【完結】2人の幼馴染が私を離しません

ユユ

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アリスティーネが去ったあと/セリーヌ②

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【 セリーヌ•ロスティーユの視点 】

メイドを押し除けて一階へ向かうと声が聞こえてきた。もう応接間を出て帰るところらしい。

「ヴィフノワ公爵、お待ちください」

「話は済みました」

「そんな、撤退されては困ります」

「別の共同事業主を探すなり単独で事業をなさるなりご自由にどうぞ」

「ヴィフノワ公爵家にとっても大損ではありませんか」

「ヴィフノワ家は8年ほどかけてエミリオの嫁を育ててきたのです。エミリオは彼女の面倒を見て、私達は教師と使用人を送り込んで育てながら見守ってきました。
卒業したら嫁に迎えるつもりでいたのです。ロスティーユ公爵令嬢のせいで その子はエミリオを完全に拒否してしまいエンブレア侯爵家はうちに絶縁宣言をしました。
取り返しのつかないことをされたのに、まだロスティーユ家と関われと仰るのですか?」

「それとこれとは別ではありませんか」

「別ではありませんよ。エミリオがセリーヌ嬢を無碍にできなかったのは、令嬢がヴィフノワ家にとって共同事業主の娘だからです。
エミリオの誕生日パーティだって令嬢を招待していなかったじゃないですか。なのに連れてきて。あの日はやっと息子が想い人を誘い、デザイナーと何度も打ち合わせをして作らせた揃いの衣装を着せて、一歩進む日だったのに」

「顔見知りですし、同じ歳ですからお祝いに連れて行くのは異常なことではなかったはずです」

「令嬢の性格がああでなければの話です。
婚約者の令嬢の友人を執拗に虐めて怪我を負わせた子ではありませんか。エミリオに言い寄っていた令嬢ならば確実に絡むだろうと察したから招待状に名前を載せなかったのです。あなたも察してくださってもよかったはずです。

結果、出席者が足を踏み入れていいはずもないプライベートエリアまで ズカズカと入ってきて、エミリオが連れていた女の子に誰かと早速目を付けたのです。エミリオは守りたくて“何でもない”と言ってしまいました。彼女は…アリスティーネはその言葉と、振り払われた手に心を痛めてエミリオを拒絶したんです。もう何を言っても誤解が解けなくてエミリオは失意のどん底にいますよ。

ロスティーユ公爵令嬢が編入してくるから、いずれ会うだろうとは思ってはいたので、もっと早く紹介の仕方を考えておけばよかったと後悔しています。
初めてだったんです。揃いの衣装を着るのも、彼女からエミリオの手を繋いでくれたのも。

実際に食堂で令嬢はアリスティーネの頬を打ちました。
何もしていないアリスティーネを。
エミリオの警戒は正しかった。そうですよね?公爵」

「二度と近寄らせません。どうか再考を、」

「壊れたものを元に戻せますか?
アリスティーネは食事をしても戻してしまうほどストレスを感じてしまっていて、エンブレア家が心を痛めているのです。ロスティーユ家にアリスティーネの心の治療ができるのですか?エミリオとアリスティーネの関係を戻せるのですか?
事業撤退だって、うちにも痛手ですよ。それでもロスティーユ公爵家に関わる方がヴィフノワ家のためにならないと判断して撤退するのです。
うちは一人息子なのですよ?エミリオの心が荒んで手がつけられなくなっても代わりなどいないのです。これ以上は勘弁してください」

「っ!!申し訳ありませんでした」

「もう家門同士の交流もお断りします。お互いに招待状を送るのは控えましょう。失礼します」

ヴィフノワ公爵が帰ると、お父様とお母様が口論を始めた。

「おまえはセリーヌをどう教育したんだ!」

「そんな!私にだけ責任を押し付けないでください!あなただって甘やかしていたではありませんか!」

「私は仕事をしているんだ!母親のおまえの仕事は娘の教育も入っているだろう!厳しい教師を雇うなりなんなりすれば良かったじゃないか!」

「ちゃんと一流の教師は雇いました!酷いわ!」

「泣きたいのはこっちだ!
これからヴィフノワの抜けた大穴を埋めなくてはならない。家を空けることになる。しっかりセリーヌを見張って指導しろ!次に何かあったらおまえの実家への支援を止めるからな!」

「そんな!」

「何でおまえの弟の事業の失敗のツケを私が払わなくてはならないんだ!一度なら妻の実家ということで仕方ないが二度も三度もなどあり得ないだろう!いい加減にしてくれ!」

「ううっ」

「泣けば何とかなるのか!
泣いていないで行動しろ!弟に馬鹿な事業に手を出すなと絶縁宣言をしてこい!」

信じられない…こんなの夢よ…悪夢だわ…
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