【完結】婚約解消? 俺に女遊び教えたの、そいつだけど?

ユユ

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カーラの不満

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【 カーラの視点 】


16歳の時に一目惚れをした。

エミリアン・プリュム。子爵家の一人息子。
赤ワイン色の髪にアクアマリンの瞳。

お父様が調べると借金もある貧しい家門だった。
でもボヴァン伯爵家うちが支援すればいいだけ。お願いして、縁談を申し込んでもらった。

一度断られたと聞いて悲しかったが、婚約できた。

期待で胸が膨らんだ。だけど…


デートに誘っても “忙しい”

学園が終わるとさっさと帰ってしまう。
何を誘っても、自領の事業を手伝っているから時間がないと断られてしまう。

お茶会や夜会なども出られないと。

私の誕生パーティと義務である王宮主催のものと卒業パーティだけ私をエスコートしてくれた。

その日だけ美しい瞳で私を見つめ、微笑み、手を取ってくれた。ダンスは夢心地だった。

卒業したら婚姻して、毎日一緒に居られると思ったのに。


彼の友人だというパトナム・ブレットという男にパーティで出会い、話していたら酔って彼の話を始めた。

『エミリアンは忙しいからな。私とも遊んでくれない。事業の事で頭がいっぱいだ。娼館で息抜きするくらいで』

は? 娼館?

私の誘いを断り続け、卒業して1年以上婚姻もせず放っておいて?
私以外の女を抱いているの?
あの瞳で見つめて、あの唇で口付けを?


気が付いたらブレット子爵令息とベッドで寝ていた。

酔ったのか、あの話を聞いてからは断片的にしか覚えていないけど。 

『おはよう、カーラ』

『お、おはよう』

『とても可愛かったよ。体は辛くない?』

そうだ。私は初めてだった。
だけど記憶にあるのは、全身の血流が巡り痺れるような快楽、強制的な強い快楽、そして何も考えられず白く弾けて体が支配される快楽。

『はい』

『君との出会いは人生で最高の出来事だ』

パトナム…彼は普通の人。エミリアンのように際立った容姿ではない。子爵家も普通。だけど…

私だけを見つめ、甘い言葉で包み、そっと頬を撫でてくれる。

『君を大事にしないなんて有り得ない』

そうよ。私はボヴァン伯爵家の令嬢でお金もあり可愛い。その私を大事にしないエミリアンが悪いのよ!

『もう一度したい。いい?』

『はい…あっ』

彼と婚姻してプリュム子爵夫人になったとして、あの様な惨めな生活を送るの?
それでも良かった。大事にしてくれるなら、あの顔で私を愛してくれるなら。
だけどそうじゃない。待っているのは最低限の関わりしか持たないエミリアンにお金のない不自由な暮らし。そんなの私に相応しくない!

この人なら私を愛してくれるし、お金持ちではないけど普通の暮らしはできる。


だから私はパトナムの求めるがまま呼び出しに応じて会いに行き、彼の屋敷や夜会で体を繋げた。
身も心も満たされるし、何より気持ち良かった。

“カーラ。私は君と離れたくない。だけどエミリアンの婚約者といつまでもこうしてはいられない”

この言葉に決心がついた。
婚約を解消してパトナムと…
それにエミリアンは私を蔑ろにしておきながら他の女を抱いていたことが許せなかった。 
何処からそんな金が?

そっか。ボヴァン伯爵家うちが娼婦と寝る資金を提供したということね。ならば。










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