぐ…」
兄「懐かれたのだな」
私「素敵なお友達です」
エ「っぐ…っぐ…」
兄「夫人。もしカレンの側で暮らしたいのならカレンの側に居させることもできる。
だが、住むのはおそらく城だし、陛下の子は多いから居心地が良いかどうか分からない。
ベネットの貴族に嫁ぐという手もある。ベネットの男はほとんど純潔を重視しない。
だがその代わりあまり自由はない。
こっちよりも 女は男に従うべきという風潮が強い。
戸惑うこともあるだろう。
それに一度ベネットで庇護による生活を始めたらヴァジルには戻れない。全てを捨てて来ることになる。
先ずは第一夫人として生きてみて考えるといい。
公爵はかなり裕福なようだからな」
「ほん…と…です…か」
「本当だ。ここにいる外交官が証人だ」
「ありがとう…ございます」
どうしても離れないエリザベスをくすぐった。
手を離してしまったと驚く顔が忘れられない。
ベネットへ向かう馬車の中で涙が出てきた。
「カレン」
「仲の良い妹と生き別れるような気持ちです」
「姉じゃなくて?……まあ あれは妹だな」
そう言いながら涙を流す私を抱きしめていた。
ご主人様公爵は気になって仕方がないらしい。
それに異常に優しい。
謝罪も受けたがやり直すつもりはない。
時々夜に訪ねてきて、愛?を囁く。
部屋の中に入りたそうでも拒否している。
部屋の改装が終わり、某五つ星ホテルのような部屋に仕上がった。
“質素なはずなのに高級感があるわ”とエリザベスが気に入ってくれた。
ご主人様公はエリザベスの元へ通うが、兆しが無いと落ち込んでいた。
ソフィーヌも妊娠しなかったようで、祈りを捧げていたらしい。
避妊はしていないようだ。
二人も…だとしたらご主人様公爵の方に問題があるのだろう。
私の部屋にエリザベスをお泊まり会に招待して気落ちする彼女に話をした。
「不妊はね、女だけが悪いというのは間違いよ。
双方が繁殖能力を持っていなかったり、片方が持っていなかったり、持っていても弱くて実らなかったり、身体としては問題ないのに精神的なものが作用して実らなかったり、理由はいくつもあるし組み合わせもいくつもあるの。
妻が二人とも懐妊しなくて避妊もしていないなら夫側に問題がある可能性が高いわ。
だから気に病むことはないのよ。
もし、責められたら実験をしてみるといいわ。
一気に妾を3人迎えて出来るかどうか。
もし出来たら夫人に昇格させればいいし、出来なければ養子を検討するはずよ」
「カレン様は…遠くへ行ってしまわれるのですね」
「どうかな。行くところがないから。
お金もらって遊んでいられるココにいた方がいいと思うけど、政略結婚だから私に決定権は無いの」
「カレン様のいない生活なんて耐えられない」
「嬉しい…初めてのお友達ができたのね」
「お友達になってくださるのですか?」
「お泊まり会してるじゃない」
「嬉しい!」
ご主人様公爵は段々と元気が無くなってきた。
お兄様が帰国して2ヶ月が過ぎた頃にご主人様公爵が城に呼び出されて、戻ってきたときは蒼白だった。
あの時 同席した外交官もいた。
応接間に呼び出された私とエリザベスはご主人様公爵とは違うソファに座った。
「カレン王女殿下。ご報告を申し上げます。
拘束していたソフィーヌの刑が執行されました。
ベネット王国の第二王子 アーサー殿下率いるベネット軍は、ローズヒル王国を敗戦国に変えました。
アーサー殿下は酷くお怒りで、平民から王族まで見つけた者は例外なく処刑なさいました。
荒れ果てたローズヒルの地にソフィーヌひとりを荷物と共に置き去りにしました。
もうまともな食糧は残っておりませんし、井戸は死体を投げ込んでいます。
助けてくれる自国の兵士が現れるまで国境の町に隠れるはずですが、食糧と水を探しに行かねば死にます。
生き延びた民や兵士に見つかれば、無事ではいられません。
ソフィーヌが原因だと公表していますから。
ソフィーヌと気が付かなくてもまだ20代の女で見目はいいので男共が放っておかないでしょう。
もしくは食糧にされるかもしれません。
離縁後に刑は執行されたのでシュヴァル公爵第一夫人の座は空席です。
ですが、カレン王女殿下はベネット王国の希望により帰国となります。
本日付で離縁が成立いたしました。
よって、エリザベス様が唯一の妻となります。
カレン王女殿下、荷造りをお願いします。
アーサー殿下がお迎えにいらっしゃいます」
私の居場所なんか無いのに。お兄様ってば酷い。
「カレン様」
「エリザベス様」
エリザベス様は涙を浮かべて私にしがみついた。
「私は何でもいいのです。第二でも第一でも構いません!カレン様と離れたくありません!」
「夫人。国同士の話し合いで決まったことです。
私にも貴女にもカレン王女殿下にも どうすることもできません」
「ううっ…」
「ありがとう、エリザベス。
少しでも一緒にいたいから手伝って」
「ううっ…」
泣きながら私の腕に絡みつきついて来た。
彼女の方が歳上なのに、すごく可愛い。
私も離れたくないな。
でもお金持ちの公爵夫人は悪くないと思う。
それに彼女の実家はヴァジルにあるし。
大したものはあまりないから、鞄二つで後は処分を頼んだ。
「エリザベス様。このお部屋、好きに使ってね」
「っぐ…っぐ……」
泣き過ぎて話ができる状態じゃなかった。
そんなエリザベスを抱きしめながらお兄様の到着を待った。
そして到着したお兄様はコアラのように私にしがみ付いて離れないエリザベスを見ていた。
私「初めてのお友達なんです」
エ「っぐ…っぐ…」
私「第二夫人のエリザベス様です。元々ヴァジルの貴族です」
エ「っぐ…っぐ…」
兄「懐かれたのだな」
私「素敵なお友達です」
エ「っぐ…っぐ…」
兄「夫人。もしカレンの側で暮らしたいのならカレンの側に居させることもできる。
だが、住むのはおそらく城だし、陛下の子は多いから居心地が良いかどうか分からない。
ベネットの貴族に嫁ぐという手もある。ベネットの男はほとんど純潔を重視しない。
だがその代わりあまり自由はない。
こっちよりも 女は男に従うべきという風潮が強い。
戸惑うこともあるだろう。
それに一度ベネットで庇護による生活を始めたらヴァジルには戻れない。全てを捨てて来ることになる。
先ずは第一夫人として生きてみて考えるといい。
公爵はかなり裕福なようだからな」
「ほん…と…です…か」
「本当だ。ここにいる外交官が証人だ」
「ありがとう…ございます」
どうしても離れないエリザベスをくすぐった。
手を離してしまったと驚く顔が忘れられない。
ベネットへ向かう馬車の中で涙が出てきた。
「カレン」
「仲の良い妹と生き別れるような気持ちです」
「姉じゃなくて?……まあ あれは妹だな」
そう言いながら涙を流す私を抱きしめていた。
あなたにおすすめの小説
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
おさななじみの次期公爵に「あなたを愛するつもりはない」と言われるままにしたら挙動不審です
ワイちゃん
恋愛
伯爵令嬢セリアは、侯爵に嫁いだ姉にマウントをとられる日々。会えなくなった幼馴染とのあたたかい日々を心に過ごしていた。ある日、婚活のための夜会に参加し、得意のピアノを披露すると、幼馴染と再会し、次の日には公爵の幼馴染に求婚されることに。しかし、幼馴染には「あなたを愛するつもりはない」と言われ、相手の提示するルーティーンをただただこなす日々が始まり……?
要らないと思ったのに人に取られると欲しくなるのはわからなくもないけれど。
しゃーりん
恋愛
フェルナンドは侯爵家の三男で騎士をしている。
同僚のアルベールが親に見合いしろと強要されたと愚痴を言い、その相手が先日、婚約が破棄になった令嬢だということを知った。
その令嬢、ミュリエルは学園での成績も首席で才媛と言われ、一部では名高い令嬢であった。
アルベールはミュリエルの顔を知らないらしく、婚約破棄されるくらいだから頭の固い不細工な女だと思い込んでいたが、ミュリエルは美人である。
ならば、アルベールが見合いをする前に、自分と見合いができないかとフェルナンドは考えた。
フェルナンドは騎士を辞めて実家の領地で働くために、妻を必要としていたからである。
フェルナンドとミュリエルの結婚を知ったアルベールは、ミュリエルを見て『返せ』と言い出す、というお話です。
結婚5年目のお飾り妻は、空のかなたに消えることにした
三崎こはく
恋愛
ラフィーナはカールトン家のお飾り妻だ。
書類上の夫であるジャンからは大量の仕事を押しつけられ、ジャンの愛人であるリリアからは見下され、つらい毎日を送っていた。
ある日、ラフィーナは森の中で傷ついたドラゴンの子どもを拾った。
屋敷に連れ帰って介抱すると、驚いたことにドラゴンは人の言葉をしゃべった。『俺の名前はギドだ!』
ギドとの出会いにより、ラフィーナの生活は少しずつ変わっていく――
※他サイトにも掲載
※女性向けHOT1位感謝!7/25完結しました!
白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
出生の秘密は墓場まで
しゃーりん
恋愛
20歳で公爵になったエスメラルダには13歳離れた弟ザフィーロがいる。
だが実はザフィーロはエスメラルダが産んだ子。この事実を知っている者は墓場まで口を噤むことになっている。
ザフィーロに跡を継がせるつもりだったが、特殊な性癖があるのではないかという恐れから、もう一人子供を産むためにエスメラルダは25歳で結婚する。
3年後、出産したばかりのエスメラルダに自分の出生についてザフィーロが確認するというお話です。
愛人の娘だった私の結婚
しゃーりん
恋愛
ティアナは自分が父の愛人の娘だと知ったのは10歳のとき。
母の娘ではなかったと知り、落ち込んだティアナの心を軽くしてくれたのは隣に住む9歳年上のアイザック。
以来、アイザックの家をよく訪れるようになった。
アイザックが結婚した相手フルールと二人の子供ルークとも仲良くなるがフルールが亡くなってしまう。
ルークの側にいてあげたいと思ったティアナはアイザックに求婚するも、毎回軽くあしらわれる。
やがて、ティアナは父に従い自分に求婚してきたサイラスに嫁ぐことになった。
しかし、サイラスは愛人の子供をティアナに育てさせるというお話です。