【完結】浮気者と婚約破棄をして幼馴染と白い結婚をしたはずなのに溺愛してくる

ユユ

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婚約と婚姻

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「結婚相手を見つけた」

「えっ、もう?
婚約おめでとう。誰と?」

「俺とシアだよ」

「…何の冗談?」

「真面目に言っているんだ!俺と結婚してくれ!」

そんなことを言い出しているのは幼馴染のディオンだ。

「無理」

「は!? なんで!」

「だって結婚したらディオンとをしなくちゃいけないんでしょう?ディオンとは無理よ」

「傷付くなぁ」

「嫌いとか気持ち悪いとかじゃなくて。
だって友達じゃない。例えて言うなら弟としようだなんて思わないでしょう?」

「誰が弟だ。アレク兄さんの膝の上にいるくせに」

「ディオン。シアの座る場所は今も昔も私の膝の上と決まっているんだ。文句があるのか?」

「ありません!」

「シア。ディオンが一番条件がいいんだ。こうしていても文句は言わせないし、タウンハウスは隣だし。また寝るときに本を読んであげられるし」

「でも…」

「じゃあ、白い結婚ならどうだ」

「ウィルソン家の跡継ぎはどうするのよ」

「養子もらうよ」

「う~ん」

「なんか傷付いた。婚約者の浮気現場を見たり婚約を破棄したときより傷付いた」

ディオンは顔を手で覆って泣いているようだった。

「分かった、分かったから」

「よし!伯爵おじさんに報告してくる!」

泣き真似だった。

ディオンが走って部屋から出て行ってしまった。

「兄様」

「ん? にいにと結婚する?」

「したいけど出来ないもん」

天使シア!!」

「くっ、苦しいっ」

兄様と結婚したら幸せ間違いなしだと思う。
だけど兄妹だから叶わない。
兄様があまりにも溺愛するので、もしかしたら血の繋がらない兄妹で私を愛しているのでは?なんて一瞬思ったこともあったが、私達は似ていた。



翌日には婚約が整ったが婚約パーティーはやらないという。

「そっか。醜聞後だものね」

「違う。式が近いからだ」

「え?いつ!?」

「小規模で1ヶ月後」

「無理よ!ドレスが間に合わないもの!」

「アレク兄さんが用意してくれているから大丈夫」

「…招待客は」

「寧ろ家族だけでもいいくらいだ」

「教会は?」

「交換してもらった」

「え?」

「ミリアナとの式のために予約していた日と取り替えてもらった」

「何でそんなに急ぐの?」

「シアの気が変わったり出会いがあって恋に落ちたら困るから」

「はぁ」


後で兄様に聞いたら、勝手にウエディングドレスを作って眺めて妄想していたらしい。兄様の部屋に私の肖像画が19枚あるのは知っていたけど、ドレスは知らなかった。

試着してみるとピッタリで、何故か兄様自身が結婚式で来た服を着て、ウェディングドレスを着た私と並び、肖像画を描いてもらった。まるで兄様と結婚したみたいな絵になった。
19枚と今回の1枚を合わせて、同じものを別の紙に描かせて“天使レティシア”という画集を特注すると言っていた。観賞用、保存用、部屋に飾る用、私用、家宝用の5冊頼んだらしい。
20枚全部私と兄様しか描かれていない。

兄様の約20年間の画集ともいえる。ご夫人方や令嬢方に高値で売れそうだ。

『本当はね、シアの寝顔とかケーキを食べているシアとか、泡風呂に入っているシアとか残したかったけど、画家にそんな天使なシアを見せられないからね。描き終えたら抹殺したくなるから我慢しているんだ。自分で描こうとしたこともあるけど、エリオットをおさえて学園で3年間1位を取り続けた私でも絵は駄目だったよ』

と言っていた。良かった。神様が絵の才能まで兄様に与えなくて。



そして婚姻をした。

兄様は号泣していて皆が引いていた。故人との別れに呼ばれたのかしら?と参列者は思ったことだろう。


今夜はウィルソン邸に来ている。
疲れたのでそろそろ寝ようと思っていたのにお風呂上がりのディオンが半裸で入室してきた。

「な、なに!?」

「ん?」

「何で入って来たの?」

「夫婦の寝室だから」

「だって白い結婚だって、」

「だけど別々に寝るなんて言っていないよ。
ちゃんと閨事をしているフリはしないと。妻の務めを果たさない嫁が来たとか、夫に愛されない妻が来たと思われるからな」

「でも」

「アレク兄さんが添い寝してるなら、俺がしても大丈夫だろう?弟なんだろう?」

昨日 兄様が添い寝したの何で知ってるの!?

「どうしてそれを、」

「アレク兄さんが自慢していたぞ」

「……寝巻きはどうしたのよ」

「いつも着てない。裸の方が眠れるんだ」

「何言ってるの!」

「1枚履くからいいだろう」

「手出ししないでよ」

「はいはい」


疲れていたはずなのに眠れない。
それもディオンのせいだ。

1枚履く前に、腰に巻いていたタオルが落ちて全裸になったのだ。当然アレも見てしまった。
男のアレを初めて見たのだ。

えっ…アレを挿れるのよね?
…アレを!?
でも興奮したら大きくなるって習ったわ。まさかアレ以上大きくなるの!?

死ぬ。絶対死ぬ。

「眠れないのか」

「……本を読んでやろうか」

「…うん」

だけど、

「ねえ。寝かし付けるために読むのに、そんな大冒険みたいな本を劇みたいに読まれたら眠れないから囁くように読んで」

「ハハッ。分かったから目を瞑れ」
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