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休息
ドミニクの想い
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【 ドミニク・ライダーの視点 】
強い陽差しを和らげるレースのカーテンが時折風に靡いてテーブルに置かれた手紙に陽をあてる。
「もう他の男を惹きつけてきたの?」
「ドミニク様。言い回しがおかしいです」
「おかしいかな?
“愛しのマイレディ
貴女のことを1秒たりとも思わない日はない。なのに貴女は僕のことを忘れかけているようだ。
続き部屋の扉に我妻ノアと名を刻んだ金のプレートをつけて待っているのに手紙すら寄越さないなんて。
僕を翻弄させる困ったレディのためにこの子を送ろう。ある条件のもとに言葉を覚えるこの土地固有の鳥だ。可愛がってやってくれ。
また会うという約束を早く果たして欲しい。
そしてまた約束をしよう。
愛してる ミシェル”
何をしてこんな手紙を書かせるほど惚れこませられるんだ?
会った時は王太子だっけ?美しくて有名なんだろう?」
「ま、まあ 可愛かったです」
「夫婦の続き部屋のことだろう?」
「知りませんよ!」
「全くエイダンは何のために側にいたんだか」
「戦力です」
ノアは何故かドミニクの圧を受けながら怒られていた。
『ノア』『可愛い』『愛しい人』『会いたい』『僕の姫』『ミシェル』
鳥は覚えさせられたらしき言葉を発する。
「この鳥は遠くに飛んで行きたいようだから僻地で放つようにしよう」
「ダメです!可哀想ですよ!知らない土地で飼われた鳥を放したら死んでしまいます!」
「喋れなくしようか」
「可哀想です!」
「ノア。16歳なんだから気をつけないといけない。いいかい、君は魅力的な美少女なのだから男とはちゃんと距離をとりなさい」
「でも」
「ノアに返事の仕方を教えないといけないのかな?」
「はい」
「いい子だね」
男と距離を取れというドミニクはノアの隣に座ってピッタリと寄り添い、顔を近付けて話をしていた。
ノアは“でもドミニク様も近い”と言いかけたが、ドミニクの微笑みとは反して瞳がとても怖かった。
返事をしたのにまだ怖い。
『ノア』『僕の姫』
「チッ」
怖い~!!
「ドミニク様、お散歩に連れて行ってください」
「庭園かな。何の花が咲いているのか見に行こう」
ドミニクはノアの手を握り歩き始めた。
「ドミニク様、手は」
「小さな手だね」
「奥様が」
「カロリーナがなにか?」
「誤解を招きます」
「ノア。私は次期公爵だから妻を二人娶れる立場なんだ。だから二人妻がいるならともかく、カロリーナだけなら咎めは受けないんだよ」
「ええっ!?」
「可愛いノアと手を繋いでも抱きしめてもノアが嫌と言わない限り許されるんだ。
ノアは私が嫌いかな?」
「そういうわけじゃ」
「なら問題ない。
それより明日ルイが来るみたいだけど、あいつは思ったより手練れだから気を付けるように。
距離だよ距離。忘れないように」
「……はい」
返事は?という威圧を感じて押し出されるように返事をしたのにまだ怖い。
「また他国に出ると聞いたけど南じゃないよね」
「東です」
「もう魅了してこないでくれ」
「魅了だなんて。
ミシェル王はまだ子供で、たまたま現れた魔法使いに興味を示しただけです。
すぐに飽きるか忘れるでしょう。
東には狩に行くのですよ。与えるものは恐怖だけです」
「どのくらいで戻るんだ」
「分かりません。潜入になるから時間がかかります。
その為にドレスも数着オーダーしました。
いつも男装なので違和感しかないです」
「貴族社会に令嬢として潜入するつもりか」
「はい。
留学生になり貴族達に接触します」
「エイダン達が守れないじゃないか!」
「自分で守れますから」
「ノア、行かせたくない」
「私は彼らが大嫌いで憎くて仕方がないのです。中央国が各国の情報を仕入れていたので、数年を覚悟していたのに1年以内で済むと思います。
きっとその頃には赤ちゃんが産まれていて、ドミニク様は落ち着いているはずです。
ドミニク様と奥様の幸せを陰ながら祈っています」
ノアは妻のいる男の元には嫁がないとドミニクに告げたも同じだった。
ドミニクはノアが魔法使いじゃなければ、ノアにその気がなくても公爵家の力で娶れたのにと思っていた。
ドミニクは家格を考慮し、ライダー公爵家の損とならない令嬢を8年位前に娶っただけでそこに愛はなかった。
妻として迎え尊重し後継ぎを残すべく医師の指定する数日は必ず閨を共にした。
何年経っても孕まず、第二夫人の話が出ていた。選定に入っている最中にエイダンがノアを引き合わせた。
演習場での圧倒的な魔法は、開始前に文句を言っていた男達を黙らせた。
少年のフリをした美少女はまだ13歳で小柄だった。
会ったこともない亡き母とその家族の為にノアは国王陛下に南の塔に父と私を泊まらせてくれるよう願い出たという。
母の過去に触れ、父の心に触れ、親子の会話をして、母の匂いに包まれて眠りについた。
ノアは成長すれば大輪な花となり甘い香りを漂わせるであろうと容易に想像できた。
公爵家に連れてきて観察すると女の子だと確定できた。
テーブルマナーも刺繍もダンスも試してみたが中流から上流貴族の令嬢と遜色がない。
妻とは違い、書類を扱うこともできた。
何より女物の服を纏ったノアはガラッと雰囲気を変えた。
すっかりドミニクはノアを娶る気でいた。
娶って体の準備ができたら……。
待つ数年もノアとの初夜のスパイスだと思うとドミニクの気持ちは高まっていた。
それは決定事項だったから、孕まない妻との閨は無意味だった。
だが、ここで止めて揉め事を作るのは面倒だったし、欲の解消に使わせてもらおう、そう割り切った。だから抱き方も雑に、そして時には乱暴に抱いた。
妊娠が判明したのはノアが帰還する7ヶ月前だった。
公爵も安堵し医師も祝いの言葉を口にしたが、ドミニクの心は冷ややかだった。
“私は生まれてくる子を愛せるのだろうか”
もうドミニクの頭の中はノアに毎夜快楽を与える日々と、ノアと私の愛の結晶を大切に真綿に包むように優しく育てる日々への妄想しか無かったのだ。
しかも戦争から久しぶりに戻ったノアからは16歳という開きかけの花びらから既に男を誘う蜜の香りを漂わせていた。
“屋敷に閉じ込めておかなければ……”
強く思うのに強力な炎の魔法使いを連れ去れない。
早速その香りを嗅いでしまったファヴールの新国王はノアに愛を囁いている。
ファヴールの王族は美貌で有名だ。
歳下でも数年でノアを娶れるし婚約自体は今でもできる。
さらに東の貴族学校に潜入すると言う。
あそこの唯一の王子はノアと同じ年頃だ。
ドミニクには嫌な予感しかしない。
少し強い眼差しを送ると上目遣いで“はい”と言ってしまうノアを抱きしめたくて堪らないのに、己の好意に対し拒絶を口にするノアにドミニクの心中は徐々に黒く染まっていた。
強い陽差しを和らげるレースのカーテンが時折風に靡いてテーブルに置かれた手紙に陽をあてる。
「もう他の男を惹きつけてきたの?」
「ドミニク様。言い回しがおかしいです」
「おかしいかな?
“愛しのマイレディ
貴女のことを1秒たりとも思わない日はない。なのに貴女は僕のことを忘れかけているようだ。
続き部屋の扉に我妻ノアと名を刻んだ金のプレートをつけて待っているのに手紙すら寄越さないなんて。
僕を翻弄させる困ったレディのためにこの子を送ろう。ある条件のもとに言葉を覚えるこの土地固有の鳥だ。可愛がってやってくれ。
また会うという約束を早く果たして欲しい。
そしてまた約束をしよう。
愛してる ミシェル”
何をしてこんな手紙を書かせるほど惚れこませられるんだ?
会った時は王太子だっけ?美しくて有名なんだろう?」
「ま、まあ 可愛かったです」
「夫婦の続き部屋のことだろう?」
「知りませんよ!」
「全くエイダンは何のために側にいたんだか」
「戦力です」
ノアは何故かドミニクの圧を受けながら怒られていた。
『ノア』『可愛い』『愛しい人』『会いたい』『僕の姫』『ミシェル』
鳥は覚えさせられたらしき言葉を発する。
「この鳥は遠くに飛んで行きたいようだから僻地で放つようにしよう」
「ダメです!可哀想ですよ!知らない土地で飼われた鳥を放したら死んでしまいます!」
「喋れなくしようか」
「可哀想です!」
「ノア。16歳なんだから気をつけないといけない。いいかい、君は魅力的な美少女なのだから男とはちゃんと距離をとりなさい」
「でも」
「ノアに返事の仕方を教えないといけないのかな?」
「はい」
「いい子だね」
男と距離を取れというドミニクはノアの隣に座ってピッタリと寄り添い、顔を近付けて話をしていた。
ノアは“でもドミニク様も近い”と言いかけたが、ドミニクの微笑みとは反して瞳がとても怖かった。
返事をしたのにまだ怖い。
『ノア』『僕の姫』
「チッ」
怖い~!!
「ドミニク様、お散歩に連れて行ってください」
「庭園かな。何の花が咲いているのか見に行こう」
ドミニクはノアの手を握り歩き始めた。
「ドミニク様、手は」
「小さな手だね」
「奥様が」
「カロリーナがなにか?」
「誤解を招きます」
「ノア。私は次期公爵だから妻を二人娶れる立場なんだ。だから二人妻がいるならともかく、カロリーナだけなら咎めは受けないんだよ」
「ええっ!?」
「可愛いノアと手を繋いでも抱きしめてもノアが嫌と言わない限り許されるんだ。
ノアは私が嫌いかな?」
「そういうわけじゃ」
「なら問題ない。
それより明日ルイが来るみたいだけど、あいつは思ったより手練れだから気を付けるように。
距離だよ距離。忘れないように」
「……はい」
返事は?という威圧を感じて押し出されるように返事をしたのにまだ怖い。
「また他国に出ると聞いたけど南じゃないよね」
「東です」
「もう魅了してこないでくれ」
「魅了だなんて。
ミシェル王はまだ子供で、たまたま現れた魔法使いに興味を示しただけです。
すぐに飽きるか忘れるでしょう。
東には狩に行くのですよ。与えるものは恐怖だけです」
「どのくらいで戻るんだ」
「分かりません。潜入になるから時間がかかります。
その為にドレスも数着オーダーしました。
いつも男装なので違和感しかないです」
「貴族社会に令嬢として潜入するつもりか」
「はい。
留学生になり貴族達に接触します」
「エイダン達が守れないじゃないか!」
「自分で守れますから」
「ノア、行かせたくない」
「私は彼らが大嫌いで憎くて仕方がないのです。中央国が各国の情報を仕入れていたので、数年を覚悟していたのに1年以内で済むと思います。
きっとその頃には赤ちゃんが産まれていて、ドミニク様は落ち着いているはずです。
ドミニク様と奥様の幸せを陰ながら祈っています」
ノアは妻のいる男の元には嫁がないとドミニクに告げたも同じだった。
ドミニクはノアが魔法使いじゃなければ、ノアにその気がなくても公爵家の力で娶れたのにと思っていた。
ドミニクは家格を考慮し、ライダー公爵家の損とならない令嬢を8年位前に娶っただけでそこに愛はなかった。
妻として迎え尊重し後継ぎを残すべく医師の指定する数日は必ず閨を共にした。
何年経っても孕まず、第二夫人の話が出ていた。選定に入っている最中にエイダンがノアを引き合わせた。
演習場での圧倒的な魔法は、開始前に文句を言っていた男達を黙らせた。
少年のフリをした美少女はまだ13歳で小柄だった。
会ったこともない亡き母とその家族の為にノアは国王陛下に南の塔に父と私を泊まらせてくれるよう願い出たという。
母の過去に触れ、父の心に触れ、親子の会話をして、母の匂いに包まれて眠りについた。
ノアは成長すれば大輪な花となり甘い香りを漂わせるであろうと容易に想像できた。
公爵家に連れてきて観察すると女の子だと確定できた。
テーブルマナーも刺繍もダンスも試してみたが中流から上流貴族の令嬢と遜色がない。
妻とは違い、書類を扱うこともできた。
何より女物の服を纏ったノアはガラッと雰囲気を変えた。
すっかりドミニクはノアを娶る気でいた。
娶って体の準備ができたら……。
待つ数年もノアとの初夜のスパイスだと思うとドミニクの気持ちは高まっていた。
それは決定事項だったから、孕まない妻との閨は無意味だった。
だが、ここで止めて揉め事を作るのは面倒だったし、欲の解消に使わせてもらおう、そう割り切った。だから抱き方も雑に、そして時には乱暴に抱いた。
妊娠が判明したのはノアが帰還する7ヶ月前だった。
公爵も安堵し医師も祝いの言葉を口にしたが、ドミニクの心は冷ややかだった。
“私は生まれてくる子を愛せるのだろうか”
もうドミニクの頭の中はノアに毎夜快楽を与える日々と、ノアと私の愛の結晶を大切に真綿に包むように優しく育てる日々への妄想しか無かったのだ。
しかも戦争から久しぶりに戻ったノアからは16歳という開きかけの花びらから既に男を誘う蜜の香りを漂わせていた。
“屋敷に閉じ込めておかなければ……”
強く思うのに強力な炎の魔法使いを連れ去れない。
早速その香りを嗅いでしまったファヴールの新国王はノアに愛を囁いている。
ファヴールの王族は美貌で有名だ。
歳下でも数年でノアを娶れるし婚約自体は今でもできる。
さらに東の貴族学校に潜入すると言う。
あそこの唯一の王子はノアと同じ年頃だ。
ドミニクには嫌な予感しかしない。
少し強い眼差しを送ると上目遣いで“はい”と言ってしまうノアを抱きしめたくて堪らないのに、己の好意に対し拒絶を口にするノアにドミニクの心中は徐々に黒く染まっていた。
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