【完結】嫌われているはずの婚約者が妻になった日から可愛くて仕方ない

ユユ

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受け入れられない愛人

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【 アンジェルの視点 】


散々だった。
その日の夜はお父様とお母様からも叱られた。
ディオン様とミアーナの話を耳にしてしまったようだ。

「お見合いをしなさい!」

「約束したもの!」

「口約束だろう!」

「指輪だって、」

「そんな指輪が保証になるわけがないだろう!
第一、何ヶ月会っていないんだ?現実を見ろ!」

「婚姻3年後って後2年以上残っているのよ?
その頃には縁談はほとんど無くなっているわ」

「持参金だって少ないんだぞ。
歳をとって、金も無くて、容姿も中の上で、何の才も無い、身持ちが悪く 寝とったはずの男から捨てられた女など誰が嫁に欲しいなどと言うと思っているんだ」

「ちゃんと会って確かめて、妾にすると一筆書いてもらえ」

「駄目だったときは、平民相手でも老人相手でも文句を言わすに嫁ぎなさい」



急いで手紙を書いた。
両親が私を平民か老人に嫁がせようとしていると。
きっと慌ててお父様とお母様に会って説得してくれると思ったのに、返事は1ヶ月経っても来なかった。

お屋敷に行ってみても“お約束が無ければお取次はいたしません”と門前払いだった。
仕方なく、私が招待状を持っていて ディオン様が出席しそうなパーティに的を絞ると 一件だけ該当するものがあった。

学生時代に何かと私を蔑んでいた伯爵令嬢とディオン様の友人の婚姻後のお披露目パーティだ。どうせ会場で私に恥をかかせるのだろうと、当日病欠するつもりだった。

行くと決まったらドレスを何とかしなくてはいけない。久しぶりにディオン様に会うのだから着飾って また求めてもらわないといけないのに、安価な既製ドレスしか買ってはダメだと言われた。

でも以前もミアーナは美人で高価なドレスを着ていたけどディオン様は私を選んでくれたのだからと、せめてディオン様の瞳の色のドレスにした。



肌を磨き髪の手入れをしてやっとこの日がやってきた。ディオン様が婚姻してもうすぐ1年。ドキドキしながらパーティ会場に到着した。

私「ベルトご夫妻にお祝いを申し上げます」

テ「あら…私の勘が外れたわ」

ト「ティファニー?」

テ「トリスタン様、彼女はプリムヴェル子爵家のアンジェル様よ。学園で同じクラスだったの。仮病を使って来ないかと思っていたわ」

ト「ティファニー、失礼だろう。
プリムヴェル嬢……ディオンの昔の恋人だったか?」

私「今もです」

ト「それはまずいな」

テ「招待しておいてお通ししないわけにはいかないわ」

ト「プリムヴェル嬢、ディオンは夫人と出席予定なんだ。失礼のないようにして欲しい」

私「もちろんですわ」

夫婦揃ってなんて失礼なのかしら!


会場へ入りディオン様を探すも、まだ到着していないようだった。

お酒を手に取ると、元クラスメイト達が近寄ってきた。

「本当に来たのね」

「パートナーは?」

「一人で来たわ」

「まだ婚約していないの?」

「私はディオン様と結ばれることになっているの」

「は?ロテュス侯爵家の?…プッ」

「一時の女だって気付いてないの?」

「時期も決まっているのよ!」

「いつよ」

「あと2年後よ」

私の答えに 元クラスメイト達は馬鹿にするように笑った。

「もしかして、ロテュス様が来るから出席したの!?」

「見てよ、ロテュス様の瞳の色のドレスなんか着て」

「あ、いらしたわよ。アンジェル様、アレを見てもまだそんなことを言うの?」

彼女達の目線の方へ顔を向けると、ディオン様の姿があった。急いで彼の側へ行き声を掛けた。

「ディオン様!」

ディオン様の前に立つと彼の顔が歪んだ。

「プリムヴェル嬢、お久しぶりです」

「お久しぶりです… 私 ディオン様にお話が、」

「妻のミアーナです」

「初めまして。ミアーナ・ロテュスと申します」

昔 見かけたミアーナとは別人だった。気の強そうな美人顔ではなく、可愛らしい美人だった。髪の色と瞳の色は変わらない。

「ア、アンジェル・プリムヴェルと申します」

「ディオン様、私は外しますので どうぞごゆっくりプリムヴェル嬢とお話してください」

「ミアーナが外すことはない。プリムヴェル嬢、この場で話すような内容なのだろうか」

「ディオン様!?」

「ロテュスと家名で呼んでもらいたい」

「っ!」

何故!? ミアーナと私の立場が逆転してる!
私に向けたこともないような顔でミアーナに微笑むなんて。

「私が外しますわ。向こうに知り合いがいますのでお話してきます」

ミアーナが席を外すとディオン様に会場の角に誘導された。

「どういうつもりだ」

低い声が私の首を絞めたように感じた。











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