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五国統一
王の交代
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「ファヴール王は己の子でも道具だと思っているんだ。
娘なら嫁がせて利益を得ようとする。
10歳上の姉は遠くの国の70近くの元国王の第8側妃として売られて行ったよ。
うちの兄弟姉妹は皆父に似ず美形揃いなんだ。高く売れたそうだよ。
側妃とは名ばかりの夜伽の相手だろうね。
9歳上の姉はダイヤモンド鉱山を掘り当てた子爵の第二夫人だよ。王の指に大きなダイヤモンドの指輪がはめてあっただろう。
1歳上の姉は半年前に海を渡った国の公爵に見初められて泣きながら船に乗せられたよ。
ファヴールの船が使う港町が公爵領で、見返りに税を半分にしてもらった」
「14歳を?」
「婚姻はこれからだが、身体は売り渡された。50歳近い男の相手をしなくてはならない。
残っているのは4歳上の姉と僕と5人の妹だ。
王はね、態と女系の傾向が強い家から美しい妾を4人も迎えた。身分を問わず、美しい娘を産めそうな人を娶った。
そして次々と女児を産ませ売りに出す。
王子は僕一人だけど、王の権力が脅かされると判断すれば殺される。
また産ませればいいと思っているし、最悪は娘に婿を取らせればいいと思っているからね」
「王妃様は何て?」
「お人形だよ。
一人目の王妃は出産で亡くなった。
二人目の王妃は不貞を理由に処刑された。
本当は一人産んだら二人目を身籠るのを嫌がり閨を拒絶したからだと王妃付きのメイドが漏らしていた。
今の王妃は去年娶った17歳で従順だ。妊娠しているよ。
妾達も孕み難くなれば入れ替えられる。
予定ではもうすぐ新しい妾が来るらしい」
「貴方はどう思うの」
「僕には何もできないよ。無害なフリをして生き延びるだけだ。
ノアを美しいと言ったのも娶りたいと言ったのも本当だ」
「私はフロワ軍で戦う平民なの。貴方のお嫁さんにはなれないわ」
「ノアがいい」
「そろそろ王の元へ戻って話の続きをするわね」
ノアとガブリエルは謁見の間に戻って行った。
入室するとニヤニヤと薄気味悪くニヤつく王が待っていた。
「どうかな。息子は合格したかな」
「つまり?」
「味見をしたのだろう?
さあ、早く拘束をといてくれ」
手足を凍らされ椅子から立ち上がれない王にノアが近寄った。
「黒獄溶」
「ギャアアアアッ!!」
王が暴れもがき泡を吹いた。
ガブリエルがノアに近付き王を見た。
「何をしたのですか」
「根絶やしたの」
「アレはどうなっているのですか」
「高温で溶かした」
「うわっ」
ガブリエルは思わず自身の股間を押さえた。
ピクリともしない王に近寄る。
「そこの貴方、王太子と宰相を連れてきて」
慌てて王の側近は王太子と宰相を連れてきた。
「ミシェル王太子殿下、国王の崩御のため貴方は今からこの国の国王になりました。
宰相殿。若き国王を傀儡にすることなく支え尽くすように。彼の後を追いたくなければ気を付けなさい」
王太子はもう一人の側近から紙を奪うと署名をした。
「また会いたい」
そう言って紙を渡した。
ミシェル新国王の初仕事はフロワ王国の従属国になる同意書に署名をすることだった。
ノアは跪き礼をとった。
「またお会いしましょう」
未来のファヴール王国
ミシェル新国王は直ぐに改革を行なった。
大臣達を呼び寄せ、服を脱がして股間が溶けた前国王の遺体を見せた。
「同じ目に遭いたい者は言ってくれ」
ミシェルは大臣達を恐怖で従えさせ国の法律を変えていった。
女性の婚姻は18歳以上。婚前に身柄を引き渡すことは違法。歳の差が10歳以上ある場合は婚姻前の性交渉を禁じ令嬢の意思を国王自ら聞き取る。ここで強制婚が発覚すれば許可は出さないし両家門にペナルティを課す。
一夫一妻とし、貴族の場合は一人だけ妾を迎えることができる。ただし、医師の介入の上で10年間子が授からなかった場合のみとし、迎える前に期間や報酬の契約を交わすこと。内容は必ず王宮で確認の上、許可を得ることが必要とされた。
それは王族にも適用させた。
違反した者には厳しい制裁をした。
不満も口にする者もいたが、未婚女性、夫人達から絶大な支持を得た。
その他、多くの改革を得て賢王として歴史に刻まれるのと同時に一人の女性を愛し抜いた王としても小説や劇になるほど有名となった。
一国の王として妻は迎えたものの、彼の心はずっと魔法使いに囚われたままだったと語り継がれることとなる。
ファヴール王国を従属国にした一方で西の王国はフラムに攻め入ったが弱かった。
処遇はまだ決まっていない。
東の王国は素直に署名した。
五国統一を果たしたことになる。
ノアの役目はここまで。
後のことは任せて帰還した。
娘なら嫁がせて利益を得ようとする。
10歳上の姉は遠くの国の70近くの元国王の第8側妃として売られて行ったよ。
うちの兄弟姉妹は皆父に似ず美形揃いなんだ。高く売れたそうだよ。
側妃とは名ばかりの夜伽の相手だろうね。
9歳上の姉はダイヤモンド鉱山を掘り当てた子爵の第二夫人だよ。王の指に大きなダイヤモンドの指輪がはめてあっただろう。
1歳上の姉は半年前に海を渡った国の公爵に見初められて泣きながら船に乗せられたよ。
ファヴールの船が使う港町が公爵領で、見返りに税を半分にしてもらった」
「14歳を?」
「婚姻はこれからだが、身体は売り渡された。50歳近い男の相手をしなくてはならない。
残っているのは4歳上の姉と僕と5人の妹だ。
王はね、態と女系の傾向が強い家から美しい妾を4人も迎えた。身分を問わず、美しい娘を産めそうな人を娶った。
そして次々と女児を産ませ売りに出す。
王子は僕一人だけど、王の権力が脅かされると判断すれば殺される。
また産ませればいいと思っているし、最悪は娘に婿を取らせればいいと思っているからね」
「王妃様は何て?」
「お人形だよ。
一人目の王妃は出産で亡くなった。
二人目の王妃は不貞を理由に処刑された。
本当は一人産んだら二人目を身籠るのを嫌がり閨を拒絶したからだと王妃付きのメイドが漏らしていた。
今の王妃は去年娶った17歳で従順だ。妊娠しているよ。
妾達も孕み難くなれば入れ替えられる。
予定ではもうすぐ新しい妾が来るらしい」
「貴方はどう思うの」
「僕には何もできないよ。無害なフリをして生き延びるだけだ。
ノアを美しいと言ったのも娶りたいと言ったのも本当だ」
「私はフロワ軍で戦う平民なの。貴方のお嫁さんにはなれないわ」
「ノアがいい」
「そろそろ王の元へ戻って話の続きをするわね」
ノアとガブリエルは謁見の間に戻って行った。
入室するとニヤニヤと薄気味悪くニヤつく王が待っていた。
「どうかな。息子は合格したかな」
「つまり?」
「味見をしたのだろう?
さあ、早く拘束をといてくれ」
手足を凍らされ椅子から立ち上がれない王にノアが近寄った。
「黒獄溶」
「ギャアアアアッ!!」
王が暴れもがき泡を吹いた。
ガブリエルがノアに近付き王を見た。
「何をしたのですか」
「根絶やしたの」
「アレはどうなっているのですか」
「高温で溶かした」
「うわっ」
ガブリエルは思わず自身の股間を押さえた。
ピクリともしない王に近寄る。
「そこの貴方、王太子と宰相を連れてきて」
慌てて王の側近は王太子と宰相を連れてきた。
「ミシェル王太子殿下、国王の崩御のため貴方は今からこの国の国王になりました。
宰相殿。若き国王を傀儡にすることなく支え尽くすように。彼の後を追いたくなければ気を付けなさい」
王太子はもう一人の側近から紙を奪うと署名をした。
「また会いたい」
そう言って紙を渡した。
ミシェル新国王の初仕事はフロワ王国の従属国になる同意書に署名をすることだった。
ノアは跪き礼をとった。
「またお会いしましょう」
未来のファヴール王国
ミシェル新国王は直ぐに改革を行なった。
大臣達を呼び寄せ、服を脱がして股間が溶けた前国王の遺体を見せた。
「同じ目に遭いたい者は言ってくれ」
ミシェルは大臣達を恐怖で従えさせ国の法律を変えていった。
女性の婚姻は18歳以上。婚前に身柄を引き渡すことは違法。歳の差が10歳以上ある場合は婚姻前の性交渉を禁じ令嬢の意思を国王自ら聞き取る。ここで強制婚が発覚すれば許可は出さないし両家門にペナルティを課す。
一夫一妻とし、貴族の場合は一人だけ妾を迎えることができる。ただし、医師の介入の上で10年間子が授からなかった場合のみとし、迎える前に期間や報酬の契約を交わすこと。内容は必ず王宮で確認の上、許可を得ることが必要とされた。
それは王族にも適用させた。
違反した者には厳しい制裁をした。
不満も口にする者もいたが、未婚女性、夫人達から絶大な支持を得た。
その他、多くの改革を得て賢王として歴史に刻まれるのと同時に一人の女性を愛し抜いた王としても小説や劇になるほど有名となった。
一国の王として妻は迎えたものの、彼の心はずっと魔法使いに囚われたままだったと語り継がれることとなる。
ファヴール王国を従属国にした一方で西の王国はフラムに攻め入ったが弱かった。
処遇はまだ決まっていない。
東の王国は素直に署名した。
五国統一を果たしたことになる。
ノアの役目はここまで。
後のことは任せて帰還した。
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