【完結】転生令嬢は遠慮いたしません!

ユユ

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余計な事を言ったがためにまた王宮に呼ばれる見た目10歳児。

父伯爵の胃も心配になってきたかも。

「今日は陛下の応接間なのですね」

「あっちがいいか?」

「呼び出されないようにしたいと思います」

「ハハッ、問題児で呼び出しているわけじゃないぞ。

昨日団長から聞いたが詳しく聞かせてくれ」

「嫌われ作戦は、王子殿下の演技力にかかってくるのですが。

とにかく薄汚れていただきます。
そして酷い体臭と口臭を装ってもらいます。
メイクで顔を少し醜くします。
センスのない服を着てもらいます。
そして幼児の部分を持ったマザコン王子になってもらいます」

「……苦行だな」

「我が国の法律で、王族夫婦は寝室を共にするという決まりがあって、個人的な部屋はなく、婚姻すれば同じ部屋にずっといてベッドも毎晩同じだと言って、婚姻すればこの臭くて汚いのと毎日過ごすのかと思い悩んでもらいます。

後は朝晩王妃から口付けるのが慣わしだとか、閨の日は最低三日に一度あるとか。
これは同情気味に説明します。

王妃の公務は王様の比じゃないほど多くて体力をつけておいてくださいとか。
王妃の予算は少ないから持参金や貴金属は多めの方がいいだとか。
これは心配風に助言します。

お二人の部屋を態と質素にして見学させたり、食事も慎ましやかなものに。
菓子も手を抜いてもらいましょう。

そしてメイド達がうっかり噂話を聞かせるのです。

“王子は未だに王妃様のお乳を飲んでいる”
“またお漏らしした”
“火の車の借金生活”
“わたしなら絶対王妃にだけはなりたくない”

と、旨みは肩書だけだと思わせます。
食べ方も汚いといいですね!」

「セインが嫌いか?」

「違います!違います!」

「なら良かった」

「メイドや侍従達にも態とらしいほど歓迎してもらって、絶対来てくださいね、逃げ出さないでくださいねと言う感じでやって欲しいです。

そして高位貴族の令嬢達との茶会では、
“素晴らしいですわ!私達にはとてもとても王妃は務まりませんわ!”
と本人の前では大歓迎と持ち上げて、王女が席を立って戻る時に聞かせるのです。

“王女を逃したら私達の誰かが王妃にさせられる!絶対嫁いでもらうのよ!”と。

極め付けに私が適当に王子殿下の悪口を言っておきますので」

「やっぱり嫌いなのだな?」

「違います!」

「しかし財政難という噂が他国に流れるのは困るな」

「そう思っているのは王女一行だけです。

解消後にそうではないと他国からの行商や賓客に分からせればいいだけです。
そこにはセイン殿下が爽やかな笑顔、清潔で品のある装いで接客させてください。

あと、国境の町に少し支援しますか。
国境は国の顔とも言えますからね。
兵士達の服や装備は良い物に変えましょう。

ウェルカムドリンクも有りですね」

「なんだそれは」

「歓迎の一杯です。

他国籍の者にだけ、入国時に小さめのカップで一杯だけ希望者に与えるのです。
ようこそという意味で。
飲み物は予算に応じて、ハーブティーでも果実水でもお茶でも。

他国籍の3歳以下の子供は通行税を取らないとか。

継続が難しければ、陛下の誕生月だけとか、建国月だけとか、婚約解消後に一番近い祝い事で実施すればいいと思います。」

自国に戻った者達の会話から、財政難とか殿下の話は未熟な王女の戯言だと思うでしょう」

「よし、結婚前の説明という事で呼ぶか」

「楽しくなってきましたね!」

「やっぱり」

「違います!」





そして役者を揃えた。

メイド10名、侍従2名、宰相の娘(公爵家)、団長の親戚の娘(侯爵家)、王妃の姪(公爵家と侯爵家)、私、王妃様、宰相に団長。その他騎士も10名ほど。

あと豊満な女性2人(若い娼婦)

双子は隔離。


王女が来ている間に周辺諸国に人を忍ばせ噂話を流せるようにした。


王女が来るまでの3週間でしっかり演技指導した。

「カーラさん、ベスさん、目は憐れみながら表情は仮面のような微笑みです!もう一度お願いします!」

「シゴレーヌ王女様、王妃の公務はかなり重みのあるものです。ぜひ体力作りをなさってください」

「シゴレーヌ王女様、王妃の予算は少なめです。ご準備を整えられた方が宜しいかもしれません」


「宰相様、もっと嬉しそうになさってください!」

「我が国では国王夫婦は常に共にする決まりでございます。私室という概念はございません。寝室も執務室も一緒でございます」


「王妃様、能天気な王妃を演じるのです!」

「うちのセインちゃんはママ離れができないのよ!でもシゴレーヌちゃんが来てくれたら安心ね!ちょっと粗相のある子だけど毎日じゃないから大丈夫よ!」


「さあ、騎士の皆様、嫌そうに話してください。うっかり聞かせるために頑張りましょう!」

「聞いた?また泣き出して剣術の先生を困らせたんだってさ」

「俺、昨日見ちゃったんだけどさ、殿下が馬の交尾、」

「ちょっと待て!」

「何ですか?」

「ティーティア、私が嫌いか?」

「陛下も3度聞いてきましたが、違います」

「……続けよう」



そして娼婦のお二人には。

「ベレニス様、ジョルジーヌ様、ドレスのサイズは大丈夫ですか」

「はい、本当に終わったら3着もいただけるのですか」

「勿論です。お二人の素晴らしい曲線に合わせて作られたものですから」

「お食事、美味しいです。マナーも簡単なことだけみたいなので覚えられました」

「お二人は元々品のある女性ですから飲み込みも早いと思っていましたわ」

「私達を嫌がらないのですね」

「嫌がる?」

「まだお嬢様は私達が何をしているかご存知ないのですね」

「知っています」

「穢らわしいと思わないのですか?」

「思いません。好きで選ぶ女性はあまりいないでしょう。

貴族の令嬢も皆様程ではありませんが、厳しい教育を受けてやっと大人になっても借金のカタに、当主の道具にされて売られていく娘は少なくありません。

好きな人がいた娘もいるでしょう。他に夢があった娘もいるでしょう。
絶望して嫁いだ先で男児を産む事を義務にされるのです。

嫁いだ先で虐げられる娘もいます。屈辱に耐え続けなければならない娘もいます。自由に外さえ歩けません。

でも社交に出されたら笑顔で他の貴族の悪意と善意を見分け、悪意は受け流さなければなりません。罠に引っかからないように気も抜けません。本当の友人を作れる人はどれだけいるかわかりません」

「お気楽じゃないのですね」

「そうなれる娘も中にはいます。

今回はおめでたい性悪の可能性が高いです。王女のくせにですよ!?」

「任せてください!頑張ります!」

「私も頑張ります!」

「終わったら買い物に行きましょう。陛下からお小遣い貰っちゃいましたから」

「私達と?」

「ご迷惑ですか?」

「そんなことありませんわ!どこに行こうかしら」

「お外、全くわかりません」

「平民街なら任せてください」







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