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クズの親の溜息
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今度は俺から国王陛下に報告と自分の気持ちを正直に伝えることにした。
「三年生になってから、アルメット殿下が休憩室に連れ込んで体の関係を持ったのは四人です。五人目は拒否されました。交わりも愛など無く、欲の発散をしているだけです。早くて1分経ったかどうか、長くても15分以内です。相手のことは気にしていません。ただすんなりヤらせてもらうために“可愛い”だの“君だけだ”などと言うだけです。殿下のために貴族令嬢や令息達が待っている状態なのに、婚約者候補達とは向き合わず女遊びです。せめて学園の外ならここまで嫌悪しませんでした。
婚約者候補達も殿下が他の女生徒を連れ込んで交わっていることを知っています。そして自分達が未来の夫から蔑まされたりしていることを知っています。
我々は側近候補なので学園内で付き添いお世話をするだけですが、こんなことをするために三年も時間を割くと知っていたら受けていませんでした。
殿下が謹慎中に 婚約者候補達と学生食堂で昼食をとったり図書館の自習室で勉強をしたりしていますが、学園生活とはこんなに楽しくて有意義なものだったのだと初めて知りました。
陛下。私の心の中は 大事な時間を返して欲しいという気持ちでいっぱいですので、殿下の側近職は辞退する予定です。
忙しくても困難でも、それが国のため国民のためになることなら喜んでサポートさせていただいたと思います。ですが今はもう尊敬の念が微塵も無いのです。
例え父が引き受けろと命じたとしても、“殿下を止められなかった側近として処刑されたらスタンサー家は無傷ではいられません” と伝えて拒否するつもりです。
このまま殿下を王太子に任命なさっても殿下が国王となることは無いと思います。陛下は将来必ずその判断を悔やみ取り消されると思います」
数分、陛下は蝋燭の灯りを見つめた後、姿勢を整えた。
「理不尽な苦労を強いてしまった。二度と戻ることのない学園生活を台無しにしてしまった。こんなはずではなかったことだけは分かって欲しい。
ボルスト君、スタンサー君。今を持って側近候補の話を取り消す。今までありがとう。
その他のことについては後日発表する。ボルスト公爵には会って説明をしよう。スタンサー侯爵は領地にいるから手紙を出そう。
アルメットが登校を再開しても君達は関わらなくていい。クラスメイトでもないし放っておいて構わない。半年を切ったが、学園生活を少しでも楽しんでくれ。今日はわざわざありがとう」
正直に言い過ぎて怒られるかと思ったが、陛下は吹っ切れたような笑顔を見せて俺達を解放した。
馬車乗り場でジェイクに聞いた。
「ジェイク、公爵様に報告するんだよな?」
「するよ」
「俺も今日中に手紙を書き上げて 領地にいる父に宛に明日送ることにするよ」
「それより聞きたいことがあるんだが」
「どうした、聞き辛そうな顔をして」
「アルフレッドはエレノアのことが好きなんだろう」
「え?」
「多分ビクトリアもデボラも気付いているはずだ」
「……」
「あんなに熱い眼差しで見つめたらバレるに決まっているだろう。どうするんだ?あの感じだと婚約者候補も白紙に戻るぞ」
「だとしても、次男の俺がシュノー公爵家の令嬢を娶れるわけがないだろう。どこかの跡継ぎの元へ嫁ぐはずだ」
「聞いてみなくちゃ分からないだろう」
「言うつもりはない。その方が学友として卒業後もみんなで仲良く出来るだろう?」
「後悔するぞ」
「エレノアが幸せになるならしないさ」
「フレデリック」
「もしも両思いになって、シュノー公爵から反対されたら、エレノアが傷付くことになる。だから友人のままでいいんだ」
「そうか。分かった。じゃあまた明日」
「また明日」
馬車に乗り、自分の態度を思い出していた。学園では三人とも同じように接したつもりだったのに。
エレノアにも俺の好意を気付かれた?
「はぁ…」
「三年生になってから、アルメット殿下が休憩室に連れ込んで体の関係を持ったのは四人です。五人目は拒否されました。交わりも愛など無く、欲の発散をしているだけです。早くて1分経ったかどうか、長くても15分以内です。相手のことは気にしていません。ただすんなりヤらせてもらうために“可愛い”だの“君だけだ”などと言うだけです。殿下のために貴族令嬢や令息達が待っている状態なのに、婚約者候補達とは向き合わず女遊びです。せめて学園の外ならここまで嫌悪しませんでした。
婚約者候補達も殿下が他の女生徒を連れ込んで交わっていることを知っています。そして自分達が未来の夫から蔑まされたりしていることを知っています。
我々は側近候補なので学園内で付き添いお世話をするだけですが、こんなことをするために三年も時間を割くと知っていたら受けていませんでした。
殿下が謹慎中に 婚約者候補達と学生食堂で昼食をとったり図書館の自習室で勉強をしたりしていますが、学園生活とはこんなに楽しくて有意義なものだったのだと初めて知りました。
陛下。私の心の中は 大事な時間を返して欲しいという気持ちでいっぱいですので、殿下の側近職は辞退する予定です。
忙しくても困難でも、それが国のため国民のためになることなら喜んでサポートさせていただいたと思います。ですが今はもう尊敬の念が微塵も無いのです。
例え父が引き受けろと命じたとしても、“殿下を止められなかった側近として処刑されたらスタンサー家は無傷ではいられません” と伝えて拒否するつもりです。
このまま殿下を王太子に任命なさっても殿下が国王となることは無いと思います。陛下は将来必ずその判断を悔やみ取り消されると思います」
数分、陛下は蝋燭の灯りを見つめた後、姿勢を整えた。
「理不尽な苦労を強いてしまった。二度と戻ることのない学園生活を台無しにしてしまった。こんなはずではなかったことだけは分かって欲しい。
ボルスト君、スタンサー君。今を持って側近候補の話を取り消す。今までありがとう。
その他のことについては後日発表する。ボルスト公爵には会って説明をしよう。スタンサー侯爵は領地にいるから手紙を出そう。
アルメットが登校を再開しても君達は関わらなくていい。クラスメイトでもないし放っておいて構わない。半年を切ったが、学園生活を少しでも楽しんでくれ。今日はわざわざありがとう」
正直に言い過ぎて怒られるかと思ったが、陛下は吹っ切れたような笑顔を見せて俺達を解放した。
馬車乗り場でジェイクに聞いた。
「ジェイク、公爵様に報告するんだよな?」
「するよ」
「俺も今日中に手紙を書き上げて 領地にいる父に宛に明日送ることにするよ」
「それより聞きたいことがあるんだが」
「どうした、聞き辛そうな顔をして」
「アルフレッドはエレノアのことが好きなんだろう」
「え?」
「多分ビクトリアもデボラも気付いているはずだ」
「……」
「あんなに熱い眼差しで見つめたらバレるに決まっているだろう。どうするんだ?あの感じだと婚約者候補も白紙に戻るぞ」
「だとしても、次男の俺がシュノー公爵家の令嬢を娶れるわけがないだろう。どこかの跡継ぎの元へ嫁ぐはずだ」
「聞いてみなくちゃ分からないだろう」
「言うつもりはない。その方が学友として卒業後もみんなで仲良く出来るだろう?」
「後悔するぞ」
「エレノアが幸せになるならしないさ」
「フレデリック」
「もしも両思いになって、シュノー公爵から反対されたら、エレノアが傷付くことになる。だから友人のままでいいんだ」
「そうか。分かった。じゃあまた明日」
「また明日」
馬車に乗り、自分の態度を思い出していた。学園では三人とも同じように接したつもりだったのに。
エレノアにも俺の好意を気付かれた?
「はぁ…」
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