【完結】仮面の令嬢と秘密の逢瀬

ユユ

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クズの転落

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三日後、俺とジェイクとエレノアとビクトリアとデボラの五人で図書館の二階の自習室へ集まった。

まず先に俺とジェイクが陛下に呼ばれたときのことを話した。

デ「だからなのね。父が陛下に呼ばれて、婚約の話を白紙にしたいと言われたの」

ビ「うちも同じよ」

エ「うちもよ」

俺「つまり今は婚約者候補でもない他人ということか」

ビ「そう。父は帰って来て文句を言っていたけど、黙っていたことを全部話したら、今度は王子カレに対して怒っちゃって。解消出来て清々したって言っていたわ」

デ「うちは母が怒っていたけど、黙っていたことを話したら王子カレに二度と近寄らなくていいって。伯爵家がバカにされたと思ったみたい」

エ「うちは……嫁ぎ先の選定を始めたわ。まだどうなるか分からないのに。
留年後に三年生をやり直して卒業したら指名されるかもしれないし、婚約者候補も選び直すだけかも。
だとしたら凍結が長引くだけで、直ぐに探し出しても無駄だわ。それに…父に決められた相手に嫁ぎたくない」

ジェ「先ずは発表を待つしかない。その後の縁談については…話し合って理解してもらうしかないな。私達はどんなに愛した相手がいようとも当主が許さねば一緒にはなれない。小説や劇では駆け落ちなんて題材が扱われるが、それが可能なのは平民同士だ。貴族では難しい。探し出されて監禁されて処罰を受けるだろう。見つからなくても貴族として何不自由無くメイドに世話されてきた身ならば、駆け落ち後の生活は心身に負担をかけ 余裕が無くなりすれ違い 愛が壊れてしまう可能が高い。実際に親の代で駆け落ちして有名なった伯爵令息と男爵令嬢は数ヶ月で別れて実家へ戻っただろう?
つまり親を説得するか親の決めた相手を受け入れるしかない」

ジェイクの言葉に 俺の気持ちは決まった。


進展したのはアルメット王子の留年が確定した日の翌日だった。

アルメット第一王子の留年、及び王位継承権順位の入れ替えと継承停止処分が発表された。これにより継承順位はパトリック第二王子が一位、王弟殿下、王弟殿下の息子達、その後にアルメット王子という順となった。だが いざ順番が来ても国王の許しなしに継承させることは無い。最悪は子胤だけ使うという意味らしい。もちろんパトリック王子に子ができればアルメット王子の順位は下がる。

もう一つ、婚約者候補と側近候補の取り消し。これについては各家門へ何かしらの詫びをすると発表された。



【 アルメット第一王子の視点 】

ガシャーン!

「何なんだよ 一体!!」

何度書き直しても合格がもらえない!
王国専属侍従グレッソンは付き添いだけで教えてくれない!
父上のパフォーマンスかと思ったがもう三ヶ月以上謹慎が続いている。

誰に何を命じても“国王陛下のご意向に反することは致しかねます”と言うだけ。
学園では貴族の女を、王宮ではメイドを使が女のメイドは寄越してもらえなくなった。グレッソンに見つかってしまったからだ。
好きなときにヤっていたのに急に禁欲だなんて…。


そして話があると父上に呼び出されると母上もいて泣いていた。

「母上っ!どうなさったのですか!」

「アルメット、跪け」

「父上?」

「跪け。やらぬなら脚を折ってでも跪かせるぞ」

警備兵が鉄の棒を握った。

「っ!」

急いで跪いた。
何なんだ!?どうなっているんだ!まるで大罪人扱いじゃないか!

「今日は何の日だか分かるか?」

「はい?」

「分からぬか」

「……分かりません」

「おまえの留年が確定した日だ」

「留年!?」

「規定の日数を登校出来なければいかなる理由があれども退学か留年となる。おまえは王子だから留年で済んだ。来年は頑張れと言いたいところだが、始末書が仕上がらないと永遠に通えない。つまり来期の三年生が始まるまでに終わらないと退学だ」

「そんな!私は王子なのに中退だなんて!」

「おまえは学園の休憩室で何をしていた?女生徒を連れ込んで何をしていた?」

「っ!」

「あの部屋は封鎖させたから立ち入ることはできない。
それと側近候補のボルスト君とスタンサー君はお役を解いたぞ」

「え?」

「彼らはおまえの性欲処理を手伝うための使用人じゃない」

「誤解です!」

「ボルスト公爵家のご子息を預かっておきながら避妊薬を渡す係にしたのが誤解?」

「そ、それはっ」

「もう自由にしてやった。両家に詫びも入れた。おまえには二度と側近は付けない。
他にもあるぞ。おまえは王位継承権を末尾に移し、私の許可無しにはどんなことが起きようともその権利は停止する」

「は!?」

「だから三人の婚約者候補達は白紙にした。これ以上 貴族の子達を犠牲にできない。
準備は終わっているから直ぐに発表する」

「あの三人が納得するはずはありません!」

「自惚れるな。令嬢達はなりたくて婚約者候補になったわけではない。当主が決めただけだ。
屋敷を訪ねさせて白紙について聞き取りを行ったが、令嬢達は許されるのなら卒業の翌日に辞退をする予定だったそうだ」

「まさか」

「令嬢の尊厳を傷付け、婚約者候補に誠意の一欠片も見せず、始末書ひとつ仕上げることが出来ない男の元へ嫁ぎたい女はいない。
次期国王だからと無条件についてくると思ったか?馬鹿な王子が国王になったら妻の王妃が苦労するに決まってるし、クーデターが起きたら王妃も王妃が命懸けで産んだ子供達も首を刎ねられるんだぞ?」

「……」

「だが、おまえの妻はもう決定している」

「はい? 誰ですか!」

「オルネス家の長女だ」

「キャサリンですか!?男爵令嬢ですよ!?」

「だがな、腹におまえの子が居るから仕方ない」

「子!?……避妊薬を飲ませています!」

「だから馬鹿だと言うんだ。飲ませて直ぐに部屋から追い出せば、そのままトイレに直行して吐き戻せばいい。用は済んだと休憩室から追い出すからこういうことになるんだ。
男爵令嬢を妻にのだから国王にはなれん」

って…」

「宮廷医の診察で妊娠は確実だし、休憩室で何度も交わったであろう。彼女の身辺には他に男はいなかった。二人とも成人しているから婚姻させた」

「何で…あいつは一言も…」

「おまえの謹慎前には悪阻も始まっていたようだ。
そもそも会話らしい会話をする時間を作っていないだろう。側近候補のいる部屋で妊娠の話は出来ないからな」

「っ!」

「妊娠と婚姻の発表は別途後日行う。退がれ」

「父上、もう一度チャンスをください!」

「チャンスは三ヶ月以上やったぞ。元側近候補達と元婚約者候補達には二度と近付くな。分かったな」

そう言って父上は退室した。

翌日、本当に発表された。
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