【完結】婚約解消? 俺に女遊び教えたの、そいつだけど?

ユユ

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結婚

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ウィリアム・ボヴァン。
彼はまともだった。

『父が強引に話を進めたようで申し訳ありません』

『一体何故私なのか』

『カーラの一目惚れです。
父は何度も断られているのに、そうは言えずにいました。ついに断られたと言った時にカーラが泣いて部屋から出ず食事を拒否したので、父はプリュム領まで行きました。
帰るとカーラに婚約したと報告したのです。

カーラは断られたのは一度だと思っています。
煩いのでそのままにしてください』

『はい』

『今日はどんな御用でしょう』

『支援金を返金しに来ました』

カバンを運ばせて渡した。

『婚約を解消に?』

『いえ。返せるからお返しするだけです』

『ではカーラが嫁ぐときの持参金の足しにします』

そう言って受け取ってもらえた。
そして帰り際、

『もし解消になってもならなくても、私の代からは親しくしたいのですが考えてみてください』

『はい』


何故かは分からないが気に入られたようだ。
返金したから?




そして翌年の王太子殿下の誕生祝いのパーティーで婚約解消を宣言された。

4億5千万を支払いに来たのはウィリアム様だった。
待ち合わせの銀行の特別室で完了させた。

『カーラは支援無しでブレット子爵家の領地の端に家を建ててパトナムと生きていくことになりました。立て替えた1億5千万を返さなくていい代わりに返品せずブレット子爵家が面倒を見るようにしました。爵位も近々継ぎます。

この度は大変申し訳ございませんでした』

ウィリアム様は深々と頭を下げて謝罪してくださった。

『ウィリアム様、頭を上げてください。
貴方も大変だったのでしょう』

『ありがとうございます。

あの、もしカーラのせいで縁談が上手くいかなければ、紹介します』

『幼馴染がいるのです。ボヴァン伯爵が縁談を申し込んでくださる前から好きな女の子が』

『そうでしたね。お相手の方はまだ独身なのですね。

家門は、』

『いえ。貴族ではありません。教育はさせてきました。領地で彼女の祖父の代からプリュム家に貢献してくれた一家で、素敵な子なのです』

『そうですか。おめでとうございます。
娶られるのですね』

『まだ求婚していませんが、そのうち、』

『駄目です。今すぐに求婚をしないと取られますよ!平民同士は貴族とは違い婚姻は簡単です。
平民の男に先を越されたらどうするのですか!』

『あ、そうですが、解消したばかりでは』

『ならば知り合いの男爵家に形だけ養女に出しましょう。それならまた政略結婚だと思われます。
私が男爵令嬢を貴方に紹介したとすれば、蟠り無しと思うでしょう。

貴方やお嬢さんが嫌でなければ考えてみてください』



その後、領地から出てきた父に相談して、ウィリアム様に紹介してもらうことにした。
男爵夫妻に会ってみると父より少し歳が上の優しい夫妻だった。

父と領地に戻り、王都で購入した指輪をラナにはめて求婚した。

『ラナ。愛してる。結婚してくれ』

最初は畏れ多いと首を横に振っていたが、ラナの両親は許してくれて、養女の件も了承してくれた。

ラナを王都に連れてきて、日々口説いた。
手を繋ぎ、ハンドキスをし、チークキスをし、抱きしめ、膝に乗せ、唇を奪った。

そして王都に来てから10日後にラナを抱いた。

処女は初めてだったので緊張したが、ここは余裕をみせないとラナが怖がってしまう。

ほろ酔いにさせて、抱き上げて俺の部屋のベッドに寝かせて服も脱がせた。

“駄目です” “つり合いません” “恥ずかしい”

宥めて宥めて、やっとラナの中に入った。

痛みなのか涙を流すラナが愛おしい。


パトナムに連れられて娼館に行ったのは、ストレス解消の為だった。

好きな女は娶れず、たいして可愛くもない我儘女との結婚が決まり、学業と研究。
心身ともに疲れていた。

プロなだけあっていろいろな技で奉仕してくれた。
当然気持ち良かったし、ストレス解消になった。


だけど、どうしていいか戸惑い、恐れを押し殺しながら俺を受け入れてくれたラナは格別だ。
もうラナ以外の女を抱くことはないだろう。

震える身体が可愛い。

「ラナ。愛してる。他の男になど嫁がせないからな」


初夜は避妊しないと決めていた。

予定日まで何度か抱いたが、月のモノがきたとメイドから報告があった。

跡継ぎを生ませたくて急いでいるのではない。逃げられないように孕ませたかった。

子がいればラナは側にいてくれる。



そのうちカーラが領地へ旅立ったと聞いた。

そしてラナと婚姻した。

既に孕んでいた。

ちょっと両親に叱られたが、嬉しくてほとんど聞き流していた。




「そっくりだな。アレンを夫にしないか?」

「嫌ですよ。ローラは結婚しなくていいです」

「父上、ローラは僕のお嫁さんですか?」

「そうだよ。アレンが面倒を見て、可愛がって、守ってやるんだぞ。ローラは虫を引き寄せることは確定しているからな。だからアレンは勉強も剣術も体術も頑張らないとな」

「はい!」

「ウィリアム様!?」

「いいだろう?ローラは絶対に目を付けられる。
婚約していれば高位貴族が寄ってきても断れるぞ」

「……」

ウィリアム様にはアレンという4歳の男児がいた。
うちは女の子が生まれてローラと名付けた。
今、伯爵夫妻とご子息が祝いに来てくれている。

「親同士も付き合いがあって、王都の屋敷も近い」

ウィリアム様は俺が結婚すると、王都のボヴァン邸を売り、プリュム邸の向かいにある、以前よりも小さな屋敷を買い、移り住んでいた。

「……」

「アレンじゃ不満か?」

ウィリアム様の言葉に、アレンが見上げて返事を待った。

「不満はない。だが、嫁には…」

「“お父様、この人と結婚します”と言って連れてきた男がタラシだったら?ギャンブルや酒にのまれる男だったら?女を尊重できない男だったら?

今ならアレンを一緒に理想の婿に仕上げられるぞ」

「……」

「エミリアン様、仮婚約になさっては?」

「仮?」

「もし弟が産まれたら婿はもらえません」

「そうだな。ラナの言う通り、期間限定の仮婚約としよう」




結局、プリュム家は姉妹、ボヴァン家は兄弟だった。

だからアレンがプリュム家の婿に。
妹のルルナがボヴァン家の嫁に行くことになった。

ローラもルルナも美しく、王子や高位貴族の令息が騒いだこともあったが、婚約者がいることで引き下がった。



ウィリアムが当主となったボヴァン伯爵家とプリュム子爵家は昔が信じられないほど良い関係だ。


未来は分からないものだ。




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