88 / 173
ハヴィエルの思い
三日目の朝食後、全員を呼び集めた。
「皆にも聞いてもらいたい。
ハヴィエル・サルトは次期サルト男爵にライアンを指名する。
本格的な領主教育は卒業後に始める。
皆ライアンの助けになって欲しい。以上」
ハヴィエルが解散をさせ使用人は持ち場に戻る。
「お祖父様、よろしくお願いします」
「サルトは安泰だな。よろしく頼むよ」
前男爵の祖父は笑いながらライアンの肩に手を置いた。
「兄様」
「シーナ」
「学園に行かなきゃ駄目?」
「それは父上に相談しないと」
「兄様はどう思う?」
「入学するまでに学園で学ぶことを終了していれば行かなくても構わないと思うぞ。
淑女教育もな。
でもシーナは今からでは遅過ぎるだろう」
「お勉強してるのに」
「あとは父上と話し合って決めることだよ」
「兄様、僕も相談が」
「いいぞ、ロラン」
「……二人きりでお願いします」
ロランを連れて温室に来た。
「兄様、もし僕とシーナが結婚できたら、サルト領に置いてもらえますか」
「王都に帰らないのか」
「僕はここが好きですし、シーナだってここにいたいと思います。
普通は爵位や持参金のようなものを持たされて王宮から出るのでしょうけど、どんな扱いになるのか分かりません。
ずっとここにいて、王族としては役立たずなので何もなく放り出されるかもしれません」
「サルト領で働くという意味か」
「はい」
「学園は」
「シーナに合わせたいです」
「まあ、ご両親がお許しになるかは分からないが、そんなにシーナを基準にしていて大丈夫か?もしシーナが他の男を、」
「兄様!シーナは僕の天使です!絶対!」
「ロラン」
「兄様、味方になってください。僕はお薦めですよ」
「シーナの気持ちが大事だ」
「そんなこといっても、別の男を選んで浮気されたり蔑ろにされたり困窮したりしたら気持ちなんか無くなりますよ。
それより一途な僕の方が絶対いいです!
しかも兄様に従順じゃないですか!」
「お祖父様、父上、国王陛下、王女夫妻から許しを得ないとシーナと離れてロランは王宮暮らしになるだろう。
今の私は学生でしかない」
「兄様としてはどうですか」
「猫か犬を被ってる蛇のような気もするが、ロランのことは可愛いよ」
「酷いです。もし蛇でも兄様の前では腹を見せますから」
「蛇が腹見せてたら死んでるんじゃないか」
「兄様ぁ、僕を可愛がってください」
「……ロラン、ドレスでも着るか?」
「もう似合いませんよ」
ロランが来たばかりの頃、シーナに近寄る縁戚の令息を威圧して泣かせた罰で一日ドレスを着させたことがあった。
「まだ間に合うぞ」
「何がですか!僕はずっと男です!」
基本的にロランはシーナにべったりくっついているが、ライアンにもよく懐いていた。
教えを乞う時はライアン。相談事もまずライアン。怖い夢を見た時も枕を持ってライアン。
学園が始まると、長期休暇でライアンが帰ってくれば、主人を待っていた犬のようにライアンを出迎え付き纏う。
最初は警戒したロランに対しすっかり絆されてしまったのだ。
どうなるか分からないミーシェを中心に大人達は長期休暇を過ごし、残り一週間となっていた。
「旦那様、お客様が門を通過しました」
「来たか。アネットを呼んでくれ。出迎える」
サルト男爵夫妻が招いたのはサックス侯爵の父だった。
「サルト男爵、お招きいただき感謝申し上げます」
「遠い所までようこそお越しくださいました」
「叔父様、お久しぶりです」
「美しさに磨きがかかったなアネット。
男爵に愛されているんだな」
「はい。大事にしていただいています」
「そうか。安心した」
「どうぞ中へ」
奥の応接間に前侯爵を案内して用を済ませたメイドを退がらせ、代わりに人払いをしながら入室したのは双子だった。
「ライアンとミーシェです。サックス様」
「なんてことだ……似ている。確かに孫だ。
アネット、すまなかった。一人で大変だっただろう」
「それが、妊娠が分かる前は一人で生きていこうと思っていましたし、分かっても子供と生きていこうと思っていました。
ですかハヴィエル様が気にかけてくださり、子供達も勘違いをしてハヴィエル様をパパと呼ぶほど可愛がってくださいました。
私は一人ではありませんでした」
「私は病で視力のほとんどを失い恋愛結婚だと思っていた妻も逃げました。もう誰も娶ることはないだろうと思っていました。目が不自由なことで聴覚や嗅覚が敏感になり、嘘や悪意などが感じ取れるようになってしまったのです。
十年後、偶然アネットに出会った時に彼女から感じたのは優しさと心配でした。
目の不自由な私がベンチを探せずに困っていたところに声をかけてくれたのです。
そのまま話をしていると彼女からは多くの感情が伝わって、助けてあげたいと思いました。そのまま文通を始めて助けられたのは私の方でした。
明日が来るのが楽しみに感じたのです。
明日こそはアネットから手紙が届くと。
怪我を負ったアネットが心配で堪らなくて、やっと会えた時に私に光が差したのです。
私は他人を愛せるようになったのだと。
話を聞いてドロドロとした感情が沸きました。アネットに男を近付けたくないと強く思いました。
サルト領に来てもらえてとても嬉しかった。だけど彼女の心には別の男がいて、その男の子を身籠っていたのです。
身体中が煮えたぎるような苦しみが私を襲いました。でもアネットと離れることだけはできなかった。
思えばこれが本当の恋心なのだと思いました。恋愛小説の中の人物のように愛する人に一喜一憂していたのです。
そう思うと前妻とは恋愛の真似事に過ぎず、逃げるのも当たり前かと恨みも消えました。
今となっては逃げてくれて良かったです。
アネットを妻にできたのですから」
不安そうに見つめるアネットの頬を優しく撫でながらハヴィエルは笑った。
「では、父上は私達のことは苦痛でしたね」
「そう思っていた。産まれたら疎ましく思うのではないかと。
産まれた時は不思議な感じだ。見たことのない生き物に接している感じだった。
私と前妻との間に子はいなかったし、私は潔癖気味で他人の赤子と触れ合う機会なんてなかったから。
それがいつの間にか瞳をパッチリとあけて私を見つめ、私の指を握る。
這うようになれば向かってくるし、歩けるようになれば追いかけてくる。
当然のように私の膝に乗り、食べさせてと口を開ける。膝の上でお漏らしされても吐き戻されても、くしゃみで鼻水が飛んできても、膝に乗せないという判断には至らなかった。
泣き疲れて私の腕の中で眠ったり、本を読んでくれとせがまれたり、熱を出して呼ばれたりしても煩わしいなどと思わなかった。
ある時、乳母に聞いてみた。
私はどうしてしまったのかと。
乳母は大笑いしながら言った。
『いやですわ、おぼっちゃま。
分かっていらっしゃらなかったのですか?
双子に接する時はいつも満面の笑みですよ?
おぼっちゃまにとって血の繋がりなど関係ないのですよ。ご自身が証明しているではありませんか。
涎を垂らされることも、手汗を顔に付けられることも、膝の上でお菓子を食べこぼされることも、おぼっちゃまにとって嫌悪することのはずなのに、毎回膝の上に乗せるのは愛しているからですよ』
その言葉を聞いて自覚した。
神の悪戯か分からないがライアンもミーシェも苦痛などではなかった。
その代わり不安はあった。いつか実の父親の存在を知って彼の方がいいと言われるのではないかと。
アネットの為かもしれないがライアンはサルトを選んでくれた。嬉しかった」
「何でライアンだけ!?酷い!」
「ミーシェ、愛しているよ」
「なんで!止めて!まさか私だけ渡すつもりなの!?」
「これからする話は可能性の話だ。冷静に聞きなさい、ミーシェ」
「皆にも聞いてもらいたい。
ハヴィエル・サルトは次期サルト男爵にライアンを指名する。
本格的な領主教育は卒業後に始める。
皆ライアンの助けになって欲しい。以上」
ハヴィエルが解散をさせ使用人は持ち場に戻る。
「お祖父様、よろしくお願いします」
「サルトは安泰だな。よろしく頼むよ」
前男爵の祖父は笑いながらライアンの肩に手を置いた。
「兄様」
「シーナ」
「学園に行かなきゃ駄目?」
「それは父上に相談しないと」
「兄様はどう思う?」
「入学するまでに学園で学ぶことを終了していれば行かなくても構わないと思うぞ。
淑女教育もな。
でもシーナは今からでは遅過ぎるだろう」
「お勉強してるのに」
「あとは父上と話し合って決めることだよ」
「兄様、僕も相談が」
「いいぞ、ロラン」
「……二人きりでお願いします」
ロランを連れて温室に来た。
「兄様、もし僕とシーナが結婚できたら、サルト領に置いてもらえますか」
「王都に帰らないのか」
「僕はここが好きですし、シーナだってここにいたいと思います。
普通は爵位や持参金のようなものを持たされて王宮から出るのでしょうけど、どんな扱いになるのか分かりません。
ずっとここにいて、王族としては役立たずなので何もなく放り出されるかもしれません」
「サルト領で働くという意味か」
「はい」
「学園は」
「シーナに合わせたいです」
「まあ、ご両親がお許しになるかは分からないが、そんなにシーナを基準にしていて大丈夫か?もしシーナが他の男を、」
「兄様!シーナは僕の天使です!絶対!」
「ロラン」
「兄様、味方になってください。僕はお薦めですよ」
「シーナの気持ちが大事だ」
「そんなこといっても、別の男を選んで浮気されたり蔑ろにされたり困窮したりしたら気持ちなんか無くなりますよ。
それより一途な僕の方が絶対いいです!
しかも兄様に従順じゃないですか!」
「お祖父様、父上、国王陛下、王女夫妻から許しを得ないとシーナと離れてロランは王宮暮らしになるだろう。
今の私は学生でしかない」
「兄様としてはどうですか」
「猫か犬を被ってる蛇のような気もするが、ロランのことは可愛いよ」
「酷いです。もし蛇でも兄様の前では腹を見せますから」
「蛇が腹見せてたら死んでるんじゃないか」
「兄様ぁ、僕を可愛がってください」
「……ロラン、ドレスでも着るか?」
「もう似合いませんよ」
ロランが来たばかりの頃、シーナに近寄る縁戚の令息を威圧して泣かせた罰で一日ドレスを着させたことがあった。
「まだ間に合うぞ」
「何がですか!僕はずっと男です!」
基本的にロランはシーナにべったりくっついているが、ライアンにもよく懐いていた。
教えを乞う時はライアン。相談事もまずライアン。怖い夢を見た時も枕を持ってライアン。
学園が始まると、長期休暇でライアンが帰ってくれば、主人を待っていた犬のようにライアンを出迎え付き纏う。
最初は警戒したロランに対しすっかり絆されてしまったのだ。
どうなるか分からないミーシェを中心に大人達は長期休暇を過ごし、残り一週間となっていた。
「旦那様、お客様が門を通過しました」
「来たか。アネットを呼んでくれ。出迎える」
サルト男爵夫妻が招いたのはサックス侯爵の父だった。
「サルト男爵、お招きいただき感謝申し上げます」
「遠い所までようこそお越しくださいました」
「叔父様、お久しぶりです」
「美しさに磨きがかかったなアネット。
男爵に愛されているんだな」
「はい。大事にしていただいています」
「そうか。安心した」
「どうぞ中へ」
奥の応接間に前侯爵を案内して用を済ませたメイドを退がらせ、代わりに人払いをしながら入室したのは双子だった。
「ライアンとミーシェです。サックス様」
「なんてことだ……似ている。確かに孫だ。
アネット、すまなかった。一人で大変だっただろう」
「それが、妊娠が分かる前は一人で生きていこうと思っていましたし、分かっても子供と生きていこうと思っていました。
ですかハヴィエル様が気にかけてくださり、子供達も勘違いをしてハヴィエル様をパパと呼ぶほど可愛がってくださいました。
私は一人ではありませんでした」
「私は病で視力のほとんどを失い恋愛結婚だと思っていた妻も逃げました。もう誰も娶ることはないだろうと思っていました。目が不自由なことで聴覚や嗅覚が敏感になり、嘘や悪意などが感じ取れるようになってしまったのです。
十年後、偶然アネットに出会った時に彼女から感じたのは優しさと心配でした。
目の不自由な私がベンチを探せずに困っていたところに声をかけてくれたのです。
そのまま話をしていると彼女からは多くの感情が伝わって、助けてあげたいと思いました。そのまま文通を始めて助けられたのは私の方でした。
明日が来るのが楽しみに感じたのです。
明日こそはアネットから手紙が届くと。
怪我を負ったアネットが心配で堪らなくて、やっと会えた時に私に光が差したのです。
私は他人を愛せるようになったのだと。
話を聞いてドロドロとした感情が沸きました。アネットに男を近付けたくないと強く思いました。
サルト領に来てもらえてとても嬉しかった。だけど彼女の心には別の男がいて、その男の子を身籠っていたのです。
身体中が煮えたぎるような苦しみが私を襲いました。でもアネットと離れることだけはできなかった。
思えばこれが本当の恋心なのだと思いました。恋愛小説の中の人物のように愛する人に一喜一憂していたのです。
そう思うと前妻とは恋愛の真似事に過ぎず、逃げるのも当たり前かと恨みも消えました。
今となっては逃げてくれて良かったです。
アネットを妻にできたのですから」
不安そうに見つめるアネットの頬を優しく撫でながらハヴィエルは笑った。
「では、父上は私達のことは苦痛でしたね」
「そう思っていた。産まれたら疎ましく思うのではないかと。
産まれた時は不思議な感じだ。見たことのない生き物に接している感じだった。
私と前妻との間に子はいなかったし、私は潔癖気味で他人の赤子と触れ合う機会なんてなかったから。
それがいつの間にか瞳をパッチリとあけて私を見つめ、私の指を握る。
這うようになれば向かってくるし、歩けるようになれば追いかけてくる。
当然のように私の膝に乗り、食べさせてと口を開ける。膝の上でお漏らしされても吐き戻されても、くしゃみで鼻水が飛んできても、膝に乗せないという判断には至らなかった。
泣き疲れて私の腕の中で眠ったり、本を読んでくれとせがまれたり、熱を出して呼ばれたりしても煩わしいなどと思わなかった。
ある時、乳母に聞いてみた。
私はどうしてしまったのかと。
乳母は大笑いしながら言った。
『いやですわ、おぼっちゃま。
分かっていらっしゃらなかったのですか?
双子に接する時はいつも満面の笑みですよ?
おぼっちゃまにとって血の繋がりなど関係ないのですよ。ご自身が証明しているではありませんか。
涎を垂らされることも、手汗を顔に付けられることも、膝の上でお菓子を食べこぼされることも、おぼっちゃまにとって嫌悪することのはずなのに、毎回膝の上に乗せるのは愛しているからですよ』
その言葉を聞いて自覚した。
神の悪戯か分からないがライアンもミーシェも苦痛などではなかった。
その代わり不安はあった。いつか実の父親の存在を知って彼の方がいいと言われるのではないかと。
アネットの為かもしれないがライアンはサルトを選んでくれた。嬉しかった」
「何でライアンだけ!?酷い!」
「ミーシェ、愛しているよ」
「なんで!止めて!まさか私だけ渡すつもりなの!?」
「これからする話は可能性の話だ。冷静に聞きなさい、ミーシェ」
あなたにおすすめの小説
世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました
由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。
——皇子を産めるかどうか。
けれど私は、産めない。
ならば——
「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」
そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。
毒を盛られても、捨てられず。
皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。
「お前は、ここにいろ」
これは、子を産めない女が
ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。
そして——
その寵愛は、やがて狂気に変わる。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
イリス、今度はあなたの味方
さくたろう
恋愛
20歳で死んでしまったとある彼女は、前世でどハマりした小説、「ローザリアの聖女」の登場人物に生まれ変わってしまっていた。それもなんと、偽の聖女として処刑される予定の不遇令嬢イリスとして。
今度こそ長生きしたいイリスは、ラスボス予定の血の繋がらない兄ディミトリオスと死ぬ運命の両親を守るため、偽の聖女となって処刑される未来を防ぐべく奮闘する。
※小説家になろう様にも掲載しています。
縁の鎖
T T
恋愛
姉と妹
切れる事のない鎖
縁と言うには悲しく残酷な、姉妹の物語
公爵家の敷地内に佇む小さな離れの屋敷で母と私は捨て置かれるように、公爵家の母屋には義妹と義母が優雅に暮らす。
正妻の母は寂しそうに毎夜、父の肖像画を見つめ
「私の罪は私まで。」
と私が眠りに着くと語りかける。
妾の義母も義妹も気にする事なく暮らしていたが、母の死で一変。
父は義母に心酔し、義母は義妹を溺愛し、義妹は私の婚約者を懸想している家に私の居場所など無い。
全てを奪われる。
宝石もドレスもお人形も婚約者も地位も母の命も、何もかも・・・。
全てをあげるから、私の心だけは奪わないで!!
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
冤罪で追放された令嬢〜周囲の人間達は追放した大国に激怒しました〜
影茸
恋愛
王国アレスターレが強国となった立役者とされる公爵令嬢マーセリア・ラスレリア。
けれどもマーセリアはその知名度を危険視され、国王に冤罪をかけられ王国から追放されることになってしまう。
そしてアレスターレを強国にするため、必死に動き回っていたマーセリアは休暇気分で抵抗せず王国を去る。
ーーー だが、マーセリアの追放を周囲の人間は許さなかった。
※一人称ですが、視点はころころ変わる予定です。視点が変わる時には題名にその人物の名前を書かせていただきます。