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謝罪
気不味いなと思っていると、次々と招待客がヘインズ公爵夫人に挨拶をした後に私を見つけて押し寄せてきた。
「ボステーヌ嬢、良かったですわ。お元気なられて」
「相変わらず美しくて羨ましいわ」
「初めてお声がけいたします。早く良くなるよう毎夜祈っておりました」
「まあ、公女とお揃いのドレス、素敵ですわ」
「本当、姉妹みたいね」
「あ、ありがとうございます」
「もう無いとは思うけど、次に何かあったら声をあげるのよ」
「うちに逃げ込んできてください」
「私の屋敷にはお部屋がいっぱいありますわ」
「うちは可愛いペットもいますのよ」
「うちの息子は若すぎるけど可愛いのよ」
「夫人のご子息はまだ3歳じゃないですか」
「だからいいの。癒されるわよ」
「皆様にあたたかく迎えていただけて嬉しいです。
感謝いたしますわ」
次から次へと出席者がこんな感じで話しかけてきてくださった。フィゼット公爵夫妻が到着するとどんどん会話が広がっていった。
「あの、嬉しいのですが、これでは私の誕生日になってしまいます。どうかヘインズ公爵夫人を祝いませんか」
「あら」
「嫌だわ。うっかりしてしまって」
「いきなり全員で行くと不自然ですから少し散り散りになりましょう」
やっと解放された。
「ルシアン様も私に構わず他の方とお話なさってくださいね。パートナーといっても今日はお役目的なことはしなくて良さそうですから。
私は向こうで座っています」
「……」
お酒を手に取り、端の壁際の椅子に座った。
おかしいな。見慣れた見たくない幻覚が見えるわ。
眩い金髪に紫色の瞳……なんであんたがここに来るのよ!まさか招待客!?
見つかりたくないので給仕の後ろに隠れた。
「おい」
気のせい、気のせい。 あいつの声なんかじゃない。
そうだとしても私じゃないはず。
「おい、オリヴィア」
くっ!私だった!
「ドレスで給仕の後ろに隠れてもはみ出るから止めとけ。馬鹿がバレるぞ」
「馬鹿は貴方でしょう」
「なんだ。元気だな」
「話しかけないでください」
「聞きたいことがあるんだ」
「私は無いです」
「リアって水色の瞳の令嬢を知らないか?髪は夜空の色なんだが」
「存じ上げません。失礼」
「待て」
離れようとしたら手首を掴まれた。
「放してください」
「高位貴族のはずなのに、貴族名簿に乗ってないんだ」
「私に聞かないでください」
「だけど王子妃教育受けてたし、貴族の名前全員覚えただろう?」
「知りません」
「他国の令嬢か?それとも養女になりたてとか」
「城で聞いてくださいよ」
「知らないって言うんだから仕方ないだろう」
「私だって存じ上げません。見つからないなら諦めればいいじゃないですか」
「彼女は運命の人なんだ。会話をしていても自然で楽しい。洗練されていたから高位貴族なのは間違いない。綺麗な瞳だった」
「お幸せに」
「探すの協力しろよ」
「嫌です」
「全財産お前にやっただろう?」
「全部ではないです」
「……まあ、細かいことは気にするな。
身長はお前と同じくらいだ。胸も同じく少し寂しい感じだった」
「引っ叩きますよ」
「でも綺麗だった。
おい。手袋外せ」
「嫌ですよ」
「何でだよ」
「ちょっと!」
レオナルドは勝手にロンググローブを外した。
「そう。手も指もお前に似てるよ」
「返して!」
「……本当に虐待されていたんだな」
レオナルドからロンググローブを奪い取り薄く残っているアザを隠した。
「さようなら」
背を向けてレオナルドから離れようとした。
「悪かったな」
振り返るとレオナルドが真剣な顔をしていた。
「どうしたんですか急に」
「お前に対する態度は全部私の八つ当たりだったみたいだ。それにいろいろ誤解をしていた。
許さないだろうが謝っておく。私が悪かった」
「近付かないでくれたら辛い過去の記憶として隅に置いておきますから、もう関わらないでください」
「……」
何で今になってそんなことを言うのよ!
「オリヴィア様」
そこにルシアンが寄ってきた。
「知り合いと話していて貴女から目を離してしまいました。申し訳ありません」
「構いませんわ」
「お前、もう男ができたのか」
「はあ?」
「幸せになれよ」
「ちょっと待ちなさいよ!
私はあんたと違って 不修多羅じゃないのよ!私はあんたみたいに誰とでも寝る女じゃないの!
王族の伴侶になる条件を忘れたの!?
まさかこの1ヶ月でなんて言わないわよね。
私が怪我をしていたのも知ってるクセに、あんたはどうしてそんなに下衆な考えしか出来ないのよ!
謝る前にその思考回路を何とかしたらどうなの!」
ポカンとしたレオナルドの顔に益々腹が立って扇子を投げ付けたら避けられた。
「ちょっと!そこは避けるところじゃないの!
腹立つなぁ!」
「プッ」
レオナルドが笑い出した。
「お前、随分と精巧なネコを被っていたんだな」
笑いながら私の頭を撫で回した。
「止めてよ!」
「ちょっと来い」
レオナルドは私の手を掴んでテラスに連れてきた。
「放して!」
「申し訳なかった」
レオナルドが深々と頭を下げた。
「……」
「もしお前に何か困ったことがあったら知らせろ。できる限りのことはしてやる」
「結構です」
「ロクサーヌだっていずれ婚姻するんだ。頼っていられなくなるだろう。私は婿に行ったとしても王の子には変わりない。助けられることもあるかもしれない」
「また自分で何とかします」
「かしこまらなくていい。さっきのお前の方が魅力的だ」
「女の敵」
「口説いてるわけじゃない。
ちゃんと覚えておけよ」
頭を撫でてレオナルドは会場に戻って行った。
「ボステーヌ嬢、良かったですわ。お元気なられて」
「相変わらず美しくて羨ましいわ」
「初めてお声がけいたします。早く良くなるよう毎夜祈っておりました」
「まあ、公女とお揃いのドレス、素敵ですわ」
「本当、姉妹みたいね」
「あ、ありがとうございます」
「もう無いとは思うけど、次に何かあったら声をあげるのよ」
「うちに逃げ込んできてください」
「私の屋敷にはお部屋がいっぱいありますわ」
「うちは可愛いペットもいますのよ」
「うちの息子は若すぎるけど可愛いのよ」
「夫人のご子息はまだ3歳じゃないですか」
「だからいいの。癒されるわよ」
「皆様にあたたかく迎えていただけて嬉しいです。
感謝いたしますわ」
次から次へと出席者がこんな感じで話しかけてきてくださった。フィゼット公爵夫妻が到着するとどんどん会話が広がっていった。
「あの、嬉しいのですが、これでは私の誕生日になってしまいます。どうかヘインズ公爵夫人を祝いませんか」
「あら」
「嫌だわ。うっかりしてしまって」
「いきなり全員で行くと不自然ですから少し散り散りになりましょう」
やっと解放された。
「ルシアン様も私に構わず他の方とお話なさってくださいね。パートナーといっても今日はお役目的なことはしなくて良さそうですから。
私は向こうで座っています」
「……」
お酒を手に取り、端の壁際の椅子に座った。
おかしいな。見慣れた見たくない幻覚が見えるわ。
眩い金髪に紫色の瞳……なんであんたがここに来るのよ!まさか招待客!?
見つかりたくないので給仕の後ろに隠れた。
「おい」
気のせい、気のせい。 あいつの声なんかじゃない。
そうだとしても私じゃないはず。
「おい、オリヴィア」
くっ!私だった!
「ドレスで給仕の後ろに隠れてもはみ出るから止めとけ。馬鹿がバレるぞ」
「馬鹿は貴方でしょう」
「なんだ。元気だな」
「話しかけないでください」
「聞きたいことがあるんだ」
「私は無いです」
「リアって水色の瞳の令嬢を知らないか?髪は夜空の色なんだが」
「存じ上げません。失礼」
「待て」
離れようとしたら手首を掴まれた。
「放してください」
「高位貴族のはずなのに、貴族名簿に乗ってないんだ」
「私に聞かないでください」
「だけど王子妃教育受けてたし、貴族の名前全員覚えただろう?」
「知りません」
「他国の令嬢か?それとも養女になりたてとか」
「城で聞いてくださいよ」
「知らないって言うんだから仕方ないだろう」
「私だって存じ上げません。見つからないなら諦めればいいじゃないですか」
「彼女は運命の人なんだ。会話をしていても自然で楽しい。洗練されていたから高位貴族なのは間違いない。綺麗な瞳だった」
「お幸せに」
「探すの協力しろよ」
「嫌です」
「全財産お前にやっただろう?」
「全部ではないです」
「……まあ、細かいことは気にするな。
身長はお前と同じくらいだ。胸も同じく少し寂しい感じだった」
「引っ叩きますよ」
「でも綺麗だった。
おい。手袋外せ」
「嫌ですよ」
「何でだよ」
「ちょっと!」
レオナルドは勝手にロンググローブを外した。
「そう。手も指もお前に似てるよ」
「返して!」
「……本当に虐待されていたんだな」
レオナルドからロンググローブを奪い取り薄く残っているアザを隠した。
「さようなら」
背を向けてレオナルドから離れようとした。
「悪かったな」
振り返るとレオナルドが真剣な顔をしていた。
「どうしたんですか急に」
「お前に対する態度は全部私の八つ当たりだったみたいだ。それにいろいろ誤解をしていた。
許さないだろうが謝っておく。私が悪かった」
「近付かないでくれたら辛い過去の記憶として隅に置いておきますから、もう関わらないでください」
「……」
何で今になってそんなことを言うのよ!
「オリヴィア様」
そこにルシアンが寄ってきた。
「知り合いと話していて貴女から目を離してしまいました。申し訳ありません」
「構いませんわ」
「お前、もう男ができたのか」
「はあ?」
「幸せになれよ」
「ちょっと待ちなさいよ!
私はあんたと違って 不修多羅じゃないのよ!私はあんたみたいに誰とでも寝る女じゃないの!
王族の伴侶になる条件を忘れたの!?
まさかこの1ヶ月でなんて言わないわよね。
私が怪我をしていたのも知ってるクセに、あんたはどうしてそんなに下衆な考えしか出来ないのよ!
謝る前にその思考回路を何とかしたらどうなの!」
ポカンとしたレオナルドの顔に益々腹が立って扇子を投げ付けたら避けられた。
「ちょっと!そこは避けるところじゃないの!
腹立つなぁ!」
「プッ」
レオナルドが笑い出した。
「お前、随分と精巧なネコを被っていたんだな」
笑いながら私の頭を撫で回した。
「止めてよ!」
「ちょっと来い」
レオナルドは私の手を掴んでテラスに連れてきた。
「放して!」
「申し訳なかった」
レオナルドが深々と頭を下げた。
「……」
「もしお前に何か困ったことがあったら知らせろ。できる限りのことはしてやる」
「結構です」
「ロクサーヌだっていずれ婚姻するんだ。頼っていられなくなるだろう。私は婿に行ったとしても王の子には変わりない。助けられることもあるかもしれない」
「また自分で何とかします」
「かしこまらなくていい。さっきのお前の方が魅力的だ」
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ちゃんと覚えておけよ」
頭を撫でてレオナルドは会場に戻って行った。
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