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中心人物(グラシアン)
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【 グラシアンの視点 】
王子達が学園から戻ったと知らせを受けて謁見の間に案内されると令嬢もいた。美しくはあるがトリシアの足元にも及ばない。1人は第二王子の婚約者として紹介された。
私「そちらのレディは?」
王妃「彼女はスーザンの姉のアリスですわ。今日は不慣れなスーザンの侍女役をお願いしましたの」
ア「アリス・ジオニトロと申します」
私「初めまして、ジオニトロ嬢。2人おられるのでアリス嬢とお呼びします。アリス嬢は婚約済みでしょうか」
私の質問に側近とトリシアが止める。
別に興味はない。気まぐれだ。
ア《お飾りにもなれない婚約者がおります》
令嬢は小国のコルシックの言葉を話せた。
ガルデニアと大して変わらない。発音が違ったりする程度だが、興味のない者には分からないらしい。
ア《コルシック王国の母国語は少しだけ…》
私《そうか。素敵なレディにもう一度挨拶をしたい》
令嬢の前に立つと片方の膝を付いて手を取り、じっと見つめながら手の甲にキスをした。
全く動じない。大抵の女達は頬を染めるのに、まるで興味を示していない。
この後の晩餐会は参加しないと聞いて、令嬢に滞在中の付き添いを頼んだのだが嫌がられた。
結局 晩餐の場には来てくれた。席は私の隣にしてもらった。難色を示した陛下に“通訳代わりなのに離れて座るのはおかしいですよね”と頼んだ。
アリスとスーザンは似ていない。もしかしてと思い聞きに行かせたら異母姉妹で差が1年無いらしい。
《1年の差も無いんだって?正妻の子の君がよく耐えられるね。不思議なことに彼女は君を慕っている》
嫌な質問だ。だがこの場でどう対応するか知りたかったし、他人事では無かったから聞いた。
アリスは笑って答えた。ハッキリと“浮気をして婚外子を作った父親が諸悪の根源で異母妹に罪はない”という意味の言葉を口にした。
《スーザンも実母と離せば、牙を剥く子狐から従順な子犬に変わりましたから、今では可愛い妹です》
一悶着あったということだな。
リ「子狐か」
ス「子狐を見たことがありますか?とっても可愛いんですよ」
とスーザンは呑気に喜んでいる。発音が同じ“スーザン”“子狐”という単語で察したらしい。
そんなスーザンを見てアリスも微笑む。
ミカエルがアリスのような心を持っていてくれたら、私達は協力しあって幸せに生きていけたのに。
早速トリシアはシルヴェストル殿下を誘った。その殿下が見たのはアリスだった。
シルヴェストル殿下はアリスが好きらしい。
私はアリスを誘ったが、嫌がられた。
陛下を使ってみたが、陛下はアリスの顔色を伺ったように見えた。
そしてマチアス殿はまだ婚約者であるトリシアを忘れてアリスと同行する事を望んだ。
晩餐が終わり貴賓室へ戻った。
今日の晩餐会に出席した王族、宰相、バンフィールド公爵夫妻、マチアス殿と彼の姉、そして異母妹スーザンの全員がアリスを見る。
あの席で重要な人物はアリスだ。
謁見の間で彼女を紹介してもらえなければ手ぶらで帰るところだった。
側近に、アリスとアリスの指定したエミリアンと、その弟について詳しく知りたいと伝えに行かせた。
同行者の素性を知る権利が王族にはあるからだ。
側近が連れてきたのは宰相補佐官だった。
「ジェイド・ノッティングと申します」
「宰相のご子息か」
「はい。そしてエリアーナの夫です」
「なるほど。つまり其方もアリス嬢と親しいのだな?」
「はい」
「教えてくれて」
「まず、ジオニトロ侯爵家の長女アリスはリオネル殿下やマチアス公子と同じ歳で、スーザンと共に最上位のクラスに在籍する才女です。現在、侯爵夫妻を領地に送り、侯爵代理としてジオニトロ家を建て直しております」
「困窮しているという意味か」
「その傾向にありましたが、脱しております。
テムスカリン子爵家の次男オルデンと婚約しており、その代わりに支援を受けています。
オルデンは少々問題で、最下位クラスに在籍し、女との噂が絶えず、アリスには冷遇していたので不仲です。
ですが、最近になってオルデンが心変わりをして、勉強を始め アリスに付き纏うようになりました」
「そうか」
「テムスカリン子爵家の長男エミリアンは賢く、子爵家の商売を子爵と手がけております。テムスカリン家は大きな商会を持っていて資産を持っております」
「ノッティング補佐官から見るアリス嬢はどんな子だろう」
「……太陽です」
「太陽?みんなを照らしている存在?」
「人の心を明るくさせて実りをもたらしますが、太陽が本気を出せば火傷を負い枯れるものも出てきます。嫌われれば寒さに凍え 根腐れするものも出るでしょう」
「困窮した家門の令嬢が?」
「一度彼女の陽射しを浴びたら忘れられません。
私の妻エリアーナは気難しく、人を寄せ付けませんが、ある日アリスを見つけて連れて来ました。それ以来、家族で仲良くさせてもらっております。
騎士団長の奥方もアリスに夢中になっている1人です。団長の家族もアリスと仲良くしています」
「アリス嬢は大物の心を掴むのか上手いのだな」
「エリアーナとはドレスの店で偶然会って、エリアーナが無理矢理アリスを捕まえました。
団長夫人の場合は、アリスが自身のメイドを菓子職人見習いとして通わせるため接触です。引っ張り回しているのは我らで、アリスはそれに応じているだけです。
王子殿下達ともアリスが意図して関わっておりません。バンフィールド家もです。
まあ、唯一彼女が自ら関わる事があるとしたらシルヴェストル王子殿下でしょう」
「シルヴェストル殿下か」
両思いなのか?
「グラシアン殿下にもアリスの陽の光が差し込みましたでしょうか」
「どうかな」
「いずれにしてもガルデニアの太陽は国境を跨ぐことはありません。では、失礼します」
翌朝、トリシアと側近の3人で朝食を摂った。
「シルヴェストル殿下はどうだ」
「どうだと言われましても、お父様の命に従うだけです」
「そうか」
「ただ王命でないと無理かもしれません」
トリシアも気付いているのだな。
王子達が学園から戻ったと知らせを受けて謁見の間に案内されると令嬢もいた。美しくはあるがトリシアの足元にも及ばない。1人は第二王子の婚約者として紹介された。
私「そちらのレディは?」
王妃「彼女はスーザンの姉のアリスですわ。今日は不慣れなスーザンの侍女役をお願いしましたの」
ア「アリス・ジオニトロと申します」
私「初めまして、ジオニトロ嬢。2人おられるのでアリス嬢とお呼びします。アリス嬢は婚約済みでしょうか」
私の質問に側近とトリシアが止める。
別に興味はない。気まぐれだ。
ア《お飾りにもなれない婚約者がおります》
令嬢は小国のコルシックの言葉を話せた。
ガルデニアと大して変わらない。発音が違ったりする程度だが、興味のない者には分からないらしい。
ア《コルシック王国の母国語は少しだけ…》
私《そうか。素敵なレディにもう一度挨拶をしたい》
令嬢の前に立つと片方の膝を付いて手を取り、じっと見つめながら手の甲にキスをした。
全く動じない。大抵の女達は頬を染めるのに、まるで興味を示していない。
この後の晩餐会は参加しないと聞いて、令嬢に滞在中の付き添いを頼んだのだが嫌がられた。
結局 晩餐の場には来てくれた。席は私の隣にしてもらった。難色を示した陛下に“通訳代わりなのに離れて座るのはおかしいですよね”と頼んだ。
アリスとスーザンは似ていない。もしかしてと思い聞きに行かせたら異母姉妹で差が1年無いらしい。
《1年の差も無いんだって?正妻の子の君がよく耐えられるね。不思議なことに彼女は君を慕っている》
嫌な質問だ。だがこの場でどう対応するか知りたかったし、他人事では無かったから聞いた。
アリスは笑って答えた。ハッキリと“浮気をして婚外子を作った父親が諸悪の根源で異母妹に罪はない”という意味の言葉を口にした。
《スーザンも実母と離せば、牙を剥く子狐から従順な子犬に変わりましたから、今では可愛い妹です》
一悶着あったということだな。
リ「子狐か」
ス「子狐を見たことがありますか?とっても可愛いんですよ」
とスーザンは呑気に喜んでいる。発音が同じ“スーザン”“子狐”という単語で察したらしい。
そんなスーザンを見てアリスも微笑む。
ミカエルがアリスのような心を持っていてくれたら、私達は協力しあって幸せに生きていけたのに。
早速トリシアはシルヴェストル殿下を誘った。その殿下が見たのはアリスだった。
シルヴェストル殿下はアリスが好きらしい。
私はアリスを誘ったが、嫌がられた。
陛下を使ってみたが、陛下はアリスの顔色を伺ったように見えた。
そしてマチアス殿はまだ婚約者であるトリシアを忘れてアリスと同行する事を望んだ。
晩餐が終わり貴賓室へ戻った。
今日の晩餐会に出席した王族、宰相、バンフィールド公爵夫妻、マチアス殿と彼の姉、そして異母妹スーザンの全員がアリスを見る。
あの席で重要な人物はアリスだ。
謁見の間で彼女を紹介してもらえなければ手ぶらで帰るところだった。
側近に、アリスとアリスの指定したエミリアンと、その弟について詳しく知りたいと伝えに行かせた。
同行者の素性を知る権利が王族にはあるからだ。
側近が連れてきたのは宰相補佐官だった。
「ジェイド・ノッティングと申します」
「宰相のご子息か」
「はい。そしてエリアーナの夫です」
「なるほど。つまり其方もアリス嬢と親しいのだな?」
「はい」
「教えてくれて」
「まず、ジオニトロ侯爵家の長女アリスはリオネル殿下やマチアス公子と同じ歳で、スーザンと共に最上位のクラスに在籍する才女です。現在、侯爵夫妻を領地に送り、侯爵代理としてジオニトロ家を建て直しております」
「困窮しているという意味か」
「その傾向にありましたが、脱しております。
テムスカリン子爵家の次男オルデンと婚約しており、その代わりに支援を受けています。
オルデンは少々問題で、最下位クラスに在籍し、女との噂が絶えず、アリスには冷遇していたので不仲です。
ですが、最近になってオルデンが心変わりをして、勉強を始め アリスに付き纏うようになりました」
「そうか」
「テムスカリン子爵家の長男エミリアンは賢く、子爵家の商売を子爵と手がけております。テムスカリン家は大きな商会を持っていて資産を持っております」
「ノッティング補佐官から見るアリス嬢はどんな子だろう」
「……太陽です」
「太陽?みんなを照らしている存在?」
「人の心を明るくさせて実りをもたらしますが、太陽が本気を出せば火傷を負い枯れるものも出てきます。嫌われれば寒さに凍え 根腐れするものも出るでしょう」
「困窮した家門の令嬢が?」
「一度彼女の陽射しを浴びたら忘れられません。
私の妻エリアーナは気難しく、人を寄せ付けませんが、ある日アリスを見つけて連れて来ました。それ以来、家族で仲良くさせてもらっております。
騎士団長の奥方もアリスに夢中になっている1人です。団長の家族もアリスと仲良くしています」
「アリス嬢は大物の心を掴むのか上手いのだな」
「エリアーナとはドレスの店で偶然会って、エリアーナが無理矢理アリスを捕まえました。
団長夫人の場合は、アリスが自身のメイドを菓子職人見習いとして通わせるため接触です。引っ張り回しているのは我らで、アリスはそれに応じているだけです。
王子殿下達ともアリスが意図して関わっておりません。バンフィールド家もです。
まあ、唯一彼女が自ら関わる事があるとしたらシルヴェストル王子殿下でしょう」
「シルヴェストル殿下か」
両思いなのか?
「グラシアン殿下にもアリスの陽の光が差し込みましたでしょうか」
「どうかな」
「いずれにしてもガルデニアの太陽は国境を跨ぐことはありません。では、失礼します」
翌朝、トリシアと側近の3人で朝食を摂った。
「シルヴェストル殿下はどうだ」
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