【完結】愛する女がいるから、妻になってもお前は何もするなと言われました

ユユ

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進み出した関係

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「あっ」

下着の中に手を入れ、秘部に指を忍ばせたジュエルは息が乱れた。

「濡れてる」

そしてゆっくり指を侵入させ

「こんな感じなんだ」

「んあっ!」

奥まで挿れると指の腹で強く腹側を押し擦った。
アイリーンの腰は跳ね、刺激に体が逃げようとするがジュエルがそれを許さない。

2本に増やすと頂から口を離してアイリーンの脚を大きく広げさせ愛芽に吸い付いた。

「ジュエ…あっ」

指をナカでバタバタと動かし続けるとアイリーンは枕を口に押し付けて声を殺しながら達した。

「こんなに締まるんだ」

体の力が抜けるとジュエルは指を抜き、アイリーンを脱がし自分も脱いだ。

え!?

ジュエルが寝巻きを脱ぐと、反り勃ったモノが見えた。アイリーンはオーベンのモノしか見たことがなかったが肌色の真っ直ぐ伸びた円筒形だった。
ジュエルのモノは三日月のように反り亀頭が大きく膨らんでいた。

形に個人差があるとは知らなかったアイリーンは少し不安だった。

陰茎を掴み下に角度を変えて先端を膣口にクチュクチュと押し付けた。

「挿れるよ」

ゆっくり亀頭が肉を押し広げて奥へ目がけて侵入してくる。アイリーンは固く目を瞑り受け入れていたが、最奥に着くなり締め上げていた。

「こんな風になってるんだな。あったかくて気持ちいい」

ジュエルはこれが初体験だった。気持ちよさと興奮で自制を崩しかけていたが、アイリーンの苦しそうな顔を見てじっとしていた。

「ふうっ!」

「アイリーン、力を抜いて」

「んん!」

「痛いのか?」

「ジュエル……イキそう」

ジュエルの自制は崩れ去り、アイリーンを抱きしめながら激しく抽送をすると直ぐに強烈な締め付けにあい、そのまま吐精した。

「くっ!…アイリーン…」

強く腰を押し付けて注ぎ切ると深呼吸をしてアイリーンが落ち着くのを待った。

やっと呼吸をし始めたアイリーンをうつ伏せにして、押し潰すように背後から腰を押し付けた。何度も何度も。

枕を2つアイリーンの腹の下に入れて抽送を再開し、アイリーンの腿には愛液と精液の混ざったものが伝流れる。

アイリーンは無抵抗にジュエルを受け入れていた。
アイリーンの肩を掴み、奥を押し上げて吐精した。

枕を元の位置に投げてアイリーンをゆっくり寝かせると、放心したアイリーンをタオルで拭いて、眠りについた。


アイリーンが目を覚ました時には日は高く登っていて、ジュエルの姿は無く、ベッドにメッセージカードが置いてあった。

“浮気せず良い子にして待っていて
愛してる  ジュエル”

「あっ」

上半身を起こすとナカから昨夜のジュエルの残しものが出てきた。




あれからジュエルのいない間、両親は公爵領の強化に尽力し、私は王都からコンドラーまで、少しでも快適な旅になるよう模索していた。

「道は広いに越した事はないんです」

「基本的に領地内のことは国の金を使って整備しないからな。国境だと国防になるから助成金は出せるのだけど」

「じゃあ、ちょっと行ってきます」

「ジュエルもいないのに駄目に決まってるだろう」

リアム兄様に予算のお強請りをしにきたが、無理だと言われ、なら現地に行って改革してこようと言うと止められる。
パパにも止められたから こっちに来たのに駄目だった。

コツコツ金儲けをして資金を貯めるかと情報を仕入れて投資をしたが、やっぱりじっとしているとジュエルのことが気になる。

ベロノワのお父様からは投資の収益についてお手紙をもらい、コンドラー公爵家からはコンドラー港が大賑わいだと感謝の手紙をもらった。
つまりホテルへの投資も順調だということだ。


79日目。

「お嬢様、ジュエル様がお呼びです」

ティータイムを前にメイドがそんなことを言い出した。

「はい?」

「お部屋でお待ちです」

「ジュエルって、あのジュエル?」

「2時間前にお戻りになりまして、旦那様と面会した後に湯浴みを、」

走って2人の部屋に行くと、メイドが洗濯物を持って退室するところだった。

「失礼します」

メイドと入れ替わり部屋に入ると少し日に焼けたジュエルがバスローブを羽織り髪を拭いていた。

「ジュエル!」

駆け寄ると体が浮いた。
テーブルの上に降ろされて、性急な深い口付けをしながら裾を捲り下着をずらして秘部に指を滑らす。
膝をついて秘部を舐めて潤いを与えながら入り口を軽く解した。
立ち上がり、バスローブの紐を解き、破裂しそうな陰茎を一気に押し込んだ。

「ああっ!!」

挿入したまま持ち上げて 内続きになっているジュエルの部屋へ入るとドアを閉め、そのままドアに私を押し付けて、強い抽送を繰り返した。

あっという間に果てたジュエルは我に返った。

「ごめん。痛かった?」

「最初だけ少し」

「ずっと我慢してた。一度アイリーンを知ったら かなり辛かった」

どうやら会えば我慢できないと思い、長旅の汚れを落としてから会うことにしたらしい。

「みんなも無事?」

「無事だよ。城でも呼び止められたが振り切って帰ってきた」

「おかえり」

ジュエルが抜き去るとドロドロと精液が床に垂れ落ちた。

「足りないからいい?」

「うん」

ベッドに行き、ジュエルの成すがまま抱かれ続けた。

遅い夕食を部屋でとって眠った。


そんな生活が2年続いたある日、妊娠した。避妊薬を飲まなかったのだ。

討伐から帰って来て、メイドに呼ばれても私が部屋に行かないので服を着て探し回ったところ、一階の客間で悪阻に苦しむ私を見つけた。
病気だと思い大騒ぎをしたが、

「ジュエル、妊娠したの」

「え?」

「ジュエルの赤ちゃんがお腹にいるの。
これは食中毒じゃなくて悪阻なの」

「え…だって婚姻してない」

「してないけど…嫌だった?」

「嫌じゃない!嬉しいよ!」

「オーベン兄様の婚姻式はジュエルだけで参列してもらえない?」

「直ぐ、直ぐ帰る。式を見届けたら直ぐ帰る」

「それは悪いから1ヶ月くらい滞在してきて」

「嫌だよ。寧ろ行きたくない。
俺とアイリーンの子だ……あれ? 俺とアイリーンの婚姻は別?」

「ジュエルがいいなら婚姻したい」

「したい!夫婦になりたい!」

「後のことは任せてもいい? 体が辛くて」



ジュエルはベロノワへ行き、オベール兄様の婚姻式に参加して直ぐに戻って来た。

「産まれる頃に父上と母上がこっちに来てくれるって」

「そう」

「討伐隊は終わりにした。アイリーンの側にいるよ」

「ごめんね」

「アイリーンは何も考えなくていい。体調が悪いんだから」

「うん」

「どっちだろう。アイリーンに似て欲しいな」

「どっち似かなんて分かる? 私達似てるのに」

「分かるよ」



数ヶ月後、私は死線を彷徨った。出血が多かった。
なんとか生き延びたが、しばらくベッドの上の住人になった。

意識が遠のく中、ジュエルの泣き叫ぶ声の煩いこと。目覚めても煩かった。

「ジュエル」

「アイリーン!!」

「煩い」

付き添っていた実母ママベロノワの母お母様の笑い声が聞こえた。


めまいも落ち着き、食事が摂れるようになって、やっと我が子に会えた。

「男の子だよ」

「ジュエル似に見えるわ」

「みんなもそう言ってるよ」

ベロノワのお父様達は3ヶ月滞在して帰国した。
私の回復を見届けてくれたのだ。


出産から一年後、婚姻式を挙げた。
息子エリックはジュエルに瓜二つでとても可愛い。
ここまでソックリなら、討伐遠征中の浮気でできた子などと思わないだろう。

式にはベロノワの両親、カトリス夫妻、コンドラー公爵夫妻、ワイアー夫妻とガブリエル様、意外なことにローランド王子まで出席してくれた。

「アイリ……ジュエル殿にそっくりだな」

エリックはローランドに抱っこされながら、ローランドの頬を抓っていた。

「でも、ロランに抱っこさせるところは私似ね」

「誤解されかねない発言は止めろ。そんなことしたことないだろう。ジュエル殿、違うからな」

「エリックは人見知りして誰でも抱っこできるわけじゃないのよ。信頼の証ね」

「次は女の子を産んでくれ。うちの息子と婚約させよう」

「それが、エリックを産んだ時に死にかけたというか、危なかったの。だから予定はないわ」

「そうか。大変だったな。
うっかり出来て女の子だった時は宜しくな。
もう予約したからな」

「はいはい」

妊娠しないだろうと生返事をしてしまった。



エリックを産んで4年後、妊娠してしまった。
薬を飲むのが遅かったのか。

そして産まれたのは女の子。

「なぁ、父上達がセレスに会いに来るって手紙が届いたんだが、ローランド王子も同行するらしい」

「え?わざわざ?」

すっかりあのことを私達は忘れていた。


1ヶ月経たないうちにベロノワのお父様達とローランド王子と彼の息子アラン7歳が訪れた。

「ほらアラン。お前の婚約者だぞ。セレスって言うんだ。この人がアイリーンといって母親だ。
この感じだとアイリーンのような女の子に育つぞ」

「僕の?」

「そうだ。花嫁になる子だ」

「あの、ロラン。何事?」

「前に来た時に、女の子が産まれたら婚約させるって言っただろう」

「え?」

「“はいはい”って言ったぞ」

「父上、セレスが僕の指を咥えました!」

「ほらな。もう唾をつけられたから責任を取らせる。だから諦めろ」

「意味がわからない。国外に出したくないんですけど」

「アランを婿に迎える気か?エリックがいるだろう」

「そうじゃなくて…何で決定しているの」

「王族の血を引く者同士の約束を反故にするつもりか?」

「僕の妹はあげない!」

そこにエリックが立ちはだかった。

「やっぱりジュエル殿にそっくりだな」

ローランドはエリックの頭をグリグリと撫で回した。

ジュエルは私の肩を抱きながら、牽制した。

「では、アラン殿下が剣術で俺に勝てたら良いですよ」

「はい!がんばります!」

「“はい”と言ったな」

「言ったわね」

アランが“はい”と返事をしてしまったので、慌ててローランドが今のは無しと言ったが、

「なら私の“はいはい”という返事こそ無効だと思うけど」

「よし、話し合おう」


この先 どうなっていくのか分からないけど、ジュエルはずっと変わらず、こうやって私の味方をして側にいてくれると信じることができる。

子供の頃からずっと一緒に過ごして支えてくれた。
そして婚姻しても子ができても それは変わることはなかった。

次期公爵として社交に顔を出して、こっそり誘われてもその場でハッキリと断るし、目移りしたりしない。躓いたフリをする女性がいると避ける。
女性は転倒し大騒ぎだが、ジュエルは無視。

紳士ならと文句を言い出しても、“欲望をギラつかせて躓いたフリをして妻帯者に誘いをかける女に優しくするのが紳士か? 助ける必要があるか? あんたが死ぬことになっても俺は妻に誤解を与えるような選択は絶対にしない”と声を張って言い放つ。

離れて他の夫人と話をしていた私が騒ぎに気付いて近寄ると、“見る必要はない。どこかの紳士が手を貸してやるだろう”と言ってその場から離れた。

どうやらその女性は、いつもその手を使って男を誘惑しようとするらしい。その場でジュエルと女性のやり取りを聞いていた別の友人が、一部始終を教えてくれた。“もう あの人は、二度と躓けないわね”と笑っていた。

ジュエルには感謝しかない。


婚姻10年の記念に子供達を連れてベロノワに長期滞在する予定だ。
思い出を辿りながら子供達に話して聞かせようと思う。ジュエルがいかに優しい人なのかを。

















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