【完結】道をそれた少女は別世界でも竹刀を握る

ユユ

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素性がバレても

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共寝とは恐ろしいものだ。

「クリスティーナ。君は誰なの?」

ベッドの上で組み敷かれ、快楽を与えられながら尋問される。

「ノエルっ!」

「白状しないといつまでもこのままだよ」

「!!」


どうやら寝言でいろいろ口走っているらしく、この世界の言葉だったり知らない言語日本語だったり。

わかる言葉を集めると、クリスティーナという人物に疑いを持ったようだ。

特に、“ティナちゃん、私が無念を晴らしたからね” という寝言を聞いてしまったようだ。


「ふうん。多くのものが進歩した世界から来たんだ」

「……」

「馬車は観光地にある稀なものだって?」

「……」

ペチペチッ

「意識を失ってる場合じゃないよ」

「っ……」



とても頭が良く 良い子だった私は超難関高校に進学してすぐに家庭が崩壊した。

両親二人とも愛人がいた。
ある休日に塾から帰ると二人が罵り合っていた。

父の愛人は男児を産んでいて引き取りたいと。
私しか産めなかった母は 離婚届を残して何も言わずに姿を消した。

そして父の愛人と愛人との息子が引っ越してきた。


そんな家に帰りたくなくて夜の街を徘徊するように。

そして仲間を作り、先輩達に鍛えられた。



「11歳の時はクリスティーナの中にいたんだね?」

「…うん」




だからといってノエルが変わることはなかったけど、領地経営を夫婦でやると言い出した。
把握して、意見があれば出してくれるだけでいいと言われそうしている。

スプラナード家とは密接な間柄になっていた。
頻繁に互いの家族が行き来して交流している。




そういえば、結婚してから1ヶ月後、ノーブルの王太子夫妻からよく分からない手紙が届いた。

“なんで結婚しているんだ!”

建国祭で会った時は婚約していたし、式の時期も教えたのに。
忘れちゃったのか、招待して欲しかったのかな?

ノエルは放っておいて大丈夫と言っていた。




24歳になって跡継ぎを作る話になる頃には、麻薬草を作っていた土地に、安全な鎮痛薬を生産することができた。
輸入に頼っていたが、生産数が少ないため、貴族でもなかなか使えなかったものだった。

そして私は“無痛分娩” を試みた。
大反対されたけど、“なら産まない” というと、試しに一度だけと許可がでた。

少しずつ量を増やして様子見しながらだったので、最初は痛かったが、無事 男児を産んだ。

ノエルの子だから大きな子だった。
悪阻のためにあまり食べられなかったから小さく産まれると思ったけど普通よりやや大きい子で、育ち始めるとすぐに大きくなった。

二人目は女児だった。
悪阻は無かったけど小さく産まれた。
可愛かった。

ノエルは小さ過ぎて怖いらしく、乳母が付き添っていないと抱っこできなかった。

歩き出すと、長女と鬼ごっこをしてあげているけど、すばしっこい小さな子を捕まえるのは大変らしく逃げられてしまう。

無理に追いかけて潰したら困ると、永遠に鬼をしている。


アルフレッドくんの兎はお嫁さんを迎えて仔兎を産んだ。

2匹譲り受けている。
子供達が特に可愛がり、冬は暖かいから一緒に寝たがった。  



「ノエルくん」

「懐かしい呼び方だな」

「大好きよ」

「愛してるよ、クリスティーナ」










【 ノーブル王国では 】


父王に呼ばれ イリスと訪ねると、

「お前達は何をしていたんだ」

「父上?」

「フォセット王から手紙が来た。
クリスティーナ嬢は2週間前に婚姻したと書いてあるぞ!」

「「は!?」」

私とイリスは そろそろクリスティーナを迎える支度をしようとあれこれ相談しあっていた。

「死ぬどころかピンピンして婿に入っているではないか!」

「そんなはずは」

「“いつか”と聞いたら一年無いと」

「その一年後は婚姻ではないか。
“余命はどのくらいか” と聞いたのだな?」

「「…あ!」」

「何の病気と聞いたのだ」

「”他所に婿に行けない体”だと聞いたので」

「最初から話せ」


第二妃の打診の時のことから父上に説明をすると、

「それは、責任をとって娶ると言う意味だ」

「男ですよ!?」

「クリスティーナ嬢が疎くて、婚約者が上手いこと言い含めたのだろう。
お前達は勝手に勘違いをして一年後には婚約者が死んでしまうと思ってウキウキと帰って来たが、実際は一年後に式を挙げるという返事だったということだ。

病名を尋ねるだけでこんな行き違いは生まれなかったはずだ、馬鹿者が!」

「信じられない」

「私のクリスティーナちゃんが…」



こうして二人はクリスティーナに手紙を送った。

“なんで結婚しているんだ!”




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