15 / 35
頼み事
ノクタル邸から戻って1週間後に ブラージェル家の長女セイラから先触れがあり、本日訪ねてくる予定だ。
「セイラ様がいらっしゃいました。応接間へお通ししております」
「ありがとう」
応接間に入るとセイラは立ち上がり挨拶をした。
「改めまして、ブラージェル子爵家長女セイラと申します。初対面のときには大変失礼な態度を取りました。申し訳ございません」
「誰だって4歳上の継母なんて嫌よね。図々しくするつもりはないのよ。書類上の妻というだけだから、セイラさんやジスランくんの邪魔はしないわ」
「王都新聞、読みました」
「あ~アレね。いろいろあったけど、彼のことを好きじゃなかったことだけが救いかしら」
「好きじゃなかったのですか?」
「そうよ。初対面から小さな俺様王子でね、嫌だなって思ったのよ」
「王子様はとても美形だと聞いたことがあります。
容姿にも興味はありませんでしたか?」
「無いわね。好みじゃなかったみたい」
「エリーズ様はどんな男性が好みですか?」
エリーズの記憶にそういうのは無いのよね。
忙しすぎて目を向けなかったのね。
惠莉なら…
「そうね。痩せている人は好まないわね。髪の色は黒かダークブラウンがいいかしら。瞳の色は何でもいいわ。今となっては元婚約と違う色なら何でも。
清潔で体臭がキツくない人…できればいい匂いの人がいいわ。爪もきちんと切っている人がいいわね」
「性格はどうですか」
「性格?
穏やかな人がいいわね。思いやりがあって他人を尊重できるといいわね」
「父とは仲良くしないのですか?」
「喧嘩さえしなければそれでいいと思うの。
アルミュア家は金銭支援を、ブラージェル家は書類上の妻の座を与える約束だけだから。
子爵様はまだ若いから恋人もできるだろうし、その恋人を妻にしたいと思えば離縁を受け入れるわ。
まあ、直ぐにというのは難しいと思うけど。
私はこの屋敷で自由に過ごしたいだけだから。
子爵様はよく分からない人というのが正直な感想よ。ただ感じたのは一緒にいない方が良さそうかなって。
ごめんなさいね、セイラさんのお父様なのに」
「嫌い…ということですか?」
「そうじゃないのよ。
ただ、8年も自由の無い縛られた日々を送っていたの。朝、迎えの馬車が来てその瞬間から教育係の監視下に置かられるわ。ずっと王子妃となるための勉強を続けて、昼食もティータイムも休憩ではないのよ?テーブルマナーの実習なの。食べ難いものをわざとだされるのよ。
夕食前に屋敷に帰してもらえるけど復習があるし、学園が始まれば、同時進行よ。放課後と学園のない日に迎えがくるの。
お友達を作るとか、一緒にお茶をするとか買い物をするとか、友達の誕生日のパーティに出席するとかできなかったわ。
第一王子殿下と違って第二王子殿下はフォローが必要な方だったの。その分 私への教育は厳しかったから自分の誕生日のパーティを開くことさえ出来なかったわ。毎日疲れていたの。
化粧の仕方でさえ自由がないのよ?
なのに第二王子殿下は自由奔放。理不尽だなって思っていたわ。
やっと解放されたから、自分らしく生きていきたいの。
子爵様はよく分からない方だから、子爵様の言動に振り回されたくないのよ。私に何か怒っている時があるみたいだけど、心当たりが無いし、子爵様も何も言わないし。
“私が何かして怒らせてしまいましたか?”なんて聞いて探るようなことは今の私はしたくないわ。
私といることで そうなってしまうのなら、関わることなく生活することが一番なのよ。
この間はノクタル家の誘いを受けてしまったけど、もうそういうことは止めておくわ。
王家主催の行事にだけ参加するけど、移動も現地集合にしようと思っているわ。馬車は狭い空間だからね。お互いのためよ。
子爵様は王宮の客室に滞在していただいて、私は実家に滞在するわ」
「そうなのですね」
「だから安心して今まで通りに過ごしてね」
「……」
「何か困り事が?」
「私の母と父は政略結婚でした。
母の実家は新興貴族で、旧家との縁を繋ぎたかったので父と結婚したのですが、王都で華やかに暮らしていた母にとって、ブラージェル領は耐え難かったようです。国内最南端ですから気温も上がります。
お母様の好む重厚なドレスは着ることができません。娯楽も少なく、港のある町へ行ってみたときも“臭い”と言って馬車から一歩も降りなかったみたいです。
ブラージェルは裕福ではありません。
ドレスや宝石を毎月当たり前のように何着も買っていたお母様にとって、王家主催の催しのときにドレスだけ買うという生活も、パーティを主催出来ないという生活も地獄だったそうです。
私を産んでも、一度も会いに来てくれたことは無かったと聞きました。やっと男児が授かると、逃げるよう王都の実家に帰省して戻ろうとしませんでした。
結局 離縁が成立し、それっきりです。
父はその後、後妻を探しましたが不調に終わりました。せめてお金が有れば違ったのでしょう。
それに私の母で元子爵夫人がブラージェルでの生活を茶会やパーティで話して回ってしまっていたのです。多分大袈裟に触れ回ったのでしょう。
再婚相手を探しましたが 商家の娘は特に利が無ければ嫁いできたりはしません。婚歴のある女性も範囲に入れたのですが、本人の浮気などで離縁となった女性しか反応がありませんでした。父はあまり出席しなかったパーティに出るようになって恋人を作りました。だけど結婚の話になり、どんな暮らしになるか知ると別れを切り出されました。
また次の人も同じでした。
そしてついに平民に目を向けました。
子を産ませるわけではないからいいだろうと。
でも、平民の女性は嫁ぐと貴族教育が始まります。既に平民の所作が染み付いている人に淑女の所作を身に付けるなんて大変なことのようでした。
食事の席で、何度か注意をしたら逃げられてしまいました。婚約もしていませんでしたけど。
平民女性が貴族に嫁ぐことこそ、お金が必要だったのです。身に付けなければならないことが多い上に難しいのに、贅沢できないなんて意味がないのです。
父は再婚を諦めてしまいました。
そして何ヶ月も前に後妻の打診がアルミュア家から来たのです」
「そう」
「つまり、もともと魅力のない子爵家なのに 元母親の触れ回りが上乗せされて 私にも友人はおりませんし、婚約者もおりません。
もうすぐ成人の儀があります。助けてくださいませんか」
「助ける?」
「エリーズ様に教育をしていただきたいのです。
会場で独りぼっちでも何か言われても、所作だけは美しくいたいのです」
「もっと早く言わないと」
「はい」
「それに子爵様のお許しが必要よ。
私はセイラさんに対してもブラージェル家に対しても口を出す権利は無いのよ」
「そうですか」
仕方ないわね。
「本気なら子爵様を説得していらっしゃい。1日でも早く始めたいでしょう?」
「あ、ありがとうございます」
セイラは大急ぎでブラージェル邸に戻って行った。
「セイラ様がいらっしゃいました。応接間へお通ししております」
「ありがとう」
応接間に入るとセイラは立ち上がり挨拶をした。
「改めまして、ブラージェル子爵家長女セイラと申します。初対面のときには大変失礼な態度を取りました。申し訳ございません」
「誰だって4歳上の継母なんて嫌よね。図々しくするつもりはないのよ。書類上の妻というだけだから、セイラさんやジスランくんの邪魔はしないわ」
「王都新聞、読みました」
「あ~アレね。いろいろあったけど、彼のことを好きじゃなかったことだけが救いかしら」
「好きじゃなかったのですか?」
「そうよ。初対面から小さな俺様王子でね、嫌だなって思ったのよ」
「王子様はとても美形だと聞いたことがあります。
容姿にも興味はありませんでしたか?」
「無いわね。好みじゃなかったみたい」
「エリーズ様はどんな男性が好みですか?」
エリーズの記憶にそういうのは無いのよね。
忙しすぎて目を向けなかったのね。
惠莉なら…
「そうね。痩せている人は好まないわね。髪の色は黒かダークブラウンがいいかしら。瞳の色は何でもいいわ。今となっては元婚約と違う色なら何でも。
清潔で体臭がキツくない人…できればいい匂いの人がいいわ。爪もきちんと切っている人がいいわね」
「性格はどうですか」
「性格?
穏やかな人がいいわね。思いやりがあって他人を尊重できるといいわね」
「父とは仲良くしないのですか?」
「喧嘩さえしなければそれでいいと思うの。
アルミュア家は金銭支援を、ブラージェル家は書類上の妻の座を与える約束だけだから。
子爵様はまだ若いから恋人もできるだろうし、その恋人を妻にしたいと思えば離縁を受け入れるわ。
まあ、直ぐにというのは難しいと思うけど。
私はこの屋敷で自由に過ごしたいだけだから。
子爵様はよく分からない人というのが正直な感想よ。ただ感じたのは一緒にいない方が良さそうかなって。
ごめんなさいね、セイラさんのお父様なのに」
「嫌い…ということですか?」
「そうじゃないのよ。
ただ、8年も自由の無い縛られた日々を送っていたの。朝、迎えの馬車が来てその瞬間から教育係の監視下に置かられるわ。ずっと王子妃となるための勉強を続けて、昼食もティータイムも休憩ではないのよ?テーブルマナーの実習なの。食べ難いものをわざとだされるのよ。
夕食前に屋敷に帰してもらえるけど復習があるし、学園が始まれば、同時進行よ。放課後と学園のない日に迎えがくるの。
お友達を作るとか、一緒にお茶をするとか買い物をするとか、友達の誕生日のパーティに出席するとかできなかったわ。
第一王子殿下と違って第二王子殿下はフォローが必要な方だったの。その分 私への教育は厳しかったから自分の誕生日のパーティを開くことさえ出来なかったわ。毎日疲れていたの。
化粧の仕方でさえ自由がないのよ?
なのに第二王子殿下は自由奔放。理不尽だなって思っていたわ。
やっと解放されたから、自分らしく生きていきたいの。
子爵様はよく分からない方だから、子爵様の言動に振り回されたくないのよ。私に何か怒っている時があるみたいだけど、心当たりが無いし、子爵様も何も言わないし。
“私が何かして怒らせてしまいましたか?”なんて聞いて探るようなことは今の私はしたくないわ。
私といることで そうなってしまうのなら、関わることなく生活することが一番なのよ。
この間はノクタル家の誘いを受けてしまったけど、もうそういうことは止めておくわ。
王家主催の行事にだけ参加するけど、移動も現地集合にしようと思っているわ。馬車は狭い空間だからね。お互いのためよ。
子爵様は王宮の客室に滞在していただいて、私は実家に滞在するわ」
「そうなのですね」
「だから安心して今まで通りに過ごしてね」
「……」
「何か困り事が?」
「私の母と父は政略結婚でした。
母の実家は新興貴族で、旧家との縁を繋ぎたかったので父と結婚したのですが、王都で華やかに暮らしていた母にとって、ブラージェル領は耐え難かったようです。国内最南端ですから気温も上がります。
お母様の好む重厚なドレスは着ることができません。娯楽も少なく、港のある町へ行ってみたときも“臭い”と言って馬車から一歩も降りなかったみたいです。
ブラージェルは裕福ではありません。
ドレスや宝石を毎月当たり前のように何着も買っていたお母様にとって、王家主催の催しのときにドレスだけ買うという生活も、パーティを主催出来ないという生活も地獄だったそうです。
私を産んでも、一度も会いに来てくれたことは無かったと聞きました。やっと男児が授かると、逃げるよう王都の実家に帰省して戻ろうとしませんでした。
結局 離縁が成立し、それっきりです。
父はその後、後妻を探しましたが不調に終わりました。せめてお金が有れば違ったのでしょう。
それに私の母で元子爵夫人がブラージェルでの生活を茶会やパーティで話して回ってしまっていたのです。多分大袈裟に触れ回ったのでしょう。
再婚相手を探しましたが 商家の娘は特に利が無ければ嫁いできたりはしません。婚歴のある女性も範囲に入れたのですが、本人の浮気などで離縁となった女性しか反応がありませんでした。父はあまり出席しなかったパーティに出るようになって恋人を作りました。だけど結婚の話になり、どんな暮らしになるか知ると別れを切り出されました。
また次の人も同じでした。
そしてついに平民に目を向けました。
子を産ませるわけではないからいいだろうと。
でも、平民の女性は嫁ぐと貴族教育が始まります。既に平民の所作が染み付いている人に淑女の所作を身に付けるなんて大変なことのようでした。
食事の席で、何度か注意をしたら逃げられてしまいました。婚約もしていませんでしたけど。
平民女性が貴族に嫁ぐことこそ、お金が必要だったのです。身に付けなければならないことが多い上に難しいのに、贅沢できないなんて意味がないのです。
父は再婚を諦めてしまいました。
そして何ヶ月も前に後妻の打診がアルミュア家から来たのです」
「そう」
「つまり、もともと魅力のない子爵家なのに 元母親の触れ回りが上乗せされて 私にも友人はおりませんし、婚約者もおりません。
もうすぐ成人の儀があります。助けてくださいませんか」
「助ける?」
「エリーズ様に教育をしていただきたいのです。
会場で独りぼっちでも何か言われても、所作だけは美しくいたいのです」
「もっと早く言わないと」
「はい」
「それに子爵様のお許しが必要よ。
私はセイラさんに対してもブラージェル家に対しても口を出す権利は無いのよ」
「そうですか」
仕方ないわね。
「本気なら子爵様を説得していらっしゃい。1日でも早く始めたいでしょう?」
「あ、ありがとうございます」
セイラは大急ぎでブラージェル邸に戻って行った。
あなたにおすすめの小説
幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました
ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。
けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。
やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。
――もう、この結婚には見切りをつけよう。
夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。
身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。
一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。
幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
【完結】遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
【残り数話を持ちまして3月29日完結!!】
夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。
長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。
待っていたのは、凍てつく絶望。
けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。
「夫は愛人と生きればいい。
今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」
それでも私は誓う――
「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」
歪で、完全な幸福――それとも、破滅。
“石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ
ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」
ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。
「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」
何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。
都合のいい女は本日で卒業。
今後は、余暇を楽しむとしましょう。
吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。
〈完結〉伯爵令嬢リンシアは勝手に幸せになることにした
ごろごろみかん。
恋愛
前世の記憶を取り戻した伯爵令嬢のリンシア。
自分の婚約者は、最近現れた聖女様につききっきりである。
そんなある日、彼女は見てしまう。
婚約者に詰め寄る聖女の姿を。
「いつになったら婚約破棄するの!?」
「もうすぐだよ。リンシアの有責で婚約は破棄される」
なんと、リンシアは聖女への嫌がらせ(やってない)で婚約破棄されるらしい。
それを目撃したリンシアは、決意する。
「婚約破棄される前に、こちらから破棄してしてさしあげるわ」
もう泣いていた過去の自分はいない。
前世の記憶を取り戻したリンシアは強い。吹っ切れた彼女は、魔法道具を作ったり、文官を目指したりと、勝手に幸せになることにした。
☆ご心配なく、婚約者様。の修正版です。詳しくは近況ボードをご確認くださいm(_ _)m
☆10万文字前後完結予定です
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……