【完結】婚約破棄された令嬢は、嫌われ後妻を満喫する

ユユ

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やっぱり欲しい


始めて先触れ無しにブラージェル邸を訪れた。

「エリーズ…よく来たね」

「大事なお話があります。人払いをお願いします」

クリス様は血の気の引いた顔色をしながらメイド達を部屋から出した。

「ありがとうございます。実は私、」

「待った!」

「あの、私、」

「駄目だ!心の準備が…
何でだ?何で…出来る限り束縛しないように自制してきたし、鬱陶しいと思われないようにもっと一緒にいたいなんて言わなかった。なのに何故だ…私の何が気に入らない」

「はい?」

「歳はどうしようもない。顔もどうしようもない。家柄ももうしようもない。
なんてことだ…どうしようもない事だらけじゃないか」

「……」

「若い男のように頑張れると思うが初々しさを求められたらそれはない。まさか、臭い!?」

「あの、クリス様、」

「待てよ、まさか夜は演技だったのか!?」

「ちょっと!私の話を聞いてください!!」

「……ぜんぜん駄目だが聞こう」

ソファの上で正座をして頭を下げた。

「ごめんなさい!!」

「…事後報告か。誰と?…待て、聞きたくない。浮気は隠し通してくれ」

クリス様は顔を覆って項垂れた。

「赤ちゃんです!」

「妊娠?…いっそのこと今すぐ私を殺してくれ」

「赤ちゃんが欲しいんです!!」

「…え?…養子?」

「違います。
…その、以前子作りを断っておいて言い出しにくいのですが、一人欲しいです」

「まさか、私との子を産みたいと!?」

「はい」

「本当に?」

「はい。それも直ぐに」

「直ぐ?」

「もうクリス様は40歳を過ぎていますし」

「そうだな。すぐ作ろう」

妊娠するかも分からないし、セイラと時期が大きくずれるかもしれない。だけど似た時期を狙えるかもしれない。つまり、一人では怖いけどセイラも産むならという、一緒に産めば怖くない的な気持ちからだ。


その夜はブラージェル邸で。

いつもより熱い眼差しを向けられ長いキスをした。
その後、もう一度クリス様は確認をした。

「本当に?」

「本当です」


しっかり解すと ゆっくり私のナカに入ってきた。

「…することは同じなのに緊張します」

「確かに。だけど喜びの方が勝っているよ」

馴染ませるようにゆっくり抽送を始め、私の弱いところを執拗に押し擦り、達している最中に激しく突かれて吐精された。
グッグッと腰を押し付けた。

快楽の渦から抜け出すと、クリス様はゆっくり抜き去った。

「赤ちゃんの名前、考えておいて」



そして、

「エリーズ様、そろそろです」

「頑張って、セイラ!」

私もセイラも王都のアルミュア邸で妊婦生活を送っていた。此処が一番安全だと思ったから。
良い腕を持つ専属医が常駐しているからだ。

セイラが先に妊娠したから出産も先で、たった今 産気付いた。共に悪阻を乗り越え ママ友になるのかもしれない。

そういえば、クリス様は孫も産まれることになる。どんな気分なんだろう。

「あれ?…いっ!!」

私も陣痛が始まった。1ヶ月以上は早いのに…。



セイラは標準的な男児を産んだ。私は小さめの女児を産んだ。今のところ問題は無いけど、とにかく衛生管理を徹底させた。アルコール消毒や煮沸消毒の徹底、交代制でベビールーム担当メイドも用意して無闇に部屋を出入りさせないようにした。

ベビールーム担当メイドは勤務前に問診をクリアしなくてはならない。
ベビールームに入ると直ぐ衝立で作った着替え場があって、そこで専用の服に着替える。赤ちゃんまで菌を持ち込ませないためだ。
手洗いもさせてマスク着用。乳母も同様だ。

セイラにはとにかく初乳が大事で赤ちゃんに飲ませなくてはならないと教えた。その後も出来る限り母乳を飲ませることを勧めた。
後は授乳期間の母親の食事に気を付けさせた。
この世界で赤ちゃんを少しでも守るために、やれることはやっておきたい。

クリス様とジスランはガラス越しに赤ちゃんと面会。

「僕の妹 ちっちゃい!」

「少し早く産まれたからな」

「絶対にお母様似ですね」

「エリーズに似ているなら多くの虫が付くぞ。先ずジスランは学園で上位に入らないとな」

「頑張ります」


その後 クリス様は領地と王都を行き来してもらい、赤ちゃんが生後1年になったところで領地に帰った。

クリス様は常に娘アリサが気になるようだ。
抱っこしてソファに座り、そのまま一緒に寝ていることもある。成長に合わせた構い方をしてアリサを楽しませているし、教育もしている。

「アリサ、スプーンを使おうか」

アリサがヨタヨタと歩くようになると犬を連れてきた。大きい。

「訓練された犬なんだ。きっとアリサの面倒を見てくれる」

犬のヘルメスは賢かった。アリサに会わせると 護るべき者として認識したらしく、常にアリサに寄り添い安全に気をつかう。
近寄ってはいけない方へ進むとヘルメスが行く手をふさぎ、もしくは服を噛んで引っ張るなどして阻止。戯れ中も、上に乗ろうが引っ張ろうが絶対に怒ることはない。
何処へでもついて行くし一緒に寝る。
おかげで安心して過ごせるようになった。

「また釣書だ。アリサにはまだまだ早いのに」

「でも良い家門だったら検討しても良いかもしれません。どんどん良い条件の子はとられてしまいますもの」

「嫁に行かなくてもいいんじゃないか?」

「セイラにもそう言いましたか?」

「……」

クリス様はバツが悪そうだった。

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