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二重人格よね?
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翌朝、サリーのおかげで顔も浮腫んでいなかったし、頭痛も治っていた。
朝食を食べ終わり、ローズに確認をした。
「ローズ、昨日は迷惑を掛けたわね」
「迷惑だなんて仰らないでください」
「聞きたいことがあるのだけど、侯爵は二重人格じゃない?」
「はい?」
「だって、最初から冷遇する気だったし、愛さないとか何とか言って、恐ろしく意味のない式を教会であげたし。部下達に開放するとか言っていたし。
なのに昨日優しかったとしたら、二重人格としか思えないでしょう?
まさか、若い女が減ると部下達の士気が下がるから?」
「誤解です。旦那様は心から心配なさっていました」
「だからおかしいのよ。
困ったわね。呪いと性格の悪さだけじゃなくて、二重人格だなんて。早く1年経たないかしら」
「私は奥様にここに居ていただきたいです」
「ありがとう。優しいのね」
「本心です!」
食後、侯爵にお礼を言うために一階へ降りた。
「ダニエル。侯爵はどこ?」
「庭にいらっしゃいます。ご案内いたします」
ダニエルの後をついて行くと、侯爵が子犬にオシッコとウンチをさせていた。
「おはようございます」
「おはよう、ラヴィア。体調はどうだ?」
「お陰様でこの通りです。ありがとうございました」
「ラヴィア、こ、」
「あれ?その痣……………キスマークっぽい」
「え?」
侯爵はパッと首に手を当てた。
侯爵の首に痣があった。腕や脚ならぶつけたとか思うけど、首はね。しかも一ヶ所。
私は何処に痣があるかなんて言っていない。言われてサッと首に、しかも左側の首に的確に手を置いたということは覚えがあるということだ。
昨日一緒にいたときは無かった。
そっか。私の心配をしていたなんてメイド達は言っていたけど、女性と熱~い夜を過ごしたのね。
あ~、そうよね。呪われて性欲で溢れてるんだっけ。そっかそっか。うん、そっか。
ニッコリ
「お忙しいのに子犬のお世話をさせて申し訳ありません。
ローズ、1匹持って」
「え?」
「早く」
「は、はい」
「ダニエル、ありがとう。フンは誰かに任せてね。
あと、客の意見を取り入れた物を作れそうな針子を呼んでくれると助かるわ」
「かしこまりました」
「ラヴィア…」
「では侯爵、失礼します」
もう1匹の子犬を抱いて、部屋に戻った。
机に向かい、ペンを持った。
犬のハーネスを描いている。…絵が下手だった。四足歩行の何かというのは分かってもらえるだろう。
あと、やっぱり犬用の室内トイレは作った方がいい。
本当はペットシートがあれば解決なんだけど、無いよねぇ。
箱みたいなのを作って藁を敷く?燃やせばいいしね。
箱かぁ。硝子製なら洗えば臭いが落ちるけど、重いしメイドが落としそう。
後は鉄…バケツのことを考えるとそこまで重くないものね。トレイの大きいやつを作ってもらおうかな。
あと、トレイ覚えるまでサークルの中に入れよう。サークル…木製?大型犬のおチビちゃんが立って寄りかかっても倒れないようにできるかな?
【 イアンの視点 】
“キスマーク”
そう言われて、あのときに首に吸いつかれたのを思い出し、パッと首に手を置いた。
その途端、ラヴィアは王子妃教育の賜物だろうか 美しい微笑みを見せた。
近衞騎士時代、妃の護衛についたときに時折見た彼女達の笑みによく似ていた。
その後、店の者を呼び付けて何やら作るよう命じたようだった。
外出の予定が無くなってしまった。
あの日、犬の物を買い終わったら ラヴィアのドレスを作りに行こうと思っていた。
確かに俺は結婚の条件として求めることの中に、社交をさせないことを盛り込んだ。公女だから妻ということで迎えるが、部下達の性欲処理に使うために娶るのだから、社交など必要ないしさせられない。同伴もしたくないと思って手紙に書いた。
彼女はそんな酷い条件を受け入れて ドレスを処分した。どんな気持ちで処分したのか。
そう思うと申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
主治医から、ラヴィアの純潔を証明され冤罪説が濃厚になった今ならわかる。
あの時、ラヴィアは俺のことを“あのクソ王子より酷い”と言っていた。
そのセリフは正しいと実感する。
この大きな失態を挽回するためには並大抵のことでは駄目なのだ。
朝食を食べ終わり、ローズに確認をした。
「ローズ、昨日は迷惑を掛けたわね」
「迷惑だなんて仰らないでください」
「聞きたいことがあるのだけど、侯爵は二重人格じゃない?」
「はい?」
「だって、最初から冷遇する気だったし、愛さないとか何とか言って、恐ろしく意味のない式を教会であげたし。部下達に開放するとか言っていたし。
なのに昨日優しかったとしたら、二重人格としか思えないでしょう?
まさか、若い女が減ると部下達の士気が下がるから?」
「誤解です。旦那様は心から心配なさっていました」
「だからおかしいのよ。
困ったわね。呪いと性格の悪さだけじゃなくて、二重人格だなんて。早く1年経たないかしら」
「私は奥様にここに居ていただきたいです」
「ありがとう。優しいのね」
「本心です!」
食後、侯爵にお礼を言うために一階へ降りた。
「ダニエル。侯爵はどこ?」
「庭にいらっしゃいます。ご案内いたします」
ダニエルの後をついて行くと、侯爵が子犬にオシッコとウンチをさせていた。
「おはようございます」
「おはよう、ラヴィア。体調はどうだ?」
「お陰様でこの通りです。ありがとうございました」
「ラヴィア、こ、」
「あれ?その痣……………キスマークっぽい」
「え?」
侯爵はパッと首に手を当てた。
侯爵の首に痣があった。腕や脚ならぶつけたとか思うけど、首はね。しかも一ヶ所。
私は何処に痣があるかなんて言っていない。言われてサッと首に、しかも左側の首に的確に手を置いたということは覚えがあるということだ。
昨日一緒にいたときは無かった。
そっか。私の心配をしていたなんてメイド達は言っていたけど、女性と熱~い夜を過ごしたのね。
あ~、そうよね。呪われて性欲で溢れてるんだっけ。そっかそっか。うん、そっか。
ニッコリ
「お忙しいのに子犬のお世話をさせて申し訳ありません。
ローズ、1匹持って」
「え?」
「早く」
「は、はい」
「ダニエル、ありがとう。フンは誰かに任せてね。
あと、客の意見を取り入れた物を作れそうな針子を呼んでくれると助かるわ」
「かしこまりました」
「ラヴィア…」
「では侯爵、失礼します」
もう1匹の子犬を抱いて、部屋に戻った。
机に向かい、ペンを持った。
犬のハーネスを描いている。…絵が下手だった。四足歩行の何かというのは分かってもらえるだろう。
あと、やっぱり犬用の室内トイレは作った方がいい。
本当はペットシートがあれば解決なんだけど、無いよねぇ。
箱みたいなのを作って藁を敷く?燃やせばいいしね。
箱かぁ。硝子製なら洗えば臭いが落ちるけど、重いしメイドが落としそう。
後は鉄…バケツのことを考えるとそこまで重くないものね。トレイの大きいやつを作ってもらおうかな。
あと、トレイ覚えるまでサークルの中に入れよう。サークル…木製?大型犬のおチビちゃんが立って寄りかかっても倒れないようにできるかな?
【 イアンの視点 】
“キスマーク”
そう言われて、あのときに首に吸いつかれたのを思い出し、パッと首に手を置いた。
その途端、ラヴィアは王子妃教育の賜物だろうか 美しい微笑みを見せた。
近衞騎士時代、妃の護衛についたときに時折見た彼女達の笑みによく似ていた。
その後、店の者を呼び付けて何やら作るよう命じたようだった。
外出の予定が無くなってしまった。
あの日、犬の物を買い終わったら ラヴィアのドレスを作りに行こうと思っていた。
確かに俺は結婚の条件として求めることの中に、社交をさせないことを盛り込んだ。公女だから妻ということで迎えるが、部下達の性欲処理に使うために娶るのだから、社交など必要ないしさせられない。同伴もしたくないと思って手紙に書いた。
彼女はそんな酷い条件を受け入れて ドレスを処分した。どんな気持ちで処分したのか。
そう思うと申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
主治医から、ラヴィアの純潔を証明され冤罪説が濃厚になった今ならわかる。
あの時、ラヴィアは俺のことを“あのクソ王子より酷い”と言っていた。
そのセリフは正しいと実感する。
この大きな失態を挽回するためには並大抵のことでは駄目なのだ。
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