【完結】2人の幼馴染が私を離しません

ユユ

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叱らないはずでは?

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あの後、王妃様にお部屋に連れて行かれ、ドレスのデザイン画をいっぱい見せられた。

「どんなドレスがいいかしら」

「コレとコレを合わせた感じで、ヒラヒラとかより刺繍がいいです。こんな袖ではなくて、こっちの感じがいいです」

「色は?」

「この色とか、この色とか」

「若過ぎないかしら」

「王妃様、何歳ですか?」

「アリスティーネ!?」

「夫人、かまわないわ。
私は34歳よ」

「王妃様は数を数えるのが苦手ですか?」

「もう…辛い…」

「夫人、大丈夫よ。
本当よ。何人もの人が数えているから」

「…部分的に色の近い暗めの色を足すのはどうですか?」

「例えば?」

「例えばですね…」



夕方に解放され、お仕事が終わったパパと一緒にお家に帰った。

着替えた後、ママからいっぱい叱られた。

「王妃様は叱らないでと言っていたのに」

「もう!拷問でも受けている気分になったわ!」

「アリスティーネには時間が必要なんだよ。
まだ早かったんだ。これからゆっくり学べばいい」

「パパぁ」

「よしよし」

「あなた、甘やかすのは止めてください」

「君の方こそアリスティーネの手をプニプニさせているじゃないか」

ママは私の手が小さくて柔らかいから、よく触っていた。

「お土産もらった」

王妃様からキレイな飴の入った瓶と焼き菓子を持たされた。

「お礼をしなくてはな」



【 母エルローズの視点 】

エンブレア侯爵家の後継ロイスと結婚したのは17年前。結婚式のときには長男サミエルが宿っていて、妊娠6ヶ月だった。もちろんロイスとの子だ。

この国は婚前交渉を悪としていない。何故なら、息子は必ず父親の瞳の色と模様を受け継ぐから。鏡にうつしたかのように細かな模様まで同じだから。
他人だと色が似ていても微妙に違う部分があるし透明度が違ったりもする。特に模様は他人だと同じ人はいないと言われている。

貴族や財産のある平民は、子が生まれると必ず絵描きに顔と、拡大した瞳を描かせる。かなり大きなキャンパスに。
この絵描きは国家資格を持っていて、書き上げると別の者が間違いがないか確認をして、間違いないと署名する。もちろん絵描き代と旅費を含めた審査代がかかるが、子が大きくなったときに、死んだ或いは目を怪我したときに、知らぬ女に この子は○○の子ですと言われるのを防ぐためだ。
代々書いていくことでより信憑性の高い証拠となる。

娘の場合はどの部分がどちらに似るか分からない。
だけど大事なのは跡継ぎだから、息子が父親と同じ瞳ならいい。
娘は嫁がせるもの。それは事業的なものであったり支援的なものであったり、家門の縁繋ぎだったり。実際のところの血縁はどうかなんて気にしない。

婚約している令嬢は、婚約者の浮気が嫌で結婚前から閨事を始める場合が多い。
私もロイスが他の女と関係を持つのが嫌で純潔を捧げた。

避妊はしていたけど、正しい避妊でも失敗することはある。私の場合は食あたりで嘔吐が続き、飲んだ避妊薬が吸収される前に出してしまったらしい。
ウェディングドレスのデザインがふわりとしたものだったため、お腹が目立たなくて良かった。

サミエルの瞳はロイスそっくりで、疑いようがない。
だけどその後、子宝に恵まれなかった。
ロイスの両親が、ロイスに妾を充てがった。ロイスは義務として妾を抱いた。2年経っても妊娠せず、義父が妾を入れ替えた。
次の妾は野心があった。若くて綺麗で、メイドが言うにはかなり積極的に奉仕する女だったようだ。
1年半後、妾は妊娠した。義父は喜び妾を第二夫人として迎えようと考えていた。義母は産まれてからと反対をした。だけど扱いは大きく変わった。住まいを本邸に移したのだ。
わざわざ私が庭に出ているときに散歩に出てきたり、胎児が動いたなどと言いながらロイスに甘えた声を出していた。

私は体調を崩してしまった。ストレス性の胃炎だと思って黙っていた。
だけど、食事を取れなくなったために口止めしていたメイドが報告をしてしまった。
面倒臭い女だと思われたくなかった。でも…

『ご懐妊です。胃炎ではなく悪阻です。サミエル様のときは無かったので、分からなかったのでしょう。安静にして、物によりますが食べたい物を食べて乗り越えましょう』

泣き崩れた私を見て、ロイスは“辛い思いをさせた”と謝罪をした。

それ以来、妾は行動制限を付けられた。
だけど妾が男児を産んだ場合、どうなるのか不安だった。

『奥様、妾が子を産みました』

『…そう』

『ロイス様の子ではございません』

信じられないことが起きた。




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