【完結】婚約解消を言い渡された天使は、売れ残り辺境伯を落としたい

ユユ

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息子が天使を連れ帰った。

【 ユーゴの父、ガブリエルの視点 】



息子と一緒に王都に向かった兵の一人が単騎で帰ってきた。

「ユーゴに何があったのか!」

「違います。こちらを。ユーゴ様からです」

封を開け、手紙を読んだ。

“令嬢を辺境体験させることになりました。
王太子妃殿下の推薦です。断れませんでした。
期間は3ヶ月としましたが、それよりも早く根を上げると思います。
部屋の用意をお願いします”

椅子を倒しながら立ち上がり、妻の元へ走った。

「マリア!マリアーっ!」

「あなた、どうなさいましたか?そんなに慌てて」

「ユーゴが!ユーゴが令嬢を連れて帰るぞ!!」

「まあ!何ですって!」

手紙を4度読むと、

「あなた。何のための辺境体験でしょうか」

「そりゃ、辺境伯夫人にするためだろう」

「何故ユーゴは断る気があったのかしら」

「醜女とか?」

「悪女とか?」

「余命わずかとか」

「淫乱とか」


とにかく迎える支度を妻に任せた。

「夫婦の部屋を使うのかしら」

「辺境体験と書いてあるから未だだろう」




そして数日後。

馬車から降りてきたのは天使だった。

「お嬢様。ガブリエルは私がお持ちします」

「ありがとう、ロイ」

ガブリエル!?

兵士のロイは馬車から大きなお化けのぬいぐるみを下ろした。

まさか、ソレがガブリエルか?

「あなた、凄い美少女に見えるのだけど」

「そうだな。やはり訳アリだろう」

ユーゴが令嬢を連れて挨拶をした。

「父上、母上。ただいま帰りました。
彼女はホロウェル伯爵家のご令嬢ファイエット嬢です。

フィー。父のガブリエル。母のマリアだ」

「突然の訪問をお許しください。
私、ホロウェル伯爵家の次女、ファイエットと申します。ユーゴ様の婚約者候補として3ヶ月の滞在をさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします」

「(あなた、ユーゴが天使を愛称で呼んでいるわ)」

「(夢の中にいるのかもしれない)」

「父上、母上。現実です」

「そ、それは失礼した。
ユーゴの父、ガブリエルと申します。
ファイエット嬢」

「母のマリアと申します。
疲れたでしょう。お入りになって」

「ありがとうございます」

「(お化けの名前は偶然ですわよね?)」

「(偶然だろう)」



ファイエット嬢は、部屋に通して部屋食にて、ゆっくりさせることにした。


そしてユーゴから詳しく聞いた。

「詐欺か」

「違います」

「悪女か」

「違います」

「余命わずかか」

「元気です」

「淫乱、」

「違います!」

「まさか、手篭めにしたのか!」

「父上!」

「じゃあ、何故なの?」

「王太子妃殿下の推薦と、フィーの…ファイエット嬢の希望です。私と婚姻したいそうです」

「何で直ぐに承諾しなかったの!」

「何かの誤解とか思い違いとか気の迷いですよ」

「それでもいいじゃないの。逃げられないように婚約しちゃいなさい!」

「婚姻してから逃げられる方が嫌です」

「幾つなんだ?」

「18歳です」

「まあ」

そして婚約解消の話を聞いた。

「きっと周囲が、“お前にはもったいない”とか散々令息に言ったのだろう」

「パーティーで王太子殿下から第二妃の打診をされていました」

「断ったのね?」

「好みではないそうです」

「気に入ったわ」

「いい子だな」

「ユーゴ。逃しちゃ駄目よ」

「既成事実でもいいからな」

「何を言っているのですか」


私とマリアはユーゴがその気になるように、令嬢が辺境を気に入ってくれるように努力しようと誓い合った。






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