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バーバラの現実
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【 バーバラ・ノマックの視点 】
子爵家の歴史は浅い。
何代が前に武勲を上げた先祖がいて、平民から準男爵、さらに子爵となった。
後方支援に尽力し 長く続く戦争を持ち堪えた。そこで爵位を賜り、更に終結に導く戦略を考案し見事に平和へと導いたとして子爵を賜った。
それなのに、元平民と生粋の貴族の壁は天まで届くほど高く、分厚い。
しかも貴族の生活を維持することは大金がかかった。
領地の改善や設備などに大金がかかるし、馬車や兵士や使用人の維持もかなりかかる。
そして社交があるので家族全員の衣装や装飾品にも大金がかかった。
貴族夫人は 祝い事や王宮行事には同じドレスは着ていけない。子供達は成長とともに新調せざるを得ない。
かなりの報奨金をもらったが、パパの代で無くなってしまった。
領地の農作物はあまり期待できない。
どうやら農地に適したと思われる場所は、果物の木を植えても、野菜や穀物を育てようとしても枯れてしまう。領地の6割がそんな感じらしい。
領地内で消費する分を収穫するだけで精一杯。
牛の酪農も三代前に疫病で全頭処分しなくてはならなくなって、それ以来手を付けていない。
つまり、領主に納める分と 国に納める分が無い。
この説明を聞いたのは12歳のとき。
第二王子主催のお茶会の招待状が届いたときだった。
王子様との出会いに夢を膨らませて、ドレスの新調をすべくママにお強請りをした。
パパがノマック家の歴史と現状を説明した後、続きを聞かされた。
『バーバラには既に婚約者がいるから、殿下や他の令息に近寄ってはいけないよ』
『え?』
『バーバラの婚約者はジョージ・ロペという男爵令息なんだ。ロペ家から支援を受けて生活ができているんだよ』
『支援?』
『食事も備品も様々なものが支援金で賄われている。婚約が無くなればパパもママもお祖父様やお祖母様、妹達も食べる物にもに困ってしまう。
パパもママもお祖父様達も外に働きに行かなければならないし、お前達3人は学園へは行かせてやれない。
バーバラは成人したら住み込みで働ける職を探さないとならない。
だからロペ家の機嫌を損ねては駄目なんだ』
『格下でしょ?』
『爵位が上でも金が無ければ意味がない。
それどころか、金の無いノマックにとって子爵位は足枷なんだ。
ロペ家は歴史も古く裕福だ。
我々は逆らえないのだよ』
ショックだった。
ドレスもロペ家が誕生日に贈ってくれたドレスを着ていけと言われた。
あのドレスは家族だけの誕生日祝いに着たもので、質素なものだった。
もっとキラキラした可愛いドレスが着たかった。
馬車に揺られて到着した王城はとても大きくて煌びやかだった。
次に王城へ来るのはデビューのときだから、令嬢の友人を作って文通しなさいと言われたけど。
会場には入ると令息令嬢達はとても華やかだった。
その中でも囲まれている令嬢が数人いた。
近寄り会話を聞いた。
『おめでとうございます』
『まだ候補でしかありませんわ』
候補?
『イザベル様なら必ず内定をいただけますわ』
『王子妃選考のお手紙をいただいたときは食事が喉を通りませんでした』
『私も』
『直ぐに落ちたので、倍食べましたわ』
『私は宝石を買っていただきました』
『え? うちには手紙なんて来ていないわ』
つい口に出してしまった。
令嬢達が一斉に私を見た。
『貴女…どちらのご令嬢かしら』
『ノマック子爵家の長女バーバラです』
静まり返ると皆が口元を扇子で隠した。
『貴族教育が未だでいらっしゃるのね』
『王子妃を望めるのは伯爵家以上。
それに実家の財力も必要ですのよ』
『家族の人物調査もありますわ』
『格上の貴族の会話に不躾に割り込むなんて。
私達の歳でその作法ですと、たとえ伯爵家だったとしても絶対に手紙は届きませんわ』
『教師はついているのですよね?
違う方にお願いした方がよろしいですわ』
散々言われて悔しかった。
子爵家は王子妃は望めない。
そんなの知らなかったもの。
王子様が登場すると場の雰囲気が変わった。
益々居辛くなってしまった。
端で観察していると様々な令息がいた。
王子妃が無理でも公爵夫人や侯爵夫人を狙えるかもしれない。だっていつも可愛いって言われるもの。
話しかけに行ったけど、ほとんど無視された。
意地悪な子ばかりだとガッカリして領地に戻った。
子爵家の歴史は浅い。
何代が前に武勲を上げた先祖がいて、平民から準男爵、さらに子爵となった。
後方支援に尽力し 長く続く戦争を持ち堪えた。そこで爵位を賜り、更に終結に導く戦略を考案し見事に平和へと導いたとして子爵を賜った。
それなのに、元平民と生粋の貴族の壁は天まで届くほど高く、分厚い。
しかも貴族の生活を維持することは大金がかかった。
領地の改善や設備などに大金がかかるし、馬車や兵士や使用人の維持もかなりかかる。
そして社交があるので家族全員の衣装や装飾品にも大金がかかった。
貴族夫人は 祝い事や王宮行事には同じドレスは着ていけない。子供達は成長とともに新調せざるを得ない。
かなりの報奨金をもらったが、パパの代で無くなってしまった。
領地の農作物はあまり期待できない。
どうやら農地に適したと思われる場所は、果物の木を植えても、野菜や穀物を育てようとしても枯れてしまう。領地の6割がそんな感じらしい。
領地内で消費する分を収穫するだけで精一杯。
牛の酪農も三代前に疫病で全頭処分しなくてはならなくなって、それ以来手を付けていない。
つまり、領主に納める分と 国に納める分が無い。
この説明を聞いたのは12歳のとき。
第二王子主催のお茶会の招待状が届いたときだった。
王子様との出会いに夢を膨らませて、ドレスの新調をすべくママにお強請りをした。
パパがノマック家の歴史と現状を説明した後、続きを聞かされた。
『バーバラには既に婚約者がいるから、殿下や他の令息に近寄ってはいけないよ』
『え?』
『バーバラの婚約者はジョージ・ロペという男爵令息なんだ。ロペ家から支援を受けて生活ができているんだよ』
『支援?』
『食事も備品も様々なものが支援金で賄われている。婚約が無くなればパパもママもお祖父様やお祖母様、妹達も食べる物にもに困ってしまう。
パパもママもお祖父様達も外に働きに行かなければならないし、お前達3人は学園へは行かせてやれない。
バーバラは成人したら住み込みで働ける職を探さないとならない。
だからロペ家の機嫌を損ねては駄目なんだ』
『格下でしょ?』
『爵位が上でも金が無ければ意味がない。
それどころか、金の無いノマックにとって子爵位は足枷なんだ。
ロペ家は歴史も古く裕福だ。
我々は逆らえないのだよ』
ショックだった。
ドレスもロペ家が誕生日に贈ってくれたドレスを着ていけと言われた。
あのドレスは家族だけの誕生日祝いに着たもので、質素なものだった。
もっとキラキラした可愛いドレスが着たかった。
馬車に揺られて到着した王城はとても大きくて煌びやかだった。
次に王城へ来るのはデビューのときだから、令嬢の友人を作って文通しなさいと言われたけど。
会場には入ると令息令嬢達はとても華やかだった。
その中でも囲まれている令嬢が数人いた。
近寄り会話を聞いた。
『おめでとうございます』
『まだ候補でしかありませんわ』
候補?
『イザベル様なら必ず内定をいただけますわ』
『王子妃選考のお手紙をいただいたときは食事が喉を通りませんでした』
『私も』
『直ぐに落ちたので、倍食べましたわ』
『私は宝石を買っていただきました』
『え? うちには手紙なんて来ていないわ』
つい口に出してしまった。
令嬢達が一斉に私を見た。
『貴女…どちらのご令嬢かしら』
『ノマック子爵家の長女バーバラです』
静まり返ると皆が口元を扇子で隠した。
『貴族教育が未だでいらっしゃるのね』
『王子妃を望めるのは伯爵家以上。
それに実家の財力も必要ですのよ』
『家族の人物調査もありますわ』
『格上の貴族の会話に不躾に割り込むなんて。
私達の歳でその作法ですと、たとえ伯爵家だったとしても絶対に手紙は届きませんわ』
『教師はついているのですよね?
違う方にお願いした方がよろしいですわ』
散々言われて悔しかった。
子爵家は王子妃は望めない。
そんなの知らなかったもの。
王子様が登場すると場の雰囲気が変わった。
益々居辛くなってしまった。
端で観察していると様々な令息がいた。
王子妃が無理でも公爵夫人や侯爵夫人を狙えるかもしれない。だっていつも可愛いって言われるもの。
話しかけに行ったけど、ほとんど無視された。
意地悪な子ばかりだとガッカリして領地に戻った。
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