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解けた呪い
【 ソニアの視点 】
数時間かけて起き上がったけど立ち上がることは出来なかった。テーブルの上の食べ物は腐っていた。
腐り具合から1週間以上ではないかと血の気が引いた。
何とか壁を伝って一階まで降りると、建物のオーナーでパン屋を経営しているフローネさんに会った。
「フローネさん」
「…どなた?」
「屋根裏を借りているソニアです」
「ひっ!!」
フローネさんは化け物を見たかのような驚き方をした。
「今日は何日ですか」
「…29日」
11日も寝ていたの!?
「これでパンとジュースを」
コインを渡してパンとジュースを受け取った。
部屋に戻り、先に鏡を見ることにした。
臀部にあった呪いの証を確認したかった。
「え…何これ」
大きな黒いシミが出来ていて呪いの証が見えなかった。
どういうことなの…
喉がカラカラでジュースを一口飲んで咽せてしまった。
ゲホッゲホッゲホッ
パンを小さくちぎって食べたけど少ししか喉を通らなかった。
もうすぐ日が暮れる。
寝ないよに工夫しないと。
方法を考えているとドアの外が騒がしくなった。
複数の足音が聞こえる。
バン!!
ドアを蹴破ったのは聖騎士だった。神官も一緒だった。
「これは…」
「末期だな」
「体を調べろ」
「な、何を!」
服も下着も脱がされた。
「神官様、これではありませんか」
「間違いない。魔女だ」
え?
「魔女じゃありません!!」
「おまえ、人を呪っただろう。
尻に呪いの証があっただろう。黒くシミのように消されてしまったのは対象者が呪いを解いたからだ。
すぐにこのシミは全身を覆い腐るぞ」
「ちが、」
「呪い返しで間違いありません。連行してください」
聖騎士が私を引き摺り、中央広場まで連れて来た。
町兵が磔台を運んで来て、私の手を上げると 両方の手のひらに杭を打ちつけた。
枝などが足元に積まれ、何か液体をかけられた。
「人を呪った魔女を地獄に送り返す!しかと見届けよ!!」
「違う!魔女じゃない!! ギャアアアア!!」
火を付けられると腰辺りまで一気に燃え上がった。
熱い!痛い!!
私はバルド侯爵夫人になるの
かしずく貴族や平民や使用人たち、流行を先取りしたドレス、高価な宝石、美男子の護衛騎士…
私は……
【 イアンの視点 】
町兵からの連絡を受けて中央広場に到着した。
既に磔台の人間は火に包まれていた。
神官に話しかけると事情を説明してくれた。
呪い返しを受けた魔女だと。
「誰なんですか?」
「ソニアという名前のようです。
部屋を貸していた女主人によると、バルド侯爵様の求人を待っていたとか。頻繁に町役場に見に行っていたみたいです」
「呪い返しは間違いないのですか」
「外見は痩せこけて老婆のようでした。
部屋を貸したときは若い女だったそうです。居住期間は1年未満で働いていないのにちゃんと家賃を支払っていたそうです。
最近急激に痩せて老けたそうで今日は異様だったと。それで通報を。
身体には大きな黒いシミが出来ていましたし、肌は樹木の外皮のようでしたから間違いありません」
「部屋を見たいのですが」
「ご案内します」
聖騎士のあとについて行った先はパン屋の屋根裏部屋だった。
「バルドに関わるものがないか探せ」
私兵に探させ、俺も置いてある物で見覚えがある物はないか確認した。
「侯爵様、バルドの紋章の便箋と日記らしき物が」
便箋は給金の精算と退職慰労金について書かれた物だった。
間違いない。性処理に使っていたソニアだ。
「部屋の中に金が隠されているはずだ」
更に探させると巾着袋に入った退職慰労金の残りが出て来た。
同行した聖騎士に金を渡した。
「私を呪った女はソニアで間違いなさそうです。
そうとは知らず、これはバルド家で用意して渡した金です。
こちらはお持ち帰りください。
後日改めてお礼に参ります。
ただ、呪われた理由を知りたいのでこの日記だけは譲ってもらえませんか」
「呪いも解けて処刑も終わっていますのでお持ち帰りください」
「感謝します」
家主に金を払ってから屋敷に戻り日記に目を通すと、俺との出会いが書いてあった。主催者の用意した娼婦扱いして、投げ付けた言葉に強い怒りをもったようだ。
全く覚えていない。
俺は女達に遊びだと明確に告げていたし、優しくなどしなかった。ヤリ終えればそれ以上側にいることはない。
恋人としての交際だとか結婚を口にした女にはソニアの日記に書いてあったようなようにひどい言葉を使った。
優しく断っても変な期待を残すだけだ。
ラヴィアに見せたら嫌われるだろうか。
読み進めて行くと、呪いの本との出会いが書いてあった。そのページを破り取った。
バルド領の神殿に寄付金と一緒に呪いの本のありかの書かれたページを持って行った。
後日禁書を回収出来たと手紙が届いた。
これで全てが終わった。
数時間かけて起き上がったけど立ち上がることは出来なかった。テーブルの上の食べ物は腐っていた。
腐り具合から1週間以上ではないかと血の気が引いた。
何とか壁を伝って一階まで降りると、建物のオーナーでパン屋を経営しているフローネさんに会った。
「フローネさん」
「…どなた?」
「屋根裏を借りているソニアです」
「ひっ!!」
フローネさんは化け物を見たかのような驚き方をした。
「今日は何日ですか」
「…29日」
11日も寝ていたの!?
「これでパンとジュースを」
コインを渡してパンとジュースを受け取った。
部屋に戻り、先に鏡を見ることにした。
臀部にあった呪いの証を確認したかった。
「え…何これ」
大きな黒いシミが出来ていて呪いの証が見えなかった。
どういうことなの…
喉がカラカラでジュースを一口飲んで咽せてしまった。
ゲホッゲホッゲホッ
パンを小さくちぎって食べたけど少ししか喉を通らなかった。
もうすぐ日が暮れる。
寝ないよに工夫しないと。
方法を考えているとドアの外が騒がしくなった。
複数の足音が聞こえる。
バン!!
ドアを蹴破ったのは聖騎士だった。神官も一緒だった。
「これは…」
「末期だな」
「体を調べろ」
「な、何を!」
服も下着も脱がされた。
「神官様、これではありませんか」
「間違いない。魔女だ」
え?
「魔女じゃありません!!」
「おまえ、人を呪っただろう。
尻に呪いの証があっただろう。黒くシミのように消されてしまったのは対象者が呪いを解いたからだ。
すぐにこのシミは全身を覆い腐るぞ」
「ちが、」
「呪い返しで間違いありません。連行してください」
聖騎士が私を引き摺り、中央広場まで連れて来た。
町兵が磔台を運んで来て、私の手を上げると 両方の手のひらに杭を打ちつけた。
枝などが足元に積まれ、何か液体をかけられた。
「人を呪った魔女を地獄に送り返す!しかと見届けよ!!」
「違う!魔女じゃない!! ギャアアアア!!」
火を付けられると腰辺りまで一気に燃え上がった。
熱い!痛い!!
私はバルド侯爵夫人になるの
かしずく貴族や平民や使用人たち、流行を先取りしたドレス、高価な宝石、美男子の護衛騎士…
私は……
【 イアンの視点 】
町兵からの連絡を受けて中央広場に到着した。
既に磔台の人間は火に包まれていた。
神官に話しかけると事情を説明してくれた。
呪い返しを受けた魔女だと。
「誰なんですか?」
「ソニアという名前のようです。
部屋を貸していた女主人によると、バルド侯爵様の求人を待っていたとか。頻繁に町役場に見に行っていたみたいです」
「呪い返しは間違いないのですか」
「外見は痩せこけて老婆のようでした。
部屋を貸したときは若い女だったそうです。居住期間は1年未満で働いていないのにちゃんと家賃を支払っていたそうです。
最近急激に痩せて老けたそうで今日は異様だったと。それで通報を。
身体には大きな黒いシミが出来ていましたし、肌は樹木の外皮のようでしたから間違いありません」
「部屋を見たいのですが」
「ご案内します」
聖騎士のあとについて行った先はパン屋の屋根裏部屋だった。
「バルドに関わるものがないか探せ」
私兵に探させ、俺も置いてある物で見覚えがある物はないか確認した。
「侯爵様、バルドの紋章の便箋と日記らしき物が」
便箋は給金の精算と退職慰労金について書かれた物だった。
間違いない。性処理に使っていたソニアだ。
「部屋の中に金が隠されているはずだ」
更に探させると巾着袋に入った退職慰労金の残りが出て来た。
同行した聖騎士に金を渡した。
「私を呪った女はソニアで間違いなさそうです。
そうとは知らず、これはバルド家で用意して渡した金です。
こちらはお持ち帰りください。
後日改めてお礼に参ります。
ただ、呪われた理由を知りたいのでこの日記だけは譲ってもらえませんか」
「呪いも解けて処刑も終わっていますのでお持ち帰りください」
「感謝します」
家主に金を払ってから屋敷に戻り日記に目を通すと、俺との出会いが書いてあった。主催者の用意した娼婦扱いして、投げ付けた言葉に強い怒りをもったようだ。
全く覚えていない。
俺は女達に遊びだと明確に告げていたし、優しくなどしなかった。ヤリ終えればそれ以上側にいることはない。
恋人としての交際だとか結婚を口にした女にはソニアの日記に書いてあったようなようにひどい言葉を使った。
優しく断っても変な期待を残すだけだ。
ラヴィアに見せたら嫌われるだろうか。
読み進めて行くと、呪いの本との出会いが書いてあった。そのページを破り取った。
バルド領の神殿に寄付金と一緒に呪いの本のありかの書かれたページを持って行った。
後日禁書を回収出来たと手紙が届いた。
これで全てが終わった。
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