上 下
4 / 52

④救出作戦開始!!

しおりを挟む
「時間がない。お前には3つ、聞きたいことがある。」
妹に意識を向ける。

「何?」

「一つ目! 
この世界のベースはお前がやっていたゲーム。でも、進行具合や関係性はまるで別物。間違いないな?」

「うん! 私達は正々堂々と自分の魅力を上げる勝負をしていた。処刑なんて絶対にありえない!!」


「わかった。じゃあ、二つ目!
あの上から見下ろしているのが王太子とヒロインか?」

「・・・そうだよ。ライリー王太子とレミーちゃん。間違いないよ。」


「OK!じゃあ、最後に3つ目。
王太子達の後ろに控えている奴らは誰だ?」

「後ろ?
嘘っ・・・何で?」
俺の質問に妹の声が震えた。
俺に言われるまで、その存在に気がついていなかったようだ。

「あの人達は・・・攻略対象者達だよ。
でも、何で?
これじゃあ、まるで・・・」

「逆ハーレムルートみたいだってか?」

「ないはずなのに! このゲームに、逆ハーレムルートはないはずなのに!!」


爽やかな乙女ゲームのはずが、デンジャラス&ドロドロ。

逆ハーレムルートがないはずなのに、逆ハーレムルートが進行中。


嫌な予感しかしない。



俺は、次、マリアに話しかけた。


「マリアにも聞きたいことが3つある。」
「何でしょう?」


「一つ目!
どうしても、フィーナを助けたいか?」

「はい!」
迷いのない返事。


「二つ目!
俺はこの世界では体がない。だから、お前の体を使わせてもらうしかない。
つまり、これから俺がやることは、『お前がやったこと』になる。
危険もあるし、家にも迷惑がかかるかもしれない。

・・・それでもいいか?」


貴族や王族には、守らなければいけないものが沢山ある。なかなか自分の意思だけでは動けないことを、俺は知っている。


しかし



「構いません!
責任は全て私が負います。
フィーナを助けてください!」


俺は息を呑んだ。
まさか、これほどの決意とは。


「マリア・・・さん。あなた、すごいな。
・・・そのあなたにここまで思われているフィーナ、絶対に助けたくなったよ。」


「じゃあ、3つ目・・・最後の質問だ。

蹴りとパンチ、どっちがいい?」



「えっ?」

「OK!  両方だな?」


「えぇっ??」


さあ、救出作戦開始だ!!
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

トラブルに愛された夫婦!三時間で三度死ぬところやったそうです!

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:49pt お気に入り:34

そらのとき。~雨上がりの後で~

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:2

自由に語ろう!「みりおた」集まれ!

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:35pt お気に入り:22

運命の番を見つけることがわかっている婚約者に尽くした結果

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,846pt お気に入り:295

処理中です...