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リュカの決意
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【 リュカの視点 】
キラード邸に行くと数人が怪我をしていた。
『アシェル様』
『エリカ…血が出ている者もいるから中に入っていろ』
次男はそう言うと、エリカは無視をして指示を出し始めた。
『はい、こっち見てください。上向いて、私の指を目で追って。手を伸ばして…あ脱臼ですね。
怪我人はここにいる方々で全員ですか?』
『そうだ』
『ではまとめて質問しますね。
視界がおかしい人!いませんね。頭が痛い人!2人。体のどこかが痺れる人!いませんね。手が痛い人!2人。脚が痛い人!1人。腰か背中か首が痛い人!4人。血が大量に出てる人!…分かりました』
次々と様々な質問を続けた後は
『では使用人のみなさん、全員の体を確認してください。色がすごく変わってる、裂傷がある、骨がおかしい、何かが刺さっているなど服を脱がせるなり捲るなりして確認してください』
『さすがにレディーの前では』
『そこのあなた、私が見ていたら恥ずかしいということですか?』
『いや、君が嫌かと…』
『人類は2種類、それだけです。いいからさっさと脱ぐ!』
エリカ…次男の隣にいる今言葉を交わした相
手は次期キラード侯爵だぞ!?
使用人の報告を聞いた結果、エリカは順番を決めた。
『他の方には毛布をあげてください』
そう言って手当を始めた。
『…開放骨折ですが折れ方が綺麗ですし太い血管も無事です。可能性はあるでしょう。痛みを麻痺させる薬を飲んでください』
飲ませている間にカバンから瓶を取り出して小さな桶に中身を注いでナイフやいろいろな物を入れ、自身の手も突っ込んだ。
『ローズ、トレイに布と包帯と添木を』
『はい』
怪我人が痛みを感じなくなると、兵士達に彼の体を押さえつけるよう命じた。そして布を口の中に入れさせた。
傷口に瓶の液体をかけてから引っ張った。
男は痛みに体を動かした。
『耐えなさい!!骨がズレる!!』
じっと傷の中を見て中を確認し傷口を縫い薬を塗った。化膿止めだろう。包帯を巻き添木をして、またその上から全体的に包帯を巻いた。
『絶対にこの脚を動かさないでください。寝返りも駄目です。後でベッドに縛りつけますね。
他の人の大きな怪我の手当てを終えたら軽度の怪我の治療の続きをしますね』
もう1人治療した後で、次男の元へ行った。
『左肩の脱臼ですね。入れますよ』
『うぐっ!!』
『はい、おしまいです。後で固定するので待っていてくださいね』
次に長男の額の傷を瓶の液体で洗い、傷を縫って薬を塗って包帯を巻いた。
『傷跡が残るな』
『大丈夫。美男子のままですよ』
『ふっ なら良かった』
そして次男に戻り脱臼した肩と腕を固定し、また全員の軽度な傷を手当てし始めた。
『で、何があったのですか?』
『馬が暴走して道をそれて馬車が木に衝突してしまった』
『ついていませんでしたね。
さあ、みなさん。今日は体を拭いてもらうだけにしましょうね。特に骨折の御者さん、背中を縫った騎士さん、額を縫った…美男子さん。脱臼のアシェル様は当分駄目ですよ』
『エリカといったか。
俺はキラード侯爵家の長男ガブリエルだ。
見事な手当てをしてくれて感謝する』
『ご近所さんのよしみですよ。助け合いです。先に私がアシェル様に助けていただきましたから。
しばらくは飲み物はハーブティーですよ。炎症に効果のあるといわれるハーブティーにしましょうね。
お酒は絶対駄目ですよ』
『エリカ、お腹すいた』
『アシェル様…そちらのお屋敷にも料理人がいますよね』
『エリカ』
『もう疲れました。私は妊婦ですよ?』
『そうだよな。ごめん』
『ケーキは5名分くらいありますから持って来させます。痛い思いをした5名分でいいですね?』
『エリカの手作り?』
『そうですよ』
『ありがとう、嬉しいよ』
ケーキを持って来させて5人に渡した。次男だけは利き腕の脱臼なのでエリカが食べさせた。
『エリカに食べさせてもらうと更に美味いな』
『これ、アシェル様が口にするの初めてですよね。なのに差が分かるのですか?』
『え?…いや…その…』
『これだから恋多き男は…』
『クッ』
呆れるエリカと狼狽える次男を見て長男が笑った。
2時間後、医師が到着してエリカが一人一人の怪我の状態とどんな治療をしたのか説明をした。
『なんて綺麗な縫合なんだ、素晴らしい。
医師をやる気はありませんか』
『私は妊婦で、その後は母親業がありますし』
『ネッフル卿がいらしたらあなたを離さないはずです』
『それが本当なら絶対に口外しないでください』
『もったいない』
『落ち着いたら小さなレストランでもやるつもりなので、本当に口外しないでくださいね』
ネッフル卿とは宮廷医でナンバー1の男だ。
『では私は帰りますね。
気になる症状が出てきたら呼んでください』
『不安だから泊まっていってくれ』
『近所だから大丈夫ですよ』
『頼むよ。うちで産んでいいから』
『まだ産まれませんよ』
『今とは言ってないだろう』
『はいはい、さようなら』
エリカが帰るので私達もエリカの屋敷に戻った。
宿泊になり、夜 父上と話をした。
『エリカは一体何者なのでしょう』
『専門的なことの他に 存在しない物を使った治療法について口に出し、それができたらいいのにと呟いていた。もしかしてエリカには別の人生の記憶があるのだろう』
『どういうことですか?』
『稀にあるんだ。別の人生を歩んだ記憶がある者が現れる。最初からある場合と何かをきっかけに思い出す場合。時には乗り移ったなどと言う者もいるがな。
例えば、今私が死んだとして、全ての記憶を有したまま生まれ変わるんだ。まるで入れ替わりのような場合もあれば 全く時代や別の国や別の世界だという場合もある。
料理人の生まれ変わりかと思ったが、医者のようだ。
記憶を失くしたと言っていたな。彼女の場合は前世の記憶を取り戻す代わりに現世の記憶を失くしたのかも…』
『……』
『それにしても、アシェル殿はエリカを相当気に入ったようだな。だが彼は余計なことを話してしまったな。多分彼女は誰かと男を共有できないタイプだろう。彼のように王都に行けば王都の恋人を抱き、別の場所に行けば そこで囲っている女を抱くという生活をしている者を受け入れられないはずだ。だが他の女達を清算して求婚すれば望みはゼロではないかもな』
『…エリカが私に冷たい気がします』
『当然だろうな。妊娠を告げたとたんに通わなくなる男など自分に不要だと判断したのだろう』
『……』
『キラード兄弟がエリカに目を付けたから、もうおまえを待ってやれない』
『でも父上だって妻がいるではありませんか。エリカはそういうのは無理だと仰いませんでしたか?』
『嫌がる可能性はあるが、もしかしたら他の女を抱くことさえしなければ受け入れるかもしれない』
キラード家の次男もエリカが妊娠していても構わないようだな。馬鹿みたいにこだわっているのは私だけということか。
翌日、朝食を食べ終えるとエリカはキラード邸に出向き、傷の具合を確認し包帯を巻き直した。
『エリカ、キスしてくれ』
『アシェル様、そんな治療はありませんよ』
『しばらく滞在するからゆっくり話そう。君のことが知りたい』
『ガブリエル様、手を握ったら薬が塗れません』
まずい。間違いなく兄弟はエリカを狙っている。
終わるとエリカと屋敷に戻ったが、私達が帰ればあのまま居たのだろうな。
『侯爵様 何時ごろ出発なさいますか』
『昼前には出発するよ』
『エリカ』
『何でしょう』
『私は嫉妬していた』
『はい?』
『私はエリカが好きだ。
だから元夫とはいえ、他の男の子どもを孕んでいると知ってショックだった。強い嫉妬で自分を上手く制御できない状態だった。
だけど今も昔もエリカが好きなんだ』
もうチャンスを逃したくない。
キラード邸に行くと数人が怪我をしていた。
『アシェル様』
『エリカ…血が出ている者もいるから中に入っていろ』
次男はそう言うと、エリカは無視をして指示を出し始めた。
『はい、こっち見てください。上向いて、私の指を目で追って。手を伸ばして…あ脱臼ですね。
怪我人はここにいる方々で全員ですか?』
『そうだ』
『ではまとめて質問しますね。
視界がおかしい人!いませんね。頭が痛い人!2人。体のどこかが痺れる人!いませんね。手が痛い人!2人。脚が痛い人!1人。腰か背中か首が痛い人!4人。血が大量に出てる人!…分かりました』
次々と様々な質問を続けた後は
『では使用人のみなさん、全員の体を確認してください。色がすごく変わってる、裂傷がある、骨がおかしい、何かが刺さっているなど服を脱がせるなり捲るなりして確認してください』
『さすがにレディーの前では』
『そこのあなた、私が見ていたら恥ずかしいということですか?』
『いや、君が嫌かと…』
『人類は2種類、それだけです。いいからさっさと脱ぐ!』
エリカ…次男の隣にいる今言葉を交わした相
手は次期キラード侯爵だぞ!?
使用人の報告を聞いた結果、エリカは順番を決めた。
『他の方には毛布をあげてください』
そう言って手当を始めた。
『…開放骨折ですが折れ方が綺麗ですし太い血管も無事です。可能性はあるでしょう。痛みを麻痺させる薬を飲んでください』
飲ませている間にカバンから瓶を取り出して小さな桶に中身を注いでナイフやいろいろな物を入れ、自身の手も突っ込んだ。
『ローズ、トレイに布と包帯と添木を』
『はい』
怪我人が痛みを感じなくなると、兵士達に彼の体を押さえつけるよう命じた。そして布を口の中に入れさせた。
傷口に瓶の液体をかけてから引っ張った。
男は痛みに体を動かした。
『耐えなさい!!骨がズレる!!』
じっと傷の中を見て中を確認し傷口を縫い薬を塗った。化膿止めだろう。包帯を巻き添木をして、またその上から全体的に包帯を巻いた。
『絶対にこの脚を動かさないでください。寝返りも駄目です。後でベッドに縛りつけますね。
他の人の大きな怪我の手当てを終えたら軽度の怪我の治療の続きをしますね』
もう1人治療した後で、次男の元へ行った。
『左肩の脱臼ですね。入れますよ』
『うぐっ!!』
『はい、おしまいです。後で固定するので待っていてくださいね』
次に長男の額の傷を瓶の液体で洗い、傷を縫って薬を塗って包帯を巻いた。
『傷跡が残るな』
『大丈夫。美男子のままですよ』
『ふっ なら良かった』
そして次男に戻り脱臼した肩と腕を固定し、また全員の軽度な傷を手当てし始めた。
『で、何があったのですか?』
『馬が暴走して道をそれて馬車が木に衝突してしまった』
『ついていませんでしたね。
さあ、みなさん。今日は体を拭いてもらうだけにしましょうね。特に骨折の御者さん、背中を縫った騎士さん、額を縫った…美男子さん。脱臼のアシェル様は当分駄目ですよ』
『エリカといったか。
俺はキラード侯爵家の長男ガブリエルだ。
見事な手当てをしてくれて感謝する』
『ご近所さんのよしみですよ。助け合いです。先に私がアシェル様に助けていただきましたから。
しばらくは飲み物はハーブティーですよ。炎症に効果のあるといわれるハーブティーにしましょうね。
お酒は絶対駄目ですよ』
『エリカ、お腹すいた』
『アシェル様…そちらのお屋敷にも料理人がいますよね』
『エリカ』
『もう疲れました。私は妊婦ですよ?』
『そうだよな。ごめん』
『ケーキは5名分くらいありますから持って来させます。痛い思いをした5名分でいいですね?』
『エリカの手作り?』
『そうですよ』
『ありがとう、嬉しいよ』
ケーキを持って来させて5人に渡した。次男だけは利き腕の脱臼なのでエリカが食べさせた。
『エリカに食べさせてもらうと更に美味いな』
『これ、アシェル様が口にするの初めてですよね。なのに差が分かるのですか?』
『え?…いや…その…』
『これだから恋多き男は…』
『クッ』
呆れるエリカと狼狽える次男を見て長男が笑った。
2時間後、医師が到着してエリカが一人一人の怪我の状態とどんな治療をしたのか説明をした。
『なんて綺麗な縫合なんだ、素晴らしい。
医師をやる気はありませんか』
『私は妊婦で、その後は母親業がありますし』
『ネッフル卿がいらしたらあなたを離さないはずです』
『それが本当なら絶対に口外しないでください』
『もったいない』
『落ち着いたら小さなレストランでもやるつもりなので、本当に口外しないでくださいね』
ネッフル卿とは宮廷医でナンバー1の男だ。
『では私は帰りますね。
気になる症状が出てきたら呼んでください』
『不安だから泊まっていってくれ』
『近所だから大丈夫ですよ』
『頼むよ。うちで産んでいいから』
『まだ産まれませんよ』
『今とは言ってないだろう』
『はいはい、さようなら』
エリカが帰るので私達もエリカの屋敷に戻った。
宿泊になり、夜 父上と話をした。
『エリカは一体何者なのでしょう』
『専門的なことの他に 存在しない物を使った治療法について口に出し、それができたらいいのにと呟いていた。もしかしてエリカには別の人生の記憶があるのだろう』
『どういうことですか?』
『稀にあるんだ。別の人生を歩んだ記憶がある者が現れる。最初からある場合と何かをきっかけに思い出す場合。時には乗り移ったなどと言う者もいるがな。
例えば、今私が死んだとして、全ての記憶を有したまま生まれ変わるんだ。まるで入れ替わりのような場合もあれば 全く時代や別の国や別の世界だという場合もある。
料理人の生まれ変わりかと思ったが、医者のようだ。
記憶を失くしたと言っていたな。彼女の場合は前世の記憶を取り戻す代わりに現世の記憶を失くしたのかも…』
『……』
『それにしても、アシェル殿はエリカを相当気に入ったようだな。だが彼は余計なことを話してしまったな。多分彼女は誰かと男を共有できないタイプだろう。彼のように王都に行けば王都の恋人を抱き、別の場所に行けば そこで囲っている女を抱くという生活をしている者を受け入れられないはずだ。だが他の女達を清算して求婚すれば望みはゼロではないかもな』
『…エリカが私に冷たい気がします』
『当然だろうな。妊娠を告げたとたんに通わなくなる男など自分に不要だと判断したのだろう』
『……』
『キラード兄弟がエリカに目を付けたから、もうおまえを待ってやれない』
『でも父上だって妻がいるではありませんか。エリカはそういうのは無理だと仰いませんでしたか?』
『嫌がる可能性はあるが、もしかしたら他の女を抱くことさえしなければ受け入れるかもしれない』
キラード家の次男もエリカが妊娠していても構わないようだな。馬鹿みたいにこだわっているのは私だけということか。
翌日、朝食を食べ終えるとエリカはキラード邸に出向き、傷の具合を確認し包帯を巻き直した。
『エリカ、キスしてくれ』
『アシェル様、そんな治療はありませんよ』
『しばらく滞在するからゆっくり話そう。君のことが知りたい』
『ガブリエル様、手を握ったら薬が塗れません』
まずい。間違いなく兄弟はエリカを狙っている。
終わるとエリカと屋敷に戻ったが、私達が帰ればあのまま居たのだろうな。
『侯爵様 何時ごろ出発なさいますか』
『昼前には出発するよ』
『エリカ』
『何でしょう』
『私は嫉妬していた』
『はい?』
『私はエリカが好きだ。
だから元夫とはいえ、他の男の子どもを孕んでいると知ってショックだった。強い嫉妬で自分を上手く制御できない状態だった。
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