【完結】責任など取らなくて結構です!

ユユ

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シェイナの取り扱い

支度を終えるとマークスが呼びに来た。

また続きかと、ちょっと不貞腐れて応接間に入ったらローエン様がいた。

「ロ、ローエン様!」

「ククッ、可愛い顔をして」

「お父様!ちゃんと告げてください!」

「応接間に呼ばれたのに油断したシェイナに問題がある」

「シェイナ、おいで。
可愛いドレスだね。ヴェリテ公爵が用意してくださったのかな?」

「はい 」

「ちょっとだけ座ってくれないか。お願いがあるんだ」

「お願いですか?」

「そう。選択はシェイナがするけど、私としてはお願いとして受け入れて欲しい」

「お伺いします」

「今夜から当面、シェイナとシヴァをノワール邸で預かりたい。

アコールの二階やヴェリテ邸ここでは不安になってしまった。

君を探している男が王都を出て、一週間以上舞い戻らないことを確認したら元の生活に戻るというお願いだ。

父もシェイナと離れたくないだろう。住処がバレないようにしたい。
ノワール邸ならもしバレても安全だ。
君が望むなら始末してもいい」

「始末なんてそんな」

「さっきはシヴァが匂いを嗅いで手を舐めてくれたんだ。すごく嬉しいよ」

「シヴァが?」

「父上も呼び寄せるから、楽しく過ごそう」

「迷惑ではありませんか?」

「迷惑なわけがない。
お願いを聞いてくれるかな」

「私のせいで申し訳ございません。
よろしくお願いします」

「良かった!シヴァ!遊ぼうな!」

「フンッ」

「ひとつだけ。
城の出入りは秘密の通路を使う。
城内は王族の誰かが地下トンネルを案内してくれる。
私は外の出口で待つ。

正門で見つかったら困るからね」

「地下トンネル……」

「怖いかな? できれば頑張って欲しい。
無理なら他の手を考えよう」

「頑張ります」

「シェイナは立派だな。もし抹殺したくなったら、」

「大丈夫です。アレでも国防に必要ですから生かしておいでください」

「ハハハッ、働かせるためか。分かった。

では、公爵、夫人、参りましょう。
行きはヴェリテ家の馬車にしましょう。すぐに会場で合流してシェイナ嬢を預からせてもらいます。

決まっていたパートナーというよりは、その場で決まった保護者ということにしましょう」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」




両親と目と鼻の先の城に入り、すぐに特別室へ案内された。
呼ばれるまでここで待機することになる。

下級貴族から会場入りして祝いの挨拶をしていく。待つこと一時間。やっと順番が来た。

「王太子殿下、おめでとうございます」

「ありがとうございます、叔父上、叔母上、ストラからは手紙と祝いの品をいただきました。

シェイナ、私と踊ってくれよ」

「みんな見ていて恥ずかしいです」

「誕生日なのに?」

「喜んで」

「表情と言葉が噛み合わないところも可愛いな。膝の上にのるか?」

「もう!揶揄って!」

「ハハハッ」

「殿下、そろそろ」

「仕方ない。またな、シェイナ」



殿下がファーストダンスを踊っている間にローエン様がやってきた。

「久しぶりです、ノワール公爵」

「お久しぶりです、ヴェリテ公爵」

「(怖っ)」

「(シェイナ!)」

「(演技上手すぎて騙されてる気がして怖いです、お母様)」

「ノワール公爵、今夜はシェイナは一人だから預けてもいいですか」

「私はいつも一人ですから構いませんよ。
お嬢さんをお守りします。おいでシェイナ」

「はーい」


「シェイナ、とても嬉しいよ。
いくらでも足を踏んでくれ」

「不得意じゃありませんから大丈夫だと思います」


「シェイナ、可愛いね」

「デュケット叔父様、ありがとうございます。叔父様も素敵です」

「ありがとう。ダンスを誘っても良いかな?」

「はい。ローエン様の次に王太子殿下と踊りますが、その次で良ければお願いします」

「そうか。従兄妹だったね。父君や兄君はいいのかな?」

「申し込みがありませんのでいいです」

「何だか申し訳ないな」

「シェイナ、私は申し込ませてもらうよ」

振り向くとボルデン公子が立っていた。

「え~。ナディス様のような貴公子の手を取ったら、令嬢達から嫌がらせを受けますわ。
五十年延期しましょう」

「嫌だね。私は国賓だよ?

それに私は君のことを黙っていたし、破格で許諾したんだけどなぁ」

「分かりました!一曲躍ったら大人しく公国に帰ってくださいね」

「うわ、扱いが酷いな」

「シェイナ、いつからボルデン公子と親しくなったんだ?」

「親しくないです。遠慮しないだけです」

「冷たいこと言わないでよ。一緒に公国への旅にでようよ。一先ず明日デートしよう」

「嫌ですよ」

「ボルデン公子、貴方はシェイナを横取りする女にしたいのですか」

「え? ナディス様、お相手居るのにデートとか言ってたんですか!?」

「一時的なものだよ。とにかく、子爵の次は私だからね」

「あ、ローエン様、行きましょう。順番回ってきましたわ」

「行こうか」

ローエン様に手を引かれてダンスホールに出てきたけど、見られてるなぁ。




【 父・セインの視点 】


「見て、楽しそうにノワール公爵と躍ってるわね」

「そうだな」

「シェイナの扱いがとても上手ね。驚いたわ。
それに誠実そうね。誤魔化さずに私達に気持ちを話してくださったわ。

既に夫人を迎えていなければ理想的なのだけど」

「シェイナとは22歳も差があるし、私と数年しか違わないぞ」

「あら、でもシェイナは公爵を父親の様には見ていないわよ。兄の様な感じに思っている可能性はあるけれど」

「あと、家業が問題だ」

「家業?」

「ノワール家は暗殺・密偵・潜入を育てている。そして依頼を受ける」

「え!そうなの!?」

「しっ」

「そうなのね。
でもそれはシェイナを守れるということね」

「それが、実子でも適性をみて部下に育て上げるかどうか決めるんだ。
適性無しと判断されたら普通に政略結婚。有りと判断されたら大変だ」

「シェイナの子もそうなるの?」

「掟を変えなければそうなるな。私が城を離れてからはどうなっているのか分からない」

「さっき、公爵と子爵の他にもう一人青年がいたけど、どなたかしら」

「ミラージュ公国のボルデン公主の次男と聞いている」

「シェイナと親しそうね」

「うちの国の令嬢と婚約していたと思ったが」



ダンスが終わると話題の男が近寄ってきた。

「ヴェリテ公爵、ヴェリテ公爵夫人。お初にお目にかかります。ナディス・ボルデンと申します」

「セイン・ヴェリテです。
彼女は妻のティーティア・ヴェリテです」

「シェイナ嬢の可憐さは夫人から受け継いだのですね」

「シェイナとは?」

「ノワール公爵経由で知り合ったのですが、今回は私の公共事業にサンセール王国が興味を示されて呼ばれたのです。

シェイナが見事に仲介しましたよ」

「シェイナが?」

「実に素晴らしい。妻にしたいくらいです」

「公子は婚約者がおられますよね?」

「兄が断りもなく結んだのですよ。
父が伏せっている隙にね。

兄には何の権利もないのにですよ。
破談にするためにノワール家に調査依頼をしました。
ノワール家は優秀ですから早々に破談できるでしょう」

「兄君がまた縁談相手を見つけるのでは?」

「その前に父に復活してもらいます。
私は兄が父に何かをしたのだと思っています」

「公主様の体調が良くなるといいですね」

「私はシェイナ嬢に妻になってもらいたいのです」

「とても今の公子と婚約はさせられません。
そして申し訳ないが、環境が変わるまで待たせるなんてこともしません。

そもそもシェイナは言うことを聞く子ではありませんから」

「今はノワール公爵と親しくしているようですが、だいぶ歳上で、家業の件もあります。
他に候補がいるのですか?」

「賛成をしているわけではありませんが、少なくともシェイナを守れます。
シェイナの気持ちも大事です」

「では、シェイナ嬢の心を掴める様に頑張ります」



公子が去るとティーティアが瞳を輝かせていた。

「あの子たら、モテ期ね!」

「どういう意味だ?」

「急に異性からモテる時期のことよ」

ノワールもボルデンもバロウも問題有りで力のある家門なのに、何が楽しいんだ。








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