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アルフレッドの秘密
しおりを挟むダンスを再開するとアルフレッドくんが私の手を取ってダンスホールにエスコートした。
曲が始まると、
「結局君の気持ちを変えられなかった」
「え?」
「クリスティーナさん。私は子供の頃からずっと君が好きだったんだ」
「へ?」
何で!?
「ずっと前にウィリアム王子殿下の茶会があって噴水で3人の令息達に虐められて蹴られていた子を覚えてる?君が力で追い払ったんだけど」
「…うん?何で知ってるの?」
「蹴られていた太めの子は私だからだ」
「ええ!?」
「君の強さと優しさに惹かれたんだ。
学園で会えるのを楽しみにしていた。
食べて運動して鍛えて、大分変わった。
顔も髪で隠さずに短く切った。
入学したら君はBクラスで私はDクラスだった。
クラスが違っても食堂で話ができると思っていたけど、殿下と公子が鉄壁の護りをしていた。
同じクラスにならなきゃと、一生懸命勉強したけど2年生もDクラスだった。
3年生でCクラスになっだけどBじゃない。最後の年だったのにとガッカリしていたら、ドアから君が入ってきた。
奇跡が起きたんだ。
君と名前を呼び合うようになり、食事を共にし、毎日が幸せだった。
だけど私には婚約者がいた。
縁談の話になったとき 私は嫌だと言った。クリスティーナさんが好きだからと。
だけど両親はファーズ家が相手にするはずがないと言っていた。
試しに釣書を送ったら、選考の時期じゃないと返事があったときかされた」
「縁談の話は、私には一切知らされていなかったの」
「そうだったんだね。
結果的に両親は婚約者を決めてしまった。
だけど3年生になってクリスティーナさんが屋敷に遊びにくるようになって、両親はクリスティーナさんが自ら私を好きになれば婚約を解消させると言ってくれた。
だけど遅かった。
君の心は幼馴染の域から抜け出して公子に心を向けてしまった」
「アルフレッドくん…」
「あの時、茶会で助けてもらった時。友達になってと言えば良かった。
そうしたら飼い兎は未だ 手のひらサイズの仔兎で、君を更に魅了して、離れたくなくなって、求婚を受けてくれたかもしれない」
「ふふっ 確かに離れたくないわね」
「数日後の結婚式で、君の花嫁姿を悔しそうに見つめる私に 特別に合図を送って」
「分かった」
「いつでも君の味方だし、公子が浮気したり酷いことを君にしたらレイ家に逃げてきて」
「アルフレッドくんは居ないでしょ?」
「兄は留学先で恋に落ちて音信不通なんだ。
だから私が次期子爵になるんだ」
「ありがとう。真っ先に駆け込むわ。
でもお嫁さんに悪いかも」
「大丈夫。彼女は君のファンだから」
「え?」
「建国祭でアドニア王女の言いがかりから守ってくれただろう?
ドレス云々の揉め事だよ」
「あ、あの子!?」
「侯爵家の長女で婿入り予定だったけど、私が兄の代わりに跡継ぎになったから破婚を伝えたけど、妹に婿を取らせると言って子爵家に嫁入りを選んだよ。
傾いていて、うちの支援が必要な家門だったけど未来の侯爵夫人の方が良いはずなのに。
理由は君だよ。
“だって貴方はクリスティーナ様のお友達でしょう? 貴方と結婚すればクリスティーナ様に会えるもの” だって」
「そうだったのね」
「同じ人を崇める者同士で頑張るよ。だから逃げ込んで来て」
「食費くらいは掴んで逃げるわね」
「うちは裕福な方だから手ぶらでいいよ」
「今度、婚約者の方も一緒にカフェに行きましょう」
「嬉しいよ、彼女も喜ぶはずだ。
ほら、あっちで目を輝かせて君を見てる」
本当だわ…
手を振るとピョコピョコと飛び跳ねていた。
「ふふっ、可愛い人だわ」
「クリスティーナ」
さんを付けずに囁かれ、彼に顔を向けた。
「攫って逃げたいと思うほど愛してしまった」
「アルフレッドくん」
「公子が隙を作ってくれることを祈ってるよ」
「呪ってるのよソレ」
「忘れないで。クリスティーナの逃げ先は私の元だと」
「アルフレッドくんとあの子ね」
「今度肖像画を描かせてくれないか、うちに飾って毎日祈りを、」
「無理」
後日談として。
両サイドにアルフレッドくんと婚約者さん。真ん中に私。
二人に腕を絡まれた肖像画が出来上がった。
満面の笑みの二人に苦笑いの私。
まるで捕虜みたいだった。
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