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カイゼル・フェリング
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翌日、登校するとメリンダに裏庭に呼ばれた。
「カイゼル様!何をなさったのですか!」
「どうした」
「学園から警告書が届いてお父様に叱られました!」
「っ!」
「ご存知なのですね!」
「……メリンダが虐めにあっている状況をなんとかしろと学園に訴えた」
「あれほど止めてとお願いしたではありませんか!お父様は自主退学も検討すると言い出したのです!」
「は!? 何故自主退学など」
「平民上がりの準男爵家にとって学園に通わせる費用は家計を圧迫するのです。
私を貴族の令息に嫁がせるために無理をしているのです。
ですがもう私を召してくださる家門は無くなります。つまり私が学園に通うのは無駄金ということなのです。ドブに捨てるくらいなら幼い弟が学園に通うために蓄えて、私を平民に嫁がせることを検討するということです」
「分かった。なら私と結婚しよう」
「フェリング侯爵が許すはずがありません!それにラクロワ侯爵家からどんな制裁を受けるか。破談にすれば多額の慰謝料を請求されます!」
「なら愛人になって私の子を産んでくれ」
「カイゼル様」
「別棟があるからそこで不自由なく過ごせる」
「そんなこと…お父様も侯爵様もお許しになりませんわ」
「もう貞操など重視する世の中では無くなってしまったが既成事実を作ればいい。先に子を成そう」
「カイゼル様」
「私の側に居てくれ」
こうして私とメリンダは身体を繋げた。
初めてのメリンダが抵抗なく受け入れてくれるのは運命の相手なのだと思った。
何故なら処女との閨は大変だと聞いていたからだ。
少し痛いとは言っていたがなんの抵抗もなく私を包み込むように受け入れ、直ぐに快楽を得ていた。私も女の身体は初めてで気持ちよさに驚いた。
メリンダとメリンダとの我が子との暮らしを夢見て子種を注いだ。
数日後、三代前の家系図の載った貴族年鑑を入手した。とても高価なものだった。
王族から始めてみると商科の教師と同じ名前を目にした。まさか…王族が教師など。それも商科なんてあり得ない。
夜、父上に聞いてみた。
「ああ。お会いしたのか。
間違いないよ。先王の兄君だ。
商才がおありでね。弟君に王位を譲って国を繁栄させた。
現王になった時に一緒に退いて王立学園の商科の教師になったのは有名な話だ」
「家名が…」
「弟君に王位を譲った時に公爵になったからだ」
これで学園長室での空気の変わりようが分かった。私は王族に不敬を……。
「カイゼル、まさかお前……」
私の顔色が変わったのか、父上が険しい顔になった。
仕方なく全てを話した。
アリエルとは上手くいっていないこと、メリンダのこと、学園長室でのことを。
殴り飛ばされた。
「お前は死にたいのか!」
「先王の兄殿下だと知らずに」
「それもそうだがアリエル嬢の方だ!なんてことを!何度も断られた縁談をフェリング家が頼み込んで成されたものなのだ!それなのに!」
は? 何度も断られていた!?
「約束を取り付けて謝罪に行かなければ。
お許しが無ければお前は廃嫡だ!」
吐き気を催した私はトイレに駆け込んだ。
廃嫡……
数日後、父上とラクロワ侯爵とアリエルで話し合いが成された。
私が参加しなかったのは“ご子息は不要”と書かれていたからだ。
その前に父上が学園に出向き謝罪をして家庭教師を付けることで貴族テストは撤回されたが三代分の家系図の丸暗記は撤回されなかったので留守中必死に目に焼き付けている。
ラクロワ家から帰った父上に呼ばれて執務室へ行くとテーブルの上に書類があった。
「カイゼル。アリエル嬢の邪魔をしなければこのまま婚約を継続して18歳になれば婚姻してくださる。条件はそこに書いてある」
「私との白い結婚…敷地内別居…金や財産は不要…」
「お前の愛人の存在もご存知で、好きに囲えと仰った」
「金や財産を要らないなど…結婚したら主張しだすに決まっています!」
「主張したとしても当然の権利だろう。寝ぼけたことを言うな」
「っ!」
「これから反対側にアリエル嬢が別棟を建てる。ラクロワ家の金でな。婚姻後そこにアリエル嬢が住む。
お前は新別棟には立ち入れない。
愛人は新別棟も本邸も立ち入れない。
愛人は旧別棟を出ることなく謙虚に過ごさせろ。
お前達がアリエル嬢に危害を加えたり邪魔をしない限り婚姻は続く」
「解消は」
「解消や離婚はお前の廃嫡を意味する」
「っ!」
「結婚式は身内だけで行い、分厚いベールで愛人に代理をさせろとのことだ」
「そんなことが許されるのですか!?」
「許しを乞う立場のお前は黙って言う通りにすればいい。
教師は明日から来る。夜と休日しか教えられないから住み込みだ。余計な費用をかけさせられたものだ」
「…すみません」
「それとアリエル嬢も恋人を作るそうだ。干渉するなよ」
「はぁ!? 承諾しかねます!婚約者の、妻の不貞を容認しろなど!絶対許せません!」
「先に不貞をして子作りまでして裏切っている不誠実な汚らわしい男はお前の方だ。
お前になど抱かれたくないと思うのは当然だろうし女としての幸せを全て犠牲にしたくないと思うのは当たり前のことだ」
「跡継ぎはどうなるのです!他の男の子かもしれないじゃないですか!」
「お前とは閨を共にしないのだから子ができたら100%他の男の子だろう。
跡継ぎはお前の愛人の産んだ子だ。愛人が産まなければケインに譲り、ケインの子が跡継ぎになる」
「弟にですか」
「そうだ。2人目の愛人など許さない。
今の愛人に孕んでもらえ」
「カイゼル様!何をなさったのですか!」
「どうした」
「学園から警告書が届いてお父様に叱られました!」
「っ!」
「ご存知なのですね!」
「……メリンダが虐めにあっている状況をなんとかしろと学園に訴えた」
「あれほど止めてとお願いしたではありませんか!お父様は自主退学も検討すると言い出したのです!」
「は!? 何故自主退学など」
「平民上がりの準男爵家にとって学園に通わせる費用は家計を圧迫するのです。
私を貴族の令息に嫁がせるために無理をしているのです。
ですがもう私を召してくださる家門は無くなります。つまり私が学園に通うのは無駄金ということなのです。ドブに捨てるくらいなら幼い弟が学園に通うために蓄えて、私を平民に嫁がせることを検討するということです」
「分かった。なら私と結婚しよう」
「フェリング侯爵が許すはずがありません!それにラクロワ侯爵家からどんな制裁を受けるか。破談にすれば多額の慰謝料を請求されます!」
「なら愛人になって私の子を産んでくれ」
「カイゼル様」
「別棟があるからそこで不自由なく過ごせる」
「そんなこと…お父様も侯爵様もお許しになりませんわ」
「もう貞操など重視する世の中では無くなってしまったが既成事実を作ればいい。先に子を成そう」
「カイゼル様」
「私の側に居てくれ」
こうして私とメリンダは身体を繋げた。
初めてのメリンダが抵抗なく受け入れてくれるのは運命の相手なのだと思った。
何故なら処女との閨は大変だと聞いていたからだ。
少し痛いとは言っていたがなんの抵抗もなく私を包み込むように受け入れ、直ぐに快楽を得ていた。私も女の身体は初めてで気持ちよさに驚いた。
メリンダとメリンダとの我が子との暮らしを夢見て子種を注いだ。
数日後、三代前の家系図の載った貴族年鑑を入手した。とても高価なものだった。
王族から始めてみると商科の教師と同じ名前を目にした。まさか…王族が教師など。それも商科なんてあり得ない。
夜、父上に聞いてみた。
「ああ。お会いしたのか。
間違いないよ。先王の兄君だ。
商才がおありでね。弟君に王位を譲って国を繁栄させた。
現王になった時に一緒に退いて王立学園の商科の教師になったのは有名な話だ」
「家名が…」
「弟君に王位を譲った時に公爵になったからだ」
これで学園長室での空気の変わりようが分かった。私は王族に不敬を……。
「カイゼル、まさかお前……」
私の顔色が変わったのか、父上が険しい顔になった。
仕方なく全てを話した。
アリエルとは上手くいっていないこと、メリンダのこと、学園長室でのことを。
殴り飛ばされた。
「お前は死にたいのか!」
「先王の兄殿下だと知らずに」
「それもそうだがアリエル嬢の方だ!なんてことを!何度も断られた縁談をフェリング家が頼み込んで成されたものなのだ!それなのに!」
は? 何度も断られていた!?
「約束を取り付けて謝罪に行かなければ。
お許しが無ければお前は廃嫡だ!」
吐き気を催した私はトイレに駆け込んだ。
廃嫡……
数日後、父上とラクロワ侯爵とアリエルで話し合いが成された。
私が参加しなかったのは“ご子息は不要”と書かれていたからだ。
その前に父上が学園に出向き謝罪をして家庭教師を付けることで貴族テストは撤回されたが三代分の家系図の丸暗記は撤回されなかったので留守中必死に目に焼き付けている。
ラクロワ家から帰った父上に呼ばれて執務室へ行くとテーブルの上に書類があった。
「カイゼル。アリエル嬢の邪魔をしなければこのまま婚約を継続して18歳になれば婚姻してくださる。条件はそこに書いてある」
「私との白い結婚…敷地内別居…金や財産は不要…」
「お前の愛人の存在もご存知で、好きに囲えと仰った」
「金や財産を要らないなど…結婚したら主張しだすに決まっています!」
「主張したとしても当然の権利だろう。寝ぼけたことを言うな」
「っ!」
「これから反対側にアリエル嬢が別棟を建てる。ラクロワ家の金でな。婚姻後そこにアリエル嬢が住む。
お前は新別棟には立ち入れない。
愛人は新別棟も本邸も立ち入れない。
愛人は旧別棟を出ることなく謙虚に過ごさせろ。
お前達がアリエル嬢に危害を加えたり邪魔をしない限り婚姻は続く」
「解消は」
「解消や離婚はお前の廃嫡を意味する」
「っ!」
「結婚式は身内だけで行い、分厚いベールで愛人に代理をさせろとのことだ」
「そんなことが許されるのですか!?」
「許しを乞う立場のお前は黙って言う通りにすればいい。
教師は明日から来る。夜と休日しか教えられないから住み込みだ。余計な費用をかけさせられたものだ」
「…すみません」
「それとアリエル嬢も恋人を作るそうだ。干渉するなよ」
「はぁ!? 承諾しかねます!婚約者の、妻の不貞を容認しろなど!絶対許せません!」
「先に不貞をして子作りまでして裏切っている不誠実な汚らわしい男はお前の方だ。
お前になど抱かれたくないと思うのは当然だろうし女としての幸せを全て犠牲にしたくないと思うのは当たり前のことだ」
「跡継ぎはどうなるのです!他の男の子かもしれないじゃないですか!」
「お前とは閨を共にしないのだから子ができたら100%他の男の子だろう。
跡継ぎはお前の愛人の産んだ子だ。愛人が産まなければケインに譲り、ケインの子が跡継ぎになる」
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「そうだ。2人目の愛人など許さない。
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