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お城でさらに本音
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セインはティーティアに断られて詰め寄った。
「なぜ?」
「どうするかは私の自由だからです。
私は見世物ではありません」
「第一王子の私が命じても?」
「本来、命じて従わせることができるのは法律的に国王陛下だけです。
ただし国王陛下でさえも王命は慎重にならざるを得ません。
乱用は信頼を損ないますから。
では何故従うのか。それは報復を恐れて従うのです。報復さえ違法ですけど。
雇用関係や犯罪絡みでなければ命じて従わせる権利は第一王子殿下にはないのです」
「臣下だろう」
「考え方の違いです。
王子殿下は王族万歳、その他下々の者は従えとお考えのことでしょう。
ですが私は王族は貴族を含む民から雇われていると考えています」
「雇われ?」
「先程、王妃殿下と第二王子殿下に説明いたしました。詳しくは王妃様から伺ってください。それでは失礼します」
「殿下、ウィルソン公爵とヴェリテ伯爵がいらっしゃいました」
「通せ」
「ティーティア、何もしてないか?」
「パパ、帰る」
「だが、」
「か・え・る!!」
父伯爵の元に駆け寄り抱きついた。
「もう来たくないです」
「王妃様がガッカリなさるぞ」
「なんで変な約束をしてきたのですか。領地に呼べる人で良かったのに」
「ティーティア、もうだいぶ手加減できないのか」
「それはそれで失礼だと思いますけど。
どのくらいですか」
「95」
「たった5%で大丈夫ですか??」
「逆だ。手加減95%だ」
「2、3歳児の我儘癇癪を宥めるように接しろと?」
「じゃあ85」
「見返りは?」
「特注の剣」
「今のままで充分です」
「ドレスや宝石は興味ないだろう」
「犬!犬がいいです!」
「一匹」
「じゃあ、帰りましょう」
「犬の話は」
「あれは王妃様の要望のマナーの授業を受けるためだけの対価です」
「くっ」
「ユリウス」
「父上」
「元気か」
「ヴェリテ家の皆様はとても優しいので楽しく過ごせています」
「剣を習いたいと聞いた」
「ティーティアに守ってもらうばかりでは情けないですから。お世話になっているヴェリテの皆様を守れるようになりたいです」
「急ぐなよ。まだ成長期だから無理は体を壊して剣を諦めざるを得なくなる」
「はい」
「ダリウス」
「はい。ユリウスとティアからは許しを得ました。ユリウスにチャンスをもらいました」
「ユリウスはどうしたい」
「今回の滞在を終えてから結論を出します」
「分かった。
ティーティア。ダリウスを許したのか」
「ユリウス兄様に従います。ちゃんと謝ってもらいましたので」
「ティーティアありがとう。
まさか新たな揉め事か?」
「実は剣の実演をセインが命じてティアが拒否しました。見世物じゃないと」
「「あ~……」」
「言ってることは間違っていないので」
「ダリウス様」
「ティア。もう少し大人になるまで兄様と呼んでいいぞ」
「ん? 大丈夫です」
「呼んでください」
「ダリウス兄様」
「ティア、帰ろう」
ティーティアはダリウスの手を握った。
「可愛い!!
父上、今からでも妹を作って、イテッ」
「ダリウス、セブランにドレスでも着せろ」
「気持ち悪いこと言わないでください」
「ユリウス兄様もおてて繋いで?」
「う、」
右手にユリウス、左手にダリウスを従えニコニコしているティーティアにウィルソン家の三人は嬉しそうだがヴェリテ伯爵はこう考えていた。
とんでもない娘になったなと。
王族に媚を売らず、逆に言いたい放題で胃が痛い。
その上10歳で色香無しに公爵家の令息二人を捕まえて、公爵にも気に入られた。
そして一瞬で勝敗を決めてしまう太刀筋。
最早中身は別人なのに伯爵様とあの子が口にすると不快な気分になる。
パパと呼ばれ甘えられると心が溶けていく。
中身がどうあれこの世界に来たからにはミライは受け入れて生きていかなくてはならない。
学園や婚約はどうしよう。
「パパ?」
「ティーティア」
「気苦労かけてごめんなさい」
「よし、帰ろう」
「待ってください!」
「殿下、どうなさいましたか」
「あんまりではありませんか?」
「我々は王妃殿下の客人です。苦情は王妃殿下までお願いします。それに10歳の女の子に剣を見せろと15歳の王子殿下が迫るのはいかがなものでしょう。
せめて親の私に話を持ってくるべきではないでしょうか。
既に娘は見世物になるのは嫌だと返事をしました。そこで終わりでは?」
「しかし、」
そこでウィルソン公爵が間に立った。
「どうしても見たいなら対価を提示なさればいい。ティーティアが気に入れば見せるでしょう。
セイン王子殿下、まさかタダで済まそうと?」
「くっ…分かりました」
翌日から、ユリウスは解禁となったダリウスと一緒に訓練に参加し、ティーティアはペイジェルと共にマナーを学んだ。
その度にセインはティーティアに会いに行き、対価を提示した。
「私の第二妃はどうだ」
「断る!」
「宝物庫にあった可愛くて綺麗なネックレスだぞ」
「要らない」
「宝物庫にあった大きなダイヤモンドの指輪だ」
「要らない」
「ドレス10着作ってやるぞ」
「無職のくせに」
「デビューでエスコートしてやる」
「断る!」
「馬を買ってやる」
「まずは街で就職して働いてお金を得られたら言って。何年、何十年もかかるけど」
「王宮料理食べ放題」
「芋も剥けないくせに」
「私を一日好きにしていい!」
ニヤリ
「……撤回させてください」
「撤回不可」
「くっ!」
「なぜ?」
「どうするかは私の自由だからです。
私は見世物ではありません」
「第一王子の私が命じても?」
「本来、命じて従わせることができるのは法律的に国王陛下だけです。
ただし国王陛下でさえも王命は慎重にならざるを得ません。
乱用は信頼を損ないますから。
では何故従うのか。それは報復を恐れて従うのです。報復さえ違法ですけど。
雇用関係や犯罪絡みでなければ命じて従わせる権利は第一王子殿下にはないのです」
「臣下だろう」
「考え方の違いです。
王子殿下は王族万歳、その他下々の者は従えとお考えのことでしょう。
ですが私は王族は貴族を含む民から雇われていると考えています」
「雇われ?」
「先程、王妃殿下と第二王子殿下に説明いたしました。詳しくは王妃様から伺ってください。それでは失礼します」
「殿下、ウィルソン公爵とヴェリテ伯爵がいらっしゃいました」
「通せ」
「ティーティア、何もしてないか?」
「パパ、帰る」
「だが、」
「か・え・る!!」
父伯爵の元に駆け寄り抱きついた。
「もう来たくないです」
「王妃様がガッカリなさるぞ」
「なんで変な約束をしてきたのですか。領地に呼べる人で良かったのに」
「ティーティア、もうだいぶ手加減できないのか」
「それはそれで失礼だと思いますけど。
どのくらいですか」
「95」
「たった5%で大丈夫ですか??」
「逆だ。手加減95%だ」
「2、3歳児の我儘癇癪を宥めるように接しろと?」
「じゃあ85」
「見返りは?」
「特注の剣」
「今のままで充分です」
「ドレスや宝石は興味ないだろう」
「犬!犬がいいです!」
「一匹」
「じゃあ、帰りましょう」
「犬の話は」
「あれは王妃様の要望のマナーの授業を受けるためだけの対価です」
「くっ」
「ユリウス」
「父上」
「元気か」
「ヴェリテ家の皆様はとても優しいので楽しく過ごせています」
「剣を習いたいと聞いた」
「ティーティアに守ってもらうばかりでは情けないですから。お世話になっているヴェリテの皆様を守れるようになりたいです」
「急ぐなよ。まだ成長期だから無理は体を壊して剣を諦めざるを得なくなる」
「はい」
「ダリウス」
「はい。ユリウスとティアからは許しを得ました。ユリウスにチャンスをもらいました」
「ユリウスはどうしたい」
「今回の滞在を終えてから結論を出します」
「分かった。
ティーティア。ダリウスを許したのか」
「ユリウス兄様に従います。ちゃんと謝ってもらいましたので」
「ティーティアありがとう。
まさか新たな揉め事か?」
「実は剣の実演をセインが命じてティアが拒否しました。見世物じゃないと」
「「あ~……」」
「言ってることは間違っていないので」
「ダリウス様」
「ティア。もう少し大人になるまで兄様と呼んでいいぞ」
「ん? 大丈夫です」
「呼んでください」
「ダリウス兄様」
「ティア、帰ろう」
ティーティアはダリウスの手を握った。
「可愛い!!
父上、今からでも妹を作って、イテッ」
「ダリウス、セブランにドレスでも着せろ」
「気持ち悪いこと言わないでください」
「ユリウス兄様もおてて繋いで?」
「う、」
右手にユリウス、左手にダリウスを従えニコニコしているティーティアにウィルソン家の三人は嬉しそうだがヴェリテ伯爵はこう考えていた。
とんでもない娘になったなと。
王族に媚を売らず、逆に言いたい放題で胃が痛い。
その上10歳で色香無しに公爵家の令息二人を捕まえて、公爵にも気に入られた。
そして一瞬で勝敗を決めてしまう太刀筋。
最早中身は別人なのに伯爵様とあの子が口にすると不快な気分になる。
パパと呼ばれ甘えられると心が溶けていく。
中身がどうあれこの世界に来たからにはミライは受け入れて生きていかなくてはならない。
学園や婚約はどうしよう。
「パパ?」
「ティーティア」
「気苦労かけてごめんなさい」
「よし、帰ろう」
「待ってください!」
「殿下、どうなさいましたか」
「あんまりではありませんか?」
「我々は王妃殿下の客人です。苦情は王妃殿下までお願いします。それに10歳の女の子に剣を見せろと15歳の王子殿下が迫るのはいかがなものでしょう。
せめて親の私に話を持ってくるべきではないでしょうか。
既に娘は見世物になるのは嫌だと返事をしました。そこで終わりでは?」
「しかし、」
そこでウィルソン公爵が間に立った。
「どうしても見たいなら対価を提示なさればいい。ティーティアが気に入れば見せるでしょう。
セイン王子殿下、まさかタダで済まそうと?」
「くっ…分かりました」
翌日から、ユリウスは解禁となったダリウスと一緒に訓練に参加し、ティーティアはペイジェルと共にマナーを学んだ。
その度にセインはティーティアに会いに行き、対価を提示した。
「私の第二妃はどうだ」
「断る!」
「宝物庫にあった可愛くて綺麗なネックレスだぞ」
「要らない」
「宝物庫にあった大きなダイヤモンドの指輪だ」
「要らない」
「ドレス10着作ってやるぞ」
「無職のくせに」
「デビューでエスコートしてやる」
「断る!」
「馬を買ってやる」
「まずは街で就職して働いてお金を得られたら言って。何年、何十年もかかるけど」
「王宮料理食べ放題」
「芋も剥けないくせに」
「私を一日好きにしていい!」
ニヤリ
「……撤回させてください」
「撤回不可」
「くっ!」
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