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ざまあ、してみたかったな
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「どうにかしないと!!」
私ことナタリア・シェフィールドは焦っていた。
「お嬢様。公爵令嬢ともあろう方がはしたないですよ。」
私付きのメイドであるサリーが告げてきた。
「しょうがないでしょう!!」
サリーは私のメイドでもあるが昔馴染みでもある。
二人きりの時は私も素でしゃべってしまう。
「王太子が急にパーティーをやるなんて言い出したのよ。クラスメイトをみんな呼んで! もちろん、あの女も呼んでよ!!」
あの女。
マリア・エバンス・・・あの平民の娘が現れてから私の人生はメチャクチャだ。
私の婚約者である王太子は、特例入学してきたマリアに夢中になってしまった。
そして、彼女と結ばれるために私との婚約破棄を願うようになったらしい。
一月前くらいからは取り巻きを使って、私の悪事の証拠集めすらしているようだ。
私はマリアに対する悪事など何もしていない。
正直、あんな女に骨抜きにされた時点で見限った。嫉妬心なんてない。
ただ、私の取り巻きが勝手にマリアに何かをする可能性はあるし、そもそも証拠を捏造してくる可能性さえある。
王家を敵にするのは恐ろしい。
私だけでなく、家のみんなさえ巻き込んでしまうかもしれない。
「どうしよう・・・」
「お嬢様、もうお時間です。」
「あああぁぁ」
「お嬢様、はしたないですよ。」
「どうして、サリーはそんなに冷静なの!?」
「そんな些細なことはどうでもいいので。さあ、馬車にお乗りください。」
そして
パーティー会場に着くと、王太子がすぐに私のもとにやってきて・・・頭を下げた。
「申し訳ない、ナタリア。どうか私と婚約破棄をしてくれ。悪いのは全て私だ。」
「えっ?」
ナンデスト?
「クラスのみんなを呼んだのは、私が悪いということを、みんなにも正しく認識してもらうためだ。」
マリアも私のそばに来た。
「ナタリア様、不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。」
謝罪と共に、深く頭を下げてきた。
「婚約破棄は正直予想してましたが・・・私を断罪しようとされていたのでは?」
「何の話だ?」
「例えば私がマリアさんをいじめていた証拠を探していたと聞きましたが。」
「聡明な君がいじめなどするはずがないだろう?」
「・・・」
「もしかしたら、誰かが勝手に動いたのかもしれない。あれだけ、『彼女はそんな愚かなことはしない』と言ったのにな。
申し訳ないことをした。謝罪する。」
「・・・承知いたしました。」
「それにしても。ナタリアも酷いな。私が別の女性を侍らせながら、婚約者を断罪するような恥知らずだと思っていたのか?」
「いや・・・」
「まあ、長年の婚約者に対して婚約破棄を願い出ているだけでも恥知らずには違いないが。」
正直、リアクションに困る。
「だから、王太子の身分は失った。」
「・・・」
話の展開が早すぎてついていけない。
「父にマリアとの話をしたところ、マリアを選んだら勘当だと。だから、私はもう王太子ではなくなった。」
とんでもないカミングアウトなのに、クラスメイトの誰も驚いていない。
どういうこと?
パニックに陥っている私にサリーが話かけてきた。
「お嬢様。つまり、お嬢様以外は皆、こうなることがわかっていたのです。」
「・・・どういうことなの?」
「マリアさんに惚れてしまったとはいえ、元々聡明な王太子がナタリア様に無体なことをされるはずがないのです。そして、マリア様を諦めない以上、こうなることはわかっていました。」
「私だけわかっていなかったの?」
「怯え損です。」
ウグゥ!
・・・コノドクゼツメイドメ
「そもそも、何で皆さんのお人柄をご存知なのに、断罪されるなんて思い込まれたのですか?」
「・・・」
「大丈夫です、お嬢様。お嬢様は断罪などされません。ただ、王太子という身分とお嬢様を合わせても、マリア様に及ばなかったというだけのことです。ククク。」
「・・・」
全部わかった。
「全部あなたの仕業ね!!
貴方に紹介された本、令嬢破滅本が多かった!!
あれで『断罪』って考えをすり込んだのね!
後、私に入る情報も操作したでしょう!
もしかしたら、王太子が私の悪事の証拠を探しているってのも嘘だった!?
ねえ、何が目的でこんなことをしたの!?」
サリーがニコッと笑顔を浮かべた。
「お嬢様の怯え顔が見たかったからです。
可愛かったですよ🎵」
プッチーーン!
ついに、私の堪忍袋の緒が切れた。
「この腹黒メイド~~~!!」
「お嬢様。ここで五年前にした『私のおやつをつまみ食いした償いとして、一回だけ私が悪戯をしても怒らないという約束』の行使を宣言します。」
「なっ! そんな古いことをいまさら。しかも、私の恥ずかしい過去をみんなの前で!!」
「約束は約束ですよ、お嬢様。」
みんなが「仲がいいなぁ」といった、温かい目で見てくるのがツライ。
この腹黒メイドめ。
思い返せば、何度もこうやってやり込められている。
オノレ
今回こそ
ざまあしてみたかったな。
ツギコソ!
「無理です、お嬢様🎵」
私ことナタリア・シェフィールドは焦っていた。
「お嬢様。公爵令嬢ともあろう方がはしたないですよ。」
私付きのメイドであるサリーが告げてきた。
「しょうがないでしょう!!」
サリーは私のメイドでもあるが昔馴染みでもある。
二人きりの時は私も素でしゃべってしまう。
「王太子が急にパーティーをやるなんて言い出したのよ。クラスメイトをみんな呼んで! もちろん、あの女も呼んでよ!!」
あの女。
マリア・エバンス・・・あの平民の娘が現れてから私の人生はメチャクチャだ。
私の婚約者である王太子は、特例入学してきたマリアに夢中になってしまった。
そして、彼女と結ばれるために私との婚約破棄を願うようになったらしい。
一月前くらいからは取り巻きを使って、私の悪事の証拠集めすらしているようだ。
私はマリアに対する悪事など何もしていない。
正直、あんな女に骨抜きにされた時点で見限った。嫉妬心なんてない。
ただ、私の取り巻きが勝手にマリアに何かをする可能性はあるし、そもそも証拠を捏造してくる可能性さえある。
王家を敵にするのは恐ろしい。
私だけでなく、家のみんなさえ巻き込んでしまうかもしれない。
「どうしよう・・・」
「お嬢様、もうお時間です。」
「あああぁぁ」
「お嬢様、はしたないですよ。」
「どうして、サリーはそんなに冷静なの!?」
「そんな些細なことはどうでもいいので。さあ、馬車にお乗りください。」
そして
パーティー会場に着くと、王太子がすぐに私のもとにやってきて・・・頭を下げた。
「申し訳ない、ナタリア。どうか私と婚約破棄をしてくれ。悪いのは全て私だ。」
「えっ?」
ナンデスト?
「クラスのみんなを呼んだのは、私が悪いということを、みんなにも正しく認識してもらうためだ。」
マリアも私のそばに来た。
「ナタリア様、不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。」
謝罪と共に、深く頭を下げてきた。
「婚約破棄は正直予想してましたが・・・私を断罪しようとされていたのでは?」
「何の話だ?」
「例えば私がマリアさんをいじめていた証拠を探していたと聞きましたが。」
「聡明な君がいじめなどするはずがないだろう?」
「・・・」
「もしかしたら、誰かが勝手に動いたのかもしれない。あれだけ、『彼女はそんな愚かなことはしない』と言ったのにな。
申し訳ないことをした。謝罪する。」
「・・・承知いたしました。」
「それにしても。ナタリアも酷いな。私が別の女性を侍らせながら、婚約者を断罪するような恥知らずだと思っていたのか?」
「いや・・・」
「まあ、長年の婚約者に対して婚約破棄を願い出ているだけでも恥知らずには違いないが。」
正直、リアクションに困る。
「だから、王太子の身分は失った。」
「・・・」
話の展開が早すぎてついていけない。
「父にマリアとの話をしたところ、マリアを選んだら勘当だと。だから、私はもう王太子ではなくなった。」
とんでもないカミングアウトなのに、クラスメイトの誰も驚いていない。
どういうこと?
パニックに陥っている私にサリーが話かけてきた。
「お嬢様。つまり、お嬢様以外は皆、こうなることがわかっていたのです。」
「・・・どういうことなの?」
「マリアさんに惚れてしまったとはいえ、元々聡明な王太子がナタリア様に無体なことをされるはずがないのです。そして、マリア様を諦めない以上、こうなることはわかっていました。」
「私だけわかっていなかったの?」
「怯え損です。」
ウグゥ!
・・・コノドクゼツメイドメ
「そもそも、何で皆さんのお人柄をご存知なのに、断罪されるなんて思い込まれたのですか?」
「・・・」
「大丈夫です、お嬢様。お嬢様は断罪などされません。ただ、王太子という身分とお嬢様を合わせても、マリア様に及ばなかったというだけのことです。ククク。」
「・・・」
全部わかった。
「全部あなたの仕業ね!!
貴方に紹介された本、令嬢破滅本が多かった!!
あれで『断罪』って考えをすり込んだのね!
後、私に入る情報も操作したでしょう!
もしかしたら、王太子が私の悪事の証拠を探しているってのも嘘だった!?
ねえ、何が目的でこんなことをしたの!?」
サリーがニコッと笑顔を浮かべた。
「お嬢様の怯え顔が見たかったからです。
可愛かったですよ🎵」
プッチーーン!
ついに、私の堪忍袋の緒が切れた。
「この腹黒メイド~~~!!」
「お嬢様。ここで五年前にした『私のおやつをつまみ食いした償いとして、一回だけ私が悪戯をしても怒らないという約束』の行使を宣言します。」
「なっ! そんな古いことをいまさら。しかも、私の恥ずかしい過去をみんなの前で!!」
「約束は約束ですよ、お嬢様。」
みんなが「仲がいいなぁ」といった、温かい目で見てくるのがツライ。
この腹黒メイドめ。
思い返せば、何度もこうやってやり込められている。
オノレ
今回こそ
ざまあしてみたかったな。
ツギコソ!
「無理です、お嬢様🎵」
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