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白い結婚
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そのまま何事もなくデニス・ノーディングは卒業していった。
その半年後、婚約者の男爵令嬢と結婚した。
元平民の令嬢がしっかりと貴族のルールやマナーを学び、見違えるほど上品になっているらしい。
茶会などではご夫人方に間違いなどがあれば教えていただきたいと低姿勢にお願いしたようで、無反応な夫人達の中、ひとりの夫人が承諾した。
指摘をすると素直に従ってお礼を言うパトリシア・ノーディングに好感を持ってくれる夫人達が増えて徐々に仲間入りしているとのことだ。
オスカーさんとの登下校は終了した。
双子かアル様かという選択に双子が譲らなかったので双子と登下校している。
1度3人で寄り道をした時に攫われかけたけど双子が助けてくれた。
この2人、強いだけじゃない。
手加減というものを知らない?
セラフィンは関節を外したり骨を折ったり目、鼻、喉に打撃を入れて潰していくし、ブリジットは鞭を取り出して顔を打ち付け怯んだ隙に股間を爪先で蹴り上げ、倒れたところをまた踏みつけてグリグリグリグリ…。
もう泡吹いて痙攣してるから止めてあげて!
「あの…もうその辺で…」
「流れでは足の腱を切っちゃうのですが、止めておきますか?」
「止めて!止めて!皆充分反省してますって心の声が聞こえてきてるから!」
「では、次のお店に行きますか」
「行きません。返り血を付けたままでは駄目です。また今度にしましょう。
ありがとう。セラフィン、ブリジット」
帰って報告に行く凛々しい双子を見送り、私は部屋で着替えをしていた。
バン!!
「エマ!!」
アル様が飛び込んで来て私を抱きしめた。
メイド達はびっくりしたものの、合図を送り合い部屋から出ていく。
ダメダメダメダメ!ここに居て~!!
「怪我はないと聞いたが、無事で良かった」
そう言って私の頭にキスをしている。
「離さないでください」
「っ!一生離さないよ!」
「そうじゃないんです!着替えの途中だったんです!今私を離したら下着姿が見えちゃいます!」
「えっ!?」
抱きしめる腕を緩めて私を見下ろした後、顔が真っ赤になった。
しゃがみ込んで顔を覆っている。
「それ、やりたいの私ですからね」
呼び鈴を鳴らしメイドを呼び戻し、顔を手で覆ったアル様をメイド達に外に出してもらった。
「大柄な乙女が居ましたね」
「先にやられたら…もうね…」
その後、数日間はアル様は私を見るなり顔を赤く染めて顔を覆う。
何をしたんだ?と私に薄ら非難めいた目を4人で向けないでほしい。
「被害者は私ですからね!」
「ねーね。にーにイジメたの?」
「逆よ。ねーねがにーににイジメられたの。アレは反省のポーズよ」
「僕も一緒にはんせいしてあげるね」
アル様の横に座り顔を覆った。
「可愛すぎるわ」
「明日帰ってしまうなんて」
お父様達は、デビュータントが終わると1度子爵家に戻ったけど、2か月帰って2週間王都のサースワルド邸にお邪魔するサイクルを繰り返している。
年月が流れて私は卒業と同時に結婚した。
白い結婚になっている。
キスをされたり抱きしめられたりするけど、それ以上はない。
お義母様達も何も言わない。
閨がないことを知っているはずなのに何事もないように接してくれている。
1ヵ月が経った頃、思い切ってアル様に聞いてみた。
「その件に関しては私から手を出さないよ。
エマがしたいと思ったら誘ってくれ」
「ええっ!そんなこと言ったら…」
「一生無いかもしれないと覚悟している。
その上で結婚したんだ。
欲求が無いわけではない。エマを異性として愛しているし私も健康な男だ。
だけどエマに泣いてほしくないし怖い思いをしてほしくない。
だから君がそうしたくなったら誘ってくれ。
エマ主導でね」
結婚1周年。宣言された日からずっと悩んできた。
悲しいことにネルは抱っこを卒業してしまった。癒しが欲しい!
私は裸にガウンを羽織り、アル様の湯浴み中の浴室に忍び込んだ。
「エマ!?」
泡風呂で良かった。
「い、一緒に入る」
「……一緒に入るだけ?」
「…う……」
「タオル巻いて入って。流石に裸は刺激が強すぎる」
「ちょっと顔を横に向けて」
ガウンを脱いで楕円形の浴槽に足を入れ
「目を瞑って」
彼の足を踏まないように確認しながら跨り向かい合わせに座った。
「エマ!?」
見えたら恥ずかしいから抱きついた。
「****!!」
聞き取れないことを叫んでる。
アル様が勃ってしまった。
窮屈そうに私を押している。
「エマ!これはまずいよ!」
「嫌だとは思わなかった」
「違う!分かってるのか!?」
「分かってる」
「……じゃあ、エマ主導で」
その半年後、婚約者の男爵令嬢と結婚した。
元平民の令嬢がしっかりと貴族のルールやマナーを学び、見違えるほど上品になっているらしい。
茶会などではご夫人方に間違いなどがあれば教えていただきたいと低姿勢にお願いしたようで、無反応な夫人達の中、ひとりの夫人が承諾した。
指摘をすると素直に従ってお礼を言うパトリシア・ノーディングに好感を持ってくれる夫人達が増えて徐々に仲間入りしているとのことだ。
オスカーさんとの登下校は終了した。
双子かアル様かという選択に双子が譲らなかったので双子と登下校している。
1度3人で寄り道をした時に攫われかけたけど双子が助けてくれた。
この2人、強いだけじゃない。
手加減というものを知らない?
セラフィンは関節を外したり骨を折ったり目、鼻、喉に打撃を入れて潰していくし、ブリジットは鞭を取り出して顔を打ち付け怯んだ隙に股間を爪先で蹴り上げ、倒れたところをまた踏みつけてグリグリグリグリ…。
もう泡吹いて痙攣してるから止めてあげて!
「あの…もうその辺で…」
「流れでは足の腱を切っちゃうのですが、止めておきますか?」
「止めて!止めて!皆充分反省してますって心の声が聞こえてきてるから!」
「では、次のお店に行きますか」
「行きません。返り血を付けたままでは駄目です。また今度にしましょう。
ありがとう。セラフィン、ブリジット」
帰って報告に行く凛々しい双子を見送り、私は部屋で着替えをしていた。
バン!!
「エマ!!」
アル様が飛び込んで来て私を抱きしめた。
メイド達はびっくりしたものの、合図を送り合い部屋から出ていく。
ダメダメダメダメ!ここに居て~!!
「怪我はないと聞いたが、無事で良かった」
そう言って私の頭にキスをしている。
「離さないでください」
「っ!一生離さないよ!」
「そうじゃないんです!着替えの途中だったんです!今私を離したら下着姿が見えちゃいます!」
「えっ!?」
抱きしめる腕を緩めて私を見下ろした後、顔が真っ赤になった。
しゃがみ込んで顔を覆っている。
「それ、やりたいの私ですからね」
呼び鈴を鳴らしメイドを呼び戻し、顔を手で覆ったアル様をメイド達に外に出してもらった。
「大柄な乙女が居ましたね」
「先にやられたら…もうね…」
その後、数日間はアル様は私を見るなり顔を赤く染めて顔を覆う。
何をしたんだ?と私に薄ら非難めいた目を4人で向けないでほしい。
「被害者は私ですからね!」
「ねーね。にーにイジメたの?」
「逆よ。ねーねがにーににイジメられたの。アレは反省のポーズよ」
「僕も一緒にはんせいしてあげるね」
アル様の横に座り顔を覆った。
「可愛すぎるわ」
「明日帰ってしまうなんて」
お父様達は、デビュータントが終わると1度子爵家に戻ったけど、2か月帰って2週間王都のサースワルド邸にお邪魔するサイクルを繰り返している。
年月が流れて私は卒業と同時に結婚した。
白い結婚になっている。
キスをされたり抱きしめられたりするけど、それ以上はない。
お義母様達も何も言わない。
閨がないことを知っているはずなのに何事もないように接してくれている。
1ヵ月が経った頃、思い切ってアル様に聞いてみた。
「その件に関しては私から手を出さないよ。
エマがしたいと思ったら誘ってくれ」
「ええっ!そんなこと言ったら…」
「一生無いかもしれないと覚悟している。
その上で結婚したんだ。
欲求が無いわけではない。エマを異性として愛しているし私も健康な男だ。
だけどエマに泣いてほしくないし怖い思いをしてほしくない。
だから君がそうしたくなったら誘ってくれ。
エマ主導でね」
結婚1周年。宣言された日からずっと悩んできた。
悲しいことにネルは抱っこを卒業してしまった。癒しが欲しい!
私は裸にガウンを羽織り、アル様の湯浴み中の浴室に忍び込んだ。
「エマ!?」
泡風呂で良かった。
「い、一緒に入る」
「……一緒に入るだけ?」
「…う……」
「タオル巻いて入って。流石に裸は刺激が強すぎる」
「ちょっと顔を横に向けて」
ガウンを脱いで楕円形の浴槽に足を入れ
「目を瞑って」
彼の足を踏まないように確認しながら跨り向かい合わせに座った。
「エマ!?」
見えたら恥ずかしいから抱きついた。
「****!!」
聞き取れないことを叫んでる。
アル様が勃ってしまった。
窮屈そうに私を押している。
「エマ!これはまずいよ!」
「嫌だとは思わなかった」
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