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五国統一
フォルス陥落
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国防部隊と入れ替わり大隊は交代で休暇をとった。
一方ノア達はフォルス王城に戻った。
カーティス城が消えた事を聞いて牢屋に入れられていた国王は項垂れた。
「もう半年もかからないと思うけど、王族は処刑になるよ。
カーティス夫妻は誇りを失いたくないと死んでいった。下の者がそうなのだから上の者も誇りを最優先にするといい。
多分幼子も生き残ることはできないだろう。
でも貴方の判断だから仕方ないか」
「侵略しておいて!」
「でも裏切った貴族の子孫が貴方なんでしょう?」
「それは昔の先祖の話だ!」
「土地や国民は奪われたんだから返してもらうのは当然だよね?」
「今更……」
「書簡を渡したじゃないか。
従えばこの城で王族を名乗れたのに。
じゃあね」
中央国 フォルス王国を完全陥落させるのに1年と3ヶ月をかけた。
フォルスの国王は処刑が確定し、他の王族は処刑もしくは王族籍剥奪し平民にした上で五国以外の土地へ追放のどちらかを選ばせた。
6歳以下は実母に選ばせた。
追放となる者は赤子でも誓約紋を刻んだ。
「此度の五国統一戦争は其方達の先祖がフラムを裏切って奪って勝手に国を作ったことに起因する。
つまり其方達の先祖は裏切者で盗人ということだ。これはフォルス国王も認めている。
だから其方達は“我はフォルスの王族”などと誇示しても裏切者•盗人の血族と指をさされるだけだ。
全てを忘れてチャンスを活かせ。
刻んだ誓約紋について説明しよう。
五国に足を踏み入れたり、反逆ととれるような言動があれば紋が反応して死ぬまで燃える。
子などに復讐をなんて思って話しだしたら、子の前で焼け死ぬことになる。
そんな事をするくらいなら潔く今死ね」
ノアの説明に王太子は国王を見たが国王は目を逸らした。
王太子は驚愕した後、唇を噛み締めた。
国王、王妃、第二妃、王弟2名、王太子妃、第二王子、王子妃、王太子の子は全員が処刑された。
王太子は結局、五国の外に追放されて2日後にうっかり復讐を口にした為に燃えて死んだ。
フォルス城でノアを中心にいくつかの部隊が滞在していた。
「ノア」
「ソーサ団長。無事に着いたんだね」
「遅くなった。なかなか手強くてな。
カーティス城はキツかったんだってな」
「かなり苦戦してたけどもう決着はついたよ」
「さて。残り三国はどう反応するかな」
「その前に少し休暇を取らせたい。見計らって遣いを送るが中央を抑えたから抵抗しないと思う。
僕はここに居ないとマズいから、居るつもりだ。あまり間を開けると良くないから早めにしてくれ。
エストフラムは要注意だ。約束を反故にしたり思い込みの激しい王族や貴族がいる。
油断しないようにしてくれ」
「分かった。少し休んでくれ」
「そうさせてもらう」
ノアは書類や書籍でエストフラムについての情報を集めようとしていた所にロイクがやってきた。
「何やってるの」
「他の三国について情報。集めているんじゃないかなと思って」
「俺も探すよ」
「よろしく」
「ノアは魔法の力は最初から強かった?」
「徐々に増えていって、同時にずっと訓練してきたかな」
「何歳?」
「6歳辺りかな。よく覚えてないや。些細な魔法からだけどね」
「技はどうやって覚えたの?教えてくれる人がいなかったんだよね」
「勝手に作ってる。浮かぶんだ。
種類は多くないよ。一つ一つ極めようとしてるから時間がかかってるし充分だしね」
「もっと増やせばいいのに」
「ロイクは器用にやろう。その方がいい。
下手に魔力を使い過ぎて倒れたら困るからね」
「そういえば来たか?精通」
「……未だかな」
「おかしいなぁ。医者に見てもらうか?」
「困らないから大丈夫」
「え~絶対損してるぞ?」
「ロイク!」
「げっ、ガブリエル卿」
「精通は17、18辺りまで無い人もいるんだから無闇に聞くな」
「えっ!?そうなんですか!?」
「ノアは上官だろう。そんな話をするな」
「近衛はしないかもしれませんが普通にしますよ」
「ノアには駄目だ」
「誰かが教えてやらないと。だったら俺が適任だと思うんですよ」
「思うな。違うからな」
「え~」
「ノア。ロイクを甘やかさないでください」
「いや、僕には無理だ。何故かロイクは怒りたくない」
「弟みたいに思っているのですね」
「俺の方が兄ですよ!
でも甘やかすと言えば宰相閣下ですよ。
ノアにだけ。息子みたいに思っているんですかね」
「かもね」
「ノア!これ見てくれ!」
「これは……」
ロイクが見つけたのは中央国王と四つの国を繋ぐ抜け道を記した地図だった。
つまり密入国できるか警備が緩いかのどちらかだろう。
「良くやった!偉いぞロイク!」
「でしょ~」
「ロイク、これをソーサ団長に持って行ってくれ」
「かしこまりました」
ロイクが離れるとガブリエルは溜息をついた。
「ノア様にあんな話をするなんて」
「男同士だと思っていて平民同士でだいぶ歳下ですからね。彼なりの親切心ですよ」
一方ノア達はフォルス王城に戻った。
カーティス城が消えた事を聞いて牢屋に入れられていた国王は項垂れた。
「もう半年もかからないと思うけど、王族は処刑になるよ。
カーティス夫妻は誇りを失いたくないと死んでいった。下の者がそうなのだから上の者も誇りを最優先にするといい。
多分幼子も生き残ることはできないだろう。
でも貴方の判断だから仕方ないか」
「侵略しておいて!」
「でも裏切った貴族の子孫が貴方なんでしょう?」
「それは昔の先祖の話だ!」
「土地や国民は奪われたんだから返してもらうのは当然だよね?」
「今更……」
「書簡を渡したじゃないか。
従えばこの城で王族を名乗れたのに。
じゃあね」
中央国 フォルス王国を完全陥落させるのに1年と3ヶ月をかけた。
フォルスの国王は処刑が確定し、他の王族は処刑もしくは王族籍剥奪し平民にした上で五国以外の土地へ追放のどちらかを選ばせた。
6歳以下は実母に選ばせた。
追放となる者は赤子でも誓約紋を刻んだ。
「此度の五国統一戦争は其方達の先祖がフラムを裏切って奪って勝手に国を作ったことに起因する。
つまり其方達の先祖は裏切者で盗人ということだ。これはフォルス国王も認めている。
だから其方達は“我はフォルスの王族”などと誇示しても裏切者•盗人の血族と指をさされるだけだ。
全てを忘れてチャンスを活かせ。
刻んだ誓約紋について説明しよう。
五国に足を踏み入れたり、反逆ととれるような言動があれば紋が反応して死ぬまで燃える。
子などに復讐をなんて思って話しだしたら、子の前で焼け死ぬことになる。
そんな事をするくらいなら潔く今死ね」
ノアの説明に王太子は国王を見たが国王は目を逸らした。
王太子は驚愕した後、唇を噛み締めた。
国王、王妃、第二妃、王弟2名、王太子妃、第二王子、王子妃、王太子の子は全員が処刑された。
王太子は結局、五国の外に追放されて2日後にうっかり復讐を口にした為に燃えて死んだ。
フォルス城でノアを中心にいくつかの部隊が滞在していた。
「ノア」
「ソーサ団長。無事に着いたんだね」
「遅くなった。なかなか手強くてな。
カーティス城はキツかったんだってな」
「かなり苦戦してたけどもう決着はついたよ」
「さて。残り三国はどう反応するかな」
「その前に少し休暇を取らせたい。見計らって遣いを送るが中央を抑えたから抵抗しないと思う。
僕はここに居ないとマズいから、居るつもりだ。あまり間を開けると良くないから早めにしてくれ。
エストフラムは要注意だ。約束を反故にしたり思い込みの激しい王族や貴族がいる。
油断しないようにしてくれ」
「分かった。少し休んでくれ」
「そうさせてもらう」
ノアは書類や書籍でエストフラムについての情報を集めようとしていた所にロイクがやってきた。
「何やってるの」
「他の三国について情報。集めているんじゃないかなと思って」
「俺も探すよ」
「よろしく」
「ノアは魔法の力は最初から強かった?」
「徐々に増えていって、同時にずっと訓練してきたかな」
「何歳?」
「6歳辺りかな。よく覚えてないや。些細な魔法からだけどね」
「技はどうやって覚えたの?教えてくれる人がいなかったんだよね」
「勝手に作ってる。浮かぶんだ。
種類は多くないよ。一つ一つ極めようとしてるから時間がかかってるし充分だしね」
「もっと増やせばいいのに」
「ロイクは器用にやろう。その方がいい。
下手に魔力を使い過ぎて倒れたら困るからね」
「そういえば来たか?精通」
「……未だかな」
「おかしいなぁ。医者に見てもらうか?」
「困らないから大丈夫」
「え~絶対損してるぞ?」
「ロイク!」
「げっ、ガブリエル卿」
「精通は17、18辺りまで無い人もいるんだから無闇に聞くな」
「えっ!?そうなんですか!?」
「ノアは上官だろう。そんな話をするな」
「近衛はしないかもしれませんが普通にしますよ」
「ノアには駄目だ」
「誰かが教えてやらないと。だったら俺が適任だと思うんですよ」
「思うな。違うからな」
「え~」
「ノア。ロイクを甘やかさないでください」
「いや、僕には無理だ。何故かロイクは怒りたくない」
「弟みたいに思っているのですね」
「俺の方が兄ですよ!
でも甘やかすと言えば宰相閣下ですよ。
ノアにだけ。息子みたいに思っているんですかね」
「かもね」
「ノア!これ見てくれ!」
「これは……」
ロイクが見つけたのは中央国王と四つの国を繋ぐ抜け道を記した地図だった。
つまり密入国できるか警備が緩いかのどちらかだろう。
「良くやった!偉いぞロイク!」
「でしょ~」
「ロイク、これをソーサ団長に持って行ってくれ」
「かしこまりました」
ロイクが離れるとガブリエルは溜息をついた。
「ノア様にあんな話をするなんて」
「男同士だと思っていて平民同士でだいぶ歳下ですからね。彼なりの親切心ですよ」
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