【完結】生まれ変わった男装美少女は命を奪った者達に復讐をする

ユユ

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五国統一

カーティス領

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フォルス王国には最大武力を誇るカーティス家がフロワ側に領地を持ち牽制をしていた。

狼煙を確認して兵を向かわせたが狼煙を確認したのはカーティスの兵も同じだ。

カーティス領を避けて部隊を進ませたが、三つの大隊がここで苦戦を強いられた。

魔法を使える者でも続かないし威力も強くない。

対してカーティス領は武力の国だけあってカーティス騎士団の他に領民が武器を持って向かって来るのだ。

マチュー団長はノアがもうひとり欲しいなどとうっかり口にする程だった。

結局、半年経っても決着が着いていなかった。物資の補給と増員や交代要員があるからなんとか戦ってこれた。

本来ならカーティスを打ち破り、カーティスの次に武力を保持する領に攻め入っている仲間に加勢するはずだった。

「団長、今日は死者はおりませんが戦うことが出来なくなった29名は退がらせました」

「ご苦労だった」




8ヶ月目。

士気が落ち、気配に気づくことも出来ないマチュー団長の肩を誰かが叩いた。

「酷い顔だな」

「ノア……」

振り向くとノア達が立っていた。
周りにいる部下達は安堵の顔を浮かべている。

「城は」

「いくつか部隊が到着したし、時々襲撃があるけど王都はわりと懐柔できたと思うよ。
地方の方が大変だよね」

「すまない」

「城よりこっちの方が強敵だったようだ。
疲れたろう。決着をつけよう」




こちらからの要求を団長が正門から伝えた。

「これより1時間以内に、武器を捨て正門以外から出てきた者に攻撃はしない。
残った者、武器を所持した者は誰であっても死んでもらう。

広範囲魔法を使う為、年齢で選り分けることは出来ない。幼児を助けたいというのなら正門以外から外に出せ!」


広範囲魔法と聞いて正門の兵士達は慌ててカーティス城へ入っていった。

30分後、正門に夫人が現れた。

「私はカーティス領の領主を務めるカーティス伯の妻イザベラと申します。

投降させた子供はどうなりますか」

「衣食住に困らない場所で預かります。戦いが終わって建物残っていて保護者が生きていればお返しします。

できれば母親が付き添われる方がよろしいかと」

「私はここで死ぬ覚悟でございます」

そこにノアが出てきた。

「お子さんはいくつですか」

「10歳と8歳です」

「私は両親が死に、11歳から働きながらひとりで生きてきました。夫人に似ているのなら生き残るのは容易くありません。綺麗な子は子供でも餌食になるのです。

私も幾度と襲われたのです。幸い魔法で撃退出来ましたが夫人の子は魔法が使えますか?
終戦後に解放されれば守る人はいなくなります。


王族と城と王都の情報を教えましょう。
書簡を届けに行っただけの私をフォルス国王は殺そうとしたので捕え、王族は人質か盾として使っています。他は死にました。

城と王都は陥落したのです。
我々の希望は従属国だったのですから無用な搾取はするつもりはありません。
応じてもらっていれば契約の縛りは発生しましたが、王族も貴族もそのままだったのです。

これらの情報を元に急いで話し合ってください」

夫人は困惑した顔で戻って行った。

20分後、女性を中心に投降者が現れた。
先程の夫人は残るようだ。

「騎士様。あの青い服に髪を二つに分けた子が娘で、隣の乳母に抱かれた子は息子です。よろしくお願いします」

「夫人、出てきて!お願いだから!」

「誇り高く死にたいの」

「誇りなんか!母達が生き返るなら誇りなど一生要らない!!」

「他の人に出てこさせたら良かったわね。
ごめんなさい。心を傷めさせて」

そう言って城の中に戻って行った。

「ノア」

「炎じゃ……選り分けられない」

「ノア。広範囲魔法魔法を使って決着させてくれ。これは戦争だ!」



約束の時間になった。

「飛来するものに気をつけてくれ」

ノアは目を閉じて魔力を高めた。

黒炎爆裂ヘルファイアーエスクプロージョン!!」


城壁内は無数の爆発が起き、地面が震える。
同時に炎に包まれすぐに黒くなった。

煙が収まると城壁内は黒い更地と化していた。

「ガブリエル」

呼ばれて側によるとノアがもたれかかった。

「魔力、使いすぎた。団長、後はよろしく。
エイダン、ロイクはしばらく加勢して」

ノアはガブリエルに抱き上げられ団長のテントへ運び込まれた。

「すみません。団長の簡易ベッドで」

「怒られるよ」

「お菓子と水です。ポケットに入れていたから崩れていますけど。食べたら眠ってください。お守りしますから」

「ありがとう」


文字通り城がなくなりカーティス領は陥落した。





その後、近くの宿屋に移りノアは眠りこけていた。流石に消耗が激しかった。
焼死ではなく爆死にして、さらに超高温で溶かしまくったからだ。

2日後

「ノア。団長がお見えです」

「通して」

団長が入室するとノアは身体を起こした。

「魔力枯渇か」

「ほぼ。今頑張って回復させるためにとにかく食べて寝てる」

「感謝する」

「たまたま力を持って生まれただけだから。

団長、くれぐれも無抵抗な者に手をかけないようにさせて」

「厳しくしているよ」

「領主の子達は」

「理解はしていると思う」

「将来敵討ちを考えなきゃいいんだけどね」

「そうだな」

「そういえばなんで統一したかったんだろう」

「昔は一つの国で首都はフロワだったんだ」

「バラバラのままじゃダメだったの?」

「バラバラになる時に裏切られているんだよ。四国の王族の元は裏切りの家門なんだ」





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