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愛人カリマとの生活
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離れで愛人カリマの愚痴を聞くこと4日。
もう様付けは止めた。
「カリマ。座って」
「は~い」
カリマを居間へ呼び出し、報告書を渡した。
「ヘクターとパメラは離縁したそうよ」
「え!?」
カリマは報告書に釘付けになった。
どうやらパメラが他の男にちょっかいをかけて、揉めること3回目は 公爵家の跡継ぎだった。相手にも正妻がいてダブル不倫となった。
流石にヘクターの父は、息子ヘクターとの離縁を告げ追い出した。
「今 ヘクターは独身よ。寄りを戻したい?」
「嫌」
次のページはパメラの報告書だった。
正妻も公爵家出身。逆鱗に触れてパメラの実家は困窮し、パメラは下位貴族の引退した初老の後妻になっていると書いてあった。
「これ、アルバート・ロイヒデンって、極端な男尊女卑の思想の持ち主で有名なの……ふふふっ」
「ねえ、カリマ。イザーク将軍と私は戦争による政略結婚でどうしようもないの。
それでも諦めないのなら頑張るといいわ。
だけど進展しなければ その内 契約終了するでしょう?貴女も知っての通り、それからでは更に条件が悪くなるわ。
ヘクターに後悔させて パメラの悔しそうな顔を見たいなら、本当の幸せを見つけることよ」
「……」
「まあ、自分磨きをしながら考えましょう」
私とカリマは質素な半袖ブラウスにスカート、カーディガンを着て、更にエプロンを身に付けた。
迎えに来た兵士と女性について行き、西のエリアに到着した。ここは兵士達の鍛錬などをする広場や宿舎がある。その中の病棟に案内してもらった。
ノックをして中に入ると医師が待っていた。
「クリステル妃殿下にご挨拶を申し上げます」
「お久しぶりですジェームズ先生。一先ず1週間ですがよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ジェームズ先生は兵士達や使用人を診る医者で、プリュムとグリフの国境手前の襲撃後、連れ帰った負傷兵を引き渡したときに会っていた。
「彼女はカリマです。私と一緒に怪我人の消毒や包帯の交換などをお手伝いします。彼女は未経験ですが私が教えますので、軽傷者から始めたいのですが」
「では水を汲んで薬品室へ行きましょう」
外の井戸で水を汲み、水差しを持って1階の薬品室に先に寄った。
「いい、カリマ。傷を処置している途中に包帯や薬を取りに行くのは極力避けたいの。今日と明日はジェームズ先生の助手のコリーナ様が準備をしてくださるわ。貴女は場所と何をワゴンに乗せたか覚えるの。そして、使う様子を見ながら必要な物を把握するのよ。分かった?」
「はい」
必要なものをワゴンに乗せ、処置室へ向かった。
部屋のみんなに挨拶をして入室し、衝立の奥へ行くと待っていた怪我人を呼んだ。
「一番の方」
衝立の向こうから現れた兵士は名前と所属を告げて椅子に座った。
「ガーゼを外しますね」
治りかけだが 酷い擦り傷だったことがうかがえる。
傷がくっつくので少し痛そうだ。
私はカルテを確認した。
「名前と所属と治療歴が書いてあるわ。
彼は暴れる馬の手綱を掴んでいて引き摺られたのね。人体図の書き込みで把握できるでしょう?」
「はい」
「出血具合、瘡蓋の有無、膿んだり腫れたりしていないか経過を確認して書き込むの。彼の傷は順調そうね。消毒の仕方、包帯の巻き方もよく見て。締めすぎて血流を止めてもダメだし、緩いと解けてしまうわ」
カリマは食い入るように見つめ、一生懸命に覚えようとしていた。汚れたガーゼなどもサッと片付けている。ここまで一生懸命ならばと、ノートとペンを渡した。
「呼ばれる前に患者さんの名を書いて、メモしていきましょう。目視もそうですが、コリーナ様の発言も書き留めましょう。全部ではありませんよ。
必要な事だけで良いのです。記号や数字で省略するのも有りですよ。書き留めることだけに集中してはいけませんから。
慣れたら一人ずつ処置を終えてからサッと書き留めることができるようになると良いですね」
「はい。あの、記号や数字って…」
「治癒経過を記号と数値にすれば一目瞭然。例えば“T0”と書けば、もうここへ通わず本人か家族の手でいいレベル。完治を意味させるなら“T/F”とか。“T/5”と書けば傷が深いとか腫れが酷いなどの意味を持たせます。数字のランクなどは自分で決めればいいでしょう。どう決めたかは一番最初のページに書けば忘れても安心です。
ただし、カルテに書く場合は他の方も見るので省略はできません。分かりましたか?」
「はい!」
昼休憩には自分で決めた省略方法を 開けておいた最初のページに書いていた。
カリマが楽しそうで良かった。
3日後からは実践に加わり、すぐに戦力になってきた。
夜には私の身体を使って包帯巻きの練習をしただけのことはある。
3ヶ月経つと入院患者の処置も担当することになった。薬塗りや消毒 ガーゼや包帯の交換程度だが傷も酷くなるし、これには向き不向きがある。だが、カリマは強かった。
そんなある日、病室の前に差し掛かると会話が聞こえてきた。
「綺麗だし良い人なのは分かったけど、一度騒ぎになっているし、将軍の後だろう?」
「さすがに躊躇するよな」
カリマはギュッと手を握りしめていた。
はぁ。
カリマの肩を軽く叩いて入室した。
「この部屋の男性は中々の自惚れ屋の集まりのようですね」
「なっ!」
「私のカリマを悪しく言うのは何故かしら。
婚約破棄だって、相手の男が浮気をして入れ上げたからなのに、被害者のカリマが悪く見られるのは納得できないわ。婚約は契約。契約を守らす一方的に破棄する男を立てて 守ってきた女を蔑む男達って何なのかしら。目と思考が腐ってるの?」
「そ、それは男と女では違います!」
「その通り違うわよ。浮気されて契約を破棄されて辛い目に遭った弱い女性を、そうやって虐めるのが男尊思考の貴方達が胸を張って出来ることですものね」
「っ!!」
「兵士や騎士様が弱い者虐めねぇ」
「そんなつもりは」
「では、私も“そんなつもりは”と言いながら、ジャン・ソニックさんの事を話して回ろうかしら。ね?ドミニクさんも賛成よね?」
「いや、俺たちは…」
「それに“将軍の後”?
この部屋で童貞だという人は?手を挙げて」
手を挙げたのは8人中 1人だった。
「7人も誰かの後じゃない」
「お、男と女ではっ!」
「違うというのに1人もしくは複数の女性と関係を持ったのでしょう?つまり貴方達が“誰かの後”を作り出しているんじゃない。何で自分達が嫌がった女性を作り上げる事は許されるの?
そもそも女性達だって“誰かの後”の男は嫌だって思っているかもよ?特に若ければ確率は上がると思うわ」
「妃殿下だって、将軍は何人もの女に手を付けているのに嫁いだではありませんか」
「私はプリュム王国第二王女クリステルよ。グリフ王国アーサー国王陛下が望んだ婚姻なの。相手が童貞かどうかなんてことに拘れると思っているの?
はぁ…困ったわ。これでは時間の無駄ね。
カリマ。この部屋は私だけでやるわ。コリーナ様を手伝ってきて」
「いいえ。私は与えられた役目を全うします」
「そう。さすが 私のカリマね」
「クリステル様が認めてくだされば何も入りません」
「じゃあ、早く終わらせて次の病室へ行きましょう」
「はい」
翌日、
「カリマ様、申し訳ございません!」
昨日の男達が皆謝罪をした。
「私達は調子に乗っていたのです。
騎士の仕事をしていると女性から声をかけられる事は少なくありません。こうして怪我をして剣を握れなくなれば ただの人なのに、悪口を聞いても一生懸命に処置をしてくれるカリマ様になんて事を言ったのだろうと反省しました」
「申し訳ございません!」
詳しく聞くと、見舞いの家族や恋人に白い目で見られてようやく己を顧みたらしい。
「昨日のことは忘れましょう。さあ、順番に処置しましょう」
カリマは笑顔で怪我の処置をした。
もう様付けは止めた。
「カリマ。座って」
「は~い」
カリマを居間へ呼び出し、報告書を渡した。
「ヘクターとパメラは離縁したそうよ」
「え!?」
カリマは報告書に釘付けになった。
どうやらパメラが他の男にちょっかいをかけて、揉めること3回目は 公爵家の跡継ぎだった。相手にも正妻がいてダブル不倫となった。
流石にヘクターの父は、息子ヘクターとの離縁を告げ追い出した。
「今 ヘクターは独身よ。寄りを戻したい?」
「嫌」
次のページはパメラの報告書だった。
正妻も公爵家出身。逆鱗に触れてパメラの実家は困窮し、パメラは下位貴族の引退した初老の後妻になっていると書いてあった。
「これ、アルバート・ロイヒデンって、極端な男尊女卑の思想の持ち主で有名なの……ふふふっ」
「ねえ、カリマ。イザーク将軍と私は戦争による政略結婚でどうしようもないの。
それでも諦めないのなら頑張るといいわ。
だけど進展しなければ その内 契約終了するでしょう?貴女も知っての通り、それからでは更に条件が悪くなるわ。
ヘクターに後悔させて パメラの悔しそうな顔を見たいなら、本当の幸せを見つけることよ」
「……」
「まあ、自分磨きをしながら考えましょう」
私とカリマは質素な半袖ブラウスにスカート、カーディガンを着て、更にエプロンを身に付けた。
迎えに来た兵士と女性について行き、西のエリアに到着した。ここは兵士達の鍛錬などをする広場や宿舎がある。その中の病棟に案内してもらった。
ノックをして中に入ると医師が待っていた。
「クリステル妃殿下にご挨拶を申し上げます」
「お久しぶりですジェームズ先生。一先ず1週間ですがよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ジェームズ先生は兵士達や使用人を診る医者で、プリュムとグリフの国境手前の襲撃後、連れ帰った負傷兵を引き渡したときに会っていた。
「彼女はカリマです。私と一緒に怪我人の消毒や包帯の交換などをお手伝いします。彼女は未経験ですが私が教えますので、軽傷者から始めたいのですが」
「では水を汲んで薬品室へ行きましょう」
外の井戸で水を汲み、水差しを持って1階の薬品室に先に寄った。
「いい、カリマ。傷を処置している途中に包帯や薬を取りに行くのは極力避けたいの。今日と明日はジェームズ先生の助手のコリーナ様が準備をしてくださるわ。貴女は場所と何をワゴンに乗せたか覚えるの。そして、使う様子を見ながら必要な物を把握するのよ。分かった?」
「はい」
必要なものをワゴンに乗せ、処置室へ向かった。
部屋のみんなに挨拶をして入室し、衝立の奥へ行くと待っていた怪我人を呼んだ。
「一番の方」
衝立の向こうから現れた兵士は名前と所属を告げて椅子に座った。
「ガーゼを外しますね」
治りかけだが 酷い擦り傷だったことがうかがえる。
傷がくっつくので少し痛そうだ。
私はカルテを確認した。
「名前と所属と治療歴が書いてあるわ。
彼は暴れる馬の手綱を掴んでいて引き摺られたのね。人体図の書き込みで把握できるでしょう?」
「はい」
「出血具合、瘡蓋の有無、膿んだり腫れたりしていないか経過を確認して書き込むの。彼の傷は順調そうね。消毒の仕方、包帯の巻き方もよく見て。締めすぎて血流を止めてもダメだし、緩いと解けてしまうわ」
カリマは食い入るように見つめ、一生懸命に覚えようとしていた。汚れたガーゼなどもサッと片付けている。ここまで一生懸命ならばと、ノートとペンを渡した。
「呼ばれる前に患者さんの名を書いて、メモしていきましょう。目視もそうですが、コリーナ様の発言も書き留めましょう。全部ではありませんよ。
必要な事だけで良いのです。記号や数字で省略するのも有りですよ。書き留めることだけに集中してはいけませんから。
慣れたら一人ずつ処置を終えてからサッと書き留めることができるようになると良いですね」
「はい。あの、記号や数字って…」
「治癒経過を記号と数値にすれば一目瞭然。例えば“T0”と書けば、もうここへ通わず本人か家族の手でいいレベル。完治を意味させるなら“T/F”とか。“T/5”と書けば傷が深いとか腫れが酷いなどの意味を持たせます。数字のランクなどは自分で決めればいいでしょう。どう決めたかは一番最初のページに書けば忘れても安心です。
ただし、カルテに書く場合は他の方も見るので省略はできません。分かりましたか?」
「はい!」
昼休憩には自分で決めた省略方法を 開けておいた最初のページに書いていた。
カリマが楽しそうで良かった。
3日後からは実践に加わり、すぐに戦力になってきた。
夜には私の身体を使って包帯巻きの練習をしただけのことはある。
3ヶ月経つと入院患者の処置も担当することになった。薬塗りや消毒 ガーゼや包帯の交換程度だが傷も酷くなるし、これには向き不向きがある。だが、カリマは強かった。
そんなある日、病室の前に差し掛かると会話が聞こえてきた。
「綺麗だし良い人なのは分かったけど、一度騒ぎになっているし、将軍の後だろう?」
「さすがに躊躇するよな」
カリマはギュッと手を握りしめていた。
はぁ。
カリマの肩を軽く叩いて入室した。
「この部屋の男性は中々の自惚れ屋の集まりのようですね」
「なっ!」
「私のカリマを悪しく言うのは何故かしら。
婚約破棄だって、相手の男が浮気をして入れ上げたからなのに、被害者のカリマが悪く見られるのは納得できないわ。婚約は契約。契約を守らす一方的に破棄する男を立てて 守ってきた女を蔑む男達って何なのかしら。目と思考が腐ってるの?」
「そ、それは男と女では違います!」
「その通り違うわよ。浮気されて契約を破棄されて辛い目に遭った弱い女性を、そうやって虐めるのが男尊思考の貴方達が胸を張って出来ることですものね」
「っ!!」
「兵士や騎士様が弱い者虐めねぇ」
「そんなつもりは」
「では、私も“そんなつもりは”と言いながら、ジャン・ソニックさんの事を話して回ろうかしら。ね?ドミニクさんも賛成よね?」
「いや、俺たちは…」
「それに“将軍の後”?
この部屋で童貞だという人は?手を挙げて」
手を挙げたのは8人中 1人だった。
「7人も誰かの後じゃない」
「お、男と女ではっ!」
「違うというのに1人もしくは複数の女性と関係を持ったのでしょう?つまり貴方達が“誰かの後”を作り出しているんじゃない。何で自分達が嫌がった女性を作り上げる事は許されるの?
そもそも女性達だって“誰かの後”の男は嫌だって思っているかもよ?特に若ければ確率は上がると思うわ」
「妃殿下だって、将軍は何人もの女に手を付けているのに嫁いだではありませんか」
「私はプリュム王国第二王女クリステルよ。グリフ王国アーサー国王陛下が望んだ婚姻なの。相手が童貞かどうかなんてことに拘れると思っているの?
はぁ…困ったわ。これでは時間の無駄ね。
カリマ。この部屋は私だけでやるわ。コリーナ様を手伝ってきて」
「いいえ。私は与えられた役目を全うします」
「そう。さすが 私のカリマね」
「クリステル様が認めてくだされば何も入りません」
「じゃあ、早く終わらせて次の病室へ行きましょう」
「はい」
翌日、
「カリマ様、申し訳ございません!」
昨日の男達が皆謝罪をした。
「私達は調子に乗っていたのです。
騎士の仕事をしていると女性から声をかけられる事は少なくありません。こうして怪我をして剣を握れなくなれば ただの人なのに、悪口を聞いても一生懸命に処置をしてくれるカリマ様になんて事を言ったのだろうと反省しました」
「申し訳ございません!」
詳しく聞くと、見舞いの家族や恋人に白い目で見られてようやく己を顧みたらしい。
「昨日のことは忘れましょう。さあ、順番に処置しましょう」
カリマは笑顔で怪我の処置をした。
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