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私は誰になったの!?
しおりを挟む誰かが私に触れている。
脈を測ってる?
なんかムカムカする。
「あ、お嬢様が目を覚まされました。知らせて参ります」
お嬢様!?
その後も医者らしき人は私の体をあれこれ調べる。
「オエッ」
「悪阻ですね」
は?
「オエッ」
「よく効く薬を処方しましょう」
そこに美しい三人が部屋に現れた。
え?何かの劇なの!? メイドまでいる。
よく見ると洋風の豪華な部屋にいた。
無駄な天蓋付きベッドだった。
「ロクサーヌ!心配したぞ!」
「ああ!私のロクサーヌ!神よ感謝いたします!」
「私の天使!」
美しいおじさま?美しいおばさま?美しいお兄さん?
私に言っている?
「あの、どちら様でしょう」
全「……」
数秒の沈黙の後、四人は大騒ぎした。
「先生!どこが悪いんですか!」
「何か気に入らないことでもあるの?」
「私の天使、何が欲しいんだ?」
「お嬢様っ!ポレットです!お嬢様の信者です!」
そしてまた医師が診察する。
私と 強い目力で見守る四人に医師は言う。
「記憶喪失ですね。
頭を打ったせいでしょう」
「私に言っています?」
「ええ。それと…
ご懐妊でございます、ロクサーヌお嬢様」
「はあ!?」
何で妊娠!?
ロクサーヌって誰!私!?
皆の話をまとめると こうだ。
ここはフォセット侯爵家のお屋敷で、王都の一等地にある。
とても眺めのいい場所に構えている。
この三人は、父アルフォードで侯爵、母スザンヌで侯爵夫人、兄エデンで次期侯爵22歳。
他に姉が一人いるが他国に嫁いだ。
私はロクサーヌ・フォセット19歳とのこと。
そしてメイド服のポレットは私の専属メイド兼侍女20歳。
私は眩暈を起こして倒れたと説明された。
確かに頭にコブがあって触ると痛い。
「何処まで覚えてるの?」
そう言われても、コレ、私の身体じゃないですよ?
だって髪がプラチナブロンドだもの。
「手鏡をください」
「お嬢様っ、ポレットに敬語は止めてください!」
手鏡を見て溜息を吐いた。
「似てない」
その言葉に三人は肩を振るわせた。
「似てるぞ、目の数とか」
普通に皆 2つだけど。
「ほら、指が10本あるでしょう?」
いや、20本だから。
「睫毛が長いのもそっくりだ」
それ、ありがちじゃない。
「三人は髪がシルバーです」
「そ、そうだけど、同じ艶々だぞ」
シャンプーが一緒だからでしょう。
「三人は瞳の色が青いです」
「そ、そうね。光の加減かしら」
いえ。青です。サファイアブルーです。
「三人は美形です」
「そうか、私が美形か。ロクサーヌ、愛してるよ」
兄らしき美しい人。照れるな…そうじゃない。
手鏡に映る私は、ゆるふわのプラチナブロンドの髪に、ベビーブルーの瞳。三人と違う。
近い気もするが、三人は色がそのままそっくりだ。
そして顔の造形。
三人とも 力強い切れ長の瞳が際立つ超美人。
この身体は超可愛い系の顔だ。
パッチリとした丸い瞳、高くない鼻、小さな口。
タイプが全然違うのだ。
「本当に家族ですか?」
「家族だよ」
「フォセット家の娘よ」
「可愛いロクサーヌ」
「私の他に子は?」
「姉がいるが嫁に行った」
「写真を見せてください」
「シャシン?」
ん? ドレスの世界なら、
「姉の肖像画を持ってきてポレット」
「直ぐにお持ちします」
その間、医師は注意事項を告げた後、帰って行った。
そしてポレットの持ってきた肖像画は三人に瓜二つ。
「私だけ似ていないわ」
「ご先祖様に似たのよ」
「そうだぞ」
「オナカ空いたか?」
確かにそういう場合もあるな。
「あの、全て全部全く微塵も記憶がありません」
「まさか!」
「そんな!」
「思い出さなくてもいい」
「オエッ」
医師から薬が届くまで、一人にしてもらった。
その間にロクサーヌについてポレットに教えてもらった。
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