15 / 17
え? 呪われてないの?
しおりを挟む
ガタゴト ガタゴト
「城に着いたら正直に話して欲しい」
「……はい」
「心配は要らない。アルティメヌ男爵家は救出されて実行犯も主犯も捕まった。後は君の証言だけだ」
「……はい」
ナイフでの襲撃に失敗すること6回。
結局バレて捕まって、アレン様に連行されている。
もうアレン様などと呼んではいけない。
きっと私の手を握っているのは逃げないようにするため。
この手の温もりもこれで最後。
仲良くなった白蛇様とのお別れも出来なかった。
王城の控室で待つこと数十分。
連れてこられたのは謁見の間とかいうところらしい。
まだ侯爵様は私の手を握っている。
直ぐに陛下達が入室し質問が始まった。
私はありのままに答えた。
出来ればギロチンでスパッと処刑して欲しい。
多分あれが一番楽な死に方だと思う。
王「令嬢の証言は他の証言と一致する。
よく分かった。
侯爵、意見はあるかな」
侯「クレアは必死だったと思いますが、彼女が私のことを殺そうとしたとはとても思えません。私は彼女にずっと誘惑されていたのです」
私「はあ!?」
王「殺人未遂ではなく誘惑だというのか」
侯「はい、陛下。
彼女は素直過ぎて、最初から全て顔に出ておりました。メイドとして潜入しなくてはならないのに、直ぐに何の経験もないと自白し、その後は一生懸命に勉強をしてきました。
毒薬を持っていたことも知っています。
毒薬を使えなくしておいたのでカトラリーのナイフを使うことにしたようですが、隠すところがなくて太腿に布で括り付けていました。
大胆にも裾を上まで捲り上げてナイフを取ろうとしていたのです。下着も脚も丸見えでした。
ドレスのような制服が邪魔で太腿のナイフが非常に取り難かったのでそうなりました。
結局“暑かったから下着が見えるほど裾を捲った”という言い訳を4回もしました。
それでは駄目だと悟ると、今度は胸元に隠しましたがうっかり引っ掛けてボタンが弾けて胸元が大胆に開きました。それは2回です。
後ろ襟に隠したときは、すぐにずれ落ち、背中に入りました。怖かったのか、“取って”と言って後ろを向きました。私はドレスをはだけさせ、手を突っ込んで背中を弄りナイフを掴んだのです。
足首に括り付けたときは、片足を上げて取ろうとしてバランスを崩して後ろに倒れました。
制服の裾は全て上半身の方に捲り上がり、下半身が丸見えでした。
その次は袖に隠してみたものの、重くて袖から床に落ちてしまい、慌てて拾うものだから顔が私の股間に埋まったのです。
これは私にとっては誘惑ですよ。陛下もそう思いませんか?
そもそもカトラリーのナイフなんかで小柄な彼女が致命傷など負わせられません。持ち手も何もしていないので滑りますし」
王「……」
陛下付きの近衛兵や扉を守る警備兵が唇を噛み締めて肩を振るわせていた。
侯「すっかり彼女の虜になってしまったので、責任を取ってもらって妻にすることにしました」
私「はい?」
侯爵様は跪いた。
侯「クレア・アルティメヌ。
私は君に心も身体も囚われた。
あんなに誘惑されたら これ以上は耐えられない。
責任をとって婚姻してくれ」
私「ゆ、誘惑などしておりません」
侯「俺の白蛇様と仲良くしただろう」
私「あれは…」
王「白蛇様とは何だ」
その後、私が閨教育を受けておらず、両親の誤魔化しを信じていて、更に初めて見た男性器の仕組みに理解ができず、呪われた白蛇様との格闘の日々を事細かに説明をした。
王「……プッ……ククッ…」
私「酷い」
近衛の一人は口に手を当てて笑い声を殺し、もう一人は天を仰ぎながら震えていた。
扉を守る警備兵の一人は腹を押さえて壁に手を付き、もう一人は涙を流して歯を食いしばっていた。
侯「私の白蛇様はクレアに散々遊ばれて話しかけられて懐いてしまいました。もう他の女を嫁になどできません。
男爵からは婚約の許可をいただいております」
王「アルティメヌ嬢。其方の処罰はルセール侯爵との婚姻だ。白蛇様は呪われていない。祓魔師も医師も必要ない。其方が生涯可愛がってやれ」
侯「クレア」
私「お受けいたします」
「城に着いたら正直に話して欲しい」
「……はい」
「心配は要らない。アルティメヌ男爵家は救出されて実行犯も主犯も捕まった。後は君の証言だけだ」
「……はい」
ナイフでの襲撃に失敗すること6回。
結局バレて捕まって、アレン様に連行されている。
もうアレン様などと呼んではいけない。
きっと私の手を握っているのは逃げないようにするため。
この手の温もりもこれで最後。
仲良くなった白蛇様とのお別れも出来なかった。
王城の控室で待つこと数十分。
連れてこられたのは謁見の間とかいうところらしい。
まだ侯爵様は私の手を握っている。
直ぐに陛下達が入室し質問が始まった。
私はありのままに答えた。
出来ればギロチンでスパッと処刑して欲しい。
多分あれが一番楽な死に方だと思う。
王「令嬢の証言は他の証言と一致する。
よく分かった。
侯爵、意見はあるかな」
侯「クレアは必死だったと思いますが、彼女が私のことを殺そうとしたとはとても思えません。私は彼女にずっと誘惑されていたのです」
私「はあ!?」
王「殺人未遂ではなく誘惑だというのか」
侯「はい、陛下。
彼女は素直過ぎて、最初から全て顔に出ておりました。メイドとして潜入しなくてはならないのに、直ぐに何の経験もないと自白し、その後は一生懸命に勉強をしてきました。
毒薬を持っていたことも知っています。
毒薬を使えなくしておいたのでカトラリーのナイフを使うことにしたようですが、隠すところがなくて太腿に布で括り付けていました。
大胆にも裾を上まで捲り上げてナイフを取ろうとしていたのです。下着も脚も丸見えでした。
ドレスのような制服が邪魔で太腿のナイフが非常に取り難かったのでそうなりました。
結局“暑かったから下着が見えるほど裾を捲った”という言い訳を4回もしました。
それでは駄目だと悟ると、今度は胸元に隠しましたがうっかり引っ掛けてボタンが弾けて胸元が大胆に開きました。それは2回です。
後ろ襟に隠したときは、すぐにずれ落ち、背中に入りました。怖かったのか、“取って”と言って後ろを向きました。私はドレスをはだけさせ、手を突っ込んで背中を弄りナイフを掴んだのです。
足首に括り付けたときは、片足を上げて取ろうとしてバランスを崩して後ろに倒れました。
制服の裾は全て上半身の方に捲り上がり、下半身が丸見えでした。
その次は袖に隠してみたものの、重くて袖から床に落ちてしまい、慌てて拾うものだから顔が私の股間に埋まったのです。
これは私にとっては誘惑ですよ。陛下もそう思いませんか?
そもそもカトラリーのナイフなんかで小柄な彼女が致命傷など負わせられません。持ち手も何もしていないので滑りますし」
王「……」
陛下付きの近衛兵や扉を守る警備兵が唇を噛み締めて肩を振るわせていた。
侯「すっかり彼女の虜になってしまったので、責任を取ってもらって妻にすることにしました」
私「はい?」
侯爵様は跪いた。
侯「クレア・アルティメヌ。
私は君に心も身体も囚われた。
あんなに誘惑されたら これ以上は耐えられない。
責任をとって婚姻してくれ」
私「ゆ、誘惑などしておりません」
侯「俺の白蛇様と仲良くしただろう」
私「あれは…」
王「白蛇様とは何だ」
その後、私が閨教育を受けておらず、両親の誤魔化しを信じていて、更に初めて見た男性器の仕組みに理解ができず、呪われた白蛇様との格闘の日々を事細かに説明をした。
王「……プッ……ククッ…」
私「酷い」
近衛の一人は口に手を当てて笑い声を殺し、もう一人は天を仰ぎながら震えていた。
扉を守る警備兵の一人は腹を押さえて壁に手を付き、もう一人は涙を流して歯を食いしばっていた。
侯「私の白蛇様はクレアに散々遊ばれて話しかけられて懐いてしまいました。もう他の女を嫁になどできません。
男爵からは婚約の許可をいただいております」
王「アルティメヌ嬢。其方の処罰はルセール侯爵との婚姻だ。白蛇様は呪われていない。祓魔師も医師も必要ない。其方が生涯可愛がってやれ」
侯「クレア」
私「お受けいたします」
455
あなたにおすすめの小説
【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
戦場から帰らぬ夫は、隣国の姫君に恋文を送っていました
Mag_Mel
恋愛
しばらく床に臥せていたエルマが久方ぶりに参加した祝宴で、隣国の姫君ルーシアは戦地にいるはずの夫ジェイミーの名を口にした。
「彼から恋文をもらっていますの」。
二年もの間、自分には便りひとつ届かなかったのに?
真実を確かめるため、エルマは姫君の茶会へと足を運ぶ。
そこで待っていたのは「身を引いて欲しい」と別れを迫る、ルーシアの取り巻きたちだった。
※小説家になろう様にも投稿しています
あなたの隣は私ではないけれど、それでも好きでいてもいいですか、レオナルド様
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢エリアーナには、三年間ずっと抱えてきた秘密がある。
婚約者であるヴァルフォード公爵・レオナルドへの、誰にも言えない恋心だ。
しかし彼の隣にいるのは、いつも幼馴染の伯爵令嬢・ソフィア。
儚げな笑顔と上目遣いで男性を虜にするあざとい彼女に、レオナルドも例外ではないようで——
「レオ、私のこと嫌いにならないでね?」
「……そんなことにはならない」
また始まった二人の世界。
「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした
しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」
十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。
会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。
魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。
※小説家になろう様にも投稿しています※
公爵夫人は愛されている事に気が付かない
山葵
恋愛
「あら?侯爵夫人ご覧になって…」
「あれはクライマス公爵…いつ見ても惚れ惚れしてしまいますわねぇ~♡」
「本当に女性が見ても羨ましいくらいの美形ですわねぇ~♡…それなのに…」
「本当にクライマス公爵が可哀想でならないわ…いくら王命だからと言ってもねぇ…」
社交パーティーに参加すれば、いつも聞こえてくる私への陰口…。
貴女達が言わなくても、私が1番、分かっている。
夫の隣に私は相応しくないのだと…。
今さら遅いと言われる側になったのは、あなたです
有賀冬馬
恋愛
夜会で婚約破棄された私は、すべてを失った――はずだった。
けれど、人生は思いもよらない方向へ転がる。
助けた騎士は、王の右腕。
見下されてきた私の中にある価値を、彼だけが見抜いた。
王城で評価され、居場所を得ていく私。
その頃、私を捨てた元婚約者は、転落の一途をたどる。
「間違いだった」と言われても、もう心は揺れない。
選ばれるのを待つ時代は、終わった。
結婚式に結婚相手の不貞が発覚した花嫁は、義父になるはずだった公爵当主と結ばれる
狭山雪菜
恋愛
アリス・マーフィーは、社交界デビューの時にベネット公爵家から結婚の打診を受けた。
しかし、結婚相手は女にだらしないと有名な次期当主で………
こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載してます。
【完結】六歳下の幼馴染に溺れた夫。白い結婚を理由に離縁を申し立てたら、義弟(溺愛)に全力で求婚されました
恋せよ恋
恋愛
夫が愛でるのは、守ってあげたくなるような「可憐な少女」。
夫が疎むのは、正論で自分を追い詰める「完璧な妻」。
「シンシア、君はしっかりしているから、大丈夫だろう?」
六歳年下の幼馴染ジェニファー子爵令嬢を気遣う貴方。
私たちは、新婚初夜さえ済ませていないのよ?
完璧な家政、完璧な社交。私が支えてきたこの家から、
ニコラス、貴方って私がいなくなったらどうなるか……。
考えたこともないのかしら?
義弟シモンは、学生時代の先輩でもあるシンシアを慕い
兄ニコラスの態度と、幼馴染ジェニファーを嫌悪する。
泣いて縋るあざとい少女と、救世主気取りの愚かな夫。
そして、義姉であるシンシアを慕うシモン。
これは、誇り高き伯爵夫人、シンシアの物語である。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる