【完結】もう愛しくないです

ユユ

文字の大きさ
33 / 34

白い結婚

しおりを挟む
そのまま何事もなくデニス・ノーディングは卒業していった。

その半年後、婚約者の男爵令嬢と結婚した。

元平民の令嬢がしっかりと貴族のルールやマナーを学び、見違えるほど上品になっているらしい。

茶会などではご夫人方に間違いなどがあれば教えていただきたいと低姿勢にお願いしたようで、無反応な夫人達の中、ひとりの夫人が承諾した。

指摘をすると素直に従ってお礼を言うパトリシア・ノーディングに好感を持ってくれる夫人達が増えて徐々に仲間入りしているとのことだ。




オスカーさんとの登下校は終了した。
双子かアル様かという選択に双子が譲らなかったので双子と登下校している。

1度3人で寄り道をした時に攫われかけたけど双子が助けてくれた。

この2人、強いだけじゃない。
手加減というものを知らない?

セラフィンは関節を外したり骨を折ったり目、鼻、喉に打撃を入れて潰していくし、ブリジットは鞭を取り出して顔を打ち付け怯んだ隙に股間を爪先で蹴り上げ、倒れたところをまた踏みつけてグリグリグリグリ…。

もう泡吹いて痙攣してるから止めてあげて!

「あの…もうその辺で…」

「流れでは足の腱を切っちゃうのですが、止めておきますか?」

「止めて!止めて!皆充分反省してますって心の声が聞こえてきてるから!」

「では、次のお店に行きますか」

「行きません。返り血を付けたままでは駄目です。また今度にしましょう。
ありがとう。セラフィン、ブリジット」




帰って報告に行く凛々しい双子を見送り、私は部屋で着替えをしていた。

バン!!

「エマ!!」

アル様が飛び込んで来て私を抱きしめた。
メイド達はびっくりしたものの、合図を送り合い部屋から出ていく。

ダメダメダメダメ!ここに居て~!!

「怪我はないと聞いたが、無事で良かった」

そう言って私の頭にキスをしている。

「離さないでください」

「っ!一生離さないよ!」

「そうじゃないんです!着替えの途中だったんです!今私を離したら下着姿が見えちゃいます!」

「えっ!?」

抱きしめる腕を緩めて私を見下ろした後、顔が真っ赤になった。
しゃがみ込んで顔を覆っている。

「それ、やりたいの私ですからね」

呼び鈴を鳴らしメイドを呼び戻し、顔を手で覆ったアル様をメイド達に外に出してもらった。

「大柄な乙女が居ましたね」

「先にやられたら…もうね…」




その後、数日間はアル様は私を見るなり顔を赤く染めて顔を覆う。

何をしたんだ?と私に薄ら非難めいた目を4人で向けないでほしい。

「被害者は私ですからね!」

「ねーね。にーにイジメたの?」

「逆よ。ねーねがにーににイジメられたの。アレは反省のポーズよ」

「僕も一緒にはんせいしてあげるね」

アル様の横に座り顔を覆った。

「可愛すぎるわ」

「明日帰ってしまうなんて」

お父様達は、デビュータントが終わると1度子爵家に戻ったけど、2か月帰って2週間王都のサースワルド邸にお邪魔するサイクルを繰り返している。




年月が流れて私は卒業と同時に結婚した。

白い結婚になっている。

キスをされたり抱きしめられたりするけど、それ以上はない。

お義母様達も何も言わない。
閨がないことを知っているはずなのに何事もないように接してくれている。


1ヵ月が経った頃、思い切ってアル様に聞いてみた。

「その件に関しては私から手を出さないよ。
エマがと思ったら誘ってくれ」

「ええっ!そんなこと言ったら…」

「一生無いかもしれないと覚悟している。
その上で結婚したんだ。

欲求が無いわけではない。エマを異性として愛しているし私も健康な男だ。

だけどエマに泣いてほしくないし怖い思いをしてほしくない。

だから君がそうしたくなったら誘ってくれ。
エマ主導でね」





結婚1周年。宣言された日からずっと悩んできた。

悲しいことにネルは抱っこを卒業してしまった。癒しが欲しい!


私は裸にガウンを羽織り、アル様の湯浴み中の浴室に忍び込んだ。

「エマ!?」

泡風呂で良かった。

「い、一緒に入る」

「……一緒に入るだけ?」

「…う……」

「タオル巻いて入って。流石に裸は刺激が強すぎる」

「ちょっと顔を横に向けて」

ガウンを脱いで楕円形の浴槽に足を入れ

「目を瞑って」

彼の足を踏まないように確認しながら跨り向かい合わせに座った。

「エマ!?」

見えたら恥ずかしいから抱きついた。

「****!!」

聞き取れないことを叫んでる。

アル様が勃ってしまった。
窮屈そうに私を押している。

「エマ!これはまずいよ!」

「嫌だとは思わなかった」

「違う!分かってるのか!?」

「分かってる」

「……じゃあ、エマ主導で」









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません

藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は 愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。 夫が愛人を持つことも、 その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。 けれど―― 跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。 その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。 私は悟ったのだ。 この家では、息子を守れないと。 元々、実家との間には 「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。 ならば話は簡単だ。 役目を終えた私は、離縁を選ぶ。 息子と共に、この家を去るだけ。 後悔しているようですが―― もう、私の知るところではありません。

王太子殿下から婚約破棄されたのは冷たい私のせいですか?

ねーさん
恋愛
 公爵令嬢であるアリシアは王太子殿下と婚約してから十年、王太子妃教育に勤しんで来た。  なのに王太子殿下は男爵令嬢とイチャイチャ…諫めるアリシアを悪者扱い。「アリシア様は殿下に冷たい」なんて男爵令嬢に言われ、結果、婚約は破棄。    王太子妃になるため自由な時間もなく頑張って来たのに、私は駒じゃありません!

白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』

鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」 公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。 だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。 ――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの? 何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。 しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。 それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。 そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。 温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。 そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。 「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」 「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」 離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。 そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。

《完結》初夜をすっぽかされた令嬢は夫を死亡扱いする

さんけい
恋愛
クズ夫の非常識を帳簿で粛々と清算!真実の愛?笑わせるわね! 全14話。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい

春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。 そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか? 婚約者が不貞をしたのは私のせいで、 婚約破棄を命じられたのも私のせいですって? うふふ。面白いことを仰いますわね。 ※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。 ※カクヨムにも投稿しています。

心の中にあなたはいない

ゆーぞー
恋愛
姉アリーのスペアとして誕生したアニー。姉に成り代われるようにと育てられるが、アリーは何もせずアニーに全て押し付けていた。アニーの功績は全てアリーの功績とされ、周囲の人間からアニーは役立たずと思われている。そんな中アリーは事故で亡くなり、アニーも命を落とす。しかしアニーは過去に戻ったため、家から逃げ出し別の人間として生きていくことを決意する。 一方アリーとアニーの死後に真実を知ったアリーの夫ブライアンも過去に戻りアニーに接触しようとするが・・・。

婚約破棄のその後に

ゆーぞー
恋愛
「ライラ、婚約は破棄させてもらおう」 来月結婚するはずだった婚約者のレナード・アイザックス様に王宮の夜会で言われてしまった。しかもレナード様の隣には侯爵家のご令嬢メリア・リオンヌ様。 「あなた程度の人が彼と結婚できると本気で考えていたの?」 一方的に言われ混乱している最中、王妃様が現れて。 見たことも聞いたこともない人と結婚することになってしまった。

処理中です...