【完結】道をそれた少女は別世界でも竹刀を握る

ユユ

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突然の異変

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ファーズ邸に到着し、出迎えたメイド達が着替えの手伝いをして、お茶を淹れた。

「お嬢様、どうかなさいました」

「大丈夫よ。ありがとう」

お茶を飲んでもさっきのことで落ち着かない。



王都を一周する馬車の中でずっと強く抱きしめられていた。

ノエルくんの胸の鼓動は力強くて早かった。

“愛してるから求婚したんだ”

すごく小さな声で確かに言った。



こういうの、初めてなんですけど~!!!

不良少女だったけど異性とは線引きして色恋は一切無かったの!!

恥ずかしくてクッションをボコボコにしていると、メイドが慌ただしくなった。

「大変!お嬢様に何かあったのだわ!」

「旦那様にお知らせしないと!」

「医者!医者が必要?」

「待って、違うから」

仕方なく話をすると、メイド達の臨時招集がかかった。

全員が私の部屋に来て、恋愛討論会を開いた。

「公子様がお嬢様をお好きなのはみんな知っています。ご存知無かったのはクリスティーナ様くらいですわ」

「初々しくて、いつ見てもキュンキュンしましたわ」

「いつもクリスティーナ様だけを見ていたじゃないですか」

「クリスティーナ様は鈍感です」

などと言われ、責められている気になってきた。

「求婚をお断りなさるなんてもったいない」

「婿を迎える立場なのですよ?公子様以上の方がいるとでも?」

「他の女に盗られたら後悔なさいますわ」

「何が不服なのですか?」

「だって、怪我の責任を取ろうとして求婚しているのかと思ったんだもの」

「はぁ~」

全員が溜息を吐き、ダメ令嬢を見る目を向けた。


「だって友達だと思っていたから、急にそう言われても分からないよ。
みんなはどうしてるの?」

「とりあえず、一夜を共にします」

「私も」

「私も」

「相手の部屋に行き、ベッドに寝てみます」

「同じスプーンを共有できるか みます」

「一つの飲み物を共有できるか みます」

「私も」

「キスができるかどうかです」

「私も」

「私も」

「私も」

「私も」

「キスの意見が多いのね。だけど友達なのにキスするの?」

「相手が友人以上の関係を求めているのですから一か八かですわ」

「無かったことにして元通りなんて難しいと思います。特に公子様の場合は友人に対するソレではありませんでしたから」

「お嬢様の素をご存知でそれでも望んでくださるのですよ?」

「そうですわ。他の殿方を婿に迎えても本性を隠して一生生きると思ったら息苦しいと思いませんか?」

「試す価値はあるかと思います」

12対1なら無視できないな。


こうやってメイドの意見だけで、男の使用人の意見を聞かなかったことを ちょっとだけ後悔する。





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