22 / 84
シェイナの取り扱い
支度を終えるとマークスが呼びに来た。
また続きかと、ちょっと不貞腐れて応接間に入ったらローエン様がいた。
「ロ、ローエン様!」
「ククッ、可愛い顔をして」
「お父様!ちゃんと告げてください!」
「応接間に呼ばれたのに油断したシェイナに問題がある」
「シェイナ、おいで。
可愛いドレスだね。ヴェリテ公爵が用意してくださったのかな?」
「はい 」
「ちょっとだけ座ってくれないか。お願いがあるんだ」
「お願いですか?」
「そう。選択はシェイナがするけど、私としてはお願いとして受け入れて欲しい」
「お伺いします」
「今夜から当面、シェイナとシヴァをノワール邸で預かりたい。
アコールの二階やヴェリテ邸では不安になってしまった。
君を探している男が王都を出て、一週間以上舞い戻らないことを確認したら元の生活に戻るというお願いだ。
父もシェイナと離れたくないだろう。住処がバレないようにしたい。
ノワール邸ならもしバレても安全だ。
君が望むなら始末してもいい」
「始末なんてそんな」
「さっきはシヴァが匂いを嗅いで手を舐めてくれたんだ。すごく嬉しいよ」
「シヴァが?」
「父上も呼び寄せるから、楽しく過ごそう」
「迷惑ではありませんか?」
「迷惑なわけがない。
お願いを聞いてくれるかな」
「私のせいで申し訳ございません。
よろしくお願いします」
「良かった!シヴァ!遊ぼうな!」
「フンッ」
「ひとつだけ。
城の出入りは秘密の通路を使う。
城内は王族の誰かが地下トンネルを案内してくれる。
私は外の出口で待つ。
正門で見つかったら困るからね」
「地下トンネル……」
「怖いかな? できれば頑張って欲しい。
無理なら他の手を考えよう」
「頑張ります」
「シェイナは立派だな。もし抹殺したくなったら、」
「大丈夫です。アレでも国防に必要ですから生かしておいでください」
「ハハハッ、働かせるためか。分かった。
では、公爵、夫人、参りましょう。
行きはヴェリテ家の馬車にしましょう。すぐに会場で合流してシェイナ嬢を預からせてもらいます。
決まっていたパートナーというよりは、その場で決まった保護者ということにしましょう」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
両親と目と鼻の先の城に入り、すぐに特別室へ案内された。
呼ばれるまでここで待機することになる。
下級貴族から会場入りして祝いの挨拶をしていく。待つこと一時間。やっと順番が来た。
「王太子殿下、おめでとうございます」
「ありがとうございます、叔父上、叔母上、ストラからは手紙と祝いの品をいただきました。
シェイナ、私と踊ってくれよ」
「みんな見ていて恥ずかしいです」
「誕生日なのに?」
「喜んで」
「表情と言葉が噛み合わないところも可愛いな。膝の上にのるか?」
「もう!揶揄って!」
「ハハハッ」
「殿下、そろそろ」
「仕方ない。またな、シェイナ」
殿下がファーストダンスを踊っている間にローエン様がやってきた。
「久しぶりです、ノワール公爵」
「お久しぶりです、ヴェリテ公爵」
「(怖っ)」
「(シェイナ!)」
「(演技上手すぎて騙されてる気がして怖いです、お母様)」
「ノワール公爵、今夜はシェイナは一人だから預けてもいいですか」
「私はいつも一人ですから構いませんよ。
お嬢さんをお守りします。おいでシェイナ」
「はーい」
「シェイナ、とても嬉しいよ。
いくらでも足を踏んでくれ」
「不得意じゃありませんから大丈夫だと思います」
「シェイナ、可愛いね」
「デュケット叔父様、ありがとうございます。叔父様も素敵です」
「ありがとう。ダンスを誘っても良いかな?」
「はい。ローエン様の次に王太子殿下と踊りますが、その次で良ければお願いします」
「そうか。従兄妹だったね。父君や兄君はいいのかな?」
「申し込みがありませんのでいいです」
「何だか申し訳ないな」
「シェイナ、私は申し込ませてもらうよ」
振り向くとボルデン公子が立っていた。
「え~。ナディス様のような貴公子の手を取ったら、令嬢達から嫌がらせを受けますわ。
五十年延期しましょう」
「嫌だね。私は国賓だよ?
それに私は君のことを黙っていたし、破格で許諾したんだけどなぁ」
「分かりました!一曲躍ったら大人しく公国に帰ってくださいね」
「うわ、扱いが酷いな」
「シェイナ、いつからボルデン公子と親しくなったんだ?」
「親しくないです。遠慮しないだけです」
「冷たいこと言わないでよ。一緒に公国への旅にでようよ。一先ず明日デートしよう」
「嫌ですよ」
「ボルデン公子、貴方はシェイナを横取りする女にしたいのですか」
「え? ナディス様、お相手居るのにデートとか言ってたんですか!?」
「一時的なものだよ。とにかく、子爵の次は私だからね」
「あ、ローエン様、行きましょう。順番回ってきましたわ」
「行こうか」
ローエン様に手を引かれてダンスホールに出てきたけど、見られてるなぁ。
【 父・セインの視点 】
「見て、楽しそうにノワール公爵と躍ってるわね」
「そうだな」
「シェイナの扱いがとても上手ね。驚いたわ。
それに誠実そうね。誤魔化さずに私達に気持ちを話してくださったわ。
既に夫人を迎えていなければ理想的なのだけど」
「シェイナとは22歳も差があるし、私と数年しか違わないぞ」
「あら、でもシェイナは公爵を父親の様には見ていないわよ。兄の様な感じに思っている可能性はあるけれど」
「あと、家業が問題だ」
「家業?」
「ノワール家は暗殺・密偵・潜入を育てている。そして依頼を受ける」
「え!そうなの!?」
「しっ」
「そうなのね。
でもそれはシェイナを守れるということね」
「それが、実子でも適性をみて部下に育て上げるかどうか決めるんだ。
適性無しと判断されたら普通に政略結婚。有りと判断されたら大変だ」
「シェイナの子もそうなるの?」
「掟を変えなければそうなるな。私が城を離れてからはどうなっているのか分からない」
「さっき、公爵と子爵の他にもう一人青年がいたけど、どなたかしら」
「ミラージュ公国のボルデン公主の次男と聞いている」
「シェイナと親しそうね」
「うちの国の令嬢と婚約していたと思ったが」
ダンスが終わると話題の男が近寄ってきた。
「ヴェリテ公爵、ヴェリテ公爵夫人。お初にお目にかかります。ナディス・ボルデンと申します」
「セイン・ヴェリテです。
彼女は妻のティーティア・ヴェリテです」
「シェイナ嬢の可憐さは夫人から受け継いだのですね」
「シェイナとは?」
「ノワール公爵経由で知り合ったのですが、今回は私の公共事業にサンセール王国が興味を示されて呼ばれたのです。
シェイナが見事に仲介しましたよ」
「シェイナが?」
「実に素晴らしい。妻にしたいくらいです」
「公子は婚約者がおられますよね?」
「兄が断りもなく結んだのですよ。
父が伏せっている隙にね。
兄には何の権利もないのにですよ。
破談にするためにノワール家に調査依頼をしました。
ノワール家は優秀ですから早々に破談できるでしょう」
「兄君がまた縁談相手を見つけるのでは?」
「その前に父に復活してもらいます。
私は兄が父に何かをしたのだと思っています」
「公主様の体調が良くなるといいですね」
「私はシェイナ嬢に妻になってもらいたいのです」
「とても今の公子と婚約はさせられません。
そして申し訳ないが、環境が変わるまで待たせるなんてこともしません。
そもそもシェイナは言うことを聞く子ではありませんから」
「今はノワール公爵と親しくしているようですが、だいぶ歳上で、家業の件もあります。
他に候補がいるのですか?」
「賛成をしているわけではありませんが、少なくともシェイナを守れます。
シェイナの気持ちも大事です」
「では、シェイナ嬢の心を掴める様に頑張ります」
公子が去るとティーティアが瞳を輝かせていた。
「あの子たら、モテ期ね!」
「どういう意味だ?」
「急に異性からモテる時期のことよ」
ノワールもボルデンもバロウも問題有りで力のある家門なのに、何が楽しいんだ。
また続きかと、ちょっと不貞腐れて応接間に入ったらローエン様がいた。
「ロ、ローエン様!」
「ククッ、可愛い顔をして」
「お父様!ちゃんと告げてください!」
「応接間に呼ばれたのに油断したシェイナに問題がある」
「シェイナ、おいで。
可愛いドレスだね。ヴェリテ公爵が用意してくださったのかな?」
「はい 」
「ちょっとだけ座ってくれないか。お願いがあるんだ」
「お願いですか?」
「そう。選択はシェイナがするけど、私としてはお願いとして受け入れて欲しい」
「お伺いします」
「今夜から当面、シェイナとシヴァをノワール邸で預かりたい。
アコールの二階やヴェリテ邸では不安になってしまった。
君を探している男が王都を出て、一週間以上舞い戻らないことを確認したら元の生活に戻るというお願いだ。
父もシェイナと離れたくないだろう。住処がバレないようにしたい。
ノワール邸ならもしバレても安全だ。
君が望むなら始末してもいい」
「始末なんてそんな」
「さっきはシヴァが匂いを嗅いで手を舐めてくれたんだ。すごく嬉しいよ」
「シヴァが?」
「父上も呼び寄せるから、楽しく過ごそう」
「迷惑ではありませんか?」
「迷惑なわけがない。
お願いを聞いてくれるかな」
「私のせいで申し訳ございません。
よろしくお願いします」
「良かった!シヴァ!遊ぼうな!」
「フンッ」
「ひとつだけ。
城の出入りは秘密の通路を使う。
城内は王族の誰かが地下トンネルを案内してくれる。
私は外の出口で待つ。
正門で見つかったら困るからね」
「地下トンネル……」
「怖いかな? できれば頑張って欲しい。
無理なら他の手を考えよう」
「頑張ります」
「シェイナは立派だな。もし抹殺したくなったら、」
「大丈夫です。アレでも国防に必要ですから生かしておいでください」
「ハハハッ、働かせるためか。分かった。
では、公爵、夫人、参りましょう。
行きはヴェリテ家の馬車にしましょう。すぐに会場で合流してシェイナ嬢を預からせてもらいます。
決まっていたパートナーというよりは、その場で決まった保護者ということにしましょう」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
両親と目と鼻の先の城に入り、すぐに特別室へ案内された。
呼ばれるまでここで待機することになる。
下級貴族から会場入りして祝いの挨拶をしていく。待つこと一時間。やっと順番が来た。
「王太子殿下、おめでとうございます」
「ありがとうございます、叔父上、叔母上、ストラからは手紙と祝いの品をいただきました。
シェイナ、私と踊ってくれよ」
「みんな見ていて恥ずかしいです」
「誕生日なのに?」
「喜んで」
「表情と言葉が噛み合わないところも可愛いな。膝の上にのるか?」
「もう!揶揄って!」
「ハハハッ」
「殿下、そろそろ」
「仕方ない。またな、シェイナ」
殿下がファーストダンスを踊っている間にローエン様がやってきた。
「久しぶりです、ノワール公爵」
「お久しぶりです、ヴェリテ公爵」
「(怖っ)」
「(シェイナ!)」
「(演技上手すぎて騙されてる気がして怖いです、お母様)」
「ノワール公爵、今夜はシェイナは一人だから預けてもいいですか」
「私はいつも一人ですから構いませんよ。
お嬢さんをお守りします。おいでシェイナ」
「はーい」
「シェイナ、とても嬉しいよ。
いくらでも足を踏んでくれ」
「不得意じゃありませんから大丈夫だと思います」
「シェイナ、可愛いね」
「デュケット叔父様、ありがとうございます。叔父様も素敵です」
「ありがとう。ダンスを誘っても良いかな?」
「はい。ローエン様の次に王太子殿下と踊りますが、その次で良ければお願いします」
「そうか。従兄妹だったね。父君や兄君はいいのかな?」
「申し込みがありませんのでいいです」
「何だか申し訳ないな」
「シェイナ、私は申し込ませてもらうよ」
振り向くとボルデン公子が立っていた。
「え~。ナディス様のような貴公子の手を取ったら、令嬢達から嫌がらせを受けますわ。
五十年延期しましょう」
「嫌だね。私は国賓だよ?
それに私は君のことを黙っていたし、破格で許諾したんだけどなぁ」
「分かりました!一曲躍ったら大人しく公国に帰ってくださいね」
「うわ、扱いが酷いな」
「シェイナ、いつからボルデン公子と親しくなったんだ?」
「親しくないです。遠慮しないだけです」
「冷たいこと言わないでよ。一緒に公国への旅にでようよ。一先ず明日デートしよう」
「嫌ですよ」
「ボルデン公子、貴方はシェイナを横取りする女にしたいのですか」
「え? ナディス様、お相手居るのにデートとか言ってたんですか!?」
「一時的なものだよ。とにかく、子爵の次は私だからね」
「あ、ローエン様、行きましょう。順番回ってきましたわ」
「行こうか」
ローエン様に手を引かれてダンスホールに出てきたけど、見られてるなぁ。
【 父・セインの視点 】
「見て、楽しそうにノワール公爵と躍ってるわね」
「そうだな」
「シェイナの扱いがとても上手ね。驚いたわ。
それに誠実そうね。誤魔化さずに私達に気持ちを話してくださったわ。
既に夫人を迎えていなければ理想的なのだけど」
「シェイナとは22歳も差があるし、私と数年しか違わないぞ」
「あら、でもシェイナは公爵を父親の様には見ていないわよ。兄の様な感じに思っている可能性はあるけれど」
「あと、家業が問題だ」
「家業?」
「ノワール家は暗殺・密偵・潜入を育てている。そして依頼を受ける」
「え!そうなの!?」
「しっ」
「そうなのね。
でもそれはシェイナを守れるということね」
「それが、実子でも適性をみて部下に育て上げるかどうか決めるんだ。
適性無しと判断されたら普通に政略結婚。有りと判断されたら大変だ」
「シェイナの子もそうなるの?」
「掟を変えなければそうなるな。私が城を離れてからはどうなっているのか分からない」
「さっき、公爵と子爵の他にもう一人青年がいたけど、どなたかしら」
「ミラージュ公国のボルデン公主の次男と聞いている」
「シェイナと親しそうね」
「うちの国の令嬢と婚約していたと思ったが」
ダンスが終わると話題の男が近寄ってきた。
「ヴェリテ公爵、ヴェリテ公爵夫人。お初にお目にかかります。ナディス・ボルデンと申します」
「セイン・ヴェリテです。
彼女は妻のティーティア・ヴェリテです」
「シェイナ嬢の可憐さは夫人から受け継いだのですね」
「シェイナとは?」
「ノワール公爵経由で知り合ったのですが、今回は私の公共事業にサンセール王国が興味を示されて呼ばれたのです。
シェイナが見事に仲介しましたよ」
「シェイナが?」
「実に素晴らしい。妻にしたいくらいです」
「公子は婚約者がおられますよね?」
「兄が断りもなく結んだのですよ。
父が伏せっている隙にね。
兄には何の権利もないのにですよ。
破談にするためにノワール家に調査依頼をしました。
ノワール家は優秀ですから早々に破談できるでしょう」
「兄君がまた縁談相手を見つけるのでは?」
「その前に父に復活してもらいます。
私は兄が父に何かをしたのだと思っています」
「公主様の体調が良くなるといいですね」
「私はシェイナ嬢に妻になってもらいたいのです」
「とても今の公子と婚約はさせられません。
そして申し訳ないが、環境が変わるまで待たせるなんてこともしません。
そもそもシェイナは言うことを聞く子ではありませんから」
「今はノワール公爵と親しくしているようですが、だいぶ歳上で、家業の件もあります。
他に候補がいるのですか?」
「賛成をしているわけではありませんが、少なくともシェイナを守れます。
シェイナの気持ちも大事です」
「では、シェイナ嬢の心を掴める様に頑張ります」
公子が去るとティーティアが瞳を輝かせていた。
「あの子たら、モテ期ね!」
「どういう意味だ?」
「急に異性からモテる時期のことよ」
ノワールもボルデンもバロウも問題有りで力のある家門なのに、何が楽しいんだ。
あなたにおすすめの小説
世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました
由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。
——皇子を産めるかどうか。
けれど私は、産めない。
ならば——
「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」
そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。
毒を盛られても、捨てられず。
皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。
「お前は、ここにいろ」
これは、子を産めない女が
ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。
そして——
その寵愛は、やがて狂気に変わる。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝🌹グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
そう名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
✴️設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
✴️稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
妹の身代わりに殺戮の王太子に嫁がされた忌み子王女、実は妖精の愛し子でした。嫁ぎ先でじゃがいもを育てていたら、殿下の溺愛が始まりました・長編版
まほりろ
恋愛
国王の愛人の娘であるアリアベルタは、母親の死後、王宮内で放置されていた。
食事は一日に一回、カビたパンやまふ腐った果物、生のじゃがいもなどが届くだけだった。
しかしアリアベルタはそれでもなんとか暮らしていた。
アリアベルタの母親は妖精の村の出身で、彼女には妖精がついていたのだ。
その妖精はアリアベルタに引き継がれ、彼女に加護の力を与えてくれていた。
ある日、数年ぶりに国王に呼び出されたアリアベルタは、異母妹の代わりに殺戮の王子と二つ名のある隣国の王太子に嫁ぐことになり……。
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
※中編を大幅に改稿し、長編化しました。2025年1月20日
※長編版と差し替えました。2025年7月2日
※コミカライズ化が決定しました。商業化した際はアルファポリス版は非公開に致します。
※表紙イラストは猫様からお借りしています。
【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
ブサイク令嬢は、眼鏡を外せば国一番の美女でして。
みこと。
恋愛
伯爵家のひとり娘、アルドンサ・リブレは"人の死期"がわかる。
死が近づいた人間の体が、色あせて見えるからだ。
母に気味悪がれた彼女は、「眼鏡をかけていれば見えない」と主張し、大きな眼鏡を外さなくなった。
無骨な眼鏡で"ブサ令嬢"と蔑まれるアルドンサだが、そんな彼女にも憧れの人がいた。
王女の婚約者、公爵家次男のファビアン公子である。彼に助けられて以降、想いを密かに閉じ込めて、ただ姿が見れるだけで満足していたある日、ファビアンの全身が薄く見え?
「ファビアン様に死期が迫ってる!」
王女に新しい恋人が出来たため、ファビアンとの仲が危ぶまれる昨今。まさか王女に断罪される? それとも失恋を嘆いて命を絶つ?
慌てるアルドンサだったが、さらに彼女の目は、とんでもないものをとらえてしまう──。
不思議な力に悩まされてきた令嬢が、初恋相手と結ばれるハッピーエンドな物語。
幸せな結末を、ぜひご確認ください!!
(※本編はヒロイン視点、全5話完結)
(※番外編は第6話から、他のキャラ視点でお届けします)
※この作品は「小説家になろう」様でも掲載しています。第6~12話は「なろう」様では『浅はかな王女の末路』、第13~15話『「わたくしは身勝手な第一王女なの」〜ざまぁ後王女の見た景色〜』、第16~17話『氷砂糖の王女様』というタイトルです。