【完結】道をそれた少女は別世界でも竹刀を握る

ユユ

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ボコボコにされました

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メイド達も通りすがりにぶつかったり、私の部屋の掃除をしなかったり、飲み物の常備を怠ったり、タオルやシーツの交換をしなかったり。

お茶は冷めているし、風呂の湯はぬるい。

「ベッドが濡れてるわ」

「水をこぼされたようですね」

「ソファで寝るわ」



翌朝、

メイド達がチラチラと私を見て何か内緒話をしていた。クスクスと笑う声も聞こえた。

私の前に出てきたのは小さなパンと野菜屑のスープだけだった。

「メイド長を呼んで」


30分も待たされてようやく やって来た。

「御用でしょうか」

「……この食事は何?」

「お嬢様が料理長を追い出したせいです」

「マリッサとカーラも同じメニューなのね?」

「さあ」

「こんな食事なら、予算を削るわ。食事に関わる予算を95%削ります」

「そんな権限は、」

「あるの。
あと、使用人達は私よりもっと粗末な食事なのよね?

使用人達の食事はこのサイズのパン一つと水だけにします」

「そんな!」

「ここの使用人は主人の娘より贅沢な食事をとるの!?凄い神経しているわね。

あと、だいぶ歳をとって足腰が悪いのね。
降格するわ。貴女の次に勤続年数の長い者をメイド長にするわ。貴女はゆっくり歩いていられるように特別に簡単な仕事を配分させるわ。

その代わり、給料は一番安くするから節約なさい」

「そんな勝手なこと!」

「今、この屋敷にいる者の中で一番権力を持つのは私なの。その私が呼んでいるのに30分もかけるだなんて、やる気がないか 足腰が弱ったかのどちらかでしょう?」

「お、奥様に告げますわよ!」

「は? 亡くなったじゃない」

「ヘレナ様です!」

「ヘレナ? ああ。子爵家の未亡人ね?
彼女は侯爵夫人じゃないの。未亡人として侯爵邸に滞在しているだけ。何の権利も無いわ」

「え?」

「ヘレナは単なる客よ」

「ですがマリッサ様とカーラ様は、」

領地ここに来ただけの、子爵家の娘達というだけよ」

「……申し訳ございません!!」

「撤回は無いわ。退がりなさい」

「どうか、どうかっ!」

「では、私のベッドに水を溢した犯人をみつけてきたら許してあげる」

「……どうなさるおつもりですか」

「水を浸した布を一晩被せるわ」

「風邪を引いてしまいます」

「私にしたことじゃない」

「……」




その後、マリッサとカーラが怒鳴り込みに来た。

「私達が侯爵家の人間じゃないって言ったそうじゃない!」

「料理長を追い出してメイド長を虐めて!」

「子爵家ではノックを教えてもらえなかったのね」

バチン!!

「私達をバカにして!!」

ドカッ!ドカッ!ドカッ!

「お母様は侯爵夫人なの!」

バシャッ!!

「そうよ!私達は侯爵令嬢よ!あんたなんか追い出してやる!」

殴る蹴るの暴行は20分ほど続いた。



「うっ…」

「クリスティーナ様」

「キラ」

「私は…」

「耐えてくれてありがとう。これで証拠が揃ったわ」

「っ!」

「泣かないで」

「泣いておりません」

「涙は見えなくても、優しいキラの心が泣いているわ」

「……こんなむごいことを」

「明日、動けたら暴れるから大丈夫」

「クリスティーナ様」

「かなり暴れるけど、引かないでね」

「侯爵家の私兵達はこちら側に引き入れ済みですのでご安心ください」

「優しい上に優秀なのね。いつか恩を返せるかな」

「先ずは怪我を直しましょう」



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