【完結】ずっと好きだった

ユユ

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前侯爵との密会

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ミーシェは様々な感情が襲い混乱していた。

「嫌!聞きたくない!」

そう言って席を立った。

「ミーシェ、聞くべきよ。貴女を心配して集まっているの。聞く前から勝手に思い込んで拒絶をするのは愚かだわ。

どうしても嫌なら、今後降りかかる難題を自分で解決する覚悟をして部屋を出なさい」

アネットが厳しく突き放すようなことを言うのは初めてだった。

「っ!」

「ミーシェ、座れ」

ライアンが座るよう促した。


ハヴィエルは話を続けた。

「ミーシェは最終学年だ。
つまり結婚を真剣に考える時期に入る。
婚約者のいない者達は大急ぎで動き出すんだ。
真剣に考えないと良い縁談はどんどん消えて無くなっていく。

就職といってもその容姿は敵を多く作りやすい。アネットは王城で近衛騎士団所属で働いていたにも関わらず何度か襲われた。
ミーシェの場合は反撃が可能だろうが、ほとんどが格上だ。怪我をさせれば逆に咎められる。

平民のように個人で商売をしても必ず関わりというものがあるものだ。悪い噂を流されて客足がなくなったり仕入れを邪魔されたり、商品にケチをつけられることもある。

やはり、嫁ぐというのが最大の防御になると思う。

そこで、ミーシェが選んだ相手が身分の高い者だった場合、相手によっては今の身分のままでは嫁げない。その時は伯爵家以上、もしくは侯爵家以上の家門に養女にしていただくしかない。

たが、相手も余程の旨みがあるかお人好しでなければ男爵家からの養女を受け入れない。
しかも養女と認められるには一年以上の同居実績が必要だ。
ミーシェのような容姿の若い娘を屋敷に住まわす場合、当主や令息がミーシェを自分のものにしたくなるかもしれないという懸念が出てくるから夫人が嫌がるだろう。

となるとゲラン家かサックス家が候補となる。

サックス家の場合は婚家に確認が必要だ。
昔、王宮でシーナに怪我をさせたことがあるからだ」

「ならお母様の実家でも、」

「もしミーシェがエヴァンを選んだ時は侯爵家以上でないとならないんだよ」

「………」

「エヴァンの気持ちは知っているね。

彼は卒業したら妃を選び順調なら一年後には婚姻だ。エヴァンが選ばなかったら勝手に選出され政略結婚となる。

まあ、好きな相手に結婚を申し込まない可能性もある。その場合は相手を思ってのことだ。辛い思いをさせるとか、嫌がるだろうとか。

だが、彼は一途だったと思う。学園でもミーシェのために我慢して距離をとった。
表向きには妹を助けるライアンの後ろ盾になってミーシェを守る手助けをしてくれた。

もしエヴァンが他の令嬢と結婚したら、ミーシェとは王族と男爵令嬢の関係だ。友人でも幼馴染だとしても、他の男爵令嬢と同じ位置に立ち、声を掛けられるまで顔を上げてはならないし言葉も直さなくてはならない。

そうしないと妃が不快に思うし夫婦仲が悪くなるからだ。

ミーシェはこの休暇から卒業までしっかり将来について考えて欲しい。

エヴァンの気持ちとも向き合って、もし可能性がゼロならエスコートを断りなさい」

「お父様…」

「エヴァンにとっても大事な時間に入っているんだ。
その気もないのにズルズルと曖昧にするのは誠実とは程遠い行為だと思わないか?」

「もう私達は周囲人達の立場を考えて動けなくてはならない。

エヴァンは本来、とっくに婚約者をおく立場なんだよ。まあ、それをしなかったのはエヴァンの勝手といえばそれまでだ。だからといって彼の気持ちに目を背けるのは違うと思う。

サルト家の一員として胸を張れる対応をしなくては駄目だ」

ハヴィエルに続いてライアンからも指摘されてショックを受けていた。

「友人や幼馴染ではいられないなんて」

「遅くとも卒業後は切り替えなくては駄目だろうな。休暇が明けたらエヴァンをよく見て後悔のない選択ができるようにしなさい」

「分かりました」


「あの、サックス侯爵のことですがだいぶ参っているようでした。私が自分達を守る為とはいえ脅すようなことを言ってしまいました。

私達はもう子供としてお付き合いをという歳ではありません。
私達はサルト家の実子として届けが受理されています。

他家の貴族同士として上手くやっていけるようになってもらえたらと思います。

母に関して終止符を打ってほしいと思っています。

もう母を愛する前提で伴侶を探すのではなく、愛情を育む前提でいて欲しいのです。家族愛でも人間愛でも友情でもいいと思います。

私もミーシェも母も侯爵に不幸になってほしくはないのです。

気がかりなのは養子のご子息です。私達のせいで追い出されたり後継から外されたりしたらと思うと」

「それは私がしっかりと対処しよう。

テオドールにもアネットにとってのサルト男爵のような人が現れてくれたらいいのだが」



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