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怒りの止まらぬ夫の後悔
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【 イアンの視点 】
人生の中で一番興奮して
一番理性を働かせて
口淫で一番気持ち良くて嬉しかった。
ラヴィアは焦らしながら少しずつ刺激を与え、恥ずかしいというより恍惚とした表情を浮かべた。
呪いを受ける前に遊んだ女達の中に口での奉仕をする者は滅多にいない。
呪いのために受け入れた女達はそれも含めた契約だった。教えなくてはいけない女、躊躇いながら咥える女、積極的に奉仕する女がいたが、いずれもラヴィアには及ばない。
体の奥底から怒りが込み上げた。
敵と剣を交えているときでも、呪いをかけられたときでも、離縁となったときでもこんな怒りは生まれなかった。
ラヴィアが冤罪と婚約破棄で首を吊ったことを知ったときはかなり強い怒りはあったが……
隣で眠るラヴィアの結婚指輪に触れた。
誓いを破ってしまった。
丁寧に前戯をして気持ち良くすると誓ったのに、あれでは強姦だ。
誰に教わったのかと問い詰めたら“指南書”だと嘘をついたからカッとなった。
「はぁ…」
起きたら荷物を纏めて出て行こうとするだろうか。
今更、俺に愛を教えておきながら捨てるなんて許さない。
閉じ込めるか、足枷を付けるか、ワイラーとレミを張り付かせるか。
いっそのこと脚の腱を切って歩けなくしてしまおうか。
「ん…」
こんなに悩んでいるのに ラヴィアは眠りながら抱き付いてきた。
まだ数年待とうと思ったが孕ませるか。
「ラヴィア」
こんなに胸が苦しくなるものだとは思わなかった。
早朝、執務室へ行き書類に目を通していた。
「旦那様、おはようございます」
「エリン、昨夜は無理をさせた。ラヴィアが起きたら自由に過ごさせてやってくれ。ただし屋敷の外に出るのは駄目だ」
「お散歩を禁止なさるのですか」
「そうだ。犬は既に散歩も済ませている」
「かしこまりました」
次にレミが嫌々現れた。
「おはようございます」
「すまないな。聞きたい事があるのだが、オルドレイ邸に調査に行ったときに、ラヴィアに王子以外の恋人か何かの存在を耳にしなかったか?」
「恋人か何か…ですか?」
「そうだ」
「無いです。ラヴィア様は婚約者に誠実なレディでした。あり得ません」
「ありがとう」
補佐のダルトンとトミーが仕事を始めてすぐ、サラが息を切らして執務室に駆け込んだ。
「旦那様、ラヴィア様が」
「逃げたのか!」
「はい?違います。…高熱が出ていてお医者様を呼びました」
「直ぐに行く」
ラヴィアの部屋に行くと勤務時間ではない専属メイドも集まり、慌ただしい。
ラヴィアは起きていた。
拒絶されるだろうか。
近寄って額に手を当てた。
確かに熱が高い。
ギシッ
ティラミスがベッドに乗るとラヴィアは抱き付いた。
ティラミスは大人しくされるがままといった感じで動かない。
「痛い…痛い…」
ラヴィアがうずくまり苦しみ出した。
「医者はまだか!」
苦しむラヴィアの側で何もできないもどかしさに苛立ちが募る。
やっと医者が到着して毛布を捲ると出血していた。
「ラヴィア!!」
「侯爵様、外に出てください。
桶にお湯と拭く清潔な布をたくさん用意してください」
部屋の前の廊下を往復しているとドアが開いて医者が出てきた。
助手は走って階段を降りて行った。
「ラヴィアは」
「向こうのどこかの部屋で話しましょう」
何だ、何の病気なんだ!
3つ先の空き部屋に入りドアを閉めた。
「座って落ち着いて聞いてください」
「座ったから教えてくれ。ラヴィアは何の病気なんだ」
「初期の流産です」
「流産!?」
「妊娠4、5週といったところでしょう。
まだ性別はおろか人の形をしていない かなり小さな胎児です。助手に専用の棺を取りに行かせました」
「…妻は」
「出血は治り処置も終えました。鎮痛薬と睡眠薬で眠らせました。妊娠も流産も伝えておりません」
「もう授かれないのか?」
「大丈夫だと思いますが、妊娠したら気を付けなければなりません。取り越し苦労になるかもしれませんが、流産しやすい場合もあります」
「実は、妊娠しているとは知らず、かなり無理を強いてしまったんだ」
「外的要因ということですね」
「そうなるな」
「困りましたね 侯爵様」
「申し訳ないことをしたと思っている」
「子を失うと心を病む女性もおります。くれぐれも負荷をかけないようにしてください」
そのまま様子を見るために医者が滞在してくれることになった。
人生の中で一番興奮して
一番理性を働かせて
口淫で一番気持ち良くて嬉しかった。
ラヴィアは焦らしながら少しずつ刺激を与え、恥ずかしいというより恍惚とした表情を浮かべた。
呪いを受ける前に遊んだ女達の中に口での奉仕をする者は滅多にいない。
呪いのために受け入れた女達はそれも含めた契約だった。教えなくてはいけない女、躊躇いながら咥える女、積極的に奉仕する女がいたが、いずれもラヴィアには及ばない。
体の奥底から怒りが込み上げた。
敵と剣を交えているときでも、呪いをかけられたときでも、離縁となったときでもこんな怒りは生まれなかった。
ラヴィアが冤罪と婚約破棄で首を吊ったことを知ったときはかなり強い怒りはあったが……
隣で眠るラヴィアの結婚指輪に触れた。
誓いを破ってしまった。
丁寧に前戯をして気持ち良くすると誓ったのに、あれでは強姦だ。
誰に教わったのかと問い詰めたら“指南書”だと嘘をついたからカッとなった。
「はぁ…」
起きたら荷物を纏めて出て行こうとするだろうか。
今更、俺に愛を教えておきながら捨てるなんて許さない。
閉じ込めるか、足枷を付けるか、ワイラーとレミを張り付かせるか。
いっそのこと脚の腱を切って歩けなくしてしまおうか。
「ん…」
こんなに悩んでいるのに ラヴィアは眠りながら抱き付いてきた。
まだ数年待とうと思ったが孕ませるか。
「ラヴィア」
こんなに胸が苦しくなるものだとは思わなかった。
早朝、執務室へ行き書類に目を通していた。
「旦那様、おはようございます」
「エリン、昨夜は無理をさせた。ラヴィアが起きたら自由に過ごさせてやってくれ。ただし屋敷の外に出るのは駄目だ」
「お散歩を禁止なさるのですか」
「そうだ。犬は既に散歩も済ませている」
「かしこまりました」
次にレミが嫌々現れた。
「おはようございます」
「すまないな。聞きたい事があるのだが、オルドレイ邸に調査に行ったときに、ラヴィアに王子以外の恋人か何かの存在を耳にしなかったか?」
「恋人か何か…ですか?」
「そうだ」
「無いです。ラヴィア様は婚約者に誠実なレディでした。あり得ません」
「ありがとう」
補佐のダルトンとトミーが仕事を始めてすぐ、サラが息を切らして執務室に駆け込んだ。
「旦那様、ラヴィア様が」
「逃げたのか!」
「はい?違います。…高熱が出ていてお医者様を呼びました」
「直ぐに行く」
ラヴィアの部屋に行くと勤務時間ではない専属メイドも集まり、慌ただしい。
ラヴィアは起きていた。
拒絶されるだろうか。
近寄って額に手を当てた。
確かに熱が高い。
ギシッ
ティラミスがベッドに乗るとラヴィアは抱き付いた。
ティラミスは大人しくされるがままといった感じで動かない。
「痛い…痛い…」
ラヴィアがうずくまり苦しみ出した。
「医者はまだか!」
苦しむラヴィアの側で何もできないもどかしさに苛立ちが募る。
やっと医者が到着して毛布を捲ると出血していた。
「ラヴィア!!」
「侯爵様、外に出てください。
桶にお湯と拭く清潔な布をたくさん用意してください」
部屋の前の廊下を往復しているとドアが開いて医者が出てきた。
助手は走って階段を降りて行った。
「ラヴィアは」
「向こうのどこかの部屋で話しましょう」
何だ、何の病気なんだ!
3つ先の空き部屋に入りドアを閉めた。
「座って落ち着いて聞いてください」
「座ったから教えてくれ。ラヴィアは何の病気なんだ」
「初期の流産です」
「流産!?」
「妊娠4、5週といったところでしょう。
まだ性別はおろか人の形をしていない かなり小さな胎児です。助手に専用の棺を取りに行かせました」
「…妻は」
「出血は治り処置も終えました。鎮痛薬と睡眠薬で眠らせました。妊娠も流産も伝えておりません」
「もう授かれないのか?」
「大丈夫だと思いますが、妊娠したら気を付けなければなりません。取り越し苦労になるかもしれませんが、流産しやすい場合もあります」
「実は、妊娠しているとは知らず、かなり無理を強いてしまったんだ」
「外的要因ということですね」
「そうなるな」
「困りましたね 侯爵様」
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「子を失うと心を病む女性もおります。くれぐれも負荷をかけないようにしてください」
そのまま様子を見るために医者が滞在してくれることになった。
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