125 / 173
帝国 王太子レオン(烈火)
しおりを挟む
【 レオンの視点 】
あの後、私もアクエリオンもメディもライアンに惨敗で5分ずつの攻守交代で0対10で完敗だった。
あれでも手を抜いているのだろう。
予想通り、ガブリエルは荒れて酒を飲んだようだ。酔って寝て、晩餐は部屋で取り、また飲みだしたらしい。
国王陛下には説明してエヴァン殿下に知らせないよう頼んでおいた。
サルト夫妻にはライアンが説明してくれた。
アーノルドという使用人が貸し出された。
「王太子殿下、サックス家から受け入れ可能と返事をいただいております」
「ご苦労」
後はガブリエルを待つだけだ。
外の警備は間隔を離し、一番近い者には居眠りのフリをさせた。
私はとライアンはバルコニー。
アクエリオンとメディは隣室、アーノルドは何処かにいるらしい。
『私は私の持ち場で待機する。ミーシェに触れたら斬っていいということで間違いないか』
無礼な口調だがそこに触れる気になれなかった。何でこんな目をした男がサルト家にいるんだ?
まるで闇に引き摺り込まれそうな……まさか。
バルコニーで待っている間、小声でライアンが謝ってきた。
「すみません。アーノルドは私達の子守兼母付きの使用人なんです」
「子守?」
「剣術、弓術、馬術、外国語、その他様々なことを教えてくれたのが彼なのです」
「元近衛と聞いたが」
「はい。エリートなんです」
「暗殺者か……」
「多分室内か天井裏にいますよ。
あ、来ましたね」
そうか。アーノルドは暗殺者を育てたのか。
廊下側の扉が開き、誰かが入って来た。
少し開いた窓の隙間に耳を傾けた。
「へっ、所詮女だ」
寝たフリをするミーシェに跨り何かをしているようだ。
合図はミーシェが送るはずなのに反応がない。まさか本当に寝てしまったのか!?
「堪んねぇ。なんだこの吸い付くような柔らかな乳は」
そこからはもう体が勝手に動いていた。頭が沸騰して、ただあいつを殺すことだけ。
ザシュッ
ズブッ
「ゴボッ」
ドサッ
大きな物音にアクエリオン達が飛び入り、灯りをつける。
「王太子殿下、深呼吸をしてください」
我にかえると血の海だった。
ライアンはミーシェの顔に被せた枕を外した。
返り血を防いだようだ。
ガブリエルは膝を曲げ仰向けにミーシェの足元に倒れ事切れていた。
側でガブリエルの服で暗器を拭くアーノルドがいた。
アーノルドがガブリエルのノドを掻き切って、私が横から胸を刺したようだ。私の剣が刺さっている。
喉の傷が深すぎる。頸椎の際まで切り裂いたようだ。私の剣も心臓部に近い。
次にミーシェに視線を落とすと、胸元は大きくはだけていた。
「何故もっと早く合図を出さなかった!」
「ちょっとくらいじゃダメかと」
「直に触られたのか」
「はい 」
「アクエリオン!外の騎士にメイドを呼ばせて私の部屋とガブリエルとお前の部屋に湯浴みの準備をさせろ!」
「直ぐに」
「ライアン、アーノルド。貴賓室に移るから血が垂れない程度に体や服を拭け。向こうで血を洗い流す。
メディ、後始末を頼む。国王に知らせに行かせてくれ。
帝国の父上にも伝書を。誓約を破り、貴族を犯そうとして私に始末されたと報告して、死体をどうするか聞いて指示通りにしろ」
「お任せください」
「アクエリオン、棚から毛布を取ってくれ」
「レオン殿下、苦しいです」
「其方が見ていいものではない」
アクエリオンの毛布を受け取りぐるぐる巻きにしてミーシェを抱え、貴賓室に移動した。
ライアンをアクエリオンの部屋の風呂に、アーノルドをガブリエルの部屋の風呂に、ミーシェを私の部屋の風呂に入れることにした。
「まあ、まあ、ミーシェ様。怖かったですね。香り付きの泡風呂にしましたから、温まって気分を変えましょう」
毛布からひょっこり顔を出しキョロキョロと部屋を見回すミーシェに怒りの気持ちが一気に引いた。
「いつもありがとう、チェルシー」
「まあ、覚えていてくださったのですね!」
「エヴァンの10歳の誕生日に私の担当をしてくれたもの。覚えているわ。
ゴッドハンドの持ち主だもの」
「ミーシェ、ゴッドハンドとは?」
「チェルシーのマッサージ、凄いのよ!いつの間にか寝ちゃうの」
「お、お嬢様、お言葉が……」
「あ、スゴイノデス、殿下」
「ハハッ、いいんだ、チェルシー。ミーシェには許しているから。早く入っておいで」
「殿下が先に」
「早く入らねば私が湯浴みを手伝うぞ」
「お先です!」
「ククッ」
「兄上……」
「どうした」
「………いえ、一杯飲みますか」
「グラス半分にしてくれ」
「てっきりライアン殿が手を下しているかと思いました」
「アーノルドはライアンの師匠だ。距離的に彼の方が近かった」
浴室からミーシェ達の声が聞こえてくる。
《ミーシェ様、随分とお育ちになられて》
《あの時は11歳だもの》
《こんな芸術のようなお体をなさっておられたなんて。世の女性が羨ましがりますわ》
《大袈裟ね》
《お湯でお流ししますね》
ザーッ
《滑らかな肌をなさってますが秘訣はございますか?》
《特には。サルト領の蜂蜜石鹸を使ってる程度よ》
《上がった後は何を?》
《たまにマッサージの時に付けるけど、基本は湯に入れるのよ。その時々で違うけど、薬草だったり花のエキスだったり、フルーツの時もあるわ》
《まあ、素敵ですわ。
さあ、汚れは洗い流しましたので湯に浸かりましょう》
《いい香り》
《まあまあ、ミーシェ様。これは殿方が放っておきませんわ。素顔がまた可愛過ぎます》
《そんなにお化粧させていないのよ?》
《ちょっとでも映えてしまうのでしょう》
《チェルシー、くすぐったいわ》
《お嬢様のお手伝いができて幸せです》
《ありがとう》
「「………」」
湯浴みから戻ったミーシェを見て驚いた。
化粧を落とすと雰囲気が変わる。
年相応には見えぬほど幼顔でとても愛らしい。だからといって子供に見えるわけではない。睫毛や唇が動く度に何とも言えない気持ちにさせる。
濡れた髪、体から湯上がりの香りが立ち上り私を刺激する。鍛錬着の時も思ったがとても細い。ガウン姿は体の膨らみに柔らかい線が浮き出ていて雄を刺激する。
「洗い流してくるから、寝室で髪を乾かすといい」
「王太子殿下、直ぐに湯を入れ替えます」
「血を洗い流すだけだ。そのままでいい。一人で入る。アクエリオン、見張りを頼む」
「お任せください」
血を洗い流し、湯に浸かった。
ミーシェと同じ香りだ。目を瞑ると先程目に映ったミーシェが浮かんでくる。
はぁ、まずい。
(女を呼ぶか……)
だが、知られたら避けられるかも。
《兄上、ライアン殿を入室させました》
「分かった」
あの後、私もアクエリオンもメディもライアンに惨敗で5分ずつの攻守交代で0対10で完敗だった。
あれでも手を抜いているのだろう。
予想通り、ガブリエルは荒れて酒を飲んだようだ。酔って寝て、晩餐は部屋で取り、また飲みだしたらしい。
国王陛下には説明してエヴァン殿下に知らせないよう頼んでおいた。
サルト夫妻にはライアンが説明してくれた。
アーノルドという使用人が貸し出された。
「王太子殿下、サックス家から受け入れ可能と返事をいただいております」
「ご苦労」
後はガブリエルを待つだけだ。
外の警備は間隔を離し、一番近い者には居眠りのフリをさせた。
私はとライアンはバルコニー。
アクエリオンとメディは隣室、アーノルドは何処かにいるらしい。
『私は私の持ち場で待機する。ミーシェに触れたら斬っていいということで間違いないか』
無礼な口調だがそこに触れる気になれなかった。何でこんな目をした男がサルト家にいるんだ?
まるで闇に引き摺り込まれそうな……まさか。
バルコニーで待っている間、小声でライアンが謝ってきた。
「すみません。アーノルドは私達の子守兼母付きの使用人なんです」
「子守?」
「剣術、弓術、馬術、外国語、その他様々なことを教えてくれたのが彼なのです」
「元近衛と聞いたが」
「はい。エリートなんです」
「暗殺者か……」
「多分室内か天井裏にいますよ。
あ、来ましたね」
そうか。アーノルドは暗殺者を育てたのか。
廊下側の扉が開き、誰かが入って来た。
少し開いた窓の隙間に耳を傾けた。
「へっ、所詮女だ」
寝たフリをするミーシェに跨り何かをしているようだ。
合図はミーシェが送るはずなのに反応がない。まさか本当に寝てしまったのか!?
「堪んねぇ。なんだこの吸い付くような柔らかな乳は」
そこからはもう体が勝手に動いていた。頭が沸騰して、ただあいつを殺すことだけ。
ザシュッ
ズブッ
「ゴボッ」
ドサッ
大きな物音にアクエリオン達が飛び入り、灯りをつける。
「王太子殿下、深呼吸をしてください」
我にかえると血の海だった。
ライアンはミーシェの顔に被せた枕を外した。
返り血を防いだようだ。
ガブリエルは膝を曲げ仰向けにミーシェの足元に倒れ事切れていた。
側でガブリエルの服で暗器を拭くアーノルドがいた。
アーノルドがガブリエルのノドを掻き切って、私が横から胸を刺したようだ。私の剣が刺さっている。
喉の傷が深すぎる。頸椎の際まで切り裂いたようだ。私の剣も心臓部に近い。
次にミーシェに視線を落とすと、胸元は大きくはだけていた。
「何故もっと早く合図を出さなかった!」
「ちょっとくらいじゃダメかと」
「直に触られたのか」
「はい 」
「アクエリオン!外の騎士にメイドを呼ばせて私の部屋とガブリエルとお前の部屋に湯浴みの準備をさせろ!」
「直ぐに」
「ライアン、アーノルド。貴賓室に移るから血が垂れない程度に体や服を拭け。向こうで血を洗い流す。
メディ、後始末を頼む。国王に知らせに行かせてくれ。
帝国の父上にも伝書を。誓約を破り、貴族を犯そうとして私に始末されたと報告して、死体をどうするか聞いて指示通りにしろ」
「お任せください」
「アクエリオン、棚から毛布を取ってくれ」
「レオン殿下、苦しいです」
「其方が見ていいものではない」
アクエリオンの毛布を受け取りぐるぐる巻きにしてミーシェを抱え、貴賓室に移動した。
ライアンをアクエリオンの部屋の風呂に、アーノルドをガブリエルの部屋の風呂に、ミーシェを私の部屋の風呂に入れることにした。
「まあ、まあ、ミーシェ様。怖かったですね。香り付きの泡風呂にしましたから、温まって気分を変えましょう」
毛布からひょっこり顔を出しキョロキョロと部屋を見回すミーシェに怒りの気持ちが一気に引いた。
「いつもありがとう、チェルシー」
「まあ、覚えていてくださったのですね!」
「エヴァンの10歳の誕生日に私の担当をしてくれたもの。覚えているわ。
ゴッドハンドの持ち主だもの」
「ミーシェ、ゴッドハンドとは?」
「チェルシーのマッサージ、凄いのよ!いつの間にか寝ちゃうの」
「お、お嬢様、お言葉が……」
「あ、スゴイノデス、殿下」
「ハハッ、いいんだ、チェルシー。ミーシェには許しているから。早く入っておいで」
「殿下が先に」
「早く入らねば私が湯浴みを手伝うぞ」
「お先です!」
「ククッ」
「兄上……」
「どうした」
「………いえ、一杯飲みますか」
「グラス半分にしてくれ」
「てっきりライアン殿が手を下しているかと思いました」
「アーノルドはライアンの師匠だ。距離的に彼の方が近かった」
浴室からミーシェ達の声が聞こえてくる。
《ミーシェ様、随分とお育ちになられて》
《あの時は11歳だもの》
《こんな芸術のようなお体をなさっておられたなんて。世の女性が羨ましがりますわ》
《大袈裟ね》
《お湯でお流ししますね》
ザーッ
《滑らかな肌をなさってますが秘訣はございますか?》
《特には。サルト領の蜂蜜石鹸を使ってる程度よ》
《上がった後は何を?》
《たまにマッサージの時に付けるけど、基本は湯に入れるのよ。その時々で違うけど、薬草だったり花のエキスだったり、フルーツの時もあるわ》
《まあ、素敵ですわ。
さあ、汚れは洗い流しましたので湯に浸かりましょう》
《いい香り》
《まあまあ、ミーシェ様。これは殿方が放っておきませんわ。素顔がまた可愛過ぎます》
《そんなにお化粧させていないのよ?》
《ちょっとでも映えてしまうのでしょう》
《チェルシー、くすぐったいわ》
《お嬢様のお手伝いができて幸せです》
《ありがとう》
「「………」」
湯浴みから戻ったミーシェを見て驚いた。
化粧を落とすと雰囲気が変わる。
年相応には見えぬほど幼顔でとても愛らしい。だからといって子供に見えるわけではない。睫毛や唇が動く度に何とも言えない気持ちにさせる。
濡れた髪、体から湯上がりの香りが立ち上り私を刺激する。鍛錬着の時も思ったがとても細い。ガウン姿は体の膨らみに柔らかい線が浮き出ていて雄を刺激する。
「洗い流してくるから、寝室で髪を乾かすといい」
「王太子殿下、直ぐに湯を入れ替えます」
「血を洗い流すだけだ。そのままでいい。一人で入る。アクエリオン、見張りを頼む」
「お任せください」
血を洗い流し、湯に浸かった。
ミーシェと同じ香りだ。目を瞑ると先程目に映ったミーシェが浮かんでくる。
はぁ、まずい。
(女を呼ぶか……)
だが、知られたら避けられるかも。
《兄上、ライアン殿を入室させました》
「分かった」
161
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは、聖女。
――それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王によって侯爵領を奪われ、没落した姉妹。
誰からも愛される姉は聖女となり、私は“支援しかできない白魔導士”のまま。
王命により結成された勇者パーティ。
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い。
そして――“おまけ”の私。
前線に立つことも、敵を倒すこともできない。
けれど、戦場では支援が止まれば人が死ぬ。
魔王討伐の旅路の中で知る、
百年前の英雄譚に隠された真実。
勇者と騎士、弓使い、そして姉妹に絡みつく過去。
突きつけられる現実と、過酷な選択。
輝く姉と英雄たちのすぐ隣で、
「支えるだけ」が役割と思っていた少女は、何を選ぶのか。
これは、聖女の妹として生きてきた“おまけ”の白魔導士が、
やがて世界を支える“要”になるまでの物語。
――どうやら、私がいないと世界が詰むようです。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー編 32話
第二章:討伐軍編 32話
第三章:魔王決戦編 36話
※「カクヨム」、「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる