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続編:シャルルと王女
ベスパス王国
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二つ先の国ベスパス王国から迎えの馬車がヘインズ邸に到着した。
両親が先に挨拶をすると、1人一歩前に出た。
「我々はベスパス王国よりパリサ王女殿下の婚約者をお迎えに上がりました。世話人のダオス・ヨーランと申します。婚姻後はシャルル様の近侍としてお仕えいたします」
「よろしくお願いします」
「シャルル様、敬語はけっこうです。
支度はお済みでしょうか」
「荷造りは終えてそこに置いてあるよ」
パチン
ダオスが合図すると兵士達が荷物を馬車に積み始めた。
彼らは昨日到着していて王宮に挨拶に行き、王都の宿に泊まって翌日の朝に迎えに来た。この流れは事前に手紙で教えてもらってはいたが、なんだかあっけないというか、こんな簡単に連れて行かれることに戸惑った。
「シャルル、相手は王族だからな」
「馬鹿なことはしないでね」
「分かっています。父上、母上、お世話になりました」
それだけ言って馬車に乗った。
1ヶ月以上の観光と思いたかったが、尾骶骨は痛いし腰や背中も張って痛かった。あまり遠出をしたことがなかったな。せいぜい領地に行くくらいだったからな。到着する頃には死んでるかもしれないなんて思えてきた。だけど彼らは親切だった。
「ここは少し大きな町ですので2泊します」
「2泊?」
「間隔は3、4日移動して大きめの町で2泊して疲れを少しでも取っていただきます。途中も野宿がないように努めますがもしものときはお許しください。町を散策したいときはお申し付けください」
「ありがとう、助かるよ」
部屋食にしてもらえたし、夜にマッサージを頼んでいてくれた。最後は尻や腰や背中に鎮痛作用のある薬草をすり潰したものを布に塗って貼ってくれた。うつ伏せで眠り、朝起きると痛みはなくなっていた。翌日は少しだけ町を歩いた。2日目もマッサージを頼んでもらえた。
当然整備がされていない道も多い。悪路の翌日は2泊させてもらえた。揺れ過ぎて全身が痛かった。バランスを取ろうとするだけで筋肉痛だ。
そんなことを繰り返しやっと到着した。
馬車から降りると出迎えの中に王女らしき人がいた。
結局到着まで見込みの3倍の日数がかかった。2泊したり休憩も多かったから仕方ないんだけど。
それでも長い旅に疲れていて今から相手をするのかと溜息が出そうだったが、いつもの微笑みを振り撒いた。
「シャルル様、初めまして。第四王女パリサです」
「初めまして、パリサ王女殿下。シャルル・ヘインズと申します。至らぬ部分が多いかと存じますが何卒よろしくお願い申し上げます」
「パリサと呼んでください」
「…パリサ様」
「様も入りません」
「今はまだパリサ様と呼ばせてください」
「わかりましたわ」
僕は他国の伯爵家の息子。王女を呼び捨てにして他の王族に不敬を問われたら困る。
「お部屋に案内しますわ。もう一度馬車に乗ってください。ルビー宮へ向かいます」
馬車の中に戻り、パリサ王女と侍女も乗り込み移動した。どうやら王女専用の宮へ向かうらしい。
到着し部屋に案内された。妻の部屋と夫の部屋の間に夫婦の寝室があって内扉で繋がっていた。
夫の部屋に案内された。広くて豪華な部屋だった。
「3日間は休んでください。4日後の午前中に父達との挨拶の時間用意しています。長旅でしたので体調を整えてください。
食事の後に医師を来させます。簡単な診察をします。何か不安や症状があれば伝えてください。
その後は湯浴みとマッサージ、そして就寝です。こちらのシャルル様のお部屋でおやすみください」
「ありがとうございます」
意外だった。もっと付き纏うのかと思ったら体を気遣ってくれた。助かったと思ったし素直に嬉しかった。
3日間、ゆっくり休むことができた。王女は朝食が終わった頃に顔を出して挨拶をし要望がないか聞いて退室する。接触は毎日その数分だけだった。
そこで不安になった。王女の一目惚れでこの縁談が成立したというのは間違いなんじゃないか。だとしたら僕はどうしたらいいんだ?
手触りも良く刺繍も美しいカーテンを開けると庭園が広がっている。王女のための庭園だろう。花でいっぱいだ。
部屋の中を見渡すとベッドもソファもテーブルも何もかも上質だし、シーツも身に纏うものもとても手触りがいい。食事も美味しいし種類を多くしてくれていた。
大事にもてなされているのがわかった。
4日目の朝、食事が終わると王女が現れた。
「おはようございます、シャルル様」
「おはようございます、パリサ様」
「よく眠れましたか?」
「はい」
「何か問題や要望はありますか?」
「ありません」
「少しお話しをしたいのですが、お時間をいただいてもよろしいでしょうか」
「どうぞ」
「2時間後の顔合わせの前に確認させてください。
国王陛下である父と会った後に婚姻を覆すことは叶いません。本当にこのまま進めてもいいのでしょうか」
何いってるんだ?
「やめるのなら今のうちです」
パリサ王女は真剣な顔で言った。
両親が先に挨拶をすると、1人一歩前に出た。
「我々はベスパス王国よりパリサ王女殿下の婚約者をお迎えに上がりました。世話人のダオス・ヨーランと申します。婚姻後はシャルル様の近侍としてお仕えいたします」
「よろしくお願いします」
「シャルル様、敬語はけっこうです。
支度はお済みでしょうか」
「荷造りは終えてそこに置いてあるよ」
パチン
ダオスが合図すると兵士達が荷物を馬車に積み始めた。
彼らは昨日到着していて王宮に挨拶に行き、王都の宿に泊まって翌日の朝に迎えに来た。この流れは事前に手紙で教えてもらってはいたが、なんだかあっけないというか、こんな簡単に連れて行かれることに戸惑った。
「シャルル、相手は王族だからな」
「馬鹿なことはしないでね」
「分かっています。父上、母上、お世話になりました」
それだけ言って馬車に乗った。
1ヶ月以上の観光と思いたかったが、尾骶骨は痛いし腰や背中も張って痛かった。あまり遠出をしたことがなかったな。せいぜい領地に行くくらいだったからな。到着する頃には死んでるかもしれないなんて思えてきた。だけど彼らは親切だった。
「ここは少し大きな町ですので2泊します」
「2泊?」
「間隔は3、4日移動して大きめの町で2泊して疲れを少しでも取っていただきます。途中も野宿がないように努めますがもしものときはお許しください。町を散策したいときはお申し付けください」
「ありがとう、助かるよ」
部屋食にしてもらえたし、夜にマッサージを頼んでいてくれた。最後は尻や腰や背中に鎮痛作用のある薬草をすり潰したものを布に塗って貼ってくれた。うつ伏せで眠り、朝起きると痛みはなくなっていた。翌日は少しだけ町を歩いた。2日目もマッサージを頼んでもらえた。
当然整備がされていない道も多い。悪路の翌日は2泊させてもらえた。揺れ過ぎて全身が痛かった。バランスを取ろうとするだけで筋肉痛だ。
そんなことを繰り返しやっと到着した。
馬車から降りると出迎えの中に王女らしき人がいた。
結局到着まで見込みの3倍の日数がかかった。2泊したり休憩も多かったから仕方ないんだけど。
それでも長い旅に疲れていて今から相手をするのかと溜息が出そうだったが、いつもの微笑みを振り撒いた。
「シャルル様、初めまして。第四王女パリサです」
「初めまして、パリサ王女殿下。シャルル・ヘインズと申します。至らぬ部分が多いかと存じますが何卒よろしくお願い申し上げます」
「パリサと呼んでください」
「…パリサ様」
「様も入りません」
「今はまだパリサ様と呼ばせてください」
「わかりましたわ」
僕は他国の伯爵家の息子。王女を呼び捨てにして他の王族に不敬を問われたら困る。
「お部屋に案内しますわ。もう一度馬車に乗ってください。ルビー宮へ向かいます」
馬車の中に戻り、パリサ王女と侍女も乗り込み移動した。どうやら王女専用の宮へ向かうらしい。
到着し部屋に案内された。妻の部屋と夫の部屋の間に夫婦の寝室があって内扉で繋がっていた。
夫の部屋に案内された。広くて豪華な部屋だった。
「3日間は休んでください。4日後の午前中に父達との挨拶の時間用意しています。長旅でしたので体調を整えてください。
食事の後に医師を来させます。簡単な診察をします。何か不安や症状があれば伝えてください。
その後は湯浴みとマッサージ、そして就寝です。こちらのシャルル様のお部屋でおやすみください」
「ありがとうございます」
意外だった。もっと付き纏うのかと思ったら体を気遣ってくれた。助かったと思ったし素直に嬉しかった。
3日間、ゆっくり休むことができた。王女は朝食が終わった頃に顔を出して挨拶をし要望がないか聞いて退室する。接触は毎日その数分だけだった。
そこで不安になった。王女の一目惚れでこの縁談が成立したというのは間違いなんじゃないか。だとしたら僕はどうしたらいいんだ?
手触りも良く刺繍も美しいカーテンを開けると庭園が広がっている。王女のための庭園だろう。花でいっぱいだ。
部屋の中を見渡すとベッドもソファもテーブルも何もかも上質だし、シーツも身に纏うものもとても手触りがいい。食事も美味しいし種類を多くしてくれていた。
大事にもてなされているのがわかった。
4日目の朝、食事が終わると王女が現れた。
「おはようございます、シャルル様」
「おはようございます、パリサ様」
「よく眠れましたか?」
「はい」
「何か問題や要望はありますか?」
「ありません」
「少しお話しをしたいのですが、お時間をいただいてもよろしいでしょうか」
「どうぞ」
「2時間後の顔合わせの前に確認させてください。
国王陛下である父と会った後に婚姻を覆すことは叶いません。本当にこのまま進めてもいいのでしょうか」
何いってるんだ?
「やめるのなら今のうちです」
パリサ王女は真剣な顔で言った。
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