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リリアナの思惑
【 リリアナの視点 】
二人目を産んで良かった。
ユベールも私にそっくり。妹のセレストも私にそっくりで、クリスはセレストにメロメロだ。
セレストの噂を聞きつけて多くの縁談が舞い込んだが、お父様とクリスが話し合って、全て断った。
「私はお兄様と結婚したいの。お兄様より素敵な子がいるわけがないもの」
とセレストが言ったから。
クリスの目がセレストに向いてしまうのでユベールは拗ねていた。
だけどその一言でユベールは吹っ切れた。
「セレストは将来 僕が面倒を見ますから、無理してお嫁にやらなくていいです」
「お兄様、大好き!」
これはセレストの本心なのか策略なのかは分からない。
そして王子の10歳の茶会にルイーザ様と長男が来ることが分かった。お父様と辺境伯で話し合ったのか、家族として合わせると言われた。
ルイーザ様は私と正反対の方だった。
妖艶な美女。眼差しは強く気高さがある。
ルイーザ様とクリスの息子ファイゼルはクリスにも似ていた。
私が産んだ兄妹はクリスに似ていない。
ファイゼルの方が可愛いだろうと思ったがそうでは無かった。
「ファイゼルとカルヴィンは私の息子ではあるがエスペランドのものだ。跡継ぎの男児が欲しくて私と関係を結んだようなものだから、ユベールに対する気持ちとは少し違うな」
苦笑いしていた。妊娠は不意打ちだったようだ。
クリスはルイーザ様は戦士の子種が欲しかっただけど言うが、私はそうは思えない。
ルイーザ様はクリスが好きなはず。
そうでなければあんな表情はしないだろう。
ルイーザ様が王城に泊まっていても、クリスは私たちと一緒に侯爵邸に戻ってくれた。
夜は可愛がってくださいと言うと、抱いてくれた。
もう大丈夫。
クリスは完全に私の元に戻ってくれた。
そしてお願いをした。
「もう一人だけクリスの子を産みたいです」
「男児が一人ではダメか?」
「クリスに似た子が欲しいのです」
「私に似ていたらダメだろう。二人がリリ似なのだから、かなりの劣等感を感じるはずだ」
「私が誰よりも可愛がりますから」
「最後だからな」
その日から子作りが始まり、クリスは毎晩注いでくれた。
そうして産まれたのはお父様似の男の子だった。
お父様は大喜びだった。
心配だったけど、産後、お医者様から許可が出るとクリスは私を優しく抱いた。
「クリスの妻でいられて幸せです」
「辛い思いもさせた」
「私のせいですから。これからも愛でてください」
「ありがとう、リリ」
リリアナは子供の頃に弟を失った。
二階の窓からリリアナに向かって話しかけていた最中にバランスを崩した。頭から着地したために助からなかった。その時、リリアナはショックのあまり気を失った。
目覚めたら私の魂が憑依していた。リリアナの魂は何処へ行ったのか分からない。
使用人にも心を閉ざしたのは別人だとバレる可能性があるからだ。
私にだってよく分からないし、責め立てられても困る。下手をすれば悪魔付きと言われるかも知れない世界だった。
寝たフリをした私の元に神父がやってきて、散々祈って帰って行った。何で神父呼んだ?目覚めなくて不安なら別の医者を呼んでよ。
冷たいのは聖水?唾じゃないよね?
聖水って悪魔退治に使うんじゃないの!?
もし、中身が違いますなんて言ったら殺されるかも。
リリアナの残った記憶を辿りながらこの世界に慣れるまで時間がかかってしまった。
このことはクリスにも黙っていようと思う。
ただ、お母様は気付いたのかも知れない。息子は転落死、娘は魂を失い、そのために衰弱したんだと思う。
二人目を産んで良かった。
ユベールも私にそっくり。妹のセレストも私にそっくりで、クリスはセレストにメロメロだ。
セレストの噂を聞きつけて多くの縁談が舞い込んだが、お父様とクリスが話し合って、全て断った。
「私はお兄様と結婚したいの。お兄様より素敵な子がいるわけがないもの」
とセレストが言ったから。
クリスの目がセレストに向いてしまうのでユベールは拗ねていた。
だけどその一言でユベールは吹っ切れた。
「セレストは将来 僕が面倒を見ますから、無理してお嫁にやらなくていいです」
「お兄様、大好き!」
これはセレストの本心なのか策略なのかは分からない。
そして王子の10歳の茶会にルイーザ様と長男が来ることが分かった。お父様と辺境伯で話し合ったのか、家族として合わせると言われた。
ルイーザ様は私と正反対の方だった。
妖艶な美女。眼差しは強く気高さがある。
ルイーザ様とクリスの息子ファイゼルはクリスにも似ていた。
私が産んだ兄妹はクリスに似ていない。
ファイゼルの方が可愛いだろうと思ったがそうでは無かった。
「ファイゼルとカルヴィンは私の息子ではあるがエスペランドのものだ。跡継ぎの男児が欲しくて私と関係を結んだようなものだから、ユベールに対する気持ちとは少し違うな」
苦笑いしていた。妊娠は不意打ちだったようだ。
クリスはルイーザ様は戦士の子種が欲しかっただけど言うが、私はそうは思えない。
ルイーザ様はクリスが好きなはず。
そうでなければあんな表情はしないだろう。
ルイーザ様が王城に泊まっていても、クリスは私たちと一緒に侯爵邸に戻ってくれた。
夜は可愛がってくださいと言うと、抱いてくれた。
もう大丈夫。
クリスは完全に私の元に戻ってくれた。
そしてお願いをした。
「もう一人だけクリスの子を産みたいです」
「男児が一人ではダメか?」
「クリスに似た子が欲しいのです」
「私に似ていたらダメだろう。二人がリリ似なのだから、かなりの劣等感を感じるはずだ」
「私が誰よりも可愛がりますから」
「最後だからな」
その日から子作りが始まり、クリスは毎晩注いでくれた。
そうして産まれたのはお父様似の男の子だった。
お父様は大喜びだった。
心配だったけど、産後、お医者様から許可が出るとクリスは私を優しく抱いた。
「クリスの妻でいられて幸せです」
「辛い思いもさせた」
「私のせいですから。これからも愛でてください」
「ありがとう、リリ」
リリアナは子供の頃に弟を失った。
二階の窓からリリアナに向かって話しかけていた最中にバランスを崩した。頭から着地したために助からなかった。その時、リリアナはショックのあまり気を失った。
目覚めたら私の魂が憑依していた。リリアナの魂は何処へ行ったのか分からない。
使用人にも心を閉ざしたのは別人だとバレる可能性があるからだ。
私にだってよく分からないし、責め立てられても困る。下手をすれば悪魔付きと言われるかも知れない世界だった。
寝たフリをした私の元に神父がやってきて、散々祈って帰って行った。何で神父呼んだ?目覚めなくて不安なら別の医者を呼んでよ。
冷たいのは聖水?唾じゃないよね?
聖水って悪魔退治に使うんじゃないの!?
もし、中身が違いますなんて言ったら殺されるかも。
リリアナの残った記憶を辿りながらこの世界に慣れるまで時間がかかってしまった。
このことはクリスにも黙っていようと思う。
ただ、お母様は気付いたのかも知れない。息子は転落死、娘は魂を失い、そのために衰弱したんだと思う。
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