【完結】お前も遊べばいいと言われたので

ユユ

文字の大きさ
12 / 16

ロドルフ 3



ある時リディアーヌが怒っているのが分かった。どうやらリディアーヌの友人に手を出してしまったようだ。気が付かなかった。
キャサリーン!?単なるクラスメイトじゃなくて友人!?

その友人が誘ってきたんだぞ!!

『知らない女だろうが知った女だろうが大して変わりないだろう』

友人の婚約者を誘って身体を重ねる様な女は友人ではないだろう!そういうつもりで発した言葉だった。

『でしたら婚約を解消してください』

その言葉にカッとなった。

『今更するわけないだろう。王子妃教育が終わり学園も今日卒業して婚姻の義は1年後。
ここまできて解消など許されない。

そもそもお前は気にもとめないだろう。

お前も遊べばいい』

リディアーヌは深い溜息をつくと去っていった。

言い過ぎた。

王子妃教育が始まってから距離を感じ、学園が始まるとそのうち溝ができてどんどん深くなっていった。

他の女達は甘えてくるのにリディアーヌは素っ気ない。

父上から片思いだった、婚約を断られた、王命で無理矢理などと聞いて燻っていたものが弾けた。

私のことなど愛していないのだろう?
体裁を気にしてるのか?それとも妊娠させるかもと恐れているのか?
気にもとめないだろう…。

“お前も遊べばいい”

何故そんな事を言ってしまったのか。
微塵も思っていないし、他の令息と話していただけで苛立つ。

流石に最後まではしないだろう。処女は王族に嫁ぐ絶対条件なのだから。
だが触れられたらと思うと気が狂いそうになる。

明日、謝ろう。
あの言葉だけは取り消さないと。

だけど運悪く翌日から他国の王族が滞在して思った以上に時間を取られた。4日後、見送り、やっとリディアーヌとの時間が取れると思って侍従に聞いた。

「リディアーヌは執務室か」

「リュフードゥル侯爵令嬢は登城しておりません」

風邪でも引いたのかと思った。
接待の間、禁欲していたし気を遣って疲れたので女の体に癒されたかったので登城していた令嬢の中から選んて抱いた。

令嬢を帰してベッドでぼーっとしていると侍従がやってきた。

「殿下、執務室にいらしてください。早く手をつけなければ書類の山が増えます」

「明日リディアーヌとやるよ」

「リュフードゥル侯爵令嬢は本当にいらっしゃると思っておられるのですか」

「当然だ」




翌日、リディアーヌは来なかった。
次の日も来なかった。
慌てて山となった書類に手を付けた。久しぶり過ぎて流れが掴めなかった。その間に書類は増えていく。

5通目の手紙に返信があったがリディアーヌではなく侯爵からだった。

“リディアーヌ宛の手紙を開封した事をお許しください。

毎日手紙が届くので緊急の要件かもしれないと思い読ませていただきました。

結論を申し上げますと、リディアーヌは登城致しません。二度と執務を手伝わせていただくことは無いでしょう。

元々婚約中に婚約者が王子の執務をすることが間違いなのです。

人手が必要でしたら人員を増やして補佐をさせてください”


二度と手伝わないとはどういう事だ。
王子妃になれば手伝う事もある。

翌日、先触れをだして侯爵家を訪ねた。

「リディアーヌを呼んでくれ」

「リディアーヌはおりません」

「買い物か?待たせてもらおう」

「リディアーヌは数日前から国外へ出かけております」

「は!? 私に断りもなく国外に出すなどどういうつもりだ!!」

「殿下、お言葉ですが、リディアーヌが何処に行こうとリディアーヌの自由です。私の許可は必要だとしても殿下の許可は必要ありません。

執務はリディアーヌの仕事ではございません。当てにされては困ります。
リディアーヌは殿下が女遊びをしている間も殿下の代わりに執務室で書類と格闘しておりました。

リディアーヌだって友人や家族と過ごしたかったはずです。

学園、王子妃教育、執務のほとんどを引き受けて夜遅くに帰り、そのあと湯浴みなどを済ませて勉強や課題をすませておりました。

睡眠時間は毎日2時間。良くて4時間でした。いつか倒れるのではないかと心配しておりました。

挙げ句の果てには浮気の現場を目にしたのです。
リディアーヌは泣いていましたよ」

「泣いていた!?リディアーヌが!?」

「令嬢教育、王子妃教育は感情を悟られない様に押し殺すことを強要いたします。
殿下の前では泣くまいと耐えたのでしょう。

挙げ句の果てにはリディアーヌに『お前も遊べばいい』と吐き捨てたようですね。

王命による婚約者であるロドルフ第一王子殿下のお言葉をありがたく頂戴することにいたしました」

「まさか…そんな事をすれば王族には…」

「そうですね。王族には嫁げません」

「リディアーヌは何処に行った!!」

「追いかけて無理矢理連れ戻そうとなされば最悪戦争になります。ペルマナントの親戚の家に滞在して夜会に出ていますから。

陛下によく確認なさってから行動しないとこの国は灰となり、殿下も首を落とされかねません。王族で次期国王の貴方の行動は国の意思だと受け取られますよ。

それと、リディアーヌは引継ぎ書と手紙を書いて置いてきたと言っておりました。
陛下に相談する前に読んでください」



あなたにおすすめの小説

愛さないと言われた妻、侍女と出て行く

菜花
ファンタジー
お前を愛することはないと夫に言われたコレットは、その日のうちに侍女のイネスと屋敷を出て行った。カクヨム様でも投稿しています。

【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです

唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。 すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。 「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて―― 一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。 今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。

【完結】何でも奪っていく妹が、どこまで奪っていくのか実験してみた

東堂大稀(旧:To-do)
恋愛
 「リシェンヌとの婚約は破棄だ!」  その言葉が響いた瞬間、公爵令嬢リシェンヌと第三王子ヴィクトルとの十年続いた婚約が終わりを告げた。    「新たな婚約者は貴様の妹のロレッタだ!良いな!」  リシェンヌがめまいを覚える中、第三王子はさらに宣言する。  宣言する彼の横には、リシェンヌの二歳下の妹であるロレッタの嬉しそうな姿があった。  「お姉さま。私、ヴィクトル様のことが好きになってしまったの。ごめんなさいね」  まったく悪びれもしないロレッタの声がリシェンヌには呪いのように聞こえた。実の姉の婚約者を奪ったにもかかわらず、歪んだ喜びの表情を隠そうとしない。  その醜い笑みを、リシェンヌは呆然と見つめていた。  まただ……。  リシェンヌは絶望の中で思う。  彼女は妹が生まれた瞬間から、妹に奪われ続けてきたのだった……。 ※全八話 一週間ほどで完結します。

婚約者は妹のような幼馴染みを何より大切にしているので、お飾り妻予定な令嬢は幸せになることを諦めた……はずでした。

待鳥園子
恋愛
伯爵令嬢アイリーンの婚約者であるセシルの隣には『妹のような幼馴染み』愛らしい容姿のデイジーが居て、身分差で結婚出来ない二人が結ばれるためのお飾り妻にされてしまうことが耐えられなかった。 そして、二人がふざけて婚姻届を書いている光景を見て、アイリーンは自分の我慢が限界に達そうとしているのを感じていた……のだけど!?

精霊の愛し子が濡れ衣を着せられ、婚約破棄された結果

あーもんど
恋愛
「アリス!私は真実の愛に目覚めたんだ!君との婚約を白紙に戻して欲しい!」 ある日の朝、突然家に押し掛けてきた婚約者───ノア・アレクサンダー公爵令息に婚約解消を申し込まれたアリス・ベネット伯爵令嬢。 婚約解消に同意したアリスだったが、ノアに『解消理由をそちらに非があるように偽装して欲しい』と頼まれる。 当然ながら、アリスはそれを拒否。 他に女を作って、婚約解消を申し込まれただけでも屈辱なのに、そのうえ解消理由を偽装するなど有り得ない。 『そこをなんとか······』と食い下がるノアをアリスは叱咤し、屋敷から追い出した。 その数日後、アカデミーの卒業パーティーへ出席したアリスはノアと再会する。 彼の隣には想い人と思われる女性の姿が·····。 『まだ正式に婚約解消した訳でもないのに、他の女とパーティーに出席するだなんて·····』と呆れ返るアリスに、ノアは大声で叫んだ。 「アリス・ベネット伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!婚約者が居ながら、他の男と寝た君とは結婚出来ない!」 濡れ衣を着せられたアリスはノアを冷めた目で見つめる。 ······もう我慢の限界です。この男にはほとほと愛想が尽きました。 復讐を誓ったアリスは────精霊王の名を呼んだ。 ※本作を読んでご気分を害される可能性がありますので、閲覧注意です(詳しくは感想欄の方をご参照してください) ※息抜き作品です。クオリティはそこまで高くありません。 ※本作のざまぁは物理です。社会的制裁などは特にありません。 ※hotランキング一位ありがとうございます(2020/12/01)

王妃の条件、貴族学校成績優秀の妹が駄目な理由

キャルキャル
恋愛
すぐに読めるざまぁ話

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

初耳なのですが…、本当ですか?

あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た! でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。